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太陽にほえろ!中期ファンよ立ち上がれ!
ボン、ロッキーコンビ編
ビッキーHONMA


『太陽にほえろ!』といえば、マカロニ、ジーパン、スコッチというくらい、この種のカルト本ではよく、扱われる。
それはウルトラシリーズでは第一期のみを神話化する現象とあまりにも似ている。
松田優作、沖雅也両氏が他界したことにより、その人気に拍車がかかった。
しかし、私は否といいたい。
 『太陽にほえろ!』を人気のうえでも内容的にも、頂点に極めたのは、ボンボン刑事(宮内淳)の時代であることは揺ぎ無い事実だし、80年代に入ってもヒット番組の座をまもり 続けたのはドック刑事(神田正輝)の存在があったからこそなのだということを。
 今回は『太陽』中期から後期を誰よりも愛する男として、様々な角度から分析していきたい。又、それをささえた、畑嶺明氏、古内一成氏、らへのインタビューを試み、時折、その内容を公表していきたいと思う。

○ ボンロッキーコンビの絶頂期をささえた男たち。
――――畑嶺明、杉村のぼる、桃井章

 太陽にほえろ!の最高視聴率は216話『テキサスは死なず!』の42.5パーセントだと言われている。しかし、それ以降の3年間は常時30パーセントから40パーセントの視聴率をキープしていた。ビデオリサーチの最高は364話の『スニーカー刑事登場!』の40.5パーセントである点からもボンボン刑事の活躍していた4年間が絶頂期である。
 この間にTBSの『あこがれ共同隊』や『7人の刑事』も『太陽』に撃退されて打ち切られた。唯一、『太陽』を食ったのは『キャンディーズ解散式』中継くらいのもので『太陽』は無敵に近かった。
 ではその人気の秘密はなんだろうか。それはボンを演じた宮内淳のひたむきな演技とそれを支えた脚本の勝利であろう。
 岡田晋吉プロデューサーが文学座から村野武範を見つけ、『飛び出せ!青春』(72)に主演させ、その紹介で松田優作をデビューさせ、その紹介で中村雅俊をデビューさせたのは有名な話だが、雅俊と同年代の勝野洋は、雅俊が『われら青春!』(74)に主演している間にテキサス役でデビューした。宮内は文学座では雅俊の1年後輩にあたる。
 ご存知のようにテキサスは5分刈りの刑事である。同時期の『秘密戦隊ゴレンジャー』(75)の誠直也同様、視聴者には違和感を与えた。
だから、ゴレンジャーでは主役のアカレンジャーよりもアオレンジャーの方が人気があった。
 だから、岡田晋吉は、次なる刑事はテキサス以上に人気を出すことを前提に宮内淳を選んだ。結果は的中した。
 宮内は勝野にあったガチガチの体育会系の刑事とは対をなし、非常に純粋で、優しい刑事として誕生したのだ。そして犯人と被害者を自らのこととして受け止め、悩み傷つき、成長する。体当たりで捜査する純情刑事であった。
 ボンが登場してから、視聴率は40パーセントに跳ね上がった。当然である。見るもの全てを共感させ、ひたむきに走り、こつこつ努力するボンはオイルショック以降の不況やシラケた世相を吹き飛ばすものがあった。そしてボンの最大の魅力は人を信じるという美学をとことんつらぬいているというところだ。
169話「グローブをはめろ!」では恋人を守るために人を殺してしまったボクサーの人間を信じ、リングでそのボクサーと対決する。そのボンの心がボクサーを自首に導く。
 そして好評の犬シリーズについてもふれなければならない。198話「死ぬな!ジュン」220話「ジュンの復讐」245話「刑事犬対ギャング犬」271話「刑事犬ブラック」300話「男たちの詩」348話「ジュンとキング」テキサス亡き後、警察犬ジュンの教育をかってでたボンは『太陽』歴代刑事の中で最も犬と絡んだ刑事なのである。人間のみならず、動物までにも信頼されるボンは優しい刑事だったのである。
 ボンはまた、惚れっぽい刑事で、捜査の中で事件の鍵を握る女性に職務を越えて淡い想いを寄せてしまうことがたびたびあった。
 191話「冬の女」は殺人犯浅野真弓を愛し、殺されかけ、295話「二つの顔の男」では浮浪者に思いをよせる根岸とし江に想いを寄せる。279話「愛と怒り」では爆破で殺された立枝歩に思いを寄せ、彼女が実は大企業を揺すっていた悪女であったことに苦悩する。319話「年上の女」では丘みつ子がゲスト。憧れの女性。先輩の奥さんと再会するボンだが、先輩の会社は倒産し、先輩は犯罪者になっていた。それでも彼女は先輩を愛していた。339話「暴発」では森下愛子がゲスト。間違って人を殺した男の恋人であった。しかし、それは組織の偽装で、拳銃に安全装置がかからないように細工されていたのだ。ボン、ロッキーは徹夜でどぶをさらい、拳銃を見つけるのであった。ボンは、どぶさらいでもなんでもいやな仕事を率先してやるバイタリティーがあった。そして、343話「希望のサンバ」は尾西兼一のデビュー作である。混血であるが故に夢破れたボクサーの恋人三東ルシアには赤ちゃんがいた。それを必死に手錠をつないで説得するボン。

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赤い秘密(85)全10話
主演、渡辺典子
大映テレビがブームの頃、『スケバン刑事』(85~88)のブームを大爆発させていた東映が放つ少女シリーズ。関東地上波では、今日まで全く、再放送されていなかったが、ようやく、今年再放送がはじまった。
『スクールウォーズ』(84)の後番組である『スーパーポリス』(85)が打ち切りになり、急遽間つなぎ番組として企画されたこの作品は、『不良少女とよばれて』(84)と『その細き道』(84)の長所をブレンドしたものとなっている。原作は山本有三の角川文庫の『真実一路』であり、プロデューサーは『イナズマンF』(74)の加藤貢と、長石多可男が監督。野村清も『スチュワーデス物語』(83)につづき、企画者となった。『スクールウォーズ』から『ポニーテールはふり向かない』(86)への橋渡しとなった番組でもあった。何故、今まで再放送されなかったのであろうか。
冒頭で仲のいい弟との描写が流れているが本当に姉と弟もいい話なのですよ。
母がいないことをコンプレックスにもつ弟。それをたしなめる姉、静子(渡辺典子)。弟はエロ本を万引きしてしまうが、静子は「私の裸ならいくらでも見せてあげるから、万引きなんてやめなさい!」とたしなめる。その描写だけで私はこの番組のファンとなった。
実は母、加賀まり子は父、中条静夫と知り合う前に男を裏切っていたのだ。しかし、その男との間には子供を生んでいたのだ。その子は静子の同級生であり、静子をいびり始める。暴走族との間にできた赤ちゃんを中絶し、それは、教師、国広富之との間にできた子供だと偽ったり、波乱を含んだ秘密はラストまで爆走していく。静子を支えたのは教師、国広への慕情でああるのは、いうまでもない。結果、母は遺書を残して自殺するのだが、父も前の男も、同じように愛していたと遺書を書き残すのである。そして、父、中条静夫が倒れた。そして、心筋梗塞により、死亡するのである。これから、母の見えない姿が分かり始めるのだが、見逃せない、今期の目玉ドラマである。
父の前に愛したその同級生の父、そして、父、中条静夫。そして、今の男である森本レオ。三者三様に、母は愛していたのだ。
しかし、人間社会の中、そんな愛は認められないのである。
しかし、父の死後、静子の頼れるのは母だけであった。
ひとときでも母とのつかの間の幸せを味わう静子。
しかし、森本レオの事業は失敗し、彼は樹海で自殺を図る。
母はそれに連れ添って一緒に死ぬしかなかったのだ。
静子の絶望。そして、母の行き方を認め合う姉と弟。そして、敵対していた友。
全てを理解し、北海道に旅立つ初恋の教師、国広富之は、結婚するため、静子たちの元から、去っていった。
そして、静子と弟は走り始めた。『朝のリレー』という詩をくちづさみながら。
主題歌。回想シーンが流れてこの物語は完結する。
しかし、大映テレビだよな。『不良少女』ではなく、伊藤麻衣子が主演して、作ったらこんな感じのドラマになった筈だし、『その細き道』同様、あまり、視聴率はとれなかったでしょうね。長年、再放送されなかっただけに、一応、ファミ劇には再放送希望のハガキはたくさん出していたのでとても嬉しかった。今はこのドラマは10本の指に入るくらい好きなドラマである。
今期の最大の見ものドラマである。
これら3作はかなり好きなだけあって近年になってようやく陽の目をみたことに神に感謝を禁じえないものがあるのである。

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ゆるしません!DON’T DO IT(80~81)全25話

主演、友里千賀子
はっきり言って、これだけ面白いドラマは見たことがなかった。それぐらい、超超超コメディドラマである。NHK朝の連続テレビ小説『おていちゃん』(78)で一躍有名になった友里千賀子が主演の30分ドラマである。婦警のめぐみが彼女の役だが、まず、お見合いの場面から始まるのだが、お姉ちゃんに帯をしめられて『絞め殺される……!!』という場面から始まる。お姉ちゃんはバツイチの上、帯の締め方を知らないのである。そしてお見合いの場面も傑作。本当は剣道、空手、合気道が趣味なのに、「趣味はお茶を少々…」などというもんだからすぐ、ボロが出てしまう。お見合いの最中にスリを現行犯逮捕したためにお見合いはぶち壊れてしまう。それでもめげない、めぐみさんであった。お姉ちゃんのバツイチ相手は、安月給で職を転々として、車のセールスでめぐみに頼みにくる。
「ねえ、めぐみちゃん、お姉ちゃんと俺を上手くとりもってくれない?」
「そういうお話でしたら、直接姉に言ってください、失礼します」とめぐみさん。
そのめぐみの仕事ぶりも爆笑ものなのである。
駐車違反で父親を取り締まったりとにかく、爆笑の連続である。
「一体どこに実の父親の違反を取りしまる婦警がいるんだ!!」
「だって仕事なんだもん。しょうがないでしょ!!」
その彼女に想いを寄せるのが『ウルトラマンレオ』(74)の真夏竜。とにかく押しのいってでめぐみに言い寄ってくる。
「あなた、自己主張が強すぎるわ。典型的な次男でしょ。」
「そう、俺は次男だよ、3人兄弟の真中だから、自己主張しないと、存在が忘れられちゃうんだ」
「私は悪いけど、もっとおっとりした長男がタイプなんですからね」
そんな、真夏とコンビを組みスリ係でスリを退治していくのである。
ある時、剣道の試合お父さんに「応援に来ないでね」と念を押すめぐみ。「お父さんが声を張り上げると負けるから。めぐみ、がんばれー!!なんて恥ずかしいったらありゃしない!!やめてよ」と言ったのに、応援に来てしまう父。また、「めぐみ頑張れー!!」と父が叫んで決勝で負けてしまう。悄然とする父だが、「しょうがないわよ。あれが私の実力だったのよ」とめげないめぐみさんであった。
あるときはスリを追いかけてフランス料理店に入り、メニューをみてフルコースばかりで安くて1万円以上とびっくり。恥をしのんでスープいっぱいで我慢したり、
あるときは、模擬訓練の強盗役の刑事にお金を渡す行員の役をやっていたのに、偶然本物の強盗が来て、そのお金を本物の強盗に渡してしまったり、ドジにつぐドジ。
そんな憎めない彼女もバツイチのお姉ちゃんがめぐみの捜査課長と恋仲になり始めてから、乙女心がゆれ始めます。
その捜査課長の台詞も傑作。!!
「私、掃除しないし、洗濯もしません。張り込みに次ぐ張り込みでこんなに洗濯物がたまって夜中にまとめて洗濯したら洗濯機がぶっ壊れて、下の階の部屋の方まで水浸しにしてしまって、あとでブランデー持って謝りにいったら、酒は嫌いといわれてものすごい怒られた。ブランデー3本とパンツ一枚買い換えるのがどっちが安いと思ったら、買い換えた方が早いと思いましてね。それ以来、張り込みのたびにパンツを買い換えてんですよ。ハハハ」
お姉ちゃんはそのあたりから、この課長しか私の相手はいないときづきはじめたのだ。
お姉ちゃんは子供の出来ない体だが、捜査で知り合った子供を養子にすることにして、2人はゴールインするのである。
また、めぐみのスリ修行もつづく。
出来心でやったスリと常習犯のスリを見分けるのも難しい。中にはぱっかり、カバンをあけているバカがいて、あーーー!!こんな間抜けなことをしていたら出来心ですられるわーっ!と思っていたら、そのおばさん、すろうと、思ったら思い直し、めぐみがホッとするとやっぱり、出来心を出して、そのぱっかりに手をだしてしまい、めぐみに現行犯逮捕されてしまう。そのおばさんは亭主に死なれ苦労したおばさんだったのです。
とかいって出来心を装って、常習犯である場合もあるので気が抜けないのである。
着物をカバンに詰める手口、カバンをナイフで切る手口、息もつかせないスリ修行なのでございます。スリ稼業の中ではめぐみの写真が100円でやり取りされているとして
めぐみは大憤慨したりするのである。そんなすりのおばはんも、めぐみの努力でようやく逮捕。署長賞の金額はめぐみの写真と同じ値段の百円であったのだ。
駅前でおばさんが胸を抑えてうずくまっている。くるしい。めぐみが介抱すると、そこを狙い目に財布をめぐみの胸からするプロまで出てくるからたまらないのである。
お父さんも植木屋をやっているのだが、脚立から落ちて腰を痛めてしまう回もあり、「猿も木から落ちるわねー!!」と呆れていたのであるが、お父さんと一緒の部屋で寝ると、いびきはうるさいわ、戸締りはどうだとさっぱり寝付けません。お陰で寝不足な上にお釜のコードをつけ忘れてしまうめぐみさん。当分、嫁の貰い手はございません。
お父さんの腰をもみながら「お父さん、私が心配かけているうちは死なないから大丈夫よ。出来の悪い娘がいると長生きするっていうじゃない!!」なんていっている始末であるからたまらない。
そして、ある時、キャバレーのママの知り合いが拳銃強盗なのでキャバレーのホステスに化けて、潜入捜査をする。その不良っぽいメイクがまるで『不良少女とよばれて』(84)なんだが、親戚のおばさんに見られて、「めぐみちゃんはもっと真面目な女の子だと思っていたのになんですか、その格好は!」と注意されてしまうのです。
「これは仕事です!!」と慌てて反論するめぐみであった。
そして、面接の日
「なんでキャバレーに面接に来たの?」とママに言われ「ウチは世間から後ろ指さされる商売なんだよ」
「お父ちゃんが蒸発してしまって、一家路頭に迷い、お金が必要なんです」とめぐみ。
「まあ。頭は弱そうだが、顔は悪くないから使ってやるか」と経営者。笑える。
結局、ママを張り込み、強盗犯を逮捕し、めでたしめでたしである。
最終回は、真夏竜がプロポーズを断ってくるので拍子抜けするめぐみさん。「どうせ駄目だから君のことをあきらめる」「なんだか、根性ない男ねえ……」と失望を隠せない。しかし、駅前で倒れてるおばあさんを介抱するめぐみを見た真夏は思いなおし、再び、プロポーズして、2人は結婚するのである。めでたし、めでたし。やれやれお父さんの肩の荷がおります。
こんなに面白いドラマは生まれて始めてみたというくらい、大好きなドラマである。何度見ても面白いので気持ちが沈んだ時、見返そうとこれからも思うのである。