本当におもしろい本は(少)ない -29ページ目

世界は「使われなかった人生」であふれている

沢木 耕太郎

エッセイ集かと思ったら、映画評論でした。


今までちょっと読んだことのない映画評論。

ストーリーをなぞるだけでなく、そこにある人生や旅、ものごとの捉え方、

自分の人生などなどとからませて、すごく読み応えがあった。


ラストのオチまでしっかり書かれているものもあったりするけれど、

それでも見たくなる映画がいっぱい出てきた。「

僕たちの戦争

荻原 浩

現代のフリータと太平洋戦争中の少年兵が入れ替わったら?。


入れ替わった二人がもがきながらも、

その時代に馴染んでいこうとするエピソードが興味深いが、

途中でだれた。

最後がどうなるのかが気になって一気に読んでしまいましたけど。

長崎乱楽坂

吉田 修一

吉田修一はもういいやと思っていたけど、

ヒマなので読んでみたらアタリだった。


衰退していくやくざの一家で育っていく少年が、

荒々しく、いやらしく、人間くさい空気を嫌悪しつつも、染まっていってしまう過程が描かれています。


暴力的な話はキライなのに、なんだか引き込まれてしまいました。

ハチミツとクローバー 7巻

羽海野 チカ

こんなに最新刊をまちわびるマンガも久しぶり。

絵が可愛いとかボケとつっこみがいいとか、

誉める箇所は色々あるけれど、疑似青春をしてしまうのが一番なのかなー。


リアルな寓話みたいな!?
登場人物もちゃんと歳をとっているので、

そろそろ“可愛い世界”も無理があるのではと思っていたら、

作者があるインタビューで「あと一年で終わり」と言っていた。

幸福な食卓

瀬尾 まいこ

「父さんは今日で父さんをやめようと思う」。

父さんの衝撃的な一言で始まる物語。


どこかで読んだことのあるような内容、誰にでも書けそうな文体…。

こりゃイマイチだなと思いつつも軽くて読みやすいのでサクサクと読んでいたら、

最後に悲劇が。


この悲劇がまた突然で、よくある話なのでがっくりしてしまった。

セカチューがヒットしたからか?

悲しくても切なくても前向きに生きようというメッセージは

人が死なないと生まれないのかしら。

登場人物が魅力的なだけに、「惜しい」と思った一冊。

ラッシュライフ

伊坂 幸太郎

5つのストーリーが最後にあっというラストでつながる…という

前評判を知ってしまったため期待しすぎてしまった。

知らない方が楽しめた。


最後に犬を連れた男にある選択肢が与えられるんだけど、

ペットを飼っている人なら当然こういう展開でしょ!

と思わなかったのかな、伊坂せんせーは。

陽気なギャングが地球を回す

伊坂 幸太郎

分類はミステリーで新書版の安っぽい作りだけど、

ミステリーの枠を抜けた文芸作品と思える。


ポンポンと交わされる会話がとても小気味良い。

自立した人間が作るチームワークってかっこいい!

伊坂作品は全てがどこかつながっていて本当に面白い。

響野のキャラクターは「チルドレン」の陣内につながってるんだろうな。

ららのいた夏


川上健一は「翼はいつまでも」(青春小説の傑作と思う)「雨鱒の川」が大好きだが、

これはなんだかなー。こんな本を出していることすら知らなかった。


「キャハハ」と笑う明るい少女とプロを目指す野球少年が、

走りながら恋を育てていくのだが最後に悲劇が…というお話。


私には「白痴っぽい笑ってばかりの少女が最後によくある病気で死んじゃった」としか感じませんでした。

物は言いよう

斎藤 美奈子

世の中の困ったセクハラ発言を、

なぜいけないのか?どう言い換えればよかったのかを教えてくれる。

いや、気持ちいい糾弾っぷりです。

気にし始めると何も発言できなくなりそうだけど、これぐらいの意識は必要と思う。

地球のはぐれ方

村上 春樹, 吉本 由美, 都築 響一

村上春樹の旅ものってすっごく面白いから、

彼だけに書いてほしかった。

ほかの二人知らないし。で


も「どこか面白いところに行く」のではなく、

「行ったところを面白がる」という考え方には開眼。

人生と同じよねー。楽しまなきゃ損、損。