先日、コロナワクチン接種によって生理の期間が1日ほど短くなる可能性について、ブログに書きました。




今回、また新たにコロナワクチンとコロナ感染による生理周期への影響に関するデータが出てきたので、ご紹介したいと思います。








こちらの論文では、コロナに感染した場合と、コロナワクチンを接種した場合で、生理周期がどのように変化しているかを調べています。



対象となったのは、アメリカ・カナダにおける閉経前の3,858人の女性で、コロナ陽性と診断された群とコロナワクチン接種群で、生理周期の変化を調べました。


元々の生理周期は、2011〜2016年のコロナ前を基準にしています。



コロナ陽性と診断されたのは、421人(10.9%)、コロナワクチンを接種したのは3,527人(91.4%)でした。



コロナ前と比較したところ、ワクチン接種によって生理周期が長くなるリスクが1.54倍となっていました。



ワクチン接種後の時間経過別に評価すると、生理周期が長くなるリスクは



・接種後6か月まで: 1.72倍


・7〜9か月: 1.49倍


・9か月以上: 明らかな増加なし


という結果でした。




また、元々7日以上生理が早くなったり遅くなったりする人や、生理周期が26日未満、もしくは32日以上である人では、コロナワクチン接種によって、生理周期が長くなるリスクが2.87倍と増えていました。


ワクチンの種類として、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカで比較しても同様の傾向がありました。一方で、コロナ感染は生理周期に影響を与えていませんでした。




以上のことから、今回の論文では、元々生理不順のある方では、コロナワクチンを接種することで数ヶ月の間は生理周期が長くなる可能性があると言えそうです。





一方で、以前紹介したブログの中での論文では、ワクチン接種によって生理周期が1日前後短くなる、という結果が出ていたので、まだ明確な結論が出せるような状況ではないのが現状です。



8割近い人がすでにワクチンを接種している現状で、実際の外来で生理不順の方がものすごく増えた、という印象はないので、あまり心配はいらないと思うのですが、もし生理不順が続いている方は、全く他の原因が見つかることもあるので、一度婦人科で相談してみて下さいね。