Aloha
ホステスを20年間してきた私が、37歳の時にハワイへ留学するまでの話を書いています。
お久しぶりになってしまった、留学を決めるまでのお話。前回の記事カナダ、バンクーバーでの経験の続きです。
バンクーバーに2ヶ月間の短期留学をしたのは、雪が降る冬でした。12月の書き入れ時にお店を任せて旅立ったのですが、やはり、お客様への年末年始のご挨拶もあるし、クリスマス前には帰国することに。
でも、バンクーバーでは早々とイルミネーションも飾られていて、十分にクリスマスムードを楽しめました。
語学学校が終わると、カフェで、待ちゆく人を眺めながら、いろいろなことを考えました。
私がこれからしたいこと、心が求めることって何かな.... ここ数年考えているけれど、いまだに答えが出ない。でも自分が変わりたがっているのは明確。だからこうして環境を変え、自分の内面と向き合う時間をもうけている。
ほぼ毎日、徒歩で1時間くらいかかる滞在先まで歩いて帰りました。目に映る景色や人たちを自分と重ねたりして、自分の未来を様々なバージョンで想像したりしながら、ひたすら歩く。この時間が好きでした。
週末は、ユースホステルを利用してビクトリア観光や、バスでアメリカ、シアトルへ行きました。
チャイナタウンにある激安の担々麺を食べに行ったり、同じエージェントを使ってカナダ入りしている子たちに誘われイベントへ出かけたり。
シアトルへは2回行きました。一度は格安の学校のアクティビティで、シアトルのアウトレットまで買い物です。
その時に、入国審査でいろいろ聞かれ、クラスメイトや先生はとっくに通過できているのに、私だけ足止め。みな私のことを待ってくれています。すごく焦る。
最初に、私のパスポートを見ながら、背が高いねと言われれ、身長を聞かれました。それからなんかいろいろ聞かれ、あまり覚えていませんが、電話番号も答えた。
英語がよくわからないし、バスで国境をまたぐのも初体験で、すごく緊張していた私。
入国審査官は黒人の若い男性。ふと違うカウンターの審査官に目をやると『 彼はいいやつだよ 』と微笑んでいる。そこでようやく自分がデートに誘われていることに気がつく。
というか、入国審査をしている仕事中の人が、まさか声をかけてくるとは思っていないので、質問されることはすべて審査内容のかと.... 軽くカルチャーショック。
彼には、ショートステイで滞在してることを伝え、デートを断りました。
ようやく入国審査を通過して、みなのもとへ行くと、カナディアンの女性の先生たちが、すごくいい男なのに、なんで断ったの?と。
当時はアメリカ人男性のことなんか未知だったし、まさかこんな所で声をかけてくるなんて思いもしない、からかわれてるとしか思えなかった。
それに、外見がクールだからとそれだけの理由で、私はデートが出来ない。なんでわざわざ気を使いに行かなきゃいけないの、というのが当時の気持ち(今も変わらないけど)
数日後、滞在先に彼から電話がありました。落ち着いた声で、悪い人ではなさそうな印象でしたが、もちろんデートは断り、それっきり。
毎日充実した日々を過ごしていると、あれよあれよと帰国の日が近づき、気がついたら帰国1週間前。
その日、サンセットタイムのスタンレーパークを歩きながら思ったこと。
変わりたい、変化したいと望んでいるのに、無意識に、今いる場所を離れることに不安を感じていたのでは? でもなぜ不安を?
多分、慣れ親しんだものから離れるのが不安だったのかも。友達とか信頼できる人間関係、行きつけの美容院や病院など、それらから離れる不安?
自分の心地良いと思えるものが、新たに見つかるのか、そんなような不安だったのかもしれない。自分で集めたお気に入りのおもちゃが、ある日突然、すべてなくなるようなね。
実際、バンクーバーに二ヶ月滞在してみて、どうだった?
日本を恋しいと一度も感じなかったし、思い出しもしなかった。あたしはどこでもやっていけると思った。いきなり知らない環境に飛び込んでも、人間の適応能力が働くんだなと。
本当は、今の自分の日本の環境には、もう魅力を感じなくなっていたし、あらたに違うことしてみたい、そう思っていた。なのに動かなかっただけ。
自分がすごく狭い世界の中で、いろいろ経験した気になって、心地良い場所を得たつもりでいたのかなと。
私の心が変化を求めている。ならそうすればいい。躊躇うことはない。怖がることもない。やればいいじゃん。
どこでも楽しく生きていけるよ。それは自分次第じゃんって、それがわかった。
今あるものを全部手放しても、それ以上の、いや、その何十倍もの素晴らしい出来事や経験があたしを待ってるんだな.....って。そう思った。
帰国の日。
今までの張っていた気が一気に緩んだようで、飛行機を待つ空港から発熱し、10時間のフライト中は、飲まず食わずでひたすら眠る。フライトアテンダントに心配され、無理やり水を飲まされたりしながら帰国しました。
決めた。
店を手放し海外に出よう!!
続く