Ableton Liveでの音源送出を考える(1) | 音響・映像・電気設備が好き

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Ableton Liveでの音源送出を考える(1)

 

Ableton Liveという少し変わった、リアルタイム演奏なども可能なDAWを使用し、音響さんが芝居やイベントなどでの音源送出を行っていることをTwitterで知りました。
※下記リンクにまとめがあります
※筆者は高校演劇の出身で、音響や小道具などを担当しており、当時はMDでの音源送出が主流でした。(複製権の問題もありましたし)

 

参考リンク:
【音響さん向けLive講座】 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/323335
高校演劇の音響(昔使用していた部室機材など)

 

へぇ、そんなものもあるんだね、なんて思っていたのもつかの間、まさかの業務でこの「Ableton Liveでの音源送出」を考えなくてはならない事態に陥りました。

 

とりあえず、触らないことには話が始まらないので、Ableton Live9 Standardとnovation LaunchPad miniを購入してみました。
※Liveを使っているミュージシャンというと私はDenkitribeさんが筆頭に上がります。Denkiさんはサクサクパフォーマンスしていたけどプログラマ(本業ゲームプログラマ!)が触るものなのできっと難解なのかなと思いきや、音源送出のみにおいては非常にシンプルで、かつ、安定度も素晴らしいものがありました。映像のノンリニアソフトの動作が頭にあると、このバックグラウンドでの動作が安定し、音源再生が止まらないというのは不思議です。

 

参考リンク:YouTube Denkitribe's channel
https://www.youtube.com/user/Denkitribe

 

LaunchPad miniで任意の場所を叩いたら音源が送出、任意の場所を叩いたら停止というシンプルな動作を設定してみました。

 

イメージ 1

 

 

イメージ 2
Live側からLaunchPad miniへMIDI信号でタリーを返す。※LaunchPad miniはボタンを押すとMIDIノートを吐く仕様、かつ同じMIDIノートナンバをLaunchPad miniに返すことにより、ボタンを光らせることが出来る。ボタンの場所がピッチ、ベロシティが色&照度という仕様です。

 

 


参考動作動画。※音声はありません

 

 

ボタンを押したら点滅する、のではなく、音源と同期させたMIDIトラックが走ればボタンが点滅という仕組みにしてあります。つまり、ボタンを押しても変化が見られない場合は音源再生が(恐らく)行われていないという事です。

 

ぐだぐだ書いても仕方がない(誰も読まない)ので詳細はバッサリカットしますが、このような単純な動作はすぐに出来ます。また各音源の音量調整や同期マルチチャンネル再生なども可能です。

 

 

うんうん、これで良いかもね、なんて思ったのはつかの間、PC音源送出である限り避けては通れないバックアップ機の用意をするに当たり、いくつかの問題が出てきました。

問題

1.LaunchPad miniはUSB MIDIなのでコントローラ1に対して、送出メインパソコン&バックアップ2台がハードウェアのみで構成できない。(MIDIスルーするにもLiveやPC内部でのパッチングが必要で、メインのLiveやPCがダウンするとバックアップがその後再生トリガを受け付けなくなる)
→USB MIDIコンプライアンス適合品だが、USB to DIN MIDI変換(KENTON MIDI USB HOSTやiConnectivity iConnectMIDI4+)でMIDI信号に戻せないという問題にぶつかる(DIN MIDIにUSB出力を変換しスプリッタ、マージャでやりくりしようと試みるが断念。根が深い問題でした)

 

 

イメージ 3
KENTON MIDI USB HOSTとiConnectivity iConnectMIDI4+のUSB HOST端子。

 

 

2.LaunchPad miniにLive側からタリー信号としてパッドの照明のMIDIコマンドを送るが、ノートオフ信号(正確にはノートオン、ベロシティゼロ)をたまに取りこぼし、点灯したままになることがままある。
→MIDIの取りこぼしは仕様上ままあるが、ちょっと多い。タリーの色も変えられるのに惜しい!

 

 

3.LaunchPad miniのボタンには何かを記入することが出来ない。※ドラテ貼って記入なんてこともスペースの都合上、無理。
→これが致命的だった

 

結果的に、novation LaunchPad miniを単純な音源送出MIDIコントローラとして使用するのは諦める結論に達しました。買わないと分からなかったのでこれは良い収穫でした。