裸圧着端子、絶縁被覆付圧着端子の適正圧着についていつも下記の資料を紹介してきました。
参考リンク:株式会社ニチフ端子工業 圧着作業の基本
http://www.nichifu.co.jp/j/information/lecture01.html
【PDF】MOLEX 圧着ハンドブック
MOLEX 圧着ハンドブック (産業向け)注文番号 64016-0065 裸圧着・絶縁被覆付圧着について
今回は、上記を踏まえて概要を写真付きで説明します。この記事での対象となる圧着端子はスケアが5.5m㎡くらいまでと考えてください。
尚、適正サイズの圧着ダイスを使用する、は下記内容ではMOLEX 圧着ハンドブック同様に省いています。当たり前すぎて、書くまでもありません。
良好な圧着
上記が裸圧着端子、絶縁被覆付圧着端子の適正圧着です。こちらを基準に、圧着前に確認する事、圧着後に確認する事の概要を説明します。
圧着前の確認
1.心線が根元で見える
2.突き出しが1mm以下
上記の2点を守るように被覆を剥きます。絶縁被覆付圧着端子の場合は、2しか確認が出来ませんが、同様と考えてください。※絶縁被覆付圧着端子へは撚線のみが使用でき、単線の使用は推奨されていません。
筆者解説:
1、の心線が根元で見えるとは、被覆ごと圧着していないかを確認するために必要な事項です。圧着部(筒状の部分)に被覆ごと入ってしまうような細い線を使用する場合は特に注意が必要です。
2、の突き出しが1mm以下とは、確実に心線を圧着している、かつ、ネジ留めする際に心線を巻き込まない長さである事を目視で確認する為に必要な事項です。
圧着前不良例です。言葉で説明するより、写真を見て頂いた方が早いでしょう。
冒頭に挙げた資料では圧着前と圧着後の確認が重複しており、そもそも圧着前に確認しておけば、圧着後に確認する必要がない事項がありますので割愛しました。
上記の内容は圧着前ですので取り返しがつきます。
もし、差異が認められる場合は手直しをしましょう。
圧着後の確認
圧着後不良例です。こうなってしまったら切り落として最初からやり直す必要があります。
一番下の「圧着方向間違い」ですが、これは方向性がある絶縁被覆付圧着工具では避けられない宿命です。初めて使う圧着工具では必ず方向性があるか?方向性は正しいか確認を行いましょう。
心線が根元で見える必要性の復習です。被覆ごと圧着していないかを確認するために必要な事項です。
Blog内参考リンク:
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以上で終了です。簡単な話ですが、現場で人の作業を見てみると、案外守られていません。日頃から100%の加工を叩き込んでおき、現場で最大のパフォーマンスを出せるように練習しましょう。