こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

3月最後の休日は、雨の降るあいにくのお天気となってしまいましたね

 

気温も2月並みに逆戻りしているようで、まさに「花冷え(はなびえ)」と言えるのでしょうか?

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

前回は「内臓脂肪型肥満」が身体に悪影響を与える・・・というお話をさせていただきました

 

今回は、長寿遺伝子と呼ばれる「サーチュイン遺伝子(Sirtuin)」から作られるタンパク「サーチュイン」を話題にしてみたいと思います

 

「サーチュイン遺伝子」とは、老化や寿命の制御に重要な役割を果たすとされる遺伝子で、この発現量を増やすことで老化制御につながる効果を得られるのではないか・・・と期待されているもですね

 

長寿という言葉から、「長生き」ができるのか?・・・と思われる方も多いと思いますが、それだけでもありません

 

例えば、「サーチュイン1(SIRT1)」は、皮膚の老化に関連しているとされています

 

ここでいう「皮膚の老化」とは、どのような現象を示すのでしょうか?

 

詳しく見てみますと、以下のようなものになります

 

「皮膚の老化」は、主に紫外線、炎症、環境汚染などの「外的要因」と、加齢に伴う細胞機能の低下などの「内的要因」によって引き起こされると考えられています

 

これらの要因が細胞内で、DNA損傷や酸化ストレスを引き起こし、コラーゲンやエラスチンなどの皮膚の弾力を維持するタンパク質が破壊され、皮膚の弾力が低下し、しわやたるみが生じると考えられます

 

では、このような「皮膚の老化」に対して、「サーチュイン1」は、どのような働きを持つのでしょうか?

 

「サーチュイン1」の活性化によって、皮膚の老化スピードが遅くなることが報告されており、「皮膚の老化」を抑制するのではないかと考えられているのですね

 

一部の研究では、レスベラトロール(ブドウの皮に含まれるポリフェノール)やナイアシンアミド(ビタミンB3の一種)など、「サーチュイン1」を活性化させる物質が、「皮膚」の老化を抑制する効果があることが示されています

 

その他(ほか)にも、「サーチュイン1」が、DNA損傷修復に関与し、紫外線などの外部ストレスから皮膚細胞を保護する役割を果たしている可能性が示されていますし、

 

さらに「サーチュイン1」を含むサーチュインファミリーが、「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」と密接に関連し、細胞のエネルギー代謝、ストレス応答、老化プロセスに関与していることが示されていまして、「サーチュイン1」の活性化が、皮膚病変や老化の予防に役立つ可能性も示されています

 

 

「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」は、加齢とともに減少していくことは、以前にもお話をさせていただきましたね

 

それを補える(おぎなえる)可能性があるのが「N M N(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」ということになります

 

                                 (図はお借りしました)

 

もちろん、「NAD+」を補う(おぎなう)手段は他にもあって、ブロッコリーや枝豆、アボカドなどに含まれています

ただし、その量はごくわずかなので、サプリメント等でとるのが効率的であるということになりますね

 

「サーチュイン遺伝子」の研究が確立されるきっかけとなったのは、2000年頃とされていますが・・・

 

現在では皮膚の老化ばかりでなく、「免疫機能」や「老化のプロセス」への関与も報告されており、研究のスピードの速さ(はやさ)には驚くばかりです

 

 

ところで・・・前回のお話にも関連するのですが・・・

 

「肥満」の状態にあると「サーチュイン」の働きが阻害されてしまう可能性があるかも・・・という話題もあったりするのですが・・・こちらは、後日の話題にしたいと思います

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

(参考)

1. Trends Cell Biology. 2014 Aug;24(8):464-71. 

NAD+ and sirtuins in aging and disease

Shin-ichiro Imaiら

 

2. Cell. 2013 Jun 6;153(6):1194-217. 

The hallmarks of aging 

Carlos Lopez-Otinら

 

3. Cell Metab. 2013 Sep 3;18(3):416-30. 

Sirt1 exxtends life span and delays aging in mice through regulation of Nk2 homeobox 1 in thw DMH and LH

Akiko Satohら

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<  ブログ後記  >3月28日

3月も残りがわずかとなっていますね。

 

今回は、皮膚の老化を遅らせる方法・・・などと少し大袈裟(おおげさ)な題名となってしまいました。

 

よく言われる話では・・・「皮膚の老化」は、ホルモンの変化や細胞の老化などの「内的要因」と紫外線、大気汚染、ストレスなどの「外的要因」に影響されることになりますね。

 

そして、「皮膚の老化」の原因となる「内的要因」と「外的要因」に共通するする結果は、コラーゲンやエラスチンの減少を起こすこととなります。

 

コラーゲンやエラスチンをいう物質は、皮膚の真皮層(しんぴそう)

という部分に存在しています

 

イメージとしては、以下の図のように・・・コラーゲン・エラスチンのタンパク質の線維が網状に形成されていて、その間を埋めるようにヒアルロン酸が存在するということになります。

 

真皮層は、肌の弾力とハリを出す組織となりますので、コラーゲン・エラスチンが減少しますと・・・いわゆる「美肌」ではなくなってしまう・・・ということになりますよね。

 

      (図は一部をお借りしました)

 

実際には、これらの「内的要因」と「外的要因」が複合的に働き、皮膚の老化現象が進行するとされています。

 

この「皮膚の老化」に「サーチュイン(蛋白)」が、どのような影響を及ぼすのでしょうか?

 

「サーチュイン(蛋白)は、細胞内で様々な生化学的反応を調節する酵素群であるといえます。

 

ヒトでは、サーチュイン1〜7までの7種類あることは、以前にもご紹介をさせていただきましたね。

 

これらの「サーチュイン」酵素は、DNA修復、炎症応答の制御、抗酸化作用、エネルギー代謝の調節など、多くの重要な細胞プロセスに関与しているとされています。

 

また、「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」にも同様の効果があるとされています。

 

皆さまもご存知のように「NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)」は、「NAD+」の前駆体であるとされていますよね。

 

「NAD+」は加齢とともに、体内での量が減少していくことも、以前にご紹介させていただきましたね。

 

           (図はお借りしました)

 

「サーチュイン(蛋白)」や「NAD+」が、皮膚の老化に関与していることも報告されていますし、加齢や病気において細胞の機能を調節する重要な役割を果たしていると考えられているのです。

 

本文内でもご紹介したのですが・・・「NAD+」ばかりでなく、「サーチュイン1(ワン)蛋白」の活性化によって、皮膚の老化スピードが遅くなることが報告されており、「皮膚の老化」を抑制するのではないかと考えられているのですね。

 

ところで・・「肥満」のある状況では、上に述べたようなストーリーが成り立つのか・・・という疑問が持たれたりするわけです。

 

もちろん、「肥満」の中でも、「皮下脂肪型肥満」よりも「内臓脂肪型肥満」の方の話となります。

 

「皮下脂肪型肥満」は女性に多く、「内臓脂肪型肥満」は男性に多い傾向がある・・・というのは、過去の話かもしれません。

 

新型コロナに伴う自粛期間における食事摂取カロリーの増加や運動不足から、女性にも「内臓脂肪型肥満」が増えてきていることも指摘されているからなのですね。

 

これまでのブログでも・・・「内臓脂肪型肥満」の方が、さまざまな合併症を起こす可能性が高いことをお伝えしてきたわけですが・・・

 

「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」の違いは、次のようなことが原因である可能性もあります。

 

ある論文では、次のように解説をしています。

 

「内臓脂肪細胞」は、既存の脂肪細胞の肥大化(肥大)、「皮下脂肪細胞」は新たに発生した脂肪細胞の動員(過形成)によりそれぞれ拡大するというのですね。

 

「皮下脂肪細胞」にみられるような脂肪細胞の「過形成」は代謝的に健全だが、「内臓脂肪細胞」の脂肪細胞の「肥大化」は、代謝合併症を引き起こす頻度が高くなる

 

 

その理由を組織学的に見ますと・・・「内臓脂肪型肥満」に認められる「肥大化」した脂肪細胞には、活性化したマクロファージ(M1)が集簇(しゅうぞく)している・・・というのですね。

 

活性化したマクロファージ(M1)が集まっているということは、何らかの免疫反応が生じていることを意味します。

 

実際にこのマクロファージ(M1)は、腫瘍壊死因子α(TNF-α)、インターロイキン-1β(IL-1β)などの様々な「炎症性サイトカイン」や、単球走化性タンパク質-1(MCP-1)などの「ケモカイン」が分泌し、いわば、炎症状態とも考えられる様相(ようそう)を呈しているとされているのです。

 

 

このような炎症反応が存在する状態は、「サーチュイン(蛋白)」の働きを阻害されることが多いと考えられているのです

 

また、内臓脂肪の蓄積は、どれだけでも、慢性的な酸化ストレスや炎症を引き起こすことがあり、「サーチュイン蛋白」の消費が増える可能性があるそうです。

 

そのような理由から、上記のような状況、つまり、「内臓脂肪型肥満」の状態がありますと・・・では、「サーチュイン(蛋白)」の働きが阻害されるのに加えて、消費が増えてしまいますので・・・

 

たとえ「N M Nサプリ」などで補充したとしても有効性を示しにくい可能性もあるということになります。

 

なので、「内臓脂肪型肥満」のあるかたは、まず、ダイエットなどで内臓脂肪を取り除いてから、「サーチュイン」を増加させるNMNサプリなどを服用する方が、さらにその効果を実感できるのかもしれませんね。

 

もちろん、例外もあるわけですが・・・この例外については、またの機会の話題にしたいと思います。

 

今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

(参考)

1.Front Immunol. 2022 Nov 24;13:1068986.

Sirtuins: Key players in obesity-associated adipose tissue remodeling

Jiali Chenら

 

 

 (日比谷公園の桜;筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

昨日は、雨模様の寒い1日でしたが・・・

今日も休日は、青空の広がる穏やかな(おだやかな)春らしい陽気となりました

 

「三寒四温(さんかんしおん)」という言葉は、3月の気候を表す言葉であると言っていた方がおりましたが、確かにそのような気候になっているような気もしますね

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

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今回は、「動脈硬化」と「メタボリックシンドローム」についてお話をしたいと思います


「動脈硬化」とは、動脈の壁が厚くなったり硬くなったりして、
動脈の血管が硬くなって弾力性が失われた状態を示しますね
 

「動脈硬化」が生じると・・・血管内腔に(ないくう)にプラークがついたり血栓が生じたりして血管が詰まりやすくなる

 

中高年の方に起こる症状だと思われがちですが、実は若い頃から徐々に進行していくと考えられています

以前は、内に余分な「脂肪」が蓄積されることが原因であると考えられていました

しかし、最近では、「メタボリックシンドローム」などによる血管の慢性的な「炎症」が、血管壁を肥厚させ、硬化させることにより引き起こされることが分かっています


この「メタボリックシンドローム」は、一般的に「メタボ」と略されることが多いのですが・・・「内臓脂肪型肥満」に加えて、高血圧、高血糖、脂質代謝異常が重なった状態を示します


ある論文では・・・「内臓脂肪型肥満」と「メタボリックシンドローム」との関連を調べたものがあります


その論文の中で、著者らは「内臓脂肪」自体が、インスリン抵抗性、高血圧、高トリグリセリド血症、高LDL-コレステロール、低HDL-コレステロール血症、高血糖などの代謝異常を引き起こすことを明らかにしています

 

 

「内臓脂肪」があることで、「メタボリックシンドローム」の諸症状を誘発される可能性があり、さらに「動脈硬化」が誘発される・・・というわけです

 

 

実際に「内臓脂肪」を減らすことは、「メタボリックシンドローム」のリスク因子を改善し、さまざまな健康問題を予防するための重要なステップとなりそうです

 

一般的には、「内臓脂肪」を減らす方法として、以下のような生活習慣の改善が推奨されています

 

 

1.適切な食事

バランスの取れた食事を心がけ、特に糖質や脂質の摂取量に注意する野菜や果物、全粒穀物、魚、豆類などの健康的な食品を選ぶ

 

2.定期的な運動

週に150分以上の中程度の有酸素運動(例: ウォーキング、自転車)や、週に75分以上の高強度の有酸素運動(例: ジョギング、スイミング)を行うことが推奨される

筋力トレーニングも週に2~3回取り入れるとよい

 

3.ストレスの管理

ストレスが内臓脂肪の蓄積に影響を与えることがあります。リラクセーション技法や十分な睡眠、適度な休息を取ることでストレスを軽減する

 

4.禁煙と節酒: 

タバコは動脈硬化を引き起こすリスクを高める

また、アルコールの過剰摂取は、「内臓脂肪」の蓄積を促進することがあるため、適度な飲酒量を守り、禁煙することが重要

 

 

上記の1.〜4.が問題なく、ラクラクとこなせる方は、まったく問題はないのですが・・・ね

 

 

あなたは、どうですか?

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

 

参考)

1.Review Arterioscler Tromb Vasc Biol. 2008 Jun;28(6):1039-49. 

Abdominal obesity and the metabolic syndrome: contribution to global cardiometabolic risk 

Jean-Pierre Despresら

 

 

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<ブログ後記>3月21日

 

「春分の日」は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日ともされていますね。

 

今回は、動脈硬化や糖尿病、高血圧、高脂血症などを引き起こす可能性のある「内臓脂肪型肥満」について、お話をさせていただきました。

 

「内臓脂肪型肥満」は、以下の図で示すような「リンゴ型」の肥満ということになりますね

 

「メタボリックシンドローム」の定義を再確認しておきたいと思います。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ウエスト(臍部での腹囲径)が、男性85cm以上/女性90cm以上
 

その中で

  • 最高血圧130mmHg 最低血圧85mmHg以上
  • 中性脂肪150mg/dL以上
  • 空腹時における血糖値110mg/dL以上
  • HDLコレステロール値40mg/dL以下

以上のうち2項目以上を持つ人をメタボリックシンドロームと定義する

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

ウエスト(臍部での腹囲径)は、「内臓脂肪」の蓄積と共に増加していくとされていますので、実質的には「内臓脂肪型肥満」の程度を示していると考えてもよいというわけですね。

 

「内臓脂肪型肥満」を放置すれば・・・動脈硬化や糖尿病、高血圧、高脂血症などの脂質異常につながってしまいますので・・・

 

そうなる前に・・・ダイエットなどで体重の減量をして、健康管理をしていきましょうという注意喚起(かんき)や警告に「メタボリックシンドローム」は、なっているというわけです。

 

 

そんな「肥満」のことなんて・・・各個人が運動や食事を減らして、努力すればいいものなんじゃないの・・・という方もいらっしゃることと思います。

 

本来は、そうなのかもしれませんね。

 

しかしながら、先日のBBCのニュースサイトに次のようなニュースがありました。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

世界肥満連合(WOF)は3月2日、肥満防止の措置を講じなければ、2035年までに世界の人口の半数以上が肥満または過体重に分類されることになると警告した。

 

同報告書は、2035年までに「肥満」がもたらすコストは年間4兆ドル(約540兆円)を超えると予測している。

 

報告書はまた、世界中で肥満率が上昇すれば、世界経済に世界の国内総生産(GDP)の3%に相当する大きな影響が及ぶことになると警告。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

もちろん、BBCは、肥満がもたらす経済的影響について、「肥満状態にある人々への非難を反映するものでは決してない」と強調しているわけですが・・・

 

肥満がもたらすコストの中には、動脈硬化によって生じる心血管に関連する疾患や糖尿病、高血圧、高脂血症などの疾患に対する医療費が含まれていることは、明らかですよね。

 

医学の分野には、「予防医学」というものがあります

 

この分野は、1953年に米国の医学者 レベルとクラークにより提唱されたものなのですね

 

彼らの提唱した「予防医学」の定義を見てみると・・・

 

「病気を予防し、生命を延長し、身体ならびに精神の健康と能力を増進する科学と技術である」

 

とされています。

 

「肥満」とくに「内臓脂肪型肥満」は、病気を誘発し、生命を延長させない可能性がある・・・となるわけですので・・・

 

各個人のダイエットや努力も任せて、放置・・・は、「予防医学」の精神には反するかな〜なんて、思います。

 

ところで、「皮下脂肪型肥満」のリスクは、どうか?・・・といいますと、ある論文では。「皮下脂肪」と「内臓脂肪」は構造的および機能的な違いがあり、「内臓脂肪」の方が心血管疾患や代謝症候群のリスクを高めることを述べています。

 

 

では、なぜ「内臓脂肪」の蓄積が、多くの疾患の引き金になるのでしょうか?

 

その理由は、「内臓脂肪」は、様々な「サイトカイン」や「アディポカイン」と呼ばれる炎症や代謝に関与する物質を産生するからということになります。

 

これらの物質は、全身の炎症反応やインスリン抵抗性、動脈硬化などを引き起こすリスクがあるとされています。

 

主なサイトカインやアディポカインは、以下のとおりです

 

1.レプチン(Leptin)

 

食欲抑制やエネルギー消費を調節するアディポカインですが、炎症反応にも関与しています。内臓脂肪が増えると、レプチンの血中濃度が上昇し、炎症反応を促進することがあります。

 

2.アディポネクチン(Adiponectin)

 

インスリン感受性を向上させるアディポカインで、抗炎症作用があります。内臓脂肪が増えると、アディポネクチンの産生が減少することが知られており、これが炎症反応やインスリン抵抗性の悪化につながります。

 

3. ティー・エヌ・エフ・アルファ(TNF-α)

 

炎症反応を促進するサイトカインで、内臓脂肪の蓄積とともに産生量が増加します。TNF-αはインスリン抵抗性の発症や動脈硬化の進行に関与しています。

 

4.インターロイキン6(IL-6)

 

炎症反応に関与するサイトカインで、内臓脂肪からの産生が増加することが知られています。IL-6は、インスリン抵抗性や動脈硬化に関与するとされています。

 

5. 単球走化性タンパク質-1 (MCP-1)

 

炎症細胞の動員を促進するサイトカインで、内臓脂肪から産生されます。MCP-1は、動脈硬化の初期段階である動脈の内皮障害に関与しています。

 

すべて、何らかの形で「炎症」に関与していることに驚かれる方もいらっしゃることと思います。

 

いかがでしょうか?

 

「内臓脂肪」が蓄積する肥満(内臓脂肪型肥満)を放置することが、いかに健康にリスクを与えるのか・・・をご理解いただけたでしょうか?

 

ここから、肥満を伴う「糖尿病(2型糖尿病)」に対して、どのような薬剤を用いるか?・・・という治療戦略も考えられるのですが、

この話題は、またの機会にしたいと思います。

 

 

今回のブログも最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

 

         (モニターB様の記録)

 

(参考)

1.  Obes. Rev. 2010 Jan;11(1):11-8.

Subcutaneous and visceral adipose tissue: structural and functional 

M Mohdrn Ibrahimら

 

2. Nat Rev Immunol.2011 Feb;11(2): 85-97.

Adipokines in inflammation and metabolic disease

Noriyuki Ouchiら

 

  (丸の内仲通り:筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

このところ、春の陽気が続いていますね

 

昨日 3月11日は、東日本大震災から12年となった日でした

 

当時、2万2318名の死者・行方不明者が出たそうです

 

日本列島のまわりでは、4つのプレートがぶつかりあっており、世界の国々に中でも、地震が多い地域とされているわけですので、地震などへの備えは、最重要課題かもしれませんね

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

前回のブログでは、「亜鉛(あえん)」についての話題とさせていただきました

 

「免疫」の充分な力を発揮させるためには、「亜鉛」という微量ミネラルが必要・・・という内容でしたね

 

どこかしら、「ビタミンC」の作用にも似てるかな〜と思いまして、

「ビタミンC」についての美容以外の効果をまとめてみました

 

 

 

「ビタミンC」は、必須栄養素ですが、生合成経路の重要な酵素が失われているため、ヒトでは合成することができません

 

「ビタミンC」は、「美容」効果があることは知られていますが、

それ以外には、どのような効果があるのでしょうか?

 

まずは、免疫機能における「ビタミンC」の役割にスポットを当ててみたいと思います

 

実は「ビタミンC」は、「免疫細胞」の成長、分化、そして機能に重要な役割を果たしていることが、報告されています

 

ここでいう「免疫細胞」とは・・・好中球、マクロファージ、Tリンパ球、Bリンパ球など、すべての細胞になります

 

「好中球」は、細菌や真菌による感染症に対する防御因子と考えられています

 

ここで、「好中球」の役割を整理しておきましょう

 

好中球の特徴は、1)遊走能(ゆうそうのう), 2)貪食能(どんしょくのう). 3)殺菌能(さっきんのう)があることで、細菌や真菌など侵入物に対する最初の防御反応の中心的役割を果たすことにあります

 

異物侵入があると・・・血管内から血管外(組織中)に「遊走」し、侵入物を「貪食」し、好中球内の酵素や活性酸素で消化、「殺菌」するということになります

 

創傷(そうしょう)の場合にも、好中球は重要な働きをします

 

「好中球」が、創傷部位に移動し、活性酸素種(ROS)と抗菌タンパク質を放出することで創傷部位を殺菌する 

 

「好中球」は、最終的にアポトーシスを起こし、その残骸(ざんがい)が、マクロファージによって除去され、その結果、炎症反応が消失するという過程となります

 

 

では、「ビタミンC」が低下していると、どのようなことが生じる可能性があるのでしょうか?

 

それは、「好中球」の機能のいくつかの重要な側面である「走化性」の低下や「貪食」能力の低下、「殺菌」能力の低下などが生じることが報告されているのですね

 

細菌などの異物を取り除く能力が低下することから、感染が長期化する可能性もありますよね

 

また、創傷部位を殺菌する活性酸素種(ROS)と抗菌タンパク質を放出する機能も低下してしまいますので、創傷の治癒も遅くなる・・・可能性があるということになります

 

「好中球」だけに限ったことではなく・・

 

「ビタミンC」は、免疫細胞であるB細胞やT細胞の分化と増殖を促進することが示されています

 

そして、「ビタミンC」が不足すると、免疫力が低下し、感染症にかかりやすくなることが報告されているのですね

 

「ビタミンC」が、免疫機能(システム)に及ぼす影響については、多くの研究が報告されているわけですが・・・その多くが「ビタミンC」が、ヒトの免疫機能の強化をサポートする・・・という結果になっているようです

 

他にも、「動脈硬化」を抑制する・・・とか、「疼痛」を改善させるなど、美容効果とは別のメリットも報告されていますが、後日の話題にしたいと思います

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

(参考)

1. Nutriennts.2017 Nov; 9(11): 1211.

Vitamin C and Immune Function

Anittra Carrら                              など

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< ブログ後記 > 3月14日

 

今回は、ビタミンCが「免疫機能」の作用があることをお話させていただきました。

 

「好中球」は、細菌や真菌に感染に対する防御となるものですが、その遊走能(ゆうそうのう),貪食能(どんしょくのう),殺菌能(さっきんのう)を持つのですが・・・これら全般を「ビタミンC」は、改善させるわけです。

 

感染症というのは、ウイルスばかりではなく、細菌感染の重症化というのは、私たち人間にとって深刻な問題です。

 

なので、ビタミンCが「好中球」の持つ本来の能力を改善させることは、意義のあることだと思います。

 

ところで、本文内でも少し触れましたが、「ビタミンC」と「亜鉛」には、いくつかの共通点があります。それは、次のようなものになります。

 

1) 抗酸化作用

「ビタミンC」と「亜鉛」は、ともに抗酸化作用を持ち、細胞を酸化ストレスから守ります。

 

「ビタミンC」は、水溶性の抗酸化物質であり、細胞内外の「活性酸素種(ROS)」に対して活性化し、還元して不活性にします。

 

「亜鉛」は、「抗酸化酵素」であるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)を活性化し、細胞内の過剰な「活性酸素種」を除去します。

 

2) 免疫機能の改善

 

「ビタミンC」と「亜鉛」は、ともに免疫機能をサポートし、細菌やウイルスなどの感染から身を守ります。

 

「ビタミンC」は、免疫細胞の機能を活性化し、免疫応答を強化します。

「亜鉛」は免疫細胞の成長と分化に必要な酵素やタンパク質の合成を促進し、免疫細胞の機能を正常に維持します。

 

3) 傷の治癒

 

「ビタミンC」と「亜鉛」は、ともに傷の治癒を促進します。

 

「ビタミンC」は、コラーゲンの生成を促進し、傷口の修復を助けます。「亜鉛」は傷口の修復に必要な酵素の合成を促進し、細胞分裂や細胞成長を促進する働きがあります。

 

4) 健康を維持

 

「ビタミンC」と「亜鉛」は、ともに健康維持に重要な栄養素であり、慢性疾患の予防や治療に役立ちます。

 

「ビタミンC」は、血管の健康を維持し、心臓病やがんなどの疾患のリスクを低下させます。

「亜鉛」は、免疫機能の維持やDNAの修復、味覚や嗅覚の感覚を調節する働きがあります。

 

どうでしょうか。とても似ていますよね。

 

 

「ビタミンC」の働きに話を戻しますと・・・

 

「動脈硬化」を抑制する・・・とか、「疼痛」を改善させるなど、美容効果とは別のメリットもあるというお話を本文内でさせていただきました。

 

ある論文内では、「ビタミンC」と「ビタミンE」を併用すると3年間の期間での頸動脈の動脈硬化の進行を遅らせることができることを示されています。

 

「ビタミンC 」が疼痛を改善するメカニズムについては、以下のように報告されています。

 

「ビタミンC」が痛みを改善する主な作用機序は、炎症反応を抑制することにあります。

「ビタミンC」は、炎症反応を引き起こすサイトカイン(細胞間の情報伝達物質)の産生を抑制することが知られています。

 

また、ビタミンCは抗酸化作用を持ち、炎症反応によって発生する「活性酸素」を減少させることによって、痛みや腫れなどの症状を緩和する効果があるとされています。

 

さらに、ビタミンCはコラーゲンの合成を促進する作用があるため、骨や関節などの組織を強化し、損傷を修復するのに役立つことも知られています。

 

「ビタミンC」といえば、美肌効果など、「亜鉛」といえば、滋養強壮のサプリメントと思われがちですが、その他の有用と考えられる効果もあるということを覚えていても損はなさそうです。

 

今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

(参考)

1. J Intern Med. 2000;248(5):377-86.

Antioxidant Supplementation in Atherosclerosis Prevention (ASAP) Study: a randomized trial of the effect of vitamins E and C on 3-year progression of carotid atherosclerosis. 

Salonen JTら

 

 

             (筆者撮影)

 

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小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

医学博士, 内科医

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こんにちは、内科医  ひとちゃんですニコニコ

 

3月最初の休日の午後になっていますね

 

暦を見ますと3月5日の七十二候(しちじゅうにこう)では、

蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)」となっています


戸を啓いて(ひらいて)顔を出すかのように、冬ごもりをしていた生きものが姿を表す頃を示しているのだとか

 

いよいよ、本格的な春の季節の到来ということでしょうか?

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか

 

 

 

今回の話題は「亜鉛(あえん):Zn 」としてみたいと思います

 

「亜鉛」は、ヒトが体内で作ることができない「必須微量ミネラル」で、体内に約2~4g存在し、歯、骨、肝臓、腎臓、筋肉に多く含まれいるとされています

 

各種の酵素反応の活性化、ホルモンの合成や分泌の調整、DNA合成、タンパク質合成、免疫反応の調節などに作用することも知られています

 

では、この亜鉛が不足すると、どのような症状が出てくるのでしょうか?

  • 味覚が感じにくい(味覚障害)
  • 風邪をひきやすい
  • 傷が治りにくい
  • 疲れやすい
  • 髪の毛が抜ける

どうでしょうか? このような症状があるかも・・・と思う方は少なくないかもしれません

 

「味覚障害」とは・・・味に対する感度が低下したり、味を感じなくなったりする症状全般を指します

 

この原因は、次のようなメカニズムで生じるとされています

 

 

         (図はお借りしました)

 

 

私たちの味を感じるメカニズムは、舌の表面にある「味蕾(みらい)」という構造が生まれています

 

この部分が、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味などの味を認識する役割を担っているのです

 

「味蕾」には、「味細胞」というものがあるのですが・・・この細胞は化学物質である味を受け取り、神経を伝達して脳に味の種類を伝える働きがあるのですね

 

「亜鉛」は、「味蕾細胞」の細胞膜に存在するイオンチャネルや味覚受容体の機能に必要な栄養素であり、不足するとこれらの機能が低下することが知られています

 

さらに、「亜鉛」が不足しますと・・・不足では、味覚につながる神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンの合成や放出が低下し、味蕾細胞の分化や再生も低下してしまうとされているのですね

 

 

 

長くなりましたが・・・もうひとつだけ、「亜鉛」が低下すると免疫が低下するのは、本当なのか?・・・というお話をしたいと思います

 

先に示した「亜鉛」不足のサイン 風邪をひきやすい・・・に関することになりますね

 

 

「亜鉛」が、免疫反応に与える影響は、主に以下の2つになります

 

1. 「免疫細胞」の活性化 

 

「亜鉛」は、T細胞やB細胞などの免疫細胞の成熟や活性化に必要な栄養素であると言われています

 

「亜鉛」が不足している場合、免疫細胞の機能が低下し、感染症にかかりやすくなると言われています

 
2. 抗炎症作用 
 
「亜鉛」は、炎症反応を調節することが知られています
 
「亜鉛」が十分に摂取されている場合、炎症反応を抑制し、免疫細胞の過剰な活性化を防ぐことができるとされているのですね
 
 
「亜鉛:Zn」という「必須微量ミネラル」というものが、いかに重要な働きを持っているのかが、お分かりいただけるかと思います
 
 
「亜鉛:Zn」不足が、影響を与えるものには・・・「爪(つめ)」などもあるのですが・・・これは、後日の話題にしたいと思います
 
 
素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ
 
それでは、またバイバイ
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< ブログ後記 >3月7日

 

今宵は、満月となっていますね。

 

「ワームムーン」と呼ぶそうです。

「ワーム」とは、イモ虫などの虫を指しているようですが・・・

虫たちも出てくる「春」がきたということでしょうね

 

 

さて、今回は「亜鉛(あえん)」についてのお話をさせていただきました。

「亜鉛」と言いますと、滋養強壮のためのサプリと思われがちですが・・・実際には、それ以上に重要な働きがあるのですね。

 

「亜鉛」は、人体に約2〜3gある生活する上で欠かせないミネラルと言われています。

 

しかしながら、「亜鉛」を意識して摂取していない人も多く、特に妊婦の方や運動している人は、亜鉛が不足した状態になりやすいと言われています。

 

では、「亜鉛」が欠乏すると・・・どのような症状が出てくるのでしょうか?

 

本文内では、味覚障害や疲れやすくなるということをご紹介したのですが、さらに詳しく見てみると・・・

 

食欲減退・まだら状の脱毛や下痢などの症状が出現するとされています。また、爪にも症状が現れることがあります

 

では、爪にどんな変化が生じるかというと・・・爪の周囲が赤くなる 爪囲紅斑、その後白色帯や 下図のようなBeau’s line(ボー線)が出ルことが多いとされています。

 

           (図は、お借りしました)

 

爪の周囲には甘皮があり爪を感染しないよう保護する役割がありますが、亜鉛不足によって甘皮の生成が遅れ感染しやすい状態になり、爪の周りが赤くなってしまうことが多いとされているのですね。

 

「亜鉛」の欠乏状態があると、影響を受けるものは他にはないのでしょうか?

 

実は、免疫機能にも影響を与える可能性が指摘されているのです。

 

すべては、ご紹介できないのですが・・・一部をご紹介したいと思います。

 

ヒトの血清中の「亜鉛」」濃度が低いと・・・顆粒球やNK細胞の数が減少し、マクロファージの貪食能が低下することが報告されています。

 

顆粒球とは、細菌に対する防御力を発揮する細胞ですし、NK細胞は

ウイルス感染細胞や癌細胞を破壊する能力を持っています。

 

マクロファージの貪食とは、ヒトの体に異物が侵入した時に、それを

無害化すると同時に免疫細胞を動員する細胞ですよね。

 

つまり、「亜鉛」が欠乏すると・・・これらの免疫細胞の能力が低下してしまうわけです。

 

さらに・・・そのような「亜鉛」欠乏の状態では、NK細胞の細胞毒性が阻害される・・・というのですね。

 

NK細胞の数が減少しているのに、NK細胞がウイルス感染細胞など異常な細胞を破壊する能力「細胞毒性」が低下してしまうのでは、異常な細胞を破壊できない可能性も出てくる・・・というわけですから、

ますます、NK細胞の能力は低下してしまいます。

 

では、「亜鉛」を補充すれば、その能力は回復するのでしょうか?

 

答えは、「Yes」となります。

 

「亜鉛」の欠乏からMK細胞の数が減少していたとしても

「亜鉛」の補給(5mg/kg)を4週間行うと、NK細胞の数が有意に増加することが示されています。

 

NK細胞は、ウイルス感染細胞や癌細胞などの「標的細胞」を直接殺すだけでなく、免疫反応を刺激するシグナルを送るという重要な役割を担っていますので、いかに「亜鉛」というミネラルが重要であるかが理解できますよね。

 

ただし、「亜鉛」を漫然と摂取していればよいというものでもありません。

 

キノロン系などの抗菌薬と「亜鉛」のサプリメントを摂取すると、体内に吸収される亜鉛と抗菌薬の量が減少したり、

また、摂取しすぎれば、倦怠感や神経障害・嘔気・下痢などの副作用が出てしまうこともありますので・・・注意が必要ですね。

 

「亜鉛」には、が炎症を抑制するメカニズムもあるのですが、こちらは、またの機会に・・・

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

 

(参考)

1. Nutrients. 2019 Oct; 11(10): 2273

Role of Zinc in Immune System and Anti-Cancer Defense Mechanisms

Dorota Skrajnowskaら

 

2.厚生労働省 eJIMより

 

 

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 (筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医  ひとちゃんですニコニコ

 

2月も残りわずかになりましたね

よく晴れているものの、北寄りの冷たい風が吹いているようです

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか

 

          

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本格的な春の季節がやってくるのは、とても嬉しいのですが・・・

 

同時に少し憂鬱(ゆううつ)に感じるのが・・・「花粉症」です

 

花粉とは・・・は、可憐な花のそれではなく、「スギ」などの花粉ということになりますね

 

明日以降は、気温も上昇するのだそうですが・・・

 

「スギ花粉」の飛散もピークになる可能性があるそうです

 

その量は、昨年の2.6倍になるという予想もあります

 

(図はお借りしました)

 

いったい、いつまで続くのか?・・・と思いますよね

 

日本気象協会「tenki.jp」の情報を見ますと・・・

次のような予測がされています

 

          (図はお借りしました)

 

どうやら、3月いっぱいは「スギ花粉」の影響を受けそうですね

 

「花粉症による鼻炎」は、医学的には「季節性アレルギー鼻炎」と呼びます

 

春に多い「季節性アレルギー鼻炎」は、スギやヒノキばかりでなく、カシ,ニレ,カエデ,ハンノキ,ネズ,オリーブなの樹木の花粉によるものもあるのですね

 

その症状は、次のようなものが特徴的です

 

かゆみ(鼻,眼,または口),くしゃみ,鼻漏など,そして鼻および副鼻腔の閉塞がみられることもあります

 

もうじきはじまる3月は、本格的な春を満喫(まんきつ)できるはずなのですが・・・「スギ花粉」も飛来しますので・・・

 

「花粉症」のある方には、とても辛い(つらい)季節でもありますね

 

JTKクリニックでは、総合内科的な立場での「アレルギー疾患」の診療もしていますので、「花粉症」の症状の緩和にもお役に立てれば嬉しいです

 

それでは、素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

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<ブログ後記  >2月28日

 

明日からは、3月になりますね。

 

本日、2月28日はよく晴れたお天気となり、4月並みの気温になったそうです。

 

目に見えるわけではありませんが・・・スギ花粉は多く飛んでいるようで、鼻炎様の症状や目のかゆみの症状のあった方がおおかったようです。

 

「花粉症」は、言うまでもなく、スギなどの花粉に対するアレルギー反応ですよね。

 

今後、「アレルギー」に関連する話題のご紹介もしていきたいと思っていますので・・・少しだけ詳しくお話をしてみたいと思います。

 

「アレルギー」というと、皆さまはどのようなことが思い浮かびますでしょうか?

 

例えば・・・薬剤に対するアレルギー、食材に対するアレルギーなど、多くのタイプの「アレルギー」がありますよね。

 

実は、アレルギー反応は、さらに詳細に分類されています。

この分類は、「ゲル-クームス分類」というものでして、4種類の型に分類されているのですね。

 

 このなかで、「花粉症」は、I型反応(即時型過敏症)にあたるものとなります。

 

I型反応(即時型過敏症)は、「IgE(アイ ジー イー)」という「免疫グロブリン」が介在(かいざい)するアレルギー反応となります。

 

「免疫グロブリン」とは、異物が体内に入った時に排除するように働く「抗体」の機能を持つタンパク質のことを示します。

 

この「免疫グロブリン」は、免疫システムの中で大きな役割を担って

(になって)いるもので、下の図に示すようにIgG, IgM ,I gA, IgD, IgEなどが存在しており、血液中や組織液中に存在していることが知られています。

 

                                (図はお借りしました)

 

話を「花粉症」に戻しますと・・・これらの免疫グロブリンのうち、「花粉症」に関与するのは「IgE」ということになります。

 

この「IgE」と「肥満細胞」が、「花粉症」などのI 型反応を引き起こすことになります。

 

「肥満細胞」と呼ばれている細胞は、組織内に存在する顆粒球や好塩基球に属するもので、アレルギーなどにおいて、重要な働きを持つことに特徴があります

 

         (図はお借りしました)

 

「IgE」は、肥満細胞などの表面に付着する形で存在しているのですが・・・正確に言いますと・・・「肥満細胞」表面に存在する

「FcεRI(エフ シー イプシロン アール ワン)体」に結合しています。

 

この「IgE」部分にスギ花粉などの「抗原」が付着しますと・・・「肥満細胞」の中にあるメディエータ(例,ヒスタミン,プロテアーゼなど)の放出を引き起こします。

 

さらに・・・その他のメディエータ(例,プロスタグランジン,ロイコトリエン,血小板活性化因子,サイトカイン)の合成を引き起こすとされているのですね

 

これらのメディエータは,血管拡張,毛細血管透過性亢進,粘液の過剰分泌,平滑筋痙攣,ならびに好酸球や他の炎症細胞による組織浸潤を引き起こすという反応となります。

 

これらの多くのメディエータが、「花粉症」の症状の出現につながるというわけです。

 

「花粉症」は・・・なかなか、手強い(てごわい)相手であることがわかりますよね。

 

今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

 

 

(参考)

1. Thermo Fisher SCIENTIC 「肥満細胞の概要」など

 

 

 

 (以前のphoto: 筆者撮影)

 

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