一事が万事
さすがに、社会人経験も20年程度になると、物事の本質が見えてくることがたまにあるように思います(まだまだ、40代でそんなに偉そうなことは言えませんが、、、)。特に、私のように事業会社とコンサル会社を数社経験し、仕事柄コンサルティングというで多くの会社の経営者、役員、管理職の方々と話したりする機会が多かったので、他の人よりちょっとだけ感度がよくなっているのだと勝手に自分では思い込んでいます。
特に、最近「やっぱ、そうだよな」と妙に納得できる言葉は「一事が万事」なのです。この言葉は、私が転職した会社でお世話になった当時のOH社長がよく使っていた言葉です。その会社のかたであれば、直ぐに誰だか分かると思います。それくらい、そのOH社長がこだわっていた言葉です。
私は、コンサルティング先のクライアントにどっぷりつかって常駐しながら、その会社の管理職の方と話す機会が多かったり、営業の仕事で人と接することが多かったりで相手の高度や発言の些細なことと思えることでも、それがその方の、「ものの考え方」、「価値観」、「仕事の仕方」といった、”その人そのもの全て”を映し出していることがほんとうに多いなと実感することが増えました。
ということは、つまり、この「一事が万事」という言葉には、自分もそうした目で他人から見られているということになるわけで、自分自身の行動や発言に注意しないと良き信頼関係がつくれないという意味も含まれているわけですよね。そのことに、この年になって気が付かされている次第です。よく考えてみると、確かに、私自身も些細なことだと思って、ポッロと発言したことが、信頼を失いかねない事態になったこともありました。特に、立場が上になればなるほど、自分の発言の影響が予期せぬところから発生したりします。そんな経験ありませんか。
「部長のあの時のお客のまえでの、あの行動はないよな・・・、」とか、「社長がちらっと言ったあの発言はホンネだよ」とか、よく聞くフレーズですよね。
だから、人の上にたつ方、特に政治家や経営者ほど自分の行動、発言に注意しなければなりません。組織を束ね、市民や社員から信頼される政治家、経営者になるためには尚のこと。
「一事が万事」ですから。これって、人を見極めるうえで、結構本質だと思います。この言葉を教えてくれたOH社長には、他にも多くのことを教えていただきました。とっても感謝しています。
このOH社長との出会いがなければ、今の私の仕事は全く別の違ったものになっていたはずです。OHさんには近々挨拶にでも行こうと思っています。
センセイと呼ばないで
コンサルタントという仕事を7年近くしていると、クライアント先やセミナーの場で「センセイ」と呼ばれることがよくある。私は、この「センセイ」と呼ばれるのがとても苦手なのです。というより、好きではないし、そもそも、そんなに偉い人間でもないと自分では思っています。
しかし、世の中には私のこうした考えとまったく逆のコンサルタントも多くいるようです。なかには、「セミナーにおいては自分のことを“センセイ”と呼ばせましょう」などと言っている方もいますし、“センセイ”と呼ばれても否定しないでいるコンサルタントの方々もよく目にします。世の中にはいろいろなコンサルタントがいますので、別にそのことの良し悪しを言うつもりはありません。これは、あくまでも、私の個人的な経験からそう思っているだけですので、その前提でお聞きくださいませ。
ただ、少なくとも私が働いていた外資系のコンサルティング会社の仲間は、“センセイ”と呼ばれることが苦手で、もし“センセイ”と呼ばれたら、○○さんと呼んでくださいとクライアントにお願いしていました。つまり、コンサルタント=センセイということは、自分たちの価値観としてはありえないという意見で一致していました。ということは、センセイと呼ばれて喜んでいるコンサルタントと価値観が合らないので、当然、物の考え方や思考のプロセスも異なることが多かった経験があります。些細なこだわりですが、コンサルティングの質にも差や影響があると思います。
コンサルタントはセンセイではなく、あくまでも経営者をサポートする黒子的な存在でしかありません。でも、センセイというのは「教えてあげる」、「指導してあげる」という立場の方ですよね。私は、ちょっと違和感を持ちます、このセンセイという言葉に。政治家や、士がつく弁護士、会計士などの「士業」であればセンセイでOKだと思います。選挙で選ばれたり、難関の国家資格をバスしてきているのですから。でも、コンサルタントは違いますから。昨日まで普通の民間企業でサラリーマンをしていた方も、コンサルティング会社に入社した日からセンセイと呼ばれるのは、やっぱちょっと違うと思います。
どう思います???
中小企業にもブランドを
「企業のブランド力を高める」聞くと、それはきっと、広告もしなくてはならないし、デザインも一新しなくてはならないから、お金がかかるに違いないし、そもそも大手と違い、うちみたいな中小の会社ではブランディングは無理と思っている方もいると思います。
でも、自分の会社のブランド化って、そんなお金のかかることでも無いし、考え方がすごく難しいわけでもないのです。ただ、自分たちで決めた目指すべきブランドになるためのプロセスは、大変な努力が必要になります。
「自分の会社のブランドづくり」となると、どんなに大変でも、ブランドという言葉の響きが良いので、取り組み方次第で、とっても楽しくできちゃうところが良いところだと思います。例えば、過去の経験から、企業改革というと、社員からしてみると、とても辛くなりそうな仕事という感覚をもたれますが、自社のブランド力を高る取り組みだというと、なんとなく楽しそうで、前向きな気持ちに社員がなれることが多いと思います。このブランド戦略の実行で会社を生まれ変わらせるという手法は、業績改善に取り組む上で有効だと思いますね。社員が楽しんで仕事をしなければ活動は長続きしなくなりますから。
特に、今の社長で2代目、3代目という歴史ある中小企業が、これまで成功してきたがために、今の自社を取り巻く急速な環境変化に戦略も組織の体制も、そして社員の意識と行動も適応できておらず、業績が低迷し苦しんでいるという話を多く聞きます。
書店にいくと大手広告代理店、有名な大学教授、外資の有名なコンサルタントなどが書いたブランドの書物がたくさん並んでいます。手にとって読んでも、「で、結局ブランドって何?、どうすればブランド高められるの?」、「私の会社は、TVのCMをバンバン流す大手の企業じゃないし、広告はブランドコミュニケーションだと聞いてもよく理解できなし」、「トヨタ自動車のブランド戦略の話なんか読んでも、世界N01企業の話なんか、うちのような社員100人の会社には、まったく参考にならないよ」、、、、などと思っている方も多いでしょう。難しく書いてありますが、そんなに考え方はどの本も変わりません。
日本の企業の95%は中小企業ですし、だからこそ差別化のために自社ブランドを高めるブランドが中小企業にこそ必要だと思います。
おととい、いつもブランドの仕事を一緒にしているクリエイティブの方が急性盲腸で病院に入院し、手術を受けたそうです。40歳過ぎで、その年齢で、盲腸ってこともあるんですね。久々に盲腸ってことばを聞きました。子供の頃、スイカの種を食べると盲腸になると言われてましたが、それっと本当の話なんでしょうかね。私は今でも夏のスイカは種を飲み込まないようにて必死食べています。盲腸にならないためにと思って、、、。幼児期に聞いた話は、40歳を過ぎても忘れないものなんですね。
あるキャリア官僚B氏に鍛えられた私
今から数年前、ある霞ヶ関の某省でコンサルティングの仕事をしたときがあった。クライアントである当時担当は、まだ若い30代キャリアのA課長補佐と20代B係長でした。本当に夜遅くまで官僚の方々は働いていました。特に20代の係長は、今回のプロジェクトについて、文献研究なども十分されていました。
いよいよ、プロジェクトも後半になり300ページほどの報告書を書き上げる時期になってきたときです。納品前に、私が1つの章を書き上げる毎にB係長へ確認してもらうためFAXを送ることになりました。その時からです、私の地獄のような毎日が幕を開けたのです。それは、真夜中の恐怖、「FAX攻撃」です。納期までのラスト1ヶ月は毎晩がほぼ終電か徹夜の状態でした。
B係長の凄まじい赤ペンによる“てにをは”チェック、主語・述語のチェック、論理の展開の妥当性のチェックなどが始ったのです。私も、大学院で修士論文は書いたことがあったので、“てにをは”や論理の流れについては自分なりに多少自信みたいなものがありました。ところが・・・、そのささやかな自信はコッパミジンに打ち砕かれました。毎晩11時頃になると、オフィスのFAXが「ガーッ」と鳴り出すのです。そして、赤ペンでチェックされたFAX用紙が山のように送り付けられてくるのです。「ここは、“の”ではなく“が”にしてくれ」とか、「この文の主語は何で、この修飾語はどの名詞にかかっているのか」といった具合である。
おかげで、国語の勉強になり、報告書や論文を書くときに何を注意しなくてはならないかが、改めて分かりました。最初は、「いいじゃないか、このぐらいのこと」と思っていましたが、良く考えてみると、法律を作る官僚にとっては「を」や「が」の使い方次第で法律の解釈がかわってしまうこともあるので、それはやっぱり重大な問題ですよね。
こまかいな役所はと言って、人を批判しているだけではやっぱり自分の成長はありません。わたしは、そのB係長とのプロジェクトを通して、官僚の文書主義の真髄を一部垣間見た気がしました。それとと同時に、自分がその細かいとチェックに徹底的に対応したことで文を書くということの難しさ、てにをはの大切さを学びました。今となれば、とても感謝しています。私にとって、霞ヶ関と聞くと、そんな37歳の春を思い出します。
評価の指標は何のために・・・
相次いでいる子供たちの自殺、高校の必修科目の未履修問題、結局最後は子供たちにそのつけがきていることが、とっても痛ましく思える。その背景には、教師や学校の評価制度の問題があるとも言われている。いじめの件数、進学率などの数値目標を達成度によって、ABCのランクに分けられ、校長をはじめ教員たちの人事がそのランクによって行われるという。民間企業であれば、当たり前のことですよね。でも、公務員であり、教員という立場は、民間のサラリーマンとは大きくそのミッションが異なる職業なのです。でも、ミッションが異なるからといって、数値で評価する制度が悪いというものではありません。大切なのは評価指標の運用方法なのです。文部科学省を頂点とする組織(例えば県や市の教育委員会)の役人たちが、評価する数値の正しい使い方を知っているかどうかということなのです。
民間企業でも経営者経営指標や人事の評価指標の運用を誤れば、あっという間に組織の活力は落ち、結果として人材は流失し、業績は低迷するのです。いじめの件数、進学率などの数値で表した指標の正しい活用の仕方、それは問題発見のために使うものなのです。目標としたいじめの削減件数や目標進学率と実績とのギャップに着目し、なぜギャップが発生したのか、その原因を把握し具体的な対策を打つ、すべての指標そのためにあるのです。どのような仕事でも、必ず目標や計画と実績にはギャップが発生するという前提のもとに事業を営むべきものです。ぜひ、経営者や管理職方々に知っていて欲しいと思っています。
とは言いながら、民間企業でも「数値目標に達しないからダメだ」というレベルで重要な会議が終わってしまい、何が根本原因で、どのような手を打つのが有効なのかという議論がなされない企業も多いというのも事実です。そのような会社は、結局、今の文部科学省や教育委員会のようにその場しのぎの数合わせに走ります。社会保険庁も、確か数値あわせをして年金未納者の数値を官僚の都合の良い数字にしていましたね。
結局、数値の取り扱い次第で、組織の活力が大きく差がつくことは、民間であろうと、公務員であろうと変わりません。数値マネジメントは、企業業績を改善する上での武器にもなり、その運用を間違えれば、業績を低迷させる危険な凶器にもなります。経営者や管理職にとっては、数値によるマネジメントって、とっても大切な仕事ですから、ぜひトレーニングをしてみてください。
それにしても、いじめによる自殺者ゼロという数値が、今までまったく文部科学省で疑問視されず、議論されなかったこと自体が???ですよね。霞ヶ関の官僚さんたちが働く組織とは、一体どのようなところなのでしょう?不思議だあ~。。。
100円と知識
生保時代の26歳のとき、トレーニーとして証券会社へ出向しました。1年かけ色々な部署でマネーマーケットや経済の勉強するためです。最初に席を置いたのは証券会社の経済研究所、いわゆるシンクタンクでした。その時、経済の基本的な知識を教えていただいたある40後半のエコノミストのAさんの一言が、その後の自分の価値観を大きく変えたことを良く思い出します。
私は、出向してシンクタンクで経済の勉強をしろといわれても、前に月まで保険の営業マンで、日経新聞はいつも三面記事、スポーツ欄、TV欄の順で読み、経済紙面は読んでいてもチンプンカンプンでした。なので、まずは日経の読み方から勉強がスタートし、毎日朝2時間かけ日経を読み、分からないことをまとめ、指導担当のエコノミストのAさんに質問するということになりました。
ある朝、Aさんは私に「ところで、この日経新聞はいくらだっけ」と聞いてきました。私は「100円です」(確か当時は100円だったと思います)と答えました。するとAさんは、「そう、100円だよね、その100円で世界の政治、経済、金融のあらゆる情報やエコノミストや学者の考えが毎朝分かるんだぞ、すごいことだと思わないか。この新聞の記事を書くために、記者はどんなに考えて、そして莫大なお金を使っていると思う?たった100円で最新の知識や情報が手に入る。私たちの身近な新聞は重要な知識の源泉だ。だから、じっくり日経を読みなさい、そうすれば経済がわかるから」と言いました。それ以来、私は多くの学者の知識というものが詰まった雑誌、新聞、書籍の価値を再認識しました。彼らの人生をかけた研究yた取材が安く手に入るのだから。
コンサルの仕事をしていると、良くクライアントの幹部の方々から「本に書いてあるようなこと言って」とか、「現場ではそんな理論通じないよ」とか言われることもあります。確かに、現場ではそうしたこともあります。でも、注意して切る必要があります。
それは、つまり、そうした理論や原理・原則という知識を知っている上で反論をしているのか、それとも、読んだことも聞いたことも無いのに、「頭でっかちだな」という言葉で片付けてしまっているのかということを。同じ否定をするのでも、大きな違いが有りますよね、この2つには。知識というものの大切さとその知識を知っているかどうで、マネジメントの判断は大きき変わりますから。自分の経験だけで判断するのは禁物です、その判断が誤ったものになる可能性が高まりますから。なので、人の意見を聞くことや読書は大切ですね。
マネジメントって何?
皆さんはビジネスにおけるマネジメントって何か知っていますか?私は、いつも担当したクライアンの経営者、管理職の方にこの質問をすることにしています。当然、大手の企業では、新入社員の頃から様々な研修をしていますし、管理職になれば管理職研修を高いお金を払って実施していることが多いにも関わらず、以外に的確に答えられる方が少ないように思います。多くの方が、マネジメントとは、部下の育成だとか、業務改善だとか、戦略を考えることだとか、会社の方針を実行することだとか答えます。私はどれも正解だとと思います。でも、根本的なところで考えてみてください。なんのために部下を育成したり、改善したり、戦略を考えたりするのでしょう?ビジネスという領域を前提とするならば、マネジメントとは会社が決めた目標(予算)を達成するためですよね。
つまり、私の考えるマネジメントの定義は「目標達成を阻害する問題(障害)を事前に予測し、その原因を明らかにし、効果的な打ち手を考え実行すること」と考えています。一言でいうと、「予防管理」です。ですから、例えば、人材が育っておらず、それが目標達成の大きな問題と予測するなら、原因を明確にし、その対策を考えて実行すればよいだけのことです。簡単でしょう。本質を捉えれば、以外にマネジメントってシンプルなことなんです。
しかし、いざ研修となると、やれ、部下の話に耳を傾けましょうとか、ヤル気を出させるコミュニケーションとは・・・、マズローの欲求5段階説では・・・・、などとといって、ちょっと各論の話を詰め込み過ぎて、なんとなく技術的な話が多く複雑になっているような気がします。
早速、今度、会社の上司や先輩にマネジメントって何ですか?と質問してみてください。「予防管理だよ」と答えられた上司は、恐らく業績も良いはずです。お試しを!
新庄から学んだSINJOY
昨日、日本ハムが日本シリーズでドラゴンズを破り日本一になった瞬間をTVで見ました。最終回、TVは泣きながらセンターを守っている新庄選手を映していました。スタンドは日ハムファンで埋め尽くされ、ものすごい盛り上がりでした。なぜ、日ハムがこんなに強くなったのか、その成功要因の1つと思う記事の見出しが今朝のあるスポーツ新聞に載っていました。その見出しとは、確か「楽しむことをボールボーイまで定着させた」と書いてあったと思います。「楽しむ」という言葉は、私も好きな言葉で、とっても自分を少しだけ成長させてくれた言葉だったので、つい、その見出しが目に留まってしまいました。
この「楽しむ」という言葉でかなり励まされたことがありました。それは、私が大学院を3月末で修了し、5月ごろ必死で就職活動をしていたとき、ある外資の大手通信会社の経営戦略室の室長さんと面接したときのことです。その室長さんとの面接で最初の質問が「ねえ、就職活動楽しいでしょ?」と聞かれました。私は必死に就職活動をしていて、心に余裕もなく、とってもそんな気分ではありませんでしたから、「えっ、楽しい・・・ですか???」と聞き返し、「まーァ・・・」と意味不明なことを言ってしまった記憶があります。その方は続けてこう言いました。「だって、いろんな会社のいろんな人に会って、いろんな話が聞けるでしょ、勉強になるし、こんなチャンスめったに無いよ。うらやましいな。僕もMBAを取得して就職活動した経験あるけど、本当に楽しかったなぁ、あの時が。だから君もエンジョイしなきゃもったいないよ、この就職活動を」。発想を変えるとは、まさにこのことですね。その「エンジョイしなきゃ」という言葉を聞いてから、なんだか気分がとっても楽になり、その後、楽しく就職活動ができました。それをきっかけに、何でも楽しんでしまえば、良い結果も自然についてくるものだと考えられるようになりました。小さな成長です。
この体験を元に、私もキャリアアドバイザーの仕事をしていたとき、元気の無い方とお会いしたら必ず「転職活動、楽しもうよ、いろんな人に会えるんだから」とアドバイスしていました。ほとんどの方が笑顔になる言葉でした。多分私と同じで心に余裕がなくなっていたんでしょうね。
「もっと楽しもうよ」、これを新庄流の楽しみ方に置き換えると、「SINJOY](=SHINJYO+ENJOY」)と言うそうです。おもしろい造語ですね。流行るでしょうかね?
最高の先輩
昨日のブログで、新卒で入社した昭和61年(今から約20年も前のことですが・・・)の職場のことを思い出したら、妙に懐かしくなってしまいました。今日は、その生保時代に私を大きく成長させてくれた先輩の話をしたいと思います。ちょっと重い話かもしれませんが・・・。
その先輩との出会いから、実は「人との出会いこそが、自分の人生、仕事、価値観、人間性などを大きく変える力を持っている」ということを教えてもらった気がします。
これまでの私自身の転職もそうですが、前職で色々な方の転職をお手伝いした経験から改めてそう思います。
当時業界10位だった渋谷に本社があった中堅生保に総合職として入社した私は、配属された開発第四部2課で私の目の前に座っていた方が、先輩のKさん(入社が一期上)です。
Kさんは大学時代、体育会テニス部キャプテンで、とてもさわやかで、いつも笑顔で話し、上司、同僚、後輩、先輩、お客様を問わず誰からも好かれる魅力的な人でした。Kさんにとって私は社会人になってはじめて持った後輩で、家も同じ所沢ということで、とにかく良く面倒を見てもらいました。
先輩は、事あるごとに、この部に配属されたことの誇りや1000円の保険料をもらうことの難しさ、頭を何度も下げても契約をもらうまではどんなに悔しいことをいわれてもジッと耐えることの意味を教えてくれました。特に人との付き合いをものすごく大切にしていました。そんなKさんの姿を今も思い出します。
私が入社2年目になったとき、「社内選抜の試験を受けて海外留学をしよう」とお互いに共通の目標を掲げ、毎日営業でくたくたになりながらもお互いに夜勉強して頑張りました。論文対策や株式取引の知識を身につけるため専門学校に夜一緒に通ったりもしました。
結局、社内の留学試験には2年連続で2人とも最終選考で不合格になりましたが、翌年努力が人事に評価され、Kさんは仏資本の外資銀行へ出向となり、為替ディーリングと外国債券の勉強をすることになったのです。Kさんが、「お前も俺に続け、待っているぞ」と言って励ましてくれたことは、今でもいい思い出になっています。
それから半年後、私も国内証券会社本店への出向が決まり、株やデリバティブ取引、国内債・外債、証券アナリストなどの勉強をすることになったのです。そしてまた、お互いに出向が終わり、Kさんと再び本社の有価証券部で同じ部に配属になり握手を交わしました。
その2年後、Kさんはロンドンの現地法人へ転勤となり、「来年、ロンドンで待っているぞ」と言って成田を元気に飛び立ちました。Kさん30歳のときです、私がプレゼントしたネクタイを締めて。
Kさんと再び会ったのは、それから半年後でした。ガンに侵され、入院しているKさんを見舞ったときです。副作用で視力を失い、声も出なくてしゃべることができない病状にも関わらず、奥さんに本を読んでもらいながら社内の試験勉強しているKさんの姿を見ました。会話にはならなかったですが、お互いに握手し再開を喜びました。
その1ヵ月後にKさんは31歳という若さでこの世を去りました。葬儀には、経験したことのないくらいの多くの参列者が来ました。BGMにはK先輩の好きだったビートルズの「Let it be」が繰り返し流れ、多くの人から惜しまれながら旅立っていきました。
皆さんは、どのような人と出会って、どのように自分の人生や仕事が変わったのでしょうか?
会話のある職場の記憶
女性の仕事やキャリアの話がこのところ続きましたが、女性の戦力化=優秀な女性社員の採用と彼女たちの能力を存分に引き出すマネジメントは、業績が伸び悩んだり下降ぎみの会社には”回復効果”抜群の薬になるということをお伝えしたかったのです。今日は、職場で会話の量を増やすことが、実は会社の業績回復に効果をもたらすということについてお話しします。
私は生保の法人営業や人材斡旋業のリクルートエージェント、外資のコンサルファームで仕事をしていましたが、すべてに共通しているのが人と話すことが大切な仕事でした。しかし、今はメールでコミュニケーションを取ることが当たり前となった時代です。そんな時代になってしまたことはなんだか悲しい気がします。人と話すことがどれだけ人を成長させ、自分も成長するかということを経営者や管理職の方々に再認識して欲しいなと思います。コンサルティングで多くの企業へ伺いますが、職場や社員食堂を拝見し、「職場で誰かともっと会話したくないのかな?」と思うことがあります。
ブログがこんなに流行るなんて、やっぱり誰かに聞いて欲しいんですね。小・中・高のでは、親や担任の先生と話せないから保健室で保健士の先生にいろんな話をしているんだし。
社皆、話したいんだと思います。でも、アルバイト、派遣社員、契約社員、正社員、先輩と後輩、中途入社、生え抜きのベテラン社員、昔と違って色々な立場、人生経験、価値観を持った人が同じ職場で働いているのが現実です。だかか、気軽に話せる雰囲気もないし、組織内でも人の出入りが多いし、仕事量は多いし、それじゃ人間関係つくる暇もないから。
メンタルヘルスの分野でも、上司や同僚以外に何でも話せる人がいるとストレスが溜まりにくい風通しの良い組織になります。組織内でメンター制度を導入するのも良い方法だと思います。
業績が伸び悩んでいる会社の経営者や管理職にとって、会話の量を増やすことについて、真剣に考えなければならない時代が来ていると思います。もっともっと職場で会話を増やす工夫をすべきです。大丈夫ですか、皆さんの職場は?会話は自然に多くなるもんじゃありません。意識して組織の中に、そうした仕組みを組み込まないと、あっという間に「どよ~ん」とした、活気と会話の無い冷えた組織になってしまいますから。一度冷えた組織を活気のある熱い組織に変えるには、凄くエネルギーが必要です。
私が過去にコンサルティングした企業では、職場での会話を増やす多くの楽しい仕掛けを開発して導入しました。ありがたくもリクルートエージェントで「リクルートの組織文化」を経験したおかげです。たぶん、普通のコンサルタントだとなかなか思いつかない仕掛けです。仕掛ければ何でもうまくいくとも限りません。成功するかどうかの分かれ道は、その仕掛けを社員自身が楽めるかどうかです。すでに、仕掛けられている会社では、一度本当に楽しめる仕掛けかどうか振り返ってはどうでしょうか。
そして、組織と人に、そして、業績に抜群の回復効果をもたらす技術のひとつとして「会話の量を増やす」というマネジメントを導入されてみてはどうでしょう、きっと組織は良い方向に変わりますから。
ところで、昨日私と同世代(40代)のコピーライターの知り合いの方と話したんですが、「俺たちが大学卒業して会社に入社した時代には、パソコンやインターネットなんてなかったけど、でも、良く考えてみると一体何の仕事を会社の机の上でしていたんだっけ?ワープロだって職場に1台くらいしかなかったしね・・・」20年前なので、思い出せなくなってしまった自分がちょっと寂しくなりました。
でも、覚えていることは、会社でやることが無いとパソコンのように仕事している振りができる”逃げツール”がなかったから、隣の先輩社員や上司に色々話しかけて、手伝ったり、仕事教えてもらったり、くだらない話したり、いろんな会話をした記憶があります。今の会社と比べて、もっともっと、一日中、職場に「ザワザワした人の声」が溢れていた記憶があります。とっても暖かかった昭和61年のドキドキした新人時代を思い出しました。