以前、妊娠中のポリープに関するブログを書いたのですが、結論として、



「41例の脱落膜ポリープ、42例の子宮頚管ポリープの評価では、脱落膜ポリープを取った場合には、12.2%が自然流産となり、34.2%が早産となりました。一方で子宮頚管ポリープを取った場合では、流産の確率が0%、早産の確率が4.8%でした。」



と言う結果でした。



そこで、今回また新たに妊娠中のポリープに関する論文が出てきたのでご紹介したいと思います。








この論文では、妊娠12週までに見つかった頸管ポリープを切除せずに様子を見た際の早産率について評価しています。




双子などの多胎妊娠や胎児の染色体異常、大きな奇形、胎児死亡は除外されています。



対象となった4,172人の妊婦さんのうち、92人(2.2%)に妊娠12週までに頸管ポリープが見つかりました。



全員がポリープを切除せずに経過をみたところ、妊娠34週以前の早産率は、ポリープがない群:0.7%に対して、ポリープがある群:5.4%と、頸管ポリープが早産となるリスクとして考えられました。




一番最初にご紹介した論文では、頸管ポリープを切除した場合の早産率が4.8%でした。そして、今回の論文では、切除しなかった場合の早産率が5.4%と、あまり変化がないように見えます。





果たして、頸管ポリープは妊娠中に切除した方がいいのか、どうなのか、、、、



もう少し別の論文も見てみたいと思います。










こちらの論文では、妊娠中の頸管ポリープ切除が妊娠12週以降の流産や、妊娠34週、もしくは妊娠37週以前の早産に影響しないかを検証しています。



対象となった73人のうち、16人(21.9%)は34週以前の早産、もしくは12週以降の流産となっていました。



妊娠34週以前の早産に関するリスクは



・ポリープ切除前の出血: 7.7倍


・ポリープが12mm以上: 4.0倍


・脱落膜ポリープ: 8.1倍


・妊娠10週以前のポリープ切除: 5.2倍



となっていました。




この論文の結論としては、頸管ポリープを切除する事が早産や流産のリスクとなるのか、ポリープそのものがリスクなるのか、そこはわからない、という結論となっています。




以上のことから、妊娠してから頸管ポリープが見つかった時に、果たして切除するべきなのか、そのまま経過をみるべきなのか、はっきりとした結論はまだわからないものの、切除した場合の方がややリスクがあるかも、といえそうです。






子宮頸がん検診など、様々な機会に頸管ポリープが見つかることは多く、妊娠する前にポリープを切除しておくのは、早産や流産予防には良いのではないか、と思われます。




ですので、もし何かのきっかけで頸管ポリープが見つかった時には、お近くの婦人科で切除することも検討してみてくださいね。