以前取り上げたタツタ立井電線株式会社 T-AS203PA パワードスピーカ用電源音声複合ケーブルの電源線の加工難易度が高い為、今回取り上げてみました。
参考リンク:
タツタ立井電線株式会社 T-AS203PA パワードスピーカ用電源音声複合ケーブルの紹介
参考までに、Panasonic WV 2500、フェニックスコンタクト AI 2,5 - 10、ニチフ R 2-3.5で仕上げてみました。
Panasonic WV 2500 絶縁被覆付棒型圧着端子
ヨリ線を単線扱いにするために使用する圧着端子です。裸圧着端子用圧着工具が使用できる為、低コストでの加工が可能ですが、長さがかさばる事がデメリットです。
フェニックスコンタクト AI 2,5 - 10
フェルール圧着という呼び名で知られるヨリ線を単線扱いにするために使用する圧着端子です。こちらを推奨しますが、圧着工具が高価です。
参考リンク:
Weidmüller PZ 10 HEXの紹介と各種フェルール圧着工具の比較
ニチフ R 2-3.5
言わずと知れた裸圧着端子です。ネジ留めの電源端子に使用します。
圧着については下記の資料を参考にしてください。今回の加工に当たり、読み直しました。
参考リンク:
【PDF】MOLEX 圧着ハンドブック (産業向け)注文番号 64016-0065 裸圧着・絶縁被覆付圧着について
素線の構造が0.08mm×57×7(399本)と髪の毛と同等の細さの為、ケーブルストリップにはARS FP-17-BKを使用しました。こちらは趣味での精密なケーブル加工時に使用している道具です。
ARS(アルスコーポレーション) FP-17-BK 業務用花はさみフルール
参考ケーブルストリップ。この素線の細さではハサミでのストリップは高難易度です。
ハサミを使用すると、フェルール端子の先端の余剰もきれいに切り落とすことが可能です。
とにかく、素線が細いと言うだけで難易度が格段に上がるのですが、圧着時の難易度も非常に高いのです。
圧着端子への挿入時に素線がはみ出やすく、また、目視しにくい。
※こちらはマクロ撮影ですので目視出来ますが、実際は髪の毛と同等の太さである、と言う事を思い出してください。
また、通常はヨリ線が使用できるコネクタでも、ほつれが発生するため、筆者は単線扱いにする圧着工具が必須と考えています。
フェルール圧着が安心出来ます。
仕事でも素線の構造が0.08mm×57×7(399本)のケーブルはまず扱う事がありませんので、今回はとてもいい勉強になりました。