5Vで動く超小型アンプを考える | 音響・映像・電気設備が好き

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「ヒゲドライバー」「suguruka」というピコピコ・ミュージシャンが好きです。

以前、PAM8012使用の小型アンプをキャノン端子に組込むという記事を書きましたが続編です。

 

便利かと思えたPAM8012ですが、出力の限界を感じるようになりました。
もう少し出力の大きな・・・5Vで動いて1W@8Ωが確実に出てTHD+Nが良いものがないかとのんびり探しました。

 

 

そして他に2つ見つけました。

 

 

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左から、PAM8012、HT82V739、XPT8871、です。
どこで買えるのかは検索してください。便宜上、チップの名称で本記事は記載します。

 

 

 

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HT82V739は元々はちょっと大きな基板で販売されていまして、カットすることで小型化します。DIP対応、と言うのでしょうか、ブレッドボードに刺せるように小型化できる様です。
ピンは元から半田付けされているので、外すのがやや大変です・・・マクロで撮影すると汚いですが、これは手を加えたからであって、製品としてこの状態ではありません。

 

 

 

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ピンアサインは、上からOUT(VO1)、OUT(VO2)、IN(反相)、GND、5V-(GND)、5V+です。多分反転増幅です。フェーズを気にする場合は注意してください。

 

 

 

 

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XPT8871はサイズが大きいものの、5V1Aで一番大きな音が出ます。

 

 

Twitter見ている方にはご存じかと思いますが、のんびりと実験を重ねました。

 

 

 

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HT82V739は小型化するとPAM8012同様、キャノン端子内に収まります。この両者を比べ、軍配はHT82V739に上がりました。出力レベル、THD+NもPAM8012より良かったのです。

 

 

 

 

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ただ、やっぱり出力がもうちょっと欲しい・・・XPT8871は大きいしな・・・という事でスピコンのレセプタクルの背面に取り付けて、ノイトリックのDレセプタクルボックスに収めてみました。
出来た!と思ったものの、数分置いて冷静になってみると、やっぱりこれ大きいよなぁと・・・・うーん、どうしたものかとしばらく放置していました。が、スピコンの2極仕様なら入るんじゃね?とひらめきました。(ちなみにこれを書いている2日前の事です)

 

 

 

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Neutrik NL2FXは2極仕様ですが、スピコンそのものは4極のスペースがあるので、余った2極分のスペースの一部をカットし、内部側面を1mmほど削り基板を差し込めるようにしました。この隙間はこの為にあったのかと思いました。※違います

 

 

 

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とりあえず、USB Aコネクタを付けて給電としました。

 

 

 

 

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こんな感じになります。これはもう勝利を確信しました。出力も音質も十分です。

 

 

 

 

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ダミー抵抗8Ωを挟んだ状態での歪率を計りました。
-24.2dBu = 1W@8Ω(2.83V) = THD+N 0.18~0.19%
消費電力は仕様上は5V1Aです。
※歪率仕様
PAM8012・・・1.0@8Ω = THD+N 0.08%(実測24%、仕様スペックは出ない・・・)
HT82V739・・・1.2W@8Ω = THD+N ≦10%
XPT8871・・・3.0W@4Ω = THD+N 10%

 

 

 

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ダミー抵抗8Ωを挟んだ状態での周波数特性です。-0.3Vで80Hzくらいから、200Hzあたりからほぼフラットです。

 

 

 

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様々なケースに対応できるように、端子の形状やケーブルの長さを試行錯誤している写真です。

 

 

 

これです、これを求めていました・・・THD+Nにこだわらなければ1.2W@8Ωまではなんとか鳴ります。ポータブルプレーヤからでも難なく高出力が得られます。これにて5Vアンプ探索の旅は終わりました・・・。