映画「アイリシュマン」
2019年 アメリカ210分
<監督>
マーティン・スコセッシ
<原作>
チャールズ・ブラント:「アイリッシュマン」
<キャスト>
ロバート・デ・ニーロ、
アル・パチーノ、
ジョー・ペシ、
レイ・ロマーノ、
アンナ・パキン、
ハーヴェイ・カイテル、
ジェシー・プレモンス
<内容>
第2次世界大戦後のアメリカ裏社会を生きた無法者たちの人生を、ひとりの殺し屋の目を通して描いた力作。
伝説的マフィアのラッセル・バッファリーノに仕えた実在の殺し屋で、1975年に失踪した全米トラック運転組合委員長ジミー・ホッファをはじめ、多くの殺人事件に関与したとされるフランク・“アイリッシュマン”・シーランをデ・ニーロが演じるほか、ジミー・ホッファ役のアル・パチーノ、ラッセル・バッファリーノ役のジョー・ペシと、ハリウッドのレジェンド級俳優が豪華共演。
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物語は、今は老人ホームで過ごす車椅子の老人フランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)が、マフィアのヒットマンとして自身が関わっていた1950年代から80年代のアメリカの裏社会について、1975年の出来事を度々挿入しながら回想するという形で進みます。
トラック運転手のフランク・シーラン(ロバート・デ・ニーロ)は、マフィアのボスであるラッセル・バファリーノ(ジョー・ペシ)と知り合う。
ラッセルに気に入られたフランクは殺しを請け負うようになり、全米トラック運転手組合委員長のジミー・ホッファ(アル・パチーノ)を紹介される。
やがてフランクはジミーの右腕に上り詰めるが、ジミーの権力に陰りが見え始めます。
その中でシーランは、とにかく仕事(殺し)を忠実に行っていくのです。
ロバート・ケネディやニクソンなど実名で出てきて、それぞれとの関係性も描かれているのですが、この辺の政治的取引などもおもしろい。
またいまだに謎とされているジミー・ホッファの失踪事件を、独自の視点で描いているところも興味深い内容になっています。
登場人物は全て実在の人物!
登場している人物は、実在した人物ばかりなのが凄いですね。
裏社会の一代絵巻、というべき作品ともいえるのではないでしょうか。
そしてデ・ニーロ、アルパチーノ、ジョ・ペシの役どころの3人は、時にはお互い家族付き合いするほどの関係性があったりしますが、そこはギャングの世界。
きっかけがあれば180度方向転換、手を汚さなければいけない事にもなるのです。
それをシーランの家族が知ることで、シーランと最愛の娘との距離が遠ざかるところは悲しい。
その時のシーランの葛藤も見どころです。
とにかく凄いのは、これほどの仕事(殺人)を行ったアイリッシュマンことフランク・シーランは、よくぞ長生きできましたね。
最後は老人ホームで生活し、天寿を全うしたのですから。悪運が強かったのですかね?
ラストがこれまたいいのです、老人ホームに入ったシーランは、カトリックの司祭と交流し始め、最後に自室で罪を告解し、司祭は赦しを与える。
司祭が部屋から出ようとすると、シーランはホッファの習慣であったドアを少し開けておくことをお願いするのでした。
物語の流れを知っていると、このシーンが何とも余韻を残します。
実在の人物をモデルにし、名優3人の豪華共演!!
面白かったです。
しかし、デ・ニーロも
アル・パチーノも
ジョー・ペシも
本当にギャング映画がお似合いですね。
この大御所が勢ぞろいしての作品が観れるだけでも、満足でございました。
皆さん結構なお年になっているので、若返ったころの画はCG処理をしているようです。
この作品、ドンパチだけで終わるようなギャング映画でなく、それぞれの男たちの老いてゆく中での、弱さなども垣間見られるところが評価したいところです。
デ・ニーロとジョー・ペシが共演した、同じくマーティン・スコセッシ監督作品「グットフェローズ」
と比較してみるのも良いですよ。
映画「アイリシュマン」210分の長編ですが、大御所たちの演技に時間を忘れてしまうことでしょう。でもギャング映画嫌いな人はどうだろうかな?w
5点満点中3.9
(画像全てお借りしました)