音楽偏遊 -21ページ目

音楽偏遊

最近見たライブや気になるアーティスト、気に入った店や場所など偏った嗜好で紹介してまいります。アーティストさんへの言及などは、あくまで私個人の見解であり、特に中傷や攻撃を意図したものではないこと、ご了解下さい。

日曜の午後、横浜の伊勢佐木町の商店街が中心になってストリートミュージシャンらが安心してライブができるよう建設した屋内型ステージ、cross streetに立ち寄る。目の前の通りでは、猿回しが買い物客を楽しませてる、そんなブルースな町の一角だ。



施設名は、伊勢佐木町の路上からメジャーに駆け上がった「ゆず」による命名。ミュージシャンやお客さん、買い物客、地元民らが行き交う人々が交差する場という意味を込めている。

この日の出演は、BlueRose、渋谷めぐみ、潮崎ひろのの3組。つまり、全部BlueRoseのキーボード、ヨッシーつながり。ということで、ヨッシーは3組すべての伴奏を引き受け弾きまくる。実は一番目立ってたのは、このガタイがでかく、素っ気ない黒Tシャツ姿の男だったかもね。ヨッシーお疲れ様。

その中で僕は、渋谷めぐみだけ観覧。土日ライブ運営費の名目で最低200円の拠出を求められるが、安いもの。500円出したら、cross streetサポーターのカンバッジをくれた。

「夜」や「アルコール」の香り漂う曲が持ち味の渋谷めぐみに、昼の出演は似合わない。ということで、本人もどの曲を歌うか悩んでいた。特に代表曲の「ユメオチ」は、「今夜は飲み明かそう~カンパイ!」というサビだ。

しかも、昨年末から、このサビにフリをつけて、お客さんにも一緒にやってもらうのを恒例にしている。昼から、初めて渋谷めぐみ見るお客さんが多い中で、滑らないだろうか……と躊躇していた。でも、ここまで来たらやるしかないよね。やると決めたら、どこまでやるさ~♪とね




【セットリスト】
1)Deep
2)秘密
3)東京
4)eternally
5)ユメオチ
6)会いたい

サポートはヨッシーのキーボードに、同じくBlueRoseからセクシィがドラム。セクシィも何度かシブメグのバックで叩いたことあるが、久し振りなうえ、この日はリハ無し。本番前、すごく緊張してたが始まればそこは素人じゃない。

1曲目の「Deep」からアッパーな曲が続くとあって、ノリノリでリズムを刻んでいく。むしろヨッシーのキーボードが大人しい感じ。そのリズムにのって、渋谷めぐみのボーカルも弾む。

ただ、いつもに比べて声が行儀よいかんじ。MCでは「私は実はすごくお酒が好きで、いつもはステージドリンクはビールビールですが、今日は昼なので、水にしておきました」とか。そのせいか、いつもに比べてセクシーさや艶やかさは抑え気味。健全なのも、時には良いか(笑)

「秘密」「東京」と盛り上がり、珍しく少しスローな「eternally」。それでも、十分惹き付けていく。歌が上手いし、芯のある強い声が魅力的だ。

「皆さん、もっと参加したいですよねー」と客席に振って、いよいよ「ユメオチ」。サビにフリをつけたので、一緒に踊って下さいと話して、手本を示し、お客さんの練習タイム。皆が踊るまで帰れません!と繰り返しサビを歌いお客さんを動かず。

その甲斐あって、本番では30人ほどのお客さんが手をふり、酒のむ仕草や五木ひろしのように歌う様子を真似し、なかなか壮観。こういうのは、やったもの勝ちなんだよね。

最後はしっとりバラード「会いたい」を聴かせた。前半のロック調、ユメオチのジャズっぽさとコミカルさ、最後に女らしさと多彩な顔を、お客さんに知って貰えたと思う。

初めて聞く人も多かったようだが、後で物販に並んでたところ見ると、彼女の歌に魅力を感じたのだろう。良かった。後もうちょっとステージングを磨けば、スタート地点にたどり着けるのでは?

所用あり、潮崎ひろのは聞かず撤退。またゼリーフライ聞き逃した。

さて、渋谷めぐみは1月31日が日吉napでワンマンだ。夜だから「ビールの神様」ぷりをがっつり、たっぷり、堪能できそうだ。

それにしても、12月29日にバースデーワンマン、大晦日に年越しワンマンをやったばかり。彼女は一人でやりたいようにステージを支配したいのか、ワンマン頻度が高い。小さめの箱で、内容も密度も濃く、間近で接するような、これらのライブ。ファンとしてはたまりません(笑)31日が楽しみだ。


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「A型乙女座 ∞ O型射手座」@高田馬場・四谷天窓comfort
出演: ヒグチアイ →木下直子 →2人のセッションたっぷり
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gee-geの鉄平さん風に言えば、ピアノ弾き語りライブシーン代表選手の2人のツーマン。ガチ対決が面白くないわけがない。分かってるファンがこの日はごそっと高田馬場に集結した。

そんな多くのファンが見守る中で、2人で素晴らしい夜を作ってくれました。特に見応えたっぷりだったのが、セッションステージ。なんとアンコールを含め、2人のコラボで計8曲!!もはや単なるツーマンを超越した、鍵盤弾きどうしの熱いジャムセッション。ほんまに見とかな損々なライブやったな(なんで関西弁、笑)

ただ贅沢だと思うが注文が一つ。今夜はお互いが力を認め合った実力派の鍵盤弾き対決。木下直子は昨夜更新したブログで「いやいや、きっと本番はお互い魂の闘いでしょう」と綴った。その言葉に偽りなし。彼女は、自分のソロステージでベストアルバムにそのままできそうな懇親の9曲(2曲はメドレーだったが)でセットリストを組み、精魂尽きるかと全力で歌い上げた。

それに対するヒグチアイの心構えはどうだったのだろうか。直子ちゃんとツーマンできる、という事を心から楽しみにしており、特にセッションステージこそ今夜力を入れるところだと割り切っていたよう。そのことで、彼女自身のソロステージがぬるかった。それが、かなーり不満。本来ならもっと、もっと物凄いライブをできるのに、流したとまでは言わないが、軽さを否めなかった。

特に声帯の硬さを補うため、細心の注意が必要とされる「青い春」や「メグルキオク」で、丁寧さにやや欠けていたため、声が割れた。あの2時間超に及ぶワンマンでは、そんなこと無かったのに。言い方かえれば、歌が下手になった感じ。一歩、一歩、先に進み続けなければいけないのに、あかんだろう。

一方で、セッションでの彼女の楽しそうな事といったら。とっても魅力的。あんな笑顔を浮かべて歌うヒグチアイは、ソロライブではついぞ見たことがない。是非、ソロのライブでも見せて欲しい踊って歌えるシンガーぶりだった。つまりは、今夜は彼女の代名詞といえる「孤高」ではなく、信頼できるお姉さんであり友人である木下直子とのフレンドリーマッチだったということかな。

そう、見田村千晴とのツーマンだったヒグチハル企画の時も、こんな楽しげな表情を浮かべていた。孤高の鍵盤弾きは、きっと人恋しいのだろう。それも善し悪し。彼女が至高の音楽が生み出すにはどんな状況が一番なのだろうか。これから、どんな経験を積めば、彼女が高みへと上がっていけるのだろう。

それでも、今夜のライブは見事な充実ぶりだった。セットリストはこんな感じ。

<ヒグチアイ>
1)青い春
2)くだらない歌と誰かの毎日
3)ツンデレ
4)理由
5)さっちゃん
6)東京
7)メグルキオク

<木下直子>
1)ひまわり
2)この指とまれ~夢の島
3)ソライロ
4)オレンジとピアス
5)私を守るもの
6)硝子細工
7)うたのことのは
8)生きとし生けるもの

<セッション:ヒグチアイ+木下直子=∞>
1)夏が来る前に  (vo 直子、pf&cho ヒグチ)
2)あいひとつ   (vo ヒグチ、pf&cho 直子)
3)赤い靴のワルツ (同)
4)夜泳ぐ     (同)
5)黒い影     (pf&vo ヒグチ、cho 直子)
6)水槽      (vo 直子、pf ヒグチ)
en.1 Journey  (同)
en.2 ハローヒーロー(vo ヒグチ、pf&cho 直子)

この日は、バーカウンターに「A型乙女座(ジントニックにカンパリ?)」と「O型射手座(白ワインにブルーキュラソー)」という2種類のスペシャルドリンクも。両方飲んだが、A型乙女座の方がドライで好み。こちらは2杯頂いた。そんなドリンクを堪能しながら、ライブはスタート。

ヒグチアイのセットリストは、昨年のワンマンの後の四谷天窓ライブと似ていた。ワンマンまで迫力路線を突き詰めてきた彼女が、ワンマン後は新たに一連の脱力路線とでもいえそうな新曲を次々と発表。一味違う軽妙なヒグチアイ像を見せてきた。それが「くだらない~」「ツンデレ」「さっちゃん」などだ。楽しくていいんだけどね。

曲間のMCでは、最初に木下直子と会ったときは怖い人だと思っていたが、先輩からDisney Landに斉藤麻里と一緒に行こうと誘われて、そのときが楽し過ぎて、とても仲良くなったこと。最近、落ちていること、とまることがすごく嫌で、動いていないと嫌なのに、動けない自分がいて、それがとても嫌なこと、などなどを語る。今夜は結構、おしゃべり。イベントを楽しんでいるのだと分かる。

いいくぼさおりの「響咲」シリーズの共演時に作った勇士のうた「理由」も久し振りに披露。duo Music Exchangeという大きな箱で歌った響咲のライブより、今夜の歌いっぷりは軽め。このバラードはもっと突き詰めて歌って欲しかったなあ。いい曲なんだよ。

「さっちゃん」ではさらにぐっと溜めて、幼馴染の結婚式で初めて分かり合ったお互いの気持ちを描き出す。徐々に内向的になってきたところで、歌ったのが「東京」。今夜のヒグチアイのソロでは、これはぐっと心に響いてきた。やはり、東京は鉄板だな。

最後の「メグルキオク」は迫力はあったが、説得力には少し欠けた感じ。孤高さが足りないのだ。

ちらしに記載されていた星座占いによると、射手座のヒグチアイは「今日の挑戦は、あなたの全力を出す価値がありそう。パーフェクトを求めているのなら、たった一人での作業にこだわって」とあった。そうなんだよ。木下直子が魂の闘い、とまで言ってくれていたのだから、ヒグチアイもやはり一人に拘って孤高な歌うたいぶりを発揮し、がっぷり四つに組み合って欲しかった。それがファンとしての望みでしたが。いや、ヒグチアイは凄いってことは間違いないんだけどね。高望みですが。


ここで休憩を挟んで木下直子のソロステージに。こちらは宣言通り、かなり凄かった。鳥肌がたつ迫力で、木下直子だけ聞きにきてもお釣りがくるライブだった。これを聞かされたら、3月28日のワンマンも聞きに行かずにはいられない。

まずは季節外れとかお構いなしに「ひまわり」でスタート。僕の大好きな曲で、嬉しくなる展開。そのピアノは、重々しく、その声はふくよかで太い。そして歌の完成度の高さといったら。絶対的な安心感で紡がれる音楽に、身も心も委ねたくなる。いや委ねてしまう。やはり木下直子はいい。

そこから後は怒涛のような歌いっぷり。アップテンポな「この指とまれ」(だと思うが)からメドレーにして「夢の島」へ。手拍子で客席に大いに盛り上がる。

渋谷のスクランブル交差点で空を見上げ、ここを歩く人々はどんな空を見たらきれいだと思うのだろう
という思いを描いた「そらいろ」は、かなりレア。本日のポイントをここで作る。そして、ここから彼女は、まさにベスト曲ばかりをたたみかけた。

「オレンジとピアス」「私を守るもの」「硝子細工」「うたのことのは」「生きとし生けるもの」って、それは贅沢すぎる!! こんなに、彼女の代表曲ともいえる曲ばかりを立て続けに歌うことなんて、ほかのブッキングライブではみられないよ。木下直子の力の入れようが分かるというもの。

いずれ劣らぬ名曲ばかり。それを彼女が心を傾けて大切に、力強く歌っていく。もう、その世界観にどっぷりとつかってしまう。まるで子宮の中で羊水に浮かびながら濃厚な愛情に満たされる充足感。ああ、なんと幸せなことか。


木下直子の素晴らしいステージの後は、いよいよ本日の目玉、セッションタイムだ。といっても、今夜のために作ったという共作曲を合わせきっと2、3曲ぐらいだろうと高を括っていたら、とんでも無かった。ここからが、まさに今夜の本番。トップ鍵盤シンガー2人の織り成す異次元なライブの始まりだったと言ったら言い過ぎか。

お互いの持ち歌を、相手に歌ってもらうのだが、それがアンコールを含めると3曲ずつ。さらにオリジナル曲を今夜のために2曲も用意していたのだ。どんだけリハーサルやったのだろう。

その中でも特に感動的だったのは、これは意見が人によって違うと思うが、僕は「赤い靴のワルツ」。ヒグチアイがメインで歌うのだが、彼女の強い声と暗さに似合いすぎ。それを木下直子の超絶なコーラスで次元の違う魅力を作り出す。本当に木下直子のコーラスは上手く、効果的なのだ。これだけのコーラスをできるアーティストは、そういないぜ。

そして、逆パターンで「黒い影」がまた面白かった。さすがに息切れしそうなこの曲、木下直子がチャレンジするかと思いきやヒグチアイの弾き語りに彼女がコーラスをのせていく展開。これがまた、ヒグチアイだけで歌っているときにより、はるかにドラマの陰影が深く、迫力も増して、素晴らしい完成度に。

そして、ラストの「ハローヒーロー」を飛び跳ねながら、鍵盤から解き放たれて自由に歌うヒグチアイの楽しげなことといったら。黒か紺地に白い水玉のワンピースの裾をひらひらさせて、ふわふわと音楽の中を舞い、泳ぐように、ヒグチアイが弾んでいた。彼女のファンとしては、この表情を見れただけでも価値がある(笑)ああ、いつもは暮らそうなのに、こんな表情を浮かべられるんだな。一緒に嬉しくなる。

終わりよければ全てよし(笑)オリジナル2曲の「泳ぐ」シリーズもさすがの完成度。また聞きたし。うーん、楽しいライブだった。また1年後とかにやらないかな。そのときはヒグチアイに真剣勝負して頂いて、火花が飛び散るような鍵盤弾きの意地のぶつかり合いを楽しみたいものです。
今夜は待望の清家千晶。月1回やるか、やらないかというレアなライブだけに見逃せない。ただ、箱(新宿RUIDO K4)が、清家千晶に似合わないが……どんなパフォーマンスになるか、見守りに参るか。

RUIDOには、開演から行くつもりだったが、聞けば千晶ちゃんはトリの21:30から。それならと、まず赤坂見附のGraffitiへ。

今夜のGraffitiは21歳の郁彩と××歳wのあずままどかの初のマッチアップ。ギター弾き語りで成り上がろうと意欲的な郁彩には、まあかは間違いなく格好のお手本のひとりだ。そのステージングを、テクを、郁彩はきっと吸収するだろう。その姿を見たくて。最近、あずままどかにも不義理していて(義理ないけどw)申し訳ない。

ところが、Graffitiに行ってみたら、まあかの出番は21時からで、それを見ていたら清家千晶に間に合わない。またまた聞けなくなって、申し訳ない状況。会わす顔ないのだが、開演前の物販席にいたまどかちゃんとしばし雑談。いつもと変わらず、今夜もチャーミング。あの元気いっぱいで、すごいテクニックとLoop駆使したライブも魅力的なのだが惜しい。

今夜はスリーマンで、郁彩は2番手の出番だ。

ギターの弾き語り。一人で上がったステージを、彼女はその歌声で完全に支配した。本当にいい声。頑固な強さと、耳を傾けずにはいられない艶がその声に同居していて、ぐっと振り向かされる。そして、歌唱力もいい。まだ21歳。これからの伸びシロの大きさは、すごいものがありそうなのだ。

今夜は新曲中心。「赤い糸」と「free」以外はみな比較的新しく、ブランニューな郁彩だった。なんか新鮮!でも、やはり「赤い糸」が一番良かったかなー。歌い慣れているってこともあるけど、それ以上に完成度が高い曲だなって思う。

ワンマン後に発表してきた新曲は、どれも違う彩りで、新たな郁彩らしさを出そうと挑んでいることがよく分かる。まさに曲作りは彼女の今後の課題だね。そのなかで、年上の彼に釣り合うよう努力する女心を描いた今夜初披露の「背伸び」は、結構気に入ったかな。

そういえば先日、ギタリストの三井真一さんと話をしていたら郁彩が話題になり、彼もベタぼめ。もっとああしたらいい、こうしたらいい、と色々と提案したい様子。郁彩も斉藤麻里をサポートしている三井さんのギターに惚れたようで、今後、三井さんが彼女のサポートにつくライブも見られそう。これは、楽しみだ。

1)赤い糸
2)srcret
3)白黒世界
4)夢のなか?
5)背伸び(新曲)
6)このままじゃ
7)free

最後の「free」も充実。歌いこなしている曲って、やはり違うもの。しっかり、彼女の血肉となっていて、訴える力もとても強かった。

次回、この赤坂graffitiで歌うのは3月29日の「歌女-utaime-act.28」とのこと。この日のブッキングは、個人的にやばい!なんと、郁彩のほか、詩~uta~、マリエ、渋谷めぐみという4人。これは強烈な個性のバトルだ!

たぶん、この日の渋谷めぐみバンドは三井さんが入るだろうから、そこで郁彩とまた交錯する事になるね。しかも、強烈なマリエと郁彩のギター弾き語り対決も楽しみだし、前回のグラフィティでいっくん、マリアちゃんを引き連れてきた詩ちゃんの目立ちまくりステージが忘れられない!あれ再現しないかなあ。

時間がないので、郁彩にはあずままどかのステージは前の方に行ってでも、しっかり見て盗むよう勧めてしまった(笑)そして、まどかちゃんには見れないこと謝って、一路、新宿へ。


新宿RUIDOのライブは「Hime Hime Rock vol.1」というタイトル。女性ボーカリスト6組が共演。かなり押していたようで、時間ぎりぎりかと思ったら、トリの清家千晶が始まるまで15分ほどあった。

彼女の前に出ていた「No Life Negotiator」というロックバンドを暫し楽しむ。庶民的で親しみやすそうな女の子がボーカルで、ボンデージスタイルで思いっきりへそを出して歌っていた。嫌いじゃない。でも、これだったらあずままどかを3曲聞けたな。残念。

この日はほかに、あのゴシックロリータロック?の「スキルアップ」や、プーさんのかぶり物とチアリーダーの取り合わせという「みつあなぐま」などが出演。物販は、かなーり異様な光景で笑えた。それにしても、このメンバーの中に清家千晶を放り込んだブッキング担当者の頭はどうなってるのだろう(笑)一応、清家千晶もロックと紹介されることあるが、その時はオルタナティブとつくのだが。

さあ、そして清家千晶の出番だ。

今夜はいつものウッドベースと、ギターだけというサポート構成。ギンギンのロックバンドの後だけに、物足りなさがないか心配だったが、前のバンド目当ての客はすっと消え、変わって清家千秋を目当てに来た客が続々と入ってくる。しかも、女性が多く、その女性の水準が高いぞ!何があったんだ?

見ていると、次々やってくるお客さんの中を挨拶して回っているのは、あきさんだ。どうやら、彼が清家千晶のライブを皆に薦めて、たくさん招いた様子。あきさん、グッドジョブ!さすがです。

で、彼がいるということは、多分、清家千晶がパーソナリティをしているFM-FUJIつながりと推察。毎週月~金、25:00~放送している「SPACE TRIAL on FUJI」という番組があって、その中で毎週月曜日が清家千秋の「幻想Radio」だ。ちなみに毎週木曜日は神山みさの「ドリーム☆騎士(ナイト)」で、火曜が上野まなの「愛せますRadio」だった。

ちなみに神山みさとあずままどかは親友関係。なんだかんだ、今夜は所変われどつながっているのだな。2月19日には清家千晶と神山みさは、渋谷Milkywayで対バンするし、これは見に行かねば。

さて、目当ての清家千晶ステージはというと、もう、相も変わらず圧巻。シースルーのシルクワンピ姿そのままに、ふわふわっと音符の海にたゆたう歌姫のよう。といっても、今夜はいつもの天然色ではなくて、白と緑が明暗する木々の中を泳ぐ妖精のような風情だ。

そのこころは、まず音が弦2本だけでシンプルなこと。そして、ライブの回数が少ないためか、彼女の声量も抑え気味なこと。そのため、少しあっさりした印象のライブだった。それでも、その声、その空気感は他の誰よりも、何段階も上だと明らかに判る風格。彼女が歌の神さまに愛されている才能であることに変わりはない。

今夜も、ネジをまく効果音からオルゴールの音色が始まり、3人がステージに入ってくる定番のオープニングから1曲目の「オルゴール」へと続くスタート。彼女が歌い出した途端に、RUIDOが夢の中の世界になったように見えてくるから不思議だ。

そして、もう言葉では語り尽くせない感動の「すみれ」。といっても、この日は控えめなスミレで、すこーし物足りなかったけどね。その代わり、今夜の「花唄」は良かった!もともと、アコースティックな演奏でやっていた曲だけに、弦2本だけでも違和感ない。彼女が一言ひとことを慈しむように歌う声を聞いているうちに、重力がなくなり、ゆるゆると花唄の世界に沈下していくような錯覚。知らずに涙が滲む。

また、これも彼女がこよなく愛し、ライブで度々カバーしているスコットランド民謡「The Water Is Wide」が、空間に沁みわたる。よく、ありましのも歌っていて、家族や故郷の情景が浮かんだものだが、清家千晶版ではこの曲を歌っている女性の姿がありありと浮かぶ。何にひき付け、何をイメージして本人たちが歌っているかの違いなのだろうか。

最後は、体ごともっていかれる「ユラー」だ。この曲はやはりバンドで聞いた方がインパクトあるのだが、ユラーを日々渇望している僕としては、こうして生で聞けるだけで幸せを覚える。最初に「ユラー」を聞いたのは、2年ぐらい前の表参道FAB「flower voices」での事だったと思うが、あのときにインパクトはとてつもなかったから中毒になってしまった。また、あんな感じのユラーを聞きたい
ものだ。

1)オルゴール
2)すみれ
3)花唄
4)The Water is wide
5)ユラー

それにしても、やはり清家千晶は素晴らしい!アルバムは全部持っているが、最後に「Sensiteive doll」をリリースしたのが2006年。そろそろ、新しい音源期待したのだが、今の彼女の感じではまだ機は熟してないのかな。こうして時折、ライブを聴けることだけでも、幸せなのかもしれない。