先月末、夫の祖母が100歳で天命を全うされたので、台湾の仏教系のお葬式に参加させて頂きました。
私は学生時代に日本のお葬式スタッフのアルバイトをしていたので、少しは分かっているつもりでしたが、やっぱり台湾では何もかも違う…
まずはお葬式関連の日程ですが、
台湾ではご遺体を霊安室に数週間安置しておきます。
台湾では海外に住んでいる親戚友人などもみんなが余裕を持って告別式に参加できるように、亡くなったらすぐ通夜&葬式、とはなりません。
そして、仏教系の日時を決めるのは占いです!!
占いでどの日のどの時間がベスト、というのを葬儀屋さんが教えてくれるので、それに従って、空きのある時間に葬儀の儀式を行なっていきます。
ここから書くのは仏教系のお葬式についてなので、キリスト教系のお葬式とは全く違います。またキリスト教徒の参列者は、線香を持たなくて良いし、この下に出てくる土下座スタイルなどもしなくて良いので、「キリスト教なのでこれはしない、この行事には参加しない」などの意思表示をしても失礼に当たりません。
また、仏教の中でも派閥が違うとスタイルも違うと思うので、ここから書くのはある一派の仏教系葬式だと思ってくださると良いと思います。
ご遺体は告別式会場の霊安室にあるのですが、亡くなって数日後に↑このような葬儀屋の儀式用の部屋↓にて、金ピカの三人の神様像の前に遺影を飾り、故人が生前に好きだった食べ物や果物をお備えして読経してもらいます。
(いろいろハッキリ見えるとダメかもしれないので、モザイクかけてます。)
今回集まったのは故人の子孫だけで、故人の兄弟姉妹は来られていませんでした。子孫の人数によるのかもしれません。
この部屋を借りている時間は2時間しかなく、終わったら次の人の読経が始まります。
(2時間と言ってももちろんぶっ通しで読経するわけではなく、途中の休憩を含みます。)
読経は250ページ以上もある本をずーっとひたすら唱えているので、聞いている私は頭がクラクラしてきましたが、こういうのを仕事にしているスタッフの方は凄いですね
ちなみに夫の祖母は台湾語しか喋れない方だったのでもちろん読経も喋るのも全て台湾語でした。
私はちんぷんかん
でも漢字から読み取れる内容は、この世の苦労や苦しみ痛みなどがたくさん書かれていて、それを天国で癒してもらうという内容だと感じました。(とりあえず読経のスピードがかなり速いので、内容を深く読み込むことはしていません。)
一般人の私たちは、読経の始めと終わりだけ起立しますが、途中は着席して、この本をひたすら目で追っていくだけでした。(一緒に読経できるなら読経して良い。)
立っている時は、手を合わせて3回お辞儀する場面が何度もありました。
ながーーいお線香を持って3礼することもあります。とりあえずスタッフさんのいうとおりにしておけば良いです。
台湾のお寺では餃子みたいな形の赤い木片を落として運を占いますが、それは片方が上向き、片方が下向きであれば「成功」になります。
それと同様に、この読経の後で、喪主がコインを2枚床に落として、片方が上向き、片方が下向きであれば儀式が終わります。
これがなかなか成功しなくて、私たちは時間がかかりました
スタッフさん達がいろいろ理由をつけて励ましてくれていましたが、だいぶ傍目で見たら、これって意味あるのか?って感じはしましたね
読経用の部屋の他に、自由に訪問してご遺影に挨拶する部屋?通路?↓もあります。告別式までは遺影をここに飾っておきます。
これは、もし故人の家が使えるなら家で行うこともできるので、こういう会場を借りない場合もあります。(この会場を借りた場合、1日あたり800元かかったそうです。)
ただ台北市では家を売り払って老人ホームで暮らしてたご老人の場合、葬儀を行う家がない場合も多いので、このような場所を借りるのだそうです。
告別式の前日にも、もう一度同じように読経してもらいます。
この儀式も2時間ほど。。。また頭クラクラする読経を聞いたら終了です。(ここではコイン落としは無し。)
この時は故人の息子側の親族だけで集まっていましたが、そういう決まりなのかな?
そして告別式になります。
日本と同じで、この日は近い親族だけでなく兄弟姉妹や遠い親戚、友人や知り合いなども来てお別れができます。
会場は、恐らく台北市付近では多くの方がここにお世話になるであろう、『台北市立第二殯儀館』(台北市大安区)でした。
とっても煌びやかな祭壇が用意されていて、すごく神的な雰囲気が漂っていました。
故人はこの祭壇の後ろに隠れている棺に寝ています。死後用のお金(黄色の紙で色んな模様が描かれている、お墓参りでも使うもの)で折られた花が、棺に沢山埋め尽くされていました。
私は夫の祖母には、ここ数年は年に一度ぐらいしかお会いすることがなかったのですが、数週間霊安室に安置されていたと分からないぐらい、生前と変わらないお顔のように感じました。
台湾のエンバーミング(遺体を衛生的に保つ技術)がどのぐらいなのか私は知りませんが、とても綺麗なお顔だと感じました。
やっぱり血色良く施されたお顔を見ると、思い出が蘇ったりお別れを言いやすいんじゃないかなと思います。
故人の子孫はみんなこのような↑黒いマントを羽織います。あとで火葬場までこのまま行くので、もともと来ているダウンジャケットなどの上から着るため、モコモコです。右肩にリボンを付けてもらいます。
子供用もあるのですが、次男は袖が長すぎて何度か袖を折っていました。