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赤い秘密(85)全10話
主演、渡辺典子
大映テレビがブームの頃、『スケバン刑事』(85~88)のブームを大爆発させていた東映が放つ少女シリーズ。関東地上波では、今日まで全く、再放送されていなかったが、ようやく、今年再放送がはじまった。
『スクールウォーズ』(84)の後番組である『スーパーポリス』(85)が打ち切りになり、急遽間つなぎ番組として企画されたこの作品は、『不良少女とよばれて』(84)と『その細き道』(84)の長所をブレンドしたものとなっている。原作は山本有三の角川文庫の『真実一路』であり、プロデューサーは『イナズマンF』(74)の加藤貢と、長石多可男が監督。野村清も『スチュワーデス物語』(83)につづき、企画者となった。『スクールウォーズ』から『ポニーテールはふり向かない』(86)への橋渡しとなった番組でもあった。何故、今まで再放送されなかったのであろうか。
冒頭で仲のいい弟との描写が流れているが本当に姉と弟もいい話なのですよ。
母がいないことをコンプレックスにもつ弟。それをたしなめる姉、静子(渡辺典子)。弟はエロ本を万引きしてしまうが、静子は「私の裸ならいくらでも見せてあげるから、万引きなんてやめなさい!」とたしなめる。その描写だけで私はこの番組のファンとなった。
実は母、加賀まり子は父、中条静夫と知り合う前に男を裏切っていたのだ。しかし、その男との間には子供を生んでいたのだ。その子は静子の同級生であり、静子をいびり始める。暴走族との間にできた赤ちゃんを中絶し、それは、教師、国広富之との間にできた子供だと偽ったり、波乱を含んだ秘密はラストまで爆走していく。静子を支えたのは教師、国広への慕情でああるのは、いうまでもない。結果、母は遺書を残して自殺するのだが、父も前の男も、同じように愛していたと遺書を書き残すのである。そして、父、中条静夫が倒れた。そして、心筋梗塞により、死亡するのである。これから、母の見えない姿が分かり始めるのだが、見逃せない、今期の目玉ドラマである。
父の前に愛したその同級生の父、そして、父、中条静夫。そして、今の男である森本レオ。三者三様に、母は愛していたのだ。
しかし、人間社会の中、そんな愛は認められないのである。
しかし、父の死後、静子の頼れるのは母だけであった。
ひとときでも母とのつかの間の幸せを味わう静子。
しかし、森本レオの事業は失敗し、彼は樹海で自殺を図る。
母はそれに連れ添って一緒に死ぬしかなかったのだ。
静子の絶望。そして、母の行き方を認め合う姉と弟。そして、敵対していた友。
全てを理解し、北海道に旅立つ初恋の教師、国広富之は、結婚するため、静子たちの元から、去っていった。
そして、静子と弟は走り始めた。『朝のリレー』という詩をくちづさみながら。
主題歌。回想シーンが流れてこの物語は完結する。
しかし、大映テレビだよな。『不良少女』ではなく、伊藤麻衣子が主演して、作ったらこんな感じのドラマになった筈だし、『その細き道』同様、あまり、視聴率はとれなかったでしょうね。長年、再放送されなかっただけに、一応、ファミ劇には再放送希望のハガキはたくさん出していたのでとても嬉しかった。今はこのドラマは10本の指に入るくらい好きなドラマである。
今期の最大の見ものドラマである。
これら3作はかなり好きなだけあって近年になってようやく陽の目をみたことに神に感謝を禁じえないものがあるのである。