音楽偏遊 -22ページ目

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

この日、東京に雪を積もらせた先日までの曇天が嘘のように晴れ上がった。空気は冷たくキリリと透き通る。高く青々とした空を見上げ、誰よりも安堵したのは斉藤麻里だったかもしれない。

昨年9月21日、台風15号が東京を直撃した。斉藤麻里が一段の飛躍を期して臨んだ、O-Crestワンマン当日だった。コツコツと半年以上前からライブや路上でSOLDOUT目指しチケットを手売りしてきた。そしてついにライブ前夜に230枚を売り切った。きっと興奮は最高潮に達し、意気あがっていた事だろう。

一方で、何日も前から日本列島に沿って大型台風がゆっくり東京に近づいていた。だが、まさかあんな事になるとは誰も考えていなかっただろう。

朝方の天気予報で、台風が夕方にも首都圏上空を通過することがわかってきた。昼過ぎには雨も風も強くなっていた。そして不穏な予感が、彼女らが予定通り会場リハに入る頃、にわかに頭をもたげてきた。まず東海道線が止まり、コーラスを頼んでいた飯田舞が来れなくなったのだ。しかも、時間を追うごとに運行休止する路線が一つひとつ増えていく。

斉藤麻里や彼女をバックアップするガジャG、アランヒルズ匠、村上通、コーラス木下直子らは、O-crestの中でリハを進めていたころ、事態がどんどん悪化していった。午後4時過ぎになると総武・横須賀線も止まり、京葉線も、京浜東北線も、中央線も、京急も、東急も、西武も、東武も、小田急も順次止まっていく。午後6時ごろには山手線までも運休に。渋谷の道玄坂では街路樹が倒壊、走行中だったタクシーを押しつぶし、道路を完全に遮断するほどの事態になっていた。

ライブが始まる午後7時。会場のO-crestにたどり着けたのは僅か30人ほど。開演の30分ほど前に、彼女は悲しい決断を下していた。公演中止。あれほど長い期間、努力を積み上げ、彼女はここまでたどり着いたというのに。暴風雨のなか、それでも会場に来たファンのために物販だけは実施した。わざわざ製作したステージタオルや、オリジナルTシャツが積まれていた。

そして、この日、華々しくリリースする予定だった新アルバム「Melody」も。

斉藤麻里は来てくれたお客さん一人ひとりに感謝の言葉を述べ、握手した。ぼろぼろ涙をこぼしながら。

2011年の1年間で、その当日に、東京で天災により公演中止に追い込まれたライブは多分、たったの2日しかなかっただろう。3月11日とこの9月21日だ。その日に当たるとは。しかも、物販でみんなが彼女を慰め、励ましたあと、8時ごろに外に出るとすでに台風一過。雨はやみ、鉄道のダイヤこそ乱れていたが、渋谷の街はいつもと変わらぬ賑やかさを取り戻していた。わずか数時間、台風がずれていたら、きっとライブを中止する必要はなかったのだ。

晴れ   晴れ   晴れ
長々と書いてしまったが、無念の涙を呑んだその日から4ヶ月。

年をまたぎ、この1月26日を迎え、斉藤麻里のO-crestワンマン振替公演「STEP BY STEP~明日を照らすファンファーレ~」が開かれた。このライブにかける斉藤麻里の意気込みといったら、すごいものがあった。物販には、改めて作りなおしたオリジナルTシャツが並んでいたが、ほぼ踏襲したデザインの中で違っていたのは、胸の中央に「revenge」の文字が入っていたことだ。リベンジ=復讐。この文字をあえて付け加えた斉藤麻里の想いの大きさを感じた。

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そして始まったリベンジワンマン。

1曲目に斉藤麻里が選んだ曲は、彼女の曲の中で最もアッパーな「ダイブ」!「みんな一緒に盛り上がっていこー!!」と、出だしからハイテンション。がんがん攻める。

公演中にきっと泣くだろうな、と思ってた。彼女が泣いたら、もらい泣きするな、とも思ってた。しかし、アンコール曲の途中でこみ上げた素振りを少しみせただけで、斉藤麻里はこの「ダイブ」で作った高いテンションで、最後まで笑顔いっぱいに駆け抜けた。

歌いたくて、歌いたくて、しょうがなかったこの日のステージ。泣いてなんかいられるか!心から楽しもう!そんな気合いが、彼女のステージから伝わってくる。いきいきとして、楽しげで、バンドメンバーと、お客さんと、一体になってこの祭典を盛り上がろうと貪欲でさえある彼女の姿があった。

個人的には、あらためて「タイムカプセル」に感動。「昨年1年間、活動10年ということでこの歌を大切にたくさん歌ってきました」と紹介し歌い始めたミドルバラードのこの曲は、ダイブのように盛り上げはしないが、その歌詞が突き刺さる。音譜自分に見えてないものが人には見えてるのかな~のうのうと生きていただけ、のうのうと生きていただけ、息していただけ~絶望の中で大人になりたかった音譜

斉藤麻里の曲はドラマのようだ。普通の女の子の心に潜む感情を、ささやかなストーリーの中に描きだす。

感受性と鋭い感性が、その詩に感じられる。主人公は彼女自身のようで、ほかのどんな女の子でもある。だから、広く多くの人に受け入れられるのだと思う。

それを「ダイブ」でアゲアゲに、「まばたきシャッター」ではポップに、「夕焼けセンチメンタル」では切なく、「あした映画を見に行こう」では希望に満ちて、という具合に多彩な表情でつづっていく。その楽曲と、明るく力強い彼女の声が見事にマッチして、共感が広がる。

アンコールを含めて全17曲。オールスタンディングの客席は、いっぱいのお客さんで揺れ続けてた。


今夜のバンドメンバーは、昨年9月21日と全く同じ顔ぶれ。あの日、あの場で彼女の涙をみて、このリベンジを成就させてやろうと男気を感じてない訳がない。しかも4ヶ月の熟成期間もあったから、一体感は一段と高まり、バンドしてたねー。

ドラムのガジャGの表情はよく見えずBa.塩崎喬浩の表情判らなかったが、フロントのギター井出匠とキーボード村上通は、一緒に心から楽しもう、という表情。彼らの出す音が踊っていた。

そして、途中から呼び込まれたゲストコーラスの2人、木下直子と飯田舞の素晴らしいハモりといったら。それぞれソロで活躍するシンガーだが、共に斉藤麻里が親友と呼ぶ存在。彼女が燃焼しつくせるよう、できる限り支えて上げたいという優しさが、ステージ上のやりとりから感じられた。

敢えてもう一つ言いたいのは、この日の木下直子はセクシーだった(笑)長い髪をクルクル内巻きにして、ポインターシスターズのような雰囲気。そして、際立つコーラスワークで斉藤麻里の歌の次元を引き上げていた。素晴らしい!

しかも、2人の役割はコーラスだけでは無かった。今夜一番の企画が「Melody」恒例の
音譜ヘイ、ヘイ、ヘイ、ヘーイ、ヘーイ
音譜をなんとお客さんにハモらせようという試み。やはり出ました学園天国、JiminyCricketに続き今夜2度目だ(笑)。

お客さんを木下組、斉藤組、飯田組の三つに分けて3パートを練習。本番やっちゃうというもの。ウヒョー。それぞれの組長の音頭のもと、木下組がトップノート、麻里ちゃん組が主旋律、飯田組が低音を響かせるのだが、僕のいた木下組はなかなか優秀で、お客さんみなうまい(笑)飯田組の声は会場の反対側だったせいかw、よく聞こえなかったにひひ

そして、その他にも、麻里ちゃんを応援しようと彼女の音楽仲間が多数会場に駆けつけていた。僕が判っただけでも、少なくとも7人のシンガー、3人のギタリスト、ドラマー1人が会場の後ろの方から声援を送っていた。きっともっといただろう。皆に愛されている。

【セットリスト】
1)ダイブ
2)晴れた日の雨
3)サイクル
4)タイムカプセル
5)夕焼けセンチメンタル
6)君はくもりが似合う
7)baby lovesong
8)魔法のバンドエイド
9)また会いましょう
10)うそつき
11)瞬きシャッター
12)僕はドラッカー
13)going up
14)メロディ
15)明日映画を見に行こう

アンコール
16)ハレルヤ!
17)ハッピーナイト

最後はみんなで「ハッピーナイト」で、幸せな気持ちいっぱいに。満足感溢れる充実のワンマンだった。

おっと忘れていた。今夜は重大発表がありました。「ちょうど1年後、来年、2013年の1月26日、斉藤麻里は渋谷O-WESTでワンマンやっちゃいます!!」どーんアップ

O-WESTのキャパはクレストの倍、500人だ。Step by Stepビックリマーク 一歩ずつ階段を上る決意を明らかにした時から、彼女は決めていたのだろう。クレストワンマンが順延になり、少し遅れたが、いよいよ本当の大箱への挑戦だ。

きっと今夜のワンマンを見たお客さんは、彼女の大きな箱でのワンマンを是非見たいと思えただろう。それだけ充実したライブだった。今夜の200人超のお客さんが来てくれるとして、満員を目指すなら、これから1年かけさらに300人を集めなければいけない。斉藤麻里のことだ。這いつくばってでもSOLDOUTを目指すだろう。休む間なく、彼女の挑戦の日々は続くようだ。ガンバレグッド!
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「Grateful Girls vol. 46」@渋谷gee-ge
出演:Jiminy Cricket →千佐都 →emuy →Kna →小川エリ →The Characters
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今夜のgee-geは見たいアーティストがぞろぞろ出演。最後までみていきたいが、そもそも今夜は18:30open、19:30startの斉藤麻里のリベンジワンマンの日。他の予定は前から入れてなかった。

ところが昨夜、小玉しのぶがJiminy Cricketで1番手18:30から出ると呟いているのを発見。それなら、gee-geで彼女を見てから斉藤麻里ワンマンに転戦も可能だ。O-crestの階段に、開場前からずらっと並ぶ列が目に浮かぶが、開演に間に合えば真ん中辺りで聞けることだろう。よし。

さらに、聞けば夕方から川崎MUSE辺りで歌っているアーティストたちの新年懇親会が川崎で開かれているとか。サルーキ=をはじめ、佐藤ひろこ、坂本麗衣、渋谷めぐみ、松岡里果ら百組以上が参加する盛大なパーティーだったらしい。それが20時に終わったあと、高田さんや三井さん、里果ちゃん、シブメグらが斉藤麻里ワンマンに流れてくるらしい。

ということは、もしや昨年11月11日に赤坂グラフィティで開かれた「いい女のいいロック」という企画ライブの再現が可能!?あの日の出演者はJiminy Cricket、斉藤麻里with三井さんバンド、渋谷めぐみwith高田さんバンドという3組。今夜はシブメグの歌はないが、続けてこの3組を楽しめるというのも一興だよな。という動機で(笑)、gee-geへ。

今夜は斉藤麻里以外にも面白いライブがあるし、お客さんは分散すると思われたが、確かにちょっと寂しい入り具合。Jiminyのみんながくつろいでいるので、ちょいと話し込んで彼らの出番を待つ。

今夜は「重大発表」があると事前に告知されていたから、いろいろ探りを入れてみる。まず、まだ無さそうなメジャーデビューは違う様子。新アルバム発売……も、こないだ出したばかりだし無いよね。解散?も無さそうだし。とか話してればだいだい見えてくるというもの。あれだね、多分。

さあ、そしてライブの始まりだ。

今夜も、ボーカルの小玉しのぶは、魅力的なふくよかで強い声を響かせ、元気なステージ。ほんと、彼女にはロックバンドのボーカルらしい色気がある。彼女のアコギ弾き語りのソロから始まるLIVUとか、ゾクゾクするような歌いっぷりに聞き入ってしまう。

それに心なしか、ギターのヒデ君が内側向いている(笑)いいんじゃない。彼のギターはなかなか聞かせる。ベースもキーボードもドラムも、着実に上達しているよ。このバンド、もっともっと良くなる可能性はあると思う。

そのためには、修行が必要だ。ということで、彼らはこれから路上ライブを積極的にやっていくらしい。そのためのアンプも先日購入。道行く人たちをふり返らせるだけの演奏力を、ぜひぜひ身に着けてほしいね。

路上対策として、彼らが考えているのがカバーだ。常套手段だけど、耳になじみがある曲でまず足を止めてもらい、自分たちのオリジナルを聞いてもらう作戦は有効。みんな、そうやって路上の経験を積んで大きくなっているのだ(笑)

その1発目として、今夜、彼らが繰り出してきたのが、フィンガー5の「学園天国」だ。ヘイヘイヘイヘイヘイだね。これは後でまた麻里ちゃんライブで間違いなく歌うことになるだろうが、麻里ちゃんのは小泉今日子。Jiminyは、よりフィンガー5っぽいノリ。これを歌うために、みんな大きめのサングラスを用意しており、この曲の時だけ付けてた(笑)

何より、彼らの新曲「Winter Story」のノリが、それは見事にジャクソン5!他の曲もそうだけど、Jiminy Cricketは間違いなくアメリカンポップな色を徐々に濃厚に出してきた。バンドの方針、特徴をはっきりさせることは正しい戦略。「学園天国」をノリノリで歌う小玉しのぶを見ていて、この路線が間違っていないことを確信した。

うん、期待が膨らむねー。

1)くろ?
2)Winter Story
3)LIVU
4)学園天国
5)Tom

そして、今夜の重大発表だ。そう、予想通り、ついに彼らにとって初めての「ワンマンライブ」が決定したよー。楽しみだー。

日付は3月30日、場所は六本木morph。彼らにとって、レコ発もやった、ホームグラウンド的なライブハウスだ。ここを起点に、ますます彼らの進撃が続きそうだ。がんばれよ!とりあえず、チケットを一番にゲット。


彼らの後に出演する千佐都も、emuyも、小川エリも、Charactersも見たかった(Knaは見たことないので分からないが)のだが、申し訳ない。ということで、しのぶちゃんやバンドのみんなに挨拶して、急いでO-crestへ。






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「うたうたいのうた」@北参道strobe cafe
出演:保刈あかね →伊藤サチコ
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今夜は、保刈あかねと伊藤サチコのツーマン。いい組合わせ!他にも色々行きたいライブあったが、この2人を一緒にたっぷり聞けるという魅力には抗えず。

先攻は保刈あかね。

歌い出した途端に、空気が変わる。まさかこんな強く艶やかな声とは、って初めての人はみな驚く。予想値を軽く超越し、舞い上がるのだ。声だけで一瞬にしてこれだけの驚きを与えてくれる歌手は、そう多くない。ヒグチアイとか、清家千晶とか、見田村千晴とか、後誰がいるかな?関取花もすごいか。郁彩もそうなれる可能性を感じるが。

その声で、音楽はブルージー。格好いいんだ、これが!凛として、攻撃的で、背筋が伸びる。ピーンと空気が張りつめ、息を飲んで聞き入ってしまう。堂々とした声が、しっかりと腹筋で支えられ、音程を外すことなく、どこまでも伸びていく。世界が拡がっていく。このスケール感の大きさといったら!

そんな歌いっぷりでありながら、今夜は真っ白いおしゃれなstrobe cafeを意識したのか、ラブソングで押してきた。最近、作る曲がみなラブソングになるって話してたが、
そのどれもが珠玉。言葉が突き刺さってくる。

どうしたら、ああいう曲を書けるのだろう。いい恋愛しているのかな。でも同じ曲を歌唱力もしくは魅力的な声質がない歌手がうたうと、きっと平板でつまらない曲にしてしまうだろう。これらの曲を歌うのは、彼女でなくてはならないのだ。

例えば「あいのかたち」。歌い出しは音譜ティーカップにお湯をそそぐ音譜
と始まるが、このなんてことない歌詞を彼女が歌うと、感動的に聞こえるのだから凄い!特に最初の「ティー」だけで引き込まれる。歌い出しが一番重要とよく聴くけど、これだけキャッチーに歌えるひとはそういない。上手い!

個人的に一番気に入ってるのが、最後に歌った「君の声」。そのスケール感の大きさは、随一では。見田村千晴の「始まり」の朝焼けの情景も素晴らしいが、君の声で浮かび上がる大自然のイメージは広大。直接、自然を歌ってる訳じゃないのにね。不思議。

1)ラブレター
2)いつでも君と
3)あいのかたち
4)赤ちゃんのうた
5)嘘つきと言った相手は自分だった
6)迷い犬
7)朝焼けセンチメンタル
8)君の声

今年はもっと彼女のライブを聞きにいきたいと思う。


後攻は伊藤サチコ。彼女の声を聞きたいなあと調度思ってたところに、保刈あかねとツーマンと聞き、これは行くしかないと思ってた。

さっちゃんは、ライブにより明るかったり、暗かったり、その格差が大きいと思うのだが、今夜はとても軽妙。ショートカットがお似合いで、笑顔が素敵で可愛らしい雰囲気。引き込まれ、楽しい気分になる。デビュー10年を超すが、いつでもチャーミングだなあ。

最近はサポートミュージシャンと一緒だったり、キーボードでのライブが多かったとか。今夜はグランドピアノの一人弾き語りなので、ちょっと懐かしい曲や、意表をついたカバーを交えた嬉しいセットリスト。特に1,2,3は今も昔も、少し気分を上げたい時に聞く好きな曲で、前奏が始まった瞬間にウキウキした気分になり、ライブが始まった。

strobeはグランドピアノなのだが、譜面たての上にトイピアノが置いてある。どうするのだろうと思ってたら、MCで友達とカラオケにいく話を始める。「サチコの曲はいつになったらカラオケに入るの?」と
いつも言われるそうで、いつか必ずと思ってたとか。

それが、パンパカパーン、ついにJOYSOUNDに入りました!と大喜びでご報告。「僕は変わった」が歌えるようになったそうだ。みんな歌ってくれー、とほんと嬉しそう。良かったね。

そこで今夜はカラオケ風にと、トイピアノの伴奏でなんと松田聖子の「赤いスイートピー」をカバーだ!さっちゃんの聖子ちゃん、これは貴重。ピンピンとかわいらしく響くトイピアノの音にのせて、アイドルっぽく歌う姿は、いつもの伊藤サチコよりかなりかわいい(笑)

続いて、そのカラオケに入った「僕は変わった」。音譜僕は変わったー 悲しいことからにげるように~ばれない嘘をつくように~本当は何にも言わずわらってたいんだ~なんか言うたび嘘になる音譜

歌詞の意味を考えてしまうと、気楽にカラオケで歌いずらい重さ。この鋭い歌詞を、どこか物悲しく、それでいて明るく歌うところに伊藤サチコの真骨頂がある。ぐっとくる。すごい詞のセンスだと思う。

1)1,2,3
2)ポラロイド
3)あなたは僕を知らない
4)ハチミツ
5)赤いスイートピー
6)僕は変わった
7)心心と
8)赤い魚
en. 帰ろう

「心心と」も久し振りにライブできけた。じんわりとしながら、心の奥が騒ぐ。

保刈あかねは、聞くものに真剣勝負のような緊張感を与えてくれるが、さっちゃんの曲は怠惰な自分の奥の方に火をつけてくれる。持ち味は違うが、どちらも自らの存在理由が問われ、そして突き動かされる。これぞ音楽の力、これぞ本物の証だ。

客席との距離が近いstrobe cafe ならではの、素敵なツーマンだった。