こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

気持ちのよい秋晴れの休日となりました。先週は赤トンボが飛んでいるのを見て、本格的な秋の到来を感じました。

 

樹木の葉は、さまざまな色どりとなり、店頭の果物もまた彩り(いろどり)豊かになっていますね。

 

誰かしらのエッセイを読んでいて、次のような言葉を見つけました。

 

As long as autumn lasts, I shall not have hands, canvas and colors enough to paint the beautiful things I see.

 

「秋が続く限り、私が目にする美しいものを描くのに十分な手とキャンバスと色はない」

 

秋の美しい風景を描くためには、キャンバスや色も足りないほど、美しいものがたくさんあるという意味だそうです。

 

オランダの画家 ヴィンセント・ヴァン・ゴッホの言葉だそうです。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回の話題は、「活性酸素」を取りあげてみたいと思います。
 
私自身は、この「活性酸素」こそがヒトの健康に害を与え、「老化」を早めてしまう元凶のひとつなのでは・・・と考えたりしています。
 
「活性酸素」は、細胞内にある「ミトコンドリア」で多く産生され、ミトコンドリアのDNAさえも「活性酸素」に傷害されてしまう。
 
そして、DNAの傷害を受けた「ミトコンドリア」は、より多くの「活性酸素」を産生するという「悪循環」が存在するわけです。
 
もちろん、「活性酸素」はすべて悪いというわけでなく、低レベルの「活性酸素」は内におきている「酸化還元恒常性」の仕組みや「シグナル伝達」の中の重要な分子のひとつなのですね。
 
しかしながら、「老化」や「ストレス」により、「活性酸素」が過剰に産生されるようになり・・・
 
そして、この「活性酸素」は、DNA、タンパク質、脂質などの細胞内の重要な分子を酸化させ、損傷を引き起こす可能性があります。
 
これにより、細胞の機能が低下し、「老化」の進行が促進されると考えられています。
 
 
「老化」の進行を抑制していくためには、この「活性酸素」をなくすことが重要ということがお分かりいただけると思います。
 
では、どのような方法であれば、「活性酸素」を低下させることができるのでしょうか?
 
いくつかの方法を挙げてみたいと思います。
 

「活性酸素」に対抗していくということは、体内の抗酸化物質のレベルを高めるか、あるいは「フリーラジカル」の生成を抑制することで実現することが可能になります。

 

1. ビタミンCとビタミンE

 

これらのビタミンは「抗酸化作用」があり、体内のフリーラジカルを中和し、細胞を保護します。

 

2. β-カロテン

 

これも強力な「抗酸化物質」で、特に眼や皮膚の健康に利点があるとされています。

 

3. セレンや亜鉛などのミネラル

 

:これらのミネラルは体内の抗酸化酵素の機能をサポートします。

 

 

4. ポリフェノール

 

緑茶や赤ワイン、チョコレートなどに含まれるこれらの化合物は、「抗酸化作用」があります。

 

5. コエンザイムQ10

 

細胞のエネルギー生成に必要な物質で、心臓病などの予防にも役立つと言われています。

 

6. N-アセチルシステイン (NAC)

 

これは「グルタチオン」という強力な「抗酸化物質」の前駆体となります。

 

 

いまさら、あらためて聞くほどではない・・・と思われた方も多いかもしれませんね。

 

とくに・・・JTKクリニックで、アンチエイジングを施行されている方は、「耳にタコができる」ほど、聞いていらっしゃるかもしれませんね。

 

「ビタミンC」は、高濃度ビタミンC点滴もありますし、「亜鉛」の重要性もお伝えしています。

 

「コエンザイムQ10」のサプリは、私自身の経験から「N M N」のサプリを服用する際に併用した方が良いかも・・・とお話をしています。

 

「N-アセチルシステイン (NAC)」は、「グルタチオン」の前駆体ということになるのですが・・・これは「グルタチオン」そのものを点滴投与する「白玉点滴(しらたまてんてき)」は、とても人気がありますね。

 

よく聞かれるのは・・・

「N M N((ニコチンアミドモノヌクレオチド)」には

「抗酸化作用」はないのか?・・・です。

 

答えは、次のようなものになりますね。

 

「NMN」自体には直接的な抗酸化作用はないとされていますが、

細胞内の「NAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)」のレベルを高めることで間接的に体内の「酸化ストレス」への耐性をサポートすることが知られています。

 

「NMN」の投与で体内に産生される「NAD+」は、細胞のエネルギー生成、DNA修復、細胞の老化プロセスの調節など、多くの生物学的プロセスに不可欠な共役化合物でしたよね。

 

「NAD+」レベルが上昇すると、「サーチュイン(sirtuins)」と呼ばれるタンパク質クラスの活動が促進されます。

 

これらは細胞の健康を保ち、DNA修復を助け、酸化ストレスに対する防御を強化する役割を持つとされます。

 

したがって、「NMN」自体は、「抗酸化剤」ではありませんが、「NAD+」の生産をサポートすることで、間接的に体が「酸化ストレス」に対抗する能力を高めると考えられているのですね。

 

そして、この「活性酸素」の過剰な産生は、感染症や癌に対する免疫細胞の能力を低下させたり、現時点で各種疾患に治療効果があるのではないかとされる「幹細胞移植」の分野でも、「幹細胞」の生着率を低下させる・・・などの話題を見ていると

 

「たかが、活性酸素。されど、活性酸素」などと思ったりします。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>10月 24日

 

今回は、「活性酸素」について、お話をさせていただきました。

 

「活性酸素」があると、すべて害をなすわけではなく、適量であれば免疫機能や感染防御に重要な役割を果たします。

また、細胞間の情報伝達や遺伝子発現の調整などの重要な役割も担っており、必要不可欠なものです。


通常は、細胞内の「酸化還元バランス」により、バランスがとれているわけですが・・・外部のストレス要因などによってこのバランスが崩れてしまうことが問題なわけですね。


「酸化還元バランス」が崩れてしまいますと・・・脂質酸化、タンパク質酸化、DNA鎖の断裂と塩基修飾、および遺伝子発現などの異常を引き起こして、さまざまな疾患や老化の原因となることが知られているのですね。
 

実は・・・「免疫細胞」も過剰な「活性酸素」に影響を受けると考えられています。

 

特に、T細胞やB細胞などの「免疫細胞」は、異物や異常な細胞を検出し、排除するための免疫応答を引き起こします。

 

この「免疫細胞」の機能低下にも「活性酸素」が関与していると考えられているのですね。

 

例えば、ひとつ例をお示ししますと・・・

 

 

近年、「がん生物学」という分野では、「がん細胞中心」の視点から、がん細胞を「腫瘍微小環境(TME)」と呼ばれる周囲の細胞のネットワークとみなす新しい概念が進化しつつあるのです。

 

 「腫瘍微小環境(TME)」には、主に癌細胞と、がん関連線維芽細胞(CAF)、血管内皮細胞、免疫細胞などから構成されるのですが、

ここで重要な役割を果たすのが「活性酸素」なのでは・・・と考えられているのですね。

 

どういうことなのでしょうか?

 

「腫瘍微小環境(TME)」に存在する「癌細胞」には、ある特徴があるとされています。

 

「腫瘍微小環境(TME)」の環境は、低酸素、活性酸素高値、低pHなどと・・・

通常の細胞が存在していけないほどの極限の環境であるのですが、ここに存在する「癌細胞」は、こうした状況下でも存在できるように変化していると考えられています。

 

このような「癌細胞」は、「ストレス表現型」と呼ばれているのですが、こうした性質は多くの癌に共通してみられる特徴のようです。

 

 

「腫瘍微小環境(TME)」にある「ストレス表現型」の「癌細胞」は、アポトーシスの回避、酸素や栄養のを供給するための血管新生、浸潤、転移などを実現する・・・というのですね。

 

「腫瘍微小環境(TME)」の形成に「活性酸素」が重要な役割をはたしていると考えられているのです。

 

 

        (癌細胞の特徴;図はお借りしました)

 

そして、さらに重要なことは、次のようなことです。

 

 

「活性酸素」は、癌の進行に関連していて、「活性酸素」の増加により、「腫瘍微小環境(TME)」が免疫抑制的な環境を作り出し・・・

 

最終的には、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の「癌細胞」を破壊しようとする「免疫応答」を抑制してしまう・・・というのですね。その結果、癌組織が増加する・・・というわけです。

 

 

また、「癌細胞」や「腫瘍微小環境(TME)」などが存在しないとしても・・・

 

過剰な「活性酸素」は、各種の組織に微小な炎症を引き起こすとされています。

 

この「炎症」は、「活性酸素」の増加とともに増悪し、健康な上皮細胞や間質細胞を傷つけ、最終的に発がんにつながることもあると

考えられているようです。

 

このような新しい知見を知ると・・・私は、「活性酸素」が過剰になったら、ちょっとコワイなあ〜と思ったりもするのですが・・・

 

皆さまは、どのように思われますか?

 


今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

 

(参考)

1. J Biomed Sci.2022; 29: 74.

 Mitochondrial oxidative stress in the tumor microenvironment and cancer immunoescape: foe or friend?

Cheng-Liang Kuoら

 

 

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(筆者撮影)

 

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

雨の降る休日となっていますね。気温は16℃と肌寒さも感じます。

 

天気予報をみますと・・・週中頃にかけては大陸からの移動性高気圧に覆われるため、東日本~西日本にかけて広く秋晴れの所が多くなるとか。

 

まだまだ、秋の季節は楽しめそうですね。

 

 

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さて、今回は「肥満」を話題にしてみたいと思います。

 

 

最近、友人から次のような質問を受けました。

 

食事療法や運動療法を頑張っているのだが、どうしても痩せられない。

 

何らかの遺伝子異常があって、体重を減らせないのでは?・・・という質問です。

 

なるほど・・・DNAの遺伝子異常があるから、痩せられない・・・という発想は、とても面白い(おもしろい)ですよね。

 

確かに・・・DNAに存在する遺伝子とある種の疾患を結びつけるという研究は、現在進行中です。

 

はたして、ある遺伝子に異常があるから・・・この疾患になるリスクが高くなるという考え方は、できるものなのでしょうか?

 

その考え方をご紹介したいと思います。

 

ある疾患の発症リスクを評価する際に・・・関与する遺伝子の数は、疾患によって大きく異なるとされています。

 

一部の疾患は、単一の「遺伝子変異」によって引き起こされることが知られています。

 

その一方で、多くの疾患、特に複雑な疾患(心臓病、糖尿病、多くの癌など)は、「多数の遺伝子変異」と「環境要因」の相互作用によって引き起こされます。

 

例えば、1つのDNA遺伝子の異常で生じる疾患を「単一遺伝子疾患(モノジェニック疾患)」と呼びます。

 

 これらの疾患は、単一の遺伝子の「変異」によって引き起こされます。

 

遺伝子の「変異」とは、DNAを構成する塩基「A(アデニン)」,「T(チミン)」,「G(グアニン)」,「C(シトシン)」が、違う塩基に変化したりすることでしたよね。

 

このような1つの遺伝子の「変異」によって引き起こされる疾患には、嚢胞性線維症、サドル病、ハンチントン病などがあります。

 

一方で、多くの疾患は、複数の遺伝子(時には数十、数百、あるいはそれ以上)の変異などの異常と環境要因が複雑に関与することにより発症するとされています。

 

このような複数の遺伝子が関与する疾患を「多因子疾患(ポリジェニック疾患)」と呼び、心臓病、2型糖尿病、多くのがん種、自己免疫疾患などがこれに該当するとされています。

 

現時点の「DNA遺伝子異常」と「疾患の発症リスク」の考え方は次のようなものになります。

 

ゲノムワイド関連解析(GWAS)などの研究は、特定の疾患に関連する多くの「遺伝子領域」や「マーカー」を特定していますが、これらの各々が疾患リスクにどの程度寄与しているかを正確に理解するには、さらに詳細な研究が必要である・・・というのが、正しいと思います。

 

また、多くの場合、「遺伝子の異常」といった遺伝的要因はリスクの一部分を説明するだけであり、ライフスタイルや環境要因も疾患発症に重要な役割を果たしているのですが、こちらの評価も極めて重要なのですね。

 

ちょっと、前置きの説明が長くなってしまいましたが・・・「肥満」は、「単一遺伝子疾患(モノジェニック疾患)」となるのでしょうか?

それとも、「多因子疾患(ポリジェニック疾患)」になるのでしょうか?

 

その答えは・・・「多因子疾患(ポリジェニック疾患)」ということになります。

 

「肥満」は、「遺伝的要因」と「環境要因」の両方が複雑に絡み合って発生する状態です。いくつかの遺伝子が肥満のリスクと関連していることが研究によって示されており、以下にその中のいくつかを挙げます。

 

1. FTO遺伝子

 

FTO遺伝子は、肥満と最も強く関連していることが知られる遺伝子の一つです。この遺伝子の特定の変異は、体重増加とBMI(体格指数)の上昇と関連しています。

 

2. MC4R遺伝子

 

メラノコルチン4受容体遺伝子は、食欲調節に関わっています

 

3. レプチン遺伝子

 

レプチン遺伝子は、レプチンタンパク質をコードしており、飽和感を調節する役割を果たしています。

 

4. ADIPOQ遺伝子

 

:アディポネクチンをコードするこの遺伝子は、インスリン感受性やエネルギー代謝に影響を与えます。低いアディポネクチンレベルは、肥満、2型糖尿病、心血管疾患のリスク増加と関連しています。

 

5. PPARG遺伝子

 

ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γは、脂肪細胞の分化と成熟に関与しています。変異は、肥満のリスクと関連しています。

 

これらの遺伝子に変異をきたすと「肥満」になりやすいと考えられていますが・・・まだ、他にも多くの遺伝子の異常が報告されていくことが予想されます。

 

しかしながら、「肥満」は「環境要因」の方が影響が大きいのでは・・・と思います。

 

 

実際に英国の研究者らからの報告も「環境要因」の重要性を指摘しているのですが、これは後日の話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>10月17日

 

「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声、諸行無常(しょぎょうむじょう)の響(ひびき)あり」で始まる「平家物語」があります。

 

「諸行無常(しょぎょうむじょう)」というように、永遠に変わらないものは、この世には存在しない・・・ということは、ヒトのDNAにもあてはまります。

 

絶えまない細胞分裂に伴うDNAの複製の過程には、本来の「塩基」とは違う「塩基」を間違って入れてしまうといった「コピーミス」を起こしてしまうことにより、遺伝子の「変異」を起こしてしまうことは日常茶飯事(にちじょうさはんじ)な出来事(できごと)と言えるかもしれません。

 

そして、「肥満」に関連した遺伝子についても、その詳細が少しずつ明らかになっています。

これまでの研究結果では、次のように考えられてきました。


「肥満」の有病率の増加は、肥満の原因となる「環境」と個人の「遺伝的変異」によるところが大きいとされてきたのですね。

 

つまり、食事のカロリー摂取量が多くなる「環境」もあるが、それぞれのヒトの持つ「遺伝子異常」に違いがあることにより「肥満」が生じる・・・

 

(だから、食事に気をつけていても、肥満が解消できないのは、仕方のないことだ・・・)というわけですね。

 

問題は、この言葉が本当に正しいのか?・・・ということになります。

現在、「肥満」に関連した遺伝子は、本文内で紹介した「遺伝子」だけではなく、最近のゲノムワイド関連研究(GWAS)により
わかっている「肥満」に関連した遺伝子は、900個以上あると考えられています。

これらの遺伝子に異常があると言っても、その多くは「1塩基変異」という遺伝子が多いようです。「1塩基変異」とは、
遺伝子を構成するA(アデニン), G(グアニン), T(チミン), C(シトシン)の塩基が違う塩基に置き換えられることを言います。

これらの「肥満」に関連した900個以上ある遺伝子は、「空腹感」や「摂食行動」に関する個人の特性や傾向に影響を与えるとされます。

以前の仮説では・・・遺伝的変異により、「BMI」が高値となることの40〜70%を説明することは、可能であるという説も実際にあったのも事実です。

この説までは、極端でなくとも・・・「肥満」に関連した遺伝子の「変異」などの異常をもっているヒトでは・・・「BMI」が高くなりやすいと考えられていました。

900個以上の「肥満」に関与する遺伝子が、どのように影響するのか?・・・ということも、現在ではわかってきています。

 

それは、「食欲」と実際の「食物摂取」を心理測定的に検討した

いくつかの研究も進行し、食行動、特に「無制御摂食」や「空腹感」を介した「肥満」との関連が報告されている。


つまり、「遺伝子異常」があると・・・制限なく食べてしまったり、すぐに「空腹感」を感じることで食事摂取量が増加したりして、
その結果として「肥満」が生じてしまう・・・ということになりますね。

つまり、こうした場合には、生まれつき「肥満」リスクが高い・・・と過去の研究では、言えたのかもしれません。

「・・・言えたのかも・・・」と過去形にしたのは、最近、英国の研究グループから、下に示したような「新しい知見(ちけん)」があったからですね。
「新しい知見(ちけん)」とは、どのようなものなのでしょうか?



英国の研究グループは、「肥満」関連の「遺伝子」と「BMI」が関連するメカニズムについて、検討を行いました。


対象としたのは英国の追跡研究2件の参加者 4000人(22〜92歳)近くとなりますので、かなりの規模ですよね。

 

ここまで、幅広い年齢層についての検討は、過去にはないかもしれませんね。

この研究は、EXETER 10000 Genetics of Appetite sub-study(GATE)とAvon Longitudinal Study of Parents and Children(ALSPAC)の2つの英国コホート研究のデータを利用しています。

ちなみに「コホート研究」とは、あるグループを追跡して、病気の発生などの健康状態の変化を調べる研究のことを言います。

血液のDNAサンプルから、肥満関連の「遺伝子に基づく肥満リスク」をスコア化し、「BMI」との関連性を分析したそうです。


そのうえで、空腹感や感情的な理由による過食、食事制限など13種類の摂食行動の傾向をアンケートにより調べて
「BMI」や肥満リスクとの関連性を分析したそうです。


この研究の結果、以下のようなことが見出されました。

肥満関連の「遺伝子異常」をもつ場合には、たしかに「BMI」が高くなる傾向がありました。

しかしながら・・・

 

肥満関連の「遺伝子異常」を持っていたとしても、きちんと「食事制限」をしている人では、

早期の「空腹感」の出現は 3分の1、際限なく食べてしまう「過食」は半分まで減る結果が認められたのだです。

 

もちろん。その結果として「BMI」値も減少していたというのですね。

つまり・・・くどいようですが、「肥満」に関連するDNA上の遺伝子に変異が生じていても・・・

しっかりとした「食事制限」を実行していれば、「BMI」の値が減少するような体重の減量が可能となる・・・というわけですね。


さらに「食事制限」としては、食べるものに注意して少量をとるようにするといった「ゆるやかなタイプ」と、
カロリー計算を伴うような「厳格なタイプ」がありましたが、肥満関連の「遺伝子異常」をもつ「肥満」になりやすいヒトでは、
どちらのタイプでも「 BMI 」を改善できることもわかったそうです。

 

「諸行無常(しょぎょうむじょう)」の環境にあったとしても、自分自身の思いは、変わることはありません。

 

強い意志を持って、ダイエットに励めば・・・必ず、実現できそうですよね???ウインク???爆  笑

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い
 

参考)
1.International Journal of Epidemiology. 2023 Jul 
Mediation and moderation of genetic risk of obesity
through eating behaviours in two UK cohorts 

Shahina Begumら

 

 

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(筆者撮影)

 

   

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

3連休となっている方が多いかもしれませんね。

暦の二十四節気をみますと「寒露(かんろ)」なっています。

 

寒露とは「晩秋から初冬のころに降りる冷たい露(つゆ)」の意味ですので、この時期からからは、そんな冷たい露(つゆ)が降りる頃となりますね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 



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今回は、最近多くの方が気にされている「動脈硬化」について、お話をしてみたいと思います。

 

「動脈硬化」については、過去にもブログ内で、ご紹介をしています。

 

「動脈硬化」は・・・以前は知らず知らずのうちに血管に過剰な「脂質」がたまってできていくものとされていました。

 

最近では・・・「メタボリックシンドローム」などによって、血管に慢性的な炎症が生じ、血管壁が厚くなったり硬くなったりするなど、いろいろな要因が絡み合って発症する病態であることが明らかになっていることは、以前にもお話をしたとおりです。

 

では・・・「動脈硬化の指標」となる検査には、どのようなものがあるのでしょうか?

 

今回は、あまり知られていない「LOX- index(ロックス・インデックス」をご紹介してみたいと思います。

 

「動脈硬化」は、「血管内皮細胞」の機能障害が出発点だと言われています。

 

「血管内皮細胞」は、血管の最も内側に存在する細胞でしたよね。

そして・・・この「血管内皮細胞」は、血管緊張性の調節、血管内血栓形成の防止、動脈硬化の予防など驚くべき多くの機能をもっていましたよね。

 

 

 

(図はお借りしました)

 

さらに・・・この「血管内皮細胞」には、「変性LDL」のレセプターが存在していして、これを「LOX-1(ロックス・ワン)」と呼びます。

「変性LDL」とは、「LDL(低密度リポタンパク質)」が酸化などの修飾を受けたものでして、この「変性LDL」が動脈硬化進行の重要な要因であるとされているのですね。

 

変性LDLのレセプターである「LOX-1」「変性LDL」が結合すると血管内皮細胞に慢性的な炎症状態が生じ、これが動脈硬化の原因であることが分かっています。

 

 

「LOXーindex(ロックス・インデックス)」とは・・・

 

血液中の「LOXー1」の値と変性LDL(酸化された悪玉コレステロール」の測定値を掛け算(かけざん)した値となります。

 

血液中の「LOX−1」とは、sLOX-1(可溶性LOX-1)と言われるもので血中に放出された「LOX-1」ということになります。

 

 

 

 (図はお借りしました)

 

 

では、動脈硬化の指標となる「Lox-index」を改善するための具体的なアプローチには、どのようなものがあるのでしょうか?

 

1. 健康的な食事

 

抗酸化物質を豊富に含む食品(例:果物、野菜、全粒穀物、魚など)を摂取し、酸化を促進する食品(例:加工食品、高脂肪食、高糖質食など)の摂取を控える。

 

2. 適度な運動

 

適度な運動は活性酸素の生成を抑制し、抗酸化酵素の活性を高めることが知られています。

 

3. 禁煙

 

タバコは活性酸素を大量に生成し、酸化ストレスを引き起こします。

 

4. アルコールの適量

 

適量を超えるアルコール摂取は肝臓を傷つけ、活性酸素の生成を増加させます。

 

5. ストレス管理

 

ストレスは活性酸素の生成を増加させるため、リラクゼーションや十分な睡眠などでストレスを管理する。

 

これらの生活習慣の改善は、Lox-indexの改善だけでなく、全体的な心血管疾患のリスクを減らすことにも寄与します。

 

「LOXーindex(ロックス・インデックス)」が有用なところは、他の検査よりも早い段階で「動脈硬化」のリスクを評価できることにあるのですが・・・

 

続きは、後日に話題にしたいと思います。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記  > 10月10日

 

今回は、「動脈硬化」の指標のひとつである「ロックス・インデックス(LOX-index)」のお話をさせていただきました。

 

JTKクリニックでも検査ができるようにしています。

 

「ロックス・インデックス(LOX-index)」は、単なる「動脈硬化」の指標というよりも、もう一歩 data的には進んでいて、「動脈硬化」による「脳梗塞」や「心筋梗塞」の発症リスクまでも示すとされているので、検査結果に異常があった場合には、より深刻に捉えるべきdataとなります。


通常の画像検査は、「動脈硬化」が進行しないと見つけられませんよね。

 

それに対して、「LOX-index」では動脈硬化が進行する前の段階で、「脳梗塞」や「心筋梗塞」が生じるリスクを調べることができます。

 

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(図はお借りしました)

 

上の図では、これまでに「動脈硬化」のリスクを調べる画像検査や採血検査での「動脈硬化」が判明する時期と比較をしているわけですが、他の画像検査と比較して、かなり早い段階で「動脈硬化」の生じるリスクを知ることができることが、お分かりいただけると思います。

 

そして、実際にしたの図のように「LOX-index」が高値である方の群と低値である群を比較しますと・・・将来、脳梗塞の発症率は3倍、

心筋梗塞の発症率は2倍高くなることが示されているのですね。

 

          

(図はお借りしました)

 

「動脈硬化」の画像的な所見がなく、「LOX-index」のみが上昇している時期において、「動脈硬化」の初期段階での積極的な治療は、

将来の「脳梗塞」や「心筋梗塞」などの発症を防ぐ可能性もありますよね。

 

では、どのような方法により「動脈硬化」を予防、そして、改善できる可能性があるのかを示すヒントは、次の文章にもあります。

 

「Lox-1」は、「酸化LDL(低密度リポタンパク質)」の受容体として知られる分子です。

 

この「Lox-1」は、「酸化LDL」の細胞内への取り込みを助ける役割を果たすわけでしたね。

 

この「Lox-1」という受容体の発現は、炎症性のサイトカインその他の刺激物質によって誘導されることが知られています。

 

ここで、疑問に思う方もいらっしゃると思います。

 

(1) 「LDL」を酸化させる物質とは、なんでしょうか?

 

(2) その他の刺激物質とは・・・いったい、どのようなものなのでしょうか?

 

実は(1)の答えは「活性酸素」となります。

 

「活性酸素」が、「LDL(低密度リポタンパク質)」の酸化の主要な原因として知られています。

 

そして、この「活性酸素」は・・・細胞内のDNAの障害を受けた「ミトコンドリア」から多く産生されるわけですが・・・

 

ヒトの正常細胞が、外部からの刺激(例:紫外線、一部の化学物質、放射線など)によっても「活性酸素」は多く生じるのですね。

 

なので、これが(2)の答えとなります。

 

ちょっと目先(めさき)を変えて・・・

 

「活性酸素」が「LDL」の酸化を促進し、それが動脈硬化の進行に寄与するという概念は、心血管疾患の発症メカニズムを理解する上で非常に重要とされているのですね。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 





 

 (筆者撮影)

 

   

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こんにちは、内科医ひとちゃんですニコニコ

 

10月になりましたね。10月は「神無月(かんなづき)」と呼ばれるわけですが、その理由は、八百万(やおよろず)の神々が出雲地方に集まって会議をするために、留守になるからだとか。

 

 

言い伝えられる日程をみますと・・・

 

10月1日(または9月30日)に各地を旅立った神様たちは、10月10日ころに出雲に到着して、出雲大社に向かう・・・というものですが、変化のはやい時代ですから、今では、もう少しだけスピードアップしているのでは・・・

 

などと思ってしまいました。

 

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

 

今回は、免疫細胞の中でも重要とされる「NK(ナチュラル・キラー)細胞」についてのお話をしてみたいと思います。

 

「NK(ナチュラル・キラー)細胞」は、どのような細胞であったで しょうか?

 

少しだけ、復習をしておきたいと思います。

 

「NK細胞(Natural Killer cell)」は、免疫系の一部であるリンパ球の一種となりますが、その数は、あまり多くはありません。

 

白血球の20~40%程度を占めるリンパ球のうち、さらにその8〜20%が「NK細胞」とされていますので、血液中を循環している「NK細胞」は、かなり少ないといえます。

 

「NK細胞」は生まれつき、誰もが備わって(そなわって)いる「免疫システム」を構成する細胞のひとつでした。

 

生まれつき持っている免疫を「自然免疫」と呼びましたよね。

 

「NK細胞」は、特定の抗原に反応するための前もっての「トレーニング」を必要とせず、「NK細胞」はウイルスなどが侵入したきた際には、すぐに反応できる能力を持ち、ウイルスに感染した細胞ごと破壊することができます。

 

これと対照的な免疫細胞は、「T細胞」や「B細胞」などでして、これらは、後天的に獲得する「適応免疫」の免疫細胞となります。

 

これらの「適応免疫」の免疫細胞は、前もっての「トレーニング」により、はじめて「免疫応答」が可能となります。

 

前もっての「トレーニング」とは・・・実際にある感染症にかかったり、ワクチンなどにより「免疫」を得ることになります・

 

ウイルス感染や癌細胞に対する宿主防御に重要です。

 

「NK細胞」は、特定の抗原に反応するための前もっての「トレーニング」を必要としない点で、

T細胞やB細胞などの後天的に獲得する「適応免疫」の免疫細胞とは異なります。

 

話を「NK細胞」に戻しますと・・・「NK細胞」は、ウイルスに感染した細胞やがん細胞を攻撃・破壊する役割を持っています。

 

そして、「老化細胞」にも直接攻撃を加えて破壊します。また、NK細胞は免疫応答を調節する役割も持っており、他の免疫細胞の活動を調整することもあると考える研究者もいます。

 

では、なぜ「NK細胞」は「ウイルス感染細胞」や「癌細胞」が、破壊すべき異常な細胞であると認識できるのでしょうか?

 

          (図はお借りしました)

 

上の図は「NK細胞」が異常な細胞を認識するメカニズムの1つを示しています。

 

実は、「ウイルス感染細胞」や「癌細胞」は、通常の細胞とは異なるパターンの分子を表面に表示していることが知られています。

 

この「通常の細胞とは異なるパターンの分子」こそが、「NK細胞」が攻撃をするための「目印」になる」わけですね。

 

具体的には、「ウイルス感染細胞」や「癌細胞」は「MHCクラスI分子」の表現が低下する傾向があります。

 

「MHCクラス分子」とは、私たちの細胞の表面に存在する「糖タンパク質」です。ヒトにおける「MHC分子」のことを「HLA(Human Leukocyte Antigen; ヒト白血球抗原)」といいます。

 

この分子は「自己」と「非自己」を認識するために重要な分子とされています。

 

正常な細胞には、きちんと「MHCクラスI分子」が細胞表面に出ているといえます。

 

これがなんらかの異常・・・「癌化」したり、「ウイルス感染」したり、「老化細胞」になってしまったりしますと・・・「MHCクラスI分子」の発現の状態が変化してしまうと・・・これを「NK細胞」が認識して、細胞ごと破壊する・・・ということになるわけです。

 

ここで、「癌細胞」や「ウイルス感染細胞」だけでなく、さらに「老化細胞」が加えられていることにも注目していただければと思います。

 

「MHCクラスI抗原」が低下することは・・・「NK細胞」が「癌細胞」「ウイルス感染細胞」「老化細胞」を認識に関与する重要な役割を果たしているのですね。

 

もちろん、それだけではありません。

 

例えが、「ストレス応答分子」というものです。

 

細胞内外の「ストレス」に応答して特定の分子を発現することがあります。例えば、細胞内のDNA損傷や異常なタンパク質産生により、「ストレス応答分子」というもの発現され、これが「NK細胞」に認識されるというメカニズムは、「癌細胞」「ウイルス感染細胞」

「老化細胞」に共通するものになります。

 

 

「NK細胞」のはたらくメカニズムは、以上のようなものですが・・・問題は、数の少ない「NK細胞」の効果をいかにして、最大限に引き出すか?・・・ということにありそうです。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

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<ブログ後記>10月3日

 

朝晩の空気は、秋の深まりを予感させる「ひんやり」とした空気を感じますね。

 

今回は「NK(ナチュラル・キラー)細胞」のお話をさせていただきました。英語の「Natural(ナチュラル)」の意味には、「生まれつきの〜」のという意味もありますので、「生まれつきの殺し屋」という意味になるかもしれませんね。

 

まるで「ゴルゴ13」に出てくる「デューク・東郷」のようなハードボイルド系の細胞を思い浮かべそうですが、実際はそうでもないかもしれません。

 

ウイルス感染細胞や癌細胞を見つけると、瞬時にこれらの細胞を破壊するわけですが・・・「NK細胞」の寿命は、たったの5〜7日間しかないわけです。

 

また、本文内でもご紹介したように「NK細胞」の数は、とても少ないわけですね。

 

こうした状況でも「ウイルス感染細胞」を破壊し、「癌細胞」を見つけては破壊するわけです。

そして、中年期以降は次々と発生してくる「老化細胞」も破壊しなければならないのですから、「NK細胞」は、明らかにオーバーワークになっているのは、一目瞭然(いちもくりょうぜん)と言えるかもしれません。

 

そこで・・・この状況に陥った(おちいった)「NK細胞」をなんとか、リカバリーできないか?・・・と考えるわけです。

 

もちろん、以前にブログ内でご紹介した「AHCC」もあります。

「AHCC」は、キノコの成分である「α(アルファ)ーグルカン」は、

NK細胞の活性を上昇させるだけでなく、「獲得免疫」の細胞障害性T細胞の活性も上昇させることが報告されています。

 

その他には、ないものか?・・・と論文を探していたところ・・・

下記の論文を見つけたのです。

 

この論文の詳細は、またの機会としますが・・・

 

一部の訳を抜粋しますと、以下のようなものになります。

 

       ------------------------------- 

 

高齢B6マウスのNMN腹腔内投与によるNK細胞細 胞傷害活性の増強

 

加齢によってNK細胞活性が低下することが報告 されている(Di Lorenzo1999)。従って、老化 マウスではNMN投与によるNK細胞細胞傷害作用 が低下している可能性が考えられる。

 

そこで、 高齢(36週齢)のB6マウスを用い、NMN投与の 用量漸増試験を行った。マウスに1250、625また は313mg/kgのNMNを4日 間 腹腔内投与したとこ ろ、NK細胞活性が有 意に増強した。

 

注目すべきは、NK細胞 活性が有意に上昇したマウスでも、NK細胞の割 合が有意に増加しなかったことである。

 

(中略)

 

マウスに625mg/kgの NMNを経口投与したところ、NK細胞の細胞傷害性 が増強された。

 

この場合も、NK細胞の 割合はNMN処理によって有意に増加することはなかった(図3B)。

 

このように、NMNの腹腔内投与 と経口投与の両方が、高齢マウスにおいてNK細胞の 細胞毒性を増加させたが、細胞数は増加させなかっ た。

 

注目すべきは、NMN投 与後にNK細胞の割合が有 意 に 増加しなか ったことである。従って、NMNによるNK細胞活 性の増強は、主に個々の細胞における細胞毒性 活性の増強によるものと思われる。

       -------------------------------

つまり、老齢なマウスにNMNを腹腔内投与した場合にも、経口投与した場合にでも、NK細胞の活性の増強を認めたが、NK細胞の数に変化はなかった・・・という結果となるわけですね。

 

少し補足しますと・・・腹腔内は血管が豊富なこともあり、そこに投与した薬剤は、血液中に入ります。

また、マウスの実験かあ〜と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、マウスは遺伝子のばらつきがヒトに比べて少ないので、薬剤などの効果を観察しやすいということが言えます。

 

とはいえ、すぐにヒトに当てはめるのは、ちょっと気が早い気もするわけですが・・・多分、同様の現象が生じている可能性もあるような気がしますね。

 

米国の小説家で、「大地」を書いた 「パール・S・バック」は、次のような言葉を残しています。

 

 

All things are possible until they are proven impossible.

不可能と証明されるまでは、どんなことでも可能である

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

誠にありがとうございましたお願い

 

 

 

参考)

1. Cell Communication and Signaling (2023) 21:261

Natural killer cells and their exosomes in viral

infections and related therapeutic approaches:

where are we?

Razizadeh et al.

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         (以前のphoto: 筆者撮影)

 

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小笠原  均  (Hitoshi Ogasawara)   

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こんにちは、内科医 ひとちゃんですニコニコ

 

あと数日しますと・・・具体的には、29日(金)は「中秋の名月」で満月となっるそうです。

 

3年連続で満月の日付と一致しますが、次に中秋の名月と満月の日付が一致するのは2030年9月12日と7年も先になるそうです。

 

晴れるとよいですね。

 

皆さまの体調は、いかがでしょうか?

 

 

秋本番となりますと・・・「食欲の秋」という言葉もあるぐらいですから、美味しい食事を楽しみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

 

そして、食事の味を引き立てる脇役(わきやく)といえば・・・

「お酒」となりますね。

 

適量にしようと思っていた「お酒」も、ついつい、飲み過ぎてしまった・・・という経験がある方も多いと思います。

 

過度な飲酒が、体に様々な悪影響を及ぼすことは・・・いまさら、ご説明するまでもないと思いますが・・・簡単にお話をしておきますと、次のようになります。

 

 

1. 肝臓の損傷

アルコールは肝臓に直接的な損傷を与え、肝硬変や肝臓がんのリスクを高めます。

 

2. 心臓病

過度の飲酒は高血圧、心臓病、脳卒中のリスクを増加させます。

 

3. 消化器系の問題

アルコールは胃の粘膜を刺激し、胃炎や胃潰瘍を引き起こす可能性があります。

 

4. 精神的健康問題

アルコール依存症、うつ病、不安障害などの精神的健康問題のリスクを増加させます。

 

5.癌

口腔がん、喉頭がん、食道がん、乳がんなど、様々な種類のがんのリスクが増加します。

 

6. 栄養不足

アルコールは栄養素の吸収を妨げ、栄養不足を引き起こす可能性があります。

 

7. 免疫系の低下

過度の飲酒は免疫系を弱め、感染症に対する抵抗力を低下させます。

 

 

では、眠気を誘うための「寝酒(ねざけ)」としての少量のアルコールを飲むことで、良質な睡眠をとることは可能なのでしょうか?

 

少量のアルコールであり、それでぐっすりと眠れるなら良いではないか?・・・というわけですね。

さらに「睡眠薬」を服用するよりは、よっぽどマシではないか?

 

・・・というわけですね。

 

答えは・・・「 NO 」となります。

 

確かにアルコールは、一時的にリラックス感をもたらし、眠りを誘う効果がありますね。

 

睡眠導入剤として使用する方が多いのも分かる気がします。

 

しかし、アルコールは実際には「睡眠の質」を低下させることが知られています。

 

なぜ、「睡眠」の質を低下させてしまうのでしょうか?

その理由は以下のような理由になります。

 

 

1. レム睡眠の妨害

アルコールは、「レム睡眠」を妨げます。

 

「レム睡眠」は、夢を見る睡眠段階であり、記憶、学習、気分の調整に重要な役割を果たします。

 

「アルコール」により「レム睡眠」が減少すると、翌日の気分や認知機能に影響を及ぼす可能性があります。

 

2. 睡眠リズムの乱れ

「アルコール」は、体の生物学的時計を乱す可能性があります。

 

生物学的時計とは・・・「概日リズム(サーカディアンリズム)」のことでしたよね。

 

これにより、自然な睡眠覚醒リズムが乱れ、不規則な睡眠パターンや不眠症を引き起こす可能性があります。

 

3. 呼吸障害

 

「アルコール」は、筋肉をリラックスさせる効果があり、これにより「喉(のど)」の筋肉もリラックスします。

 

これが「睡眠時無呼吸症候群」のリスクを増加させる可能性があります。

 

4. 夜間の覚醒

 

「アルコール」には「利尿作用」があります。

この作用により、夜間にトイレに起きる回数が増え、睡眠が中断される可能性があります。

 

 

上記にあげた理由から、「アルコール」は「睡眠」の質を低下させ、長期的には、本格的な「睡眠障害」を引き起こす可能性があるとも考えられています。

 

良質な睡眠を確保するためには、就寝前のアルコール摂取を避けることが望ましいと言われるのは、こうした理由からなのですね。

 

 

素敵な1週間をお過ごしくださいキラキラ

 

それでは、またバイバイ

 

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<ブログ後記>9月26日

 

あと数日もしますと9月も終わり、そろそろ本格的な秋の季節となるかもしれませんね。

 

美味しい食事を引き立てるのは、ワインや日本酒かもしれませんし、

秋の夜長を誰かと語らうのにシャンパンやウイスキーは必須と考える方も多いと思います。

 

そして、そのまま眠りにつくこともあるかもしれませんね。

 

それをアルコールが睡眠の質を悪くするなどと、ゴッチャゴッチャ言っているのを聞くと「なんとも無粋(ぶすい)な奴だ」と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

ちょっと、タイミングが悪かったなあ〜と反省しています。

 

下に示す論文では、アルコールが引き起こす健康への害について、

次のようなことを述べています。

 

2013年に発表された『精神障害の診断と統計マニュアル』(DSM-V)第5版では、これまで使われていたアルコール乱用とアルコール依存という用語が統合され、「アルコール使用障害(AUD)」と呼ばれる単一の病態に統合されたそうです。

 

この「アルコール使用障害(AUD)」は、深刻な健康状態であると考えられており、アルコール全般は米国において予防可能な主要死因のひとつと考えられるようになっているのだそうです。

 

世界的には、アルコールの有害な使用は、年間全死亡の約5.9%を引き起こし、世界的な疾病負担の5.1%がアルコール摂取に起因している というのですね。

 

アルコールへの慢性的な暴露は、心血管系、消化器系、神経系など、人体全体の複数のシステムに深刻な影響を及ぼす ばかりでなく、アルコールの大量摂取は、高血圧、動脈硬化、あらゆる形態の脳卒中のリスクを著しく高めると考えられているようです。

 

「睡眠」に関して言えば・・・慢性的なアルコール摂取は、「睡眠」の質だけでなく、「総睡眠時間」をも低下させることが示されているそうです。

 

また、興味深い話題としては・・注目すべきは「アルコール使用障害(AUD)」は、腸内細菌叢を変化させる可能性もあり、その結果、神経炎症が生じる可能性があることであると述べられているのですね。

 

もちろん、食事の際の引き立て役として、少量のアルコールを飲むことが、必ずしも「アルコール乱用」と「アルコール依存」という「アルコール使用障害(AUD)」につながるわけではないと思います。

 

ただし、夜に眠るために「アルコール」ばかり、頼っていますと・・・これは、どうかなぁ〜なんて思ったりもしますね。

 

なぜなら・・慢性的なアルコール摂取は、「睡眠」の質だけでなく、「総睡眠時間」をも低下させることが常識であるわけですからね。

 

昨夜は、よく眠れなかったから、今晩は若干、アルコールの量を多くして、ぐっすりと眠りたい・・・と考えがちですよね。

 

こんな夜が続きますと・・・これは、ひょっとして「アルコール使用障害(AUD)」につながったりするかもと思ったりもします。

 

 

 Alcohol is the anesthesia by which we endure the operation of life.

アルコールとは、私たちが人生の作業に耐えるための麻酔である。

 

 

というアイルランドの文学者「ジョージ・バーナード・ショー」の名言には、心惹かれる(こころひかれる)ものはありますが・・・ね。

 

 

今回も最後までお読みいただきまして

ありがとうございましたお願い

 

 

参考)

1. Biomedicines. 2022 May 21;10(5):1192.

Alcohol Use Disorder: Neurobiology and Therapeutics

Waisley Yangら

 

 

 

 

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