点検用スピーカを考える2 | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

点検用スピーカを考える
を書いて1年ほどですが、地道に最適化が進みまして、ほぼ完成形となった、点検用スピーカです。

 

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点検用スピーカ最終形。カッコイイ。

 

 

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28°傾斜を可能にするチルトスタンドとマイクスタンドに取り付けが可能な取付穴

 

 

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スピーカのインピーダンスをローとハイに切り替える事が出来ます。
内蔵トランスはスピーカユニットの能率の関係から、3W(OM-03)を使用しています。

 

 

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スピコン端子カバーにはノイトリックのSCD-Wを採用しました。
ハイインピーダンスモデルではトグルスイッチがあるため防滴とは行きませんが、ローインピーダンスモデルではユニット前面を伏せた状態でなら雨に打たれても問題がありません。
※トグルスイッチはレバーのショートモデルを採用し、スイッチカバー用にバンパを取り付けていますが、バンパのパーツは下記一覧には含めていません。化粧の意味合いしかないので取り付けなくてもOKです。

 

 

 

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穴あけ寸法と各パーツ寸法の図面です。
下記リンクからPDFがダウンロードできます。

 

■点検用スピーカ図面とデータ■
http://www.holycater.sakura.ne.jp/zip/test_speaker.zip

 

使用した部材は以下です。

 

基本筐体 タカチ電機工業 AWN 9-9-10NBB
シリコンプロテクタ タカチ電機工業 AWSP9-9(BGNY)
※合体型番AWP 9-9-10(BGNY)

 

チルトスタンド タカチ電機工業 CT-S1
スピーカユニット FOSTEX P650K
W3/8メネジ スガツネ AP36-N3
上記用パッキン ゴム通発注 特注
上記用止まりフタ 特注
取手 栃木屋 THA-216-1
取手用座金 栃木屋 THA-271-1(2つ)
スピーカユニット保護 親和産業 黒色ファンガード 60mm角用

 

スピコンレセプタクル NEUTRIK NL4MP
カバー NEUTRIK SCD-W

 

サンスイ(橋本) マッチングトランス OM-03
固定用基板 タカチ TNF 43-66
切替トグルスイッチ NKK M-2023L/S

 

スピーカ取付ビス M3黒トラスビス8mm程度×4
スピーカ取付ビス M3黒ワッシャ×8
W3/8メネジ取付ビス M3セムス8mm程度×3
取手取付ビス M3セムス8mm程度×2
上記取り付け用M3シリコンパッキン×2

 

チルトスタンド取付ビス M3ナベ5mm(SUS)×2
ファンガード取り付けビス M3タッピング(要検証)
スピコン取付ビス M3丸皿ビス8mm程度(SUS)×2

 

吸音材
接続コード
表示テプラ

 

点検用スピーカの設計は個人の活動なのですが、会社で採用されることになり、仕事でも同じものを作ることになりました。その時の製作写真を載せます。
※どこかで販売をしているわけではありません。

 

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穴を加工します

 

 

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マイクスタンドアダプタを取り付けるにあたって、空気漏れを防ぐためにゴムパッキンを二重に、貫通防止にフタをレーザカットで作りました。
※寸法は図面に含まれています

 

何度も調整を重ねた部分です。

 

 

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数をこなすと見えてくる、アルミダイキャストのボイド問題です。
当初はタップを切っていましたが、結論から言ってタッピングの方が良いです。
写真でも確認できるように、反対側からの穴の深さや、ボイドが前面からのタップ切りを妨害します。これは数をこなさなければ見えてこなかった問題ですので、判明して良かったです。

 

 

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スピーカユニットまでの組み込み。

 

 

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固定用基板 タカチ TNF 43-66を使用してトランスを固定します。

 

 

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こちらもかなりの調整を行いました。図面だけではわからない部分が多々あります。

 

 

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完成し、カラーバリエーションを並べてみました。

 

 

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点検用スピーカの基本構成は本体とスピコンからミノムシクリップ先バラコードのみです。
それを無印良品で手に入る化粧用ポーチに入れます。

 

 

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5Vで動く超小型アンプを考えるでスピコン端子の内部にアンプを内蔵する事が出来ましたのでそれを点検用スピーカに転用すると、パワードスピーカになります。(1.2W@8Ω = THD+N ≦10%、およそ最大84.8dB SPL)
※バッテリィはUSBコネクタタイプのモバイルバッテリィを使用します。今やコンビニで当たり前に購入が出来ます。

 

当初はNTi MR-PRO専用のXLR端子対応を考えていましたが、バランス出力の方式が様々な為、他に転用できず、最終的にはRCA出力としました。こちらにつきましてはなぜそうなっているのかいつかまとめたいと思います・・・。

 

 

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そうして完成したスピーカを無響室で測定します。1mの受聴点で得られたカーブがこちらです。このコヒーレンス、最高ですね。

 

 

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得られたカーブから、逆カーブ補正を作ります。

 

補正したデータを、ピンクノイズにフィルタし、その状態で1m 60dBAが得られる出力値を探します。
これはNTi トークボックスを作ることを目標にしていた為、どうしてもやりたかったのです。

 

 

 

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点検用スピーカはパワード化する事も可能な為、マイクのテストも行えます。
ワイヤレスマイクの個体差確認や、マイクを介した点検放送が現場で、それも一人で行えます。

 

 

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オマケで取扱説明書を作成しました。このデータも冒頭のリンクに含まれています。

 

 

ここまでやっておいても尚、個人で生産するにはコストの壁があります。どこかのメーカさんが協力してくれるといいなぁなんて妄想をしています(笑)

 

質問等ありましたら、コメント欄にお願いします。