午前十時の映画祭11
ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞受賞
映画「グッドフェローズ」
1990年 アメリカ 145分*
<監督>
マーティン・スコッセッシ
<原作>
ニコラス・ピレッジ(グットフェローズ)
<キャスト>
ヘンリー・ヒル:レイ・リオッタ、
ジミーバーク:ロバート・デ・ニーロ、
トミー・デヴィート:ジョー・ペシ、
ロレイン・ブラッコ
<挿入歌>
スピードゥー、キッスでダウン、涙の紅バラ、リーダー・オブザ・パック、いとしのレイラ、ジャンプ・イントゥ・ザ・ファイアーなど
<内容>
ヘンリー・ヒル(レイ・リオッタ)は幼い頃より、“グッドフェローズ”と呼ばれるマフィアの世界に憧れ、12歳の時からブルックリンの街を牛耳るポール・“ポーリー”・シセロ(ポール・ソルビノ)のもとで使い走りを始める。
やがてヘンリーは本物のマフィアとして、強奪専門のジミー・コンウェイ(ロバート・デ・ニーロ)や、チンピラのトミー・デビート(ジョー・ペシ)といった仲間たちと共に荒仕事に手を染める日々を送るようになる。
何度かの刑務所暮らしを経ながらも、ヘンリーはカレン(ロレイン・ブラッコ)と結婚、子供ももうける。そして1978年、ケネディ空港で犯罪史上空前の600 万ドル強奪事件が発生、FBIの威信をかけた捜査が始まるが、事件の鍵を握る証人たちは実行犯のジミーらの手によって次々と口を封じられてしまう。
策に窮したFBIが目をつけたのが、ヘンリーだった。その頃麻薬密売事件で逮捕されていたヘンリーは、事件に直接の関係は持っていなかったが組織の内部事情には十分すぎるほど精通していた。育ての親ポーリーにさえ見離されたこと、そして相棒のジミーが自分の命を狙っているのを知ったヘンリーは連邦証人保護制度の下で余生を送るために証言する。
ジミーは投獄され、ヘンリーは日蔭だが生きながらえることができた。現在ジミーはまだ獄中である(1996年肺癌のために病死)。
ヘンリー・ヒルは2012年ロサンゼルスの病院で死亡69歳没。
(MovieWalkerより抜粋・一部修正)
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ギャング映画のニュースタイル!
実在したギャング、ヘンリー・ヒルを主人公に製作されています。
劇中で描かれている事件や私生活など、わりと忠実に再現されていたのではないでしょうか?
公開時には見逃しており、11月27日午前十時の映画祭にて初鑑賞。
実話をもとに製作。
主人公ヘンリー演じるレイ・リオッタもなかなかの演技ですが、ジミー演じるロバート・デ・ニーロはなんでこんなにギャング役が似合うのでしょうか!
そしてこれまた個性的俳優ジョー・ペシがすぐキレル凶悪な役どころ、それぞれが見事に演じ分けていて良かったですね。
またこの映画の個性的なことは、オールディズの曲がほぼノンストップ状態でバックに流れています。
オールディズの音楽好きにはたまりませんね。
とくにデレク・アンド・ザ・ドミノスの「いとしのレイラ」は良かったなぁ。
画面と音楽のコントラストがなんとも秀逸なのです。
同じマフィアを扱ったギャング映画「ゴッドファーザ」が人間ドラマも兼ね備えて、重厚なクラシック音楽をイメージするような作品だとしたら、こちらは小気味いいアップテンポで、ヒューマンドラマのかけらもないwクロニクル(年代記)形式のギャング映画でしょうか。
しかもその間の出来事をギュっと圧縮して、面白いところだけ作っています。
しかしそこが斬新で小気味いいのでですが・・・。
とにかく、主人公ヘンリーがギャングにあこがれ、ギャングになり、犯罪史に残るような事件(ルフトハンザ航空現金強奪事件)にも関与し、そして最後は仲間からの報復を恐れ警察の保護の元になるまでの物語。
そして繰り返しますが、すべてが実話なのです。
マフィアの栄光と挫折、それはあたかも裏社会のジェットコースターに乗車したような、彼らだけにしか味わえないスリリングな体験!
実在の人物、出来事をベースにしているので、なかなか興味深かったです。
今回の映画でお勉強になることは、イタリア系出身のトミーは幹部になれるけれど、アイリッシュ系のジミーやヘンリーはなれないという、イタリアマフィアの血のつながり諸事情を知ることができるでしょう(ヘンリーの母親はシチリア出身、でも父親がアイルランド系だったのです)。
どこの世界にも、血縁関係が重視されることはあるのですね。
イタリアマフィアは厳密には、シチリア出身者のみですね。
しかし先ほども少し書きましたが、そのトミー演じるジョー・ペシのイカレっぷりは半端なくすさまじかった。
あれじゃ彼のそばでは、うかうかできない。
何しろ沸点がそうとう低いのです。
飲み屋のウエイターにも、気に入らないといって撃ち殺してしまうほど・・。
けっこう強烈なキャラクターでした。
だから主人公のレイ・リオッタはけっこう頑張ってはいたけれど、デ・ニーロとジョー・ペシに少々押され気味だったのではないでしょうか。
マフィアの世界をある意味わかりやすく、しかもテンポよく描いた作品でした。
ギャング映画は好き嫌いあるかもしれないですが、なかなか面白く145分を飽きさせない内容でした。
(画像全てお借りしました)
5点満点中3.9
(おまけ)
トミーとヘンリーの、酒場でのシーン。
途中でトミーが「俺のどこが面白しろいんだ?喋り方か?背が低いところか?」のように突然ヘンリーに怒り出すシーンがあるのですが、なんとそこは全て、ジョー・ペシのアドリブだったそうです。
ジョー・ペシが「冗談だよ」と言った後の、レイ・リオッタの驚き安心した顔はお見逃しなく!!
まじで、びびっていたようですからw
実在のヘンリーは、料理が得意だったようで、その後料理本を出しています。劇中でも料理作っている場面ありました。
実在のジミー・コンウェイは獄中で、自分の役をロバート・デ・ニーロが演じると聞いて、感激してデニーロに手紙を出したようです。
スコッセッシ監督のお母さんが登場しています。トミーたちがトミーの家によってこれから死体を処理しなければ戻ったときに、きちんと食事しなければいけないよといって、みんなに料理をふるまいました。その母親が監督のお母さんです。