台湾在住16年目、台北パン教室ホメパン主催、腸活アドバイザーの
筒井恵美子です。
いつも読んでいただきありがとうございます!

先月末、夫の祖母が100歳で天命を全うされたので、台湾の仏教系のお葬式に参加させて頂きました。


私は学生時代に日本のお葬式スタッフのアルバイトをしていたので、少しは分かっているつもりでしたが、やっぱり台湾では何もかも違う…


まずはお葬式関連の日程ですが、

台湾ではご遺体を霊安室に数週間安置しておきます。

台湾では海外に住んでいる親戚友人などもみんなが余裕を持って告別式に参加できるように、亡くなったらすぐ通夜&葬式、とはなりません。


そして、仏教系の日時を決めるのは占いです!!

占いでどの日のどの時間がベスト、というのを葬儀屋さんが教えてくれるので、それに従って、空きのある時間に葬儀の儀式を行なっていきます。


注意ここから書くのは仏教系のお葬式についてなので、キリスト教系のお葬式とは全く違います。またキリスト教徒の参列者は、線香を持たなくて良いし、この下に出てくる土下座スタイルなどもしなくて良いので、「キリスト教なのでこれはしない、この行事には参加しない」などの意思表示をしても失礼に当たりません。

また、仏教の中でも派閥が違うとスタイルも違うと思うので、ここから書くのはある一派の仏教系葬式だと思ってくださると良いと思います。




ご遺体は告別式会場の霊安室にあるのですが、亡くなって数日後に↑このような葬儀屋の儀式用の部屋↓にて、金ピカの三人の神様像の前に遺影を飾り、故人が生前に好きだった食べ物や果物をお備えして読経してもらいます。


(いろいろハッキリ見えるとダメかもしれないので、モザイクかけてます。)


今回集まったのは故人の子孫だけで、故人の兄弟姉妹は来られていませんでした。子孫の人数によるのかもしれません。


この部屋を借りている時間は2時間しかなく、終わったら次の人の読経が始まります。

(2時間と言ってももちろんぶっ通しで読経するわけではなく、途中の休憩を含みます。)


読経してくれる方もお寺のお坊さんではなく、そこら辺にいるようなおばちゃん(葬儀屋のスタッフ)が3人、黒い衣装をまとい、鐘や木魚みたいな音の出る楽器を使いながら、声を合わせて読経してくれます。



読経は250ページ以上もある本をずーっとひたすら唱えているので、聞いている私は頭がクラクラしてきましたが、こういうのを仕事にしているスタッフの方は凄いですね無気力無気力

ちなみに夫の祖母は台湾語しか喋れない方だったのでもちろん読経も喋るのも全て台湾語でした。

私はちんぷんかん煽り煽り

でも漢字から読み取れる内容は、この世の苦労や苦しみ痛みなどがたくさん書かれていて、それを天国で癒してもらうという内容だと感じました。(とりあえず読経のスピードがかなり速いので、内容を深く読み込むことはしていません。)


一般人の私たちは、読経の始めと終わりだけ起立しますが、途中は着席して、この本をひたすら目で追っていくだけでした。(一緒に読経できるなら読経して良い。)

立っている時は、手を合わせて3回お辞儀する場面が何度もありました。

ながーーいお線香を持って3礼することもあります。とりあえずスタッフさんのいうとおりにしておけば良いです。


台湾のお寺では餃子みたいな形の赤い木片を落として運を占いますが、それは片方が上向き、片方が下向きであれば「成功」になります。

それと同様に、この読経の後で、喪主がコインを2枚床に落として、片方が上向き、片方が下向きであれば儀式が終わります。

これがなかなか成功しなくて、私たちは時間がかかりましたタラータラー

スタッフさん達がいろいろ理由をつけて励ましてくれていましたが、だいぶ傍目で見たら、これって意味あるのか?って感じはしましたねニヤニヤニヤニヤ


読経用の部屋の他に、自由に訪問してご遺影に挨拶する部屋?通路?↓もあります。告別式までは遺影をここに飾っておきます。


(この写真もモザイクかけてます。)


これは、もし故人の家が使えるなら家で行うこともできるので、こういう会場を借りない場合もあります。(この会場を借りた場合、1日あたり800元かかったそうです。)


ただ台北市では家を売り払って老人ホームで暮らしてたご老人の場合、葬儀を行う家がない場合も多いので、このような場所を借りるのだそうです。


告別式の前日にも、もう一度同じように読経してもらいます。

この儀式も2時間ほど。。。また頭クラクラする読経を聞いたら終了です。(ここではコイン落としは無し。)

この時は故人の息子側の親族だけで集まっていましたが、そういう決まりなのかな?


そして告別式になります。

日本と同じで、この日は近い親族だけでなく兄弟姉妹や遠い親戚、友人や知り合いなども来てお別れができます。

会場は、恐らく台北市付近では多くの方がここにお世話になるであろう、『台北市立第二殯儀館』(台北市大安区)でした。



とっても煌びやかな祭壇が用意されていて、すごく神的な雰囲気が漂っていました。

故人はこの祭壇の後ろに隠れている棺に寝ています。死後用のお金(黄色の紙で色んな模様が描かれている、お墓参りでも使うもの)で折られた花が、棺に沢山埋め尽くされていました。

私は夫の祖母には、ここ数年は年に一度ぐらいしかお会いすることがなかったのですが、数週間霊安室に安置されていたと分からないぐらい、生前と変わらないお顔のように感じました。

台湾のエンバーミング(遺体を衛生的に保つ技術)がどのぐらいなのか私は知りませんが、とても綺麗なお顔だと感じました。

やっぱり血色良く施されたお顔を見ると、思い出が蘇ったりお別れを言いやすいんじゃないかなと思います。



故人の子孫はみんなこのような↑黒いマントを羽織います。あとで火葬場までこのまま行くので、もともと来ているダウンジャケットなどの上から着るため、モコモコです。右肩にリボンを付けてもらいます。

子供用もあるのですが、次男は袖が長すぎて何度か袖を折っていました。

故人の子と孫と、それぞれの配偶者には、腕に金色のコインをゴムで付けます。

葬式の儀式は、初めはお寺のお坊さんが先頭に立ち、その後ろに子の代、それから孫の代が立ちます。手を合わせて読経を聴きながら、お坊さんの動きに合わせて礼をします。

まずお坊さんは坊主頭ではなくて髪が生えています。(短いけど)
服も白や黒ではなく黄色(黄土色)です。そして、木魚はなく、手で持つ鐘みたいなものを鳴らしながら、民謡みたいな感じで歌うように読経してくれます。台湾語であんまり分からなかったけど、日本でお馴染みの般若心経ではないように思いました。

さらに、子の代と孫の代と曾孫の代にキッチリ分けられ、息子なのか娘なのかでもキッチリ分けられ、男性・女性でもキッチリ分けられます。祭壇の左右に男女分かれて立ちます。

代ごとに祭壇の前に立って3礼、その後、床に膝をついて床に手をつけて3礼(土下座のような格好。膝をつく所にはクッションを敷いてくれる)、長い線香を持って3礼、土下座状態でスタッフの話が終わるまでそのまま待機、などなど、まあスタッフの言う通りに動いておけば問題ないです。
私はここでも台湾語ちんぷんかんなので、周りの人がしている様に合わせて動くのみでしたキョロキョロキョロキョロキョロキョロ
立ったり座ったりする時に、羽織っている黒いマントが足に引っかかって転けそうになるので、そこだけ要注意です。

何度か故人の棺の周りに集まったり、棺の周りをぐるぐる回ったり、3礼したり、手を合わせて心の中で故人へのお別れを言ったりなどしました。
ここでの注意点は、棺から離れる時に決して振り向かないこと!!
振り向くと、故人が心配して死後の世界に行けなくなるそうです。
スタッフが良いと言うまで、棺に背を向けて歩かないといけません。

葬式が一通り終わると、火葬場に棺を移動します。時間がない人は火葬場に行く前に帰るのもOK。
火葬場は葬式会場のすぐ横にあるので、お坊さんが歩き、棺が続き、遺影やお供物などを持った遺族が棺について行きます。
火葬場に行く途中に時々、故人へのメッセージを叫ぶ所もありました。

火葬場はたぶん他の国と同じで、工場みたいな機械的な場所のように感じました。(告別会場が煌びやかだったのでそのギャップがすごい。)
ここでも、火に入れられる所までみんなで見送ったら、そのあとは振り返り禁止。
火葬場の横で少し読経や3礼などしたら一旦終了です。
燃え終わるのに約90分かかるので、このあと骨を拾ったり墓に入れる作業がある場合は残り、後日行う場合はここで帰宅します。

帰宅するときは一緒にきた親族に挨拶したくなりますが、絶対に「再見(ザイジェン)」と言ってはいけません。
「再見」はまた来る、つまり『親戚や知人がすぐ死んでまた葬式会場に来る』と言うことになってしまいます。
英語では「See you.」日本語なら「またね」がダメってことですね。
言うなら「Bye bye.」か「さようなら」でしょうかね。中国語では何て言ったら良いかわからないので、みんな無言で帰ってました真顔真顔真顔

帰宅時のもう一つの注意点は、帰る途中にまっすぐ家に帰らず、人の多いところに立ち寄ってから帰ること。
スーパーやコンビニで良いので、家に着く前にワンストップ立ち寄ってから帰るように、と言われました。
そのかわり、日本のように帰宅して体に塩を振りかけたり、塩を盛ったりするような習慣はありません。

↑こんな風に赤い袋に入った小銭が、参列した方みんなに配られます。

右の金色のコインは、子の代と孫の代の人が腕に付けていたコインです。これを持ってると将来お金持ちになれるという言い伝えがあるそうです。


ギザギザギザギザギザギザギザギザギザギザ

この後、骨を拾ったり、お墓などに納骨したりする儀式もありますが、今回は本当に少人数でやるということで、私は行かないため、よく分かりません。

夫の祖母は、祖父の遺骨がお寺に納められているので、同じようにお寺に納められるそうです。
お寺の場合、まるで日本の学校の下駄箱のように、蓋つきの木の棚がずらりと並んでいる所に、遺影と位牌などを納めていて、
お参りに訪れた時は蓋を開けて、そこに向かって線香を持って3礼したりします。


以上、台湾の葬儀に参加してみたレポートでした。
台湾の結婚式には何度か参加しているけど、葬儀はなかなか参加する機会も無かったので、特に土下座したりする様子はビックリで、同じ仏教なのに日本と全く違う文化に驚きました。
たぶんあまり役には立たない記事だと思いますが、何かの参考になれば嬉しいです。



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最後まで読んでくださってありがとうございましたおねがい