海外製の110号プラグであるMIL-DTL-642-13 PJ-051プラグが手に入りましたので日本製の110号プラグと比較してみました。
Blog内参考リンク:
MIL-DTL-642-13 PJ-051
PLUGS, TELEPHONE
(TYPES PJ-051B AND PJ-051R)
写真のものはPJ-051Rに該当する
Plugs, Telephone (Types PJ-051B and PJ-051R) and Accessory Screw
https://quicksearch.dla.mil/qsDocDetails.aspx?ident_number=2453
MIL-DTL-642-13 PJ-051の規格が上記のリンクで見れます。
MIL規格上での図面
PJ-051ですが日本国内の規格としては防衛庁仮規格 NDS XC 6453B-201 プラグ(PJ-051)が該当すると予想しています。防衛庁仮規格 NDS XC 6453Bは昭和48年3月から制定(株式会社相崎電機製作所※現Aizakiの昔のカタログより)、昭和61年11月28日付で廃止(防衛装備庁長官官房総務官付渉外調整室回答)となっています。(規格を入手していませんので同寸法かは未確認ですがAizakiさんの古いカタログを見る限りは同一品。恐らく米国製品用の調達品として一時的に仮規格化したと考えられる。余談ですが、防衛庁規格は細分化されることを好まず積極的に廃止を行い、本規格も廃止後はプラグを含めた形で調達用の規格をその都度作っているようです。)
インチですと比較がし辛いのでミリ換算に置き換え、作図しました。
MIL-DTL-642-13 PJ-051
PLUGS, TELEPHONE
(TYPES PJ-051B AND PJ-051R)
MIL-P-642/2A 3 July 1973
MIL-P-642/2B 23 September 1987
MIL-P-642/2C 23 May 2014
正直、海外のプラグ事情までまだ追えていません。プラグ年表を作成し、ぼちぼち資料を当たっていますがなかなか手掛かりがありません・・・。今の所、大型フォンプラグは大まかに下記4種類の形状がある事が分かっています。
プラグ規格年表(随時更新しています)
上記の表はこちらでダウンロードできます。
■フォンプラグの歴史■
http://www.holycater.sakura.ne.jp/zip/pdf/phoneplughistory.pdf
主なフォンプラグの形状比較
手持ちの110号系プラグを比較してみました。
110号系プラグ
上から
本多通信工業 110号プラグ
本多通信工業 3Cプラグ(カバーのTMTが何を指すのか調査中)
WHC PJ-051プラグ(WHCとは何か調査中)
Neutrik NP3TBーB BPO 316プラグ
詳細な形状としては上2つが日本規格、下2つが海外規格です。
3CプラグとPJ-051プラグの比較
3CプラグとPJ-051プラグの比較詳細
作図して気が付きましたが、PJ-051は先端の形状が110号の様に球体ではありません。(PJ-051の先端くびれが3.63mmでは太い為、ひょうたん形状になる)
また、110号に比べると詳細な寸法規定が無く、形状に遊びがあります。以前、日本国内で最古の110号プラグメーカである株式会社Aizakiさんに伺ったところによると、110号プラグは全盛期には海外にも輸出を行っていたとの事です。うーん、確かにこうして拡大写真で見てみると仕上がりに差が出ますね・・・。
※実際、ジャックに刺した感触も110号の方がカッチリ感じました。
※輸出対象になっていたのは正確にはPJ-051かもしれませんね。
オマケで比較用の図面を置いておきます。2021年現在、インターネット上で公開されている110号プラグの資料の中で一番詳しいのがこのBlogかと思います。
日本電信電話公社仕156号 図ー41029、41032 より
N110号「」プラグ、N110号「」プラグサヤ
制定 昭和39年8月10日
(JIS C 6501 単頭プラグ解説絶縁サヤ、NHK放送技術規格(BTS)4101 3心形プラグ 3心プラグ 3Cと同規格)
JIS C 6501 単頭プラグ より 110号プラグ
制定 昭和27年6月21日 ~ 廃止 昭和48年9月1日
(日本電信電話公社仕156号 図ー323と同規格)
こうして少し調べるだけで様々な事が判明しますが反面、謎は増え、どんどん闇に迷い込みます・・・
引き続き、フォンプラグの調査を続けます。