帰郷~心実(しんじつ)1~
目覚ましの音で起こされた
二日酔いするほど飲んだ訳じゃないのに頭が、身体が重い
やっと立ち上がりカーテンを開けた
朝陽が目覚めていない俺を照らす
眩しさに片目閉じたまま窓を開けた
まだ暖まっていない空気と小枝を揺する風が気持ちいい
深い深呼吸と背伸びをしてどうにか目覚めた
それでもまだ、長い夢を見ていたような…それにしてはリアル過ぎる疲れだ
そんなあやふやな思いでテーブルの携帯電話を見ると
着信ランプが点滅していた
『無事に帰って来たか?
お前が羨ましいがるような土産話が山ほどあるから、連絡しろよな
待ってるぞー!』
近くではしゃぐ仲間の声
そうだよな
俺はあいつ達の約束を断ってまでして帰ったんだ
三日間の出来事が凄い速さで頭の中をかけていく
そして
最後まで話していたリュウと和音の所でストップした
仕事は順調で忙しいく
友達の土産話しを聞きに行けそうもなく
連絡を入れた
家に帰ると自然に思い出していた
開けてしまったパンドラの箱によって思い出してしまった想い
知らされた事実
俺もたいしたことねぇな
隠してたはずなのに
千里に気付かれていたとは…
そのあとの日々はリュウに
頑張って隠してた
あの日々はなんだったんだか
『何であんな事を言ったの?』
和音の言葉がふと、浮かんだ
噂だけで確かめなかったのはマズかったんだよな…
だけど
あの時の俺には妙にキツかった
何であんな一言を言ったんだか
俺が千里に言いたかったよ
『す…き…』
千里に言った訳じゃなかったのかもしれない
あの時の出来事、想いをパンドラの箱に詰める為に
『彼氏出来たんだってな
良かったな…』
鍵を掛けたのかもしれない
だから
千里が一人暮らしをすることでもめた時
普通に
本当に極普通に
家族のひとりのように
『俺のマンションに来るか?
でも千里、荷物多そうだからな
狭くて無理かもしれないな』
俺の中の居場所か
いつどんな風に感じとろうが
今はあいつは歩き出してる
俺だってそれなりに
なんで今更
あの頃の想いを辿ってどうしろって言うんだよ
ビールを飲み干し
そのままソファーの上で仰向けに倒れた
『想いを残したまま通り過ぎると、いつまでも引きずり
本当にふっ切ったことにはなんねぇぞ
忘れる為に閉じ込めたんじゃなく
忘れたくないからからじゃねぇのか?
お前の事見て来ていた事に安心してるんじゃねぇのか?
格好付けてる場合じゃねぇだろう』
タケ兄が最後に言っていた事
そういやぁ千里のやつ…
『なんで分かんないんだろう
ヒロ君が何かに頑張っている時が一番格好いいのに…
連絡とかしなくなって
会う時間も作らなくなるヒロ君はちょっと酷いけど
同時進行出来ない不器用なんだもんね
好きな人が一生懸命になっていることの話しをなんで楽しんで聞けないんだろうね
見かけだけで無く不器用なとこも好きになってくれる人が現れるよ…きっと…たぶん…
ドンマイ!ヒロ君』
そんなことを言われたことがあったな
世話を掛けやがって…
そう思っていたけど
いつでも傍にいて
助けを求めに来て
俺の事を分かっているような生意気な事を言って
俺は
安心してたってことなのか?…
今更どうする
俺の想いの整理の為に
歩き出した千里を迷わせるような事
タケ兄も
リュウ達も
それをしてどうしろって言うんだよ
自分に向き合い
あの時の思い出と想い
今までの思い出と想い
気付いて良かったのか
目をふさぐように両腕を交差させ
全てを隠し握り絞めた
二日酔いするほど飲んだ訳じゃないのに頭が、身体が重い
やっと立ち上がりカーテンを開けた
朝陽が目覚めていない俺を照らす
眩しさに片目閉じたまま窓を開けた
まだ暖まっていない空気と小枝を揺する風が気持ちいい
深い深呼吸と背伸びをしてどうにか目覚めた
それでもまだ、長い夢を見ていたような…それにしてはリアル過ぎる疲れだ
そんなあやふやな思いでテーブルの携帯電話を見ると
着信ランプが点滅していた
『無事に帰って来たか?
お前が羨ましいがるような土産話が山ほどあるから、連絡しろよな
待ってるぞー!』
近くではしゃぐ仲間の声
そうだよな
俺はあいつ達の約束を断ってまでして帰ったんだ
三日間の出来事が凄い速さで頭の中をかけていく
そして
最後まで話していたリュウと和音の所でストップした
仕事は順調で忙しいく
友達の土産話しを聞きに行けそうもなく
連絡を入れた
家に帰ると自然に思い出していた
開けてしまったパンドラの箱によって思い出してしまった想い
知らされた事実
俺もたいしたことねぇな
隠してたはずなのに
千里に気付かれていたとは…
そのあとの日々はリュウに
頑張って隠してた
あの日々はなんだったんだか
『何であんな事を言ったの?』
和音の言葉がふと、浮かんだ
噂だけで確かめなかったのはマズかったんだよな…
だけど
あの時の俺には妙にキツかった
何であんな一言を言ったんだか
俺が千里に言いたかったよ
『す…き…』
千里に言った訳じゃなかったのかもしれない
あの時の出来事、想いをパンドラの箱に詰める為に
『彼氏出来たんだってな
良かったな…』
鍵を掛けたのかもしれない
だから
千里が一人暮らしをすることでもめた時
普通に
本当に極普通に
家族のひとりのように
『俺のマンションに来るか?
でも千里、荷物多そうだからな
狭くて無理かもしれないな』
俺の中の居場所か
いつどんな風に感じとろうが
今はあいつは歩き出してる
俺だってそれなりに
なんで今更
あの頃の想いを辿ってどうしろって言うんだよ
ビールを飲み干し
そのままソファーの上で仰向けに倒れた
『想いを残したまま通り過ぎると、いつまでも引きずり
本当にふっ切ったことにはなんねぇぞ
忘れる為に閉じ込めたんじゃなく
忘れたくないからからじゃねぇのか?
お前の事見て来ていた事に安心してるんじゃねぇのか?
格好付けてる場合じゃねぇだろう』
タケ兄が最後に言っていた事
そういやぁ千里のやつ…
『なんで分かんないんだろう
ヒロ君が何かに頑張っている時が一番格好いいのに…
連絡とかしなくなって
会う時間も作らなくなるヒロ君はちょっと酷いけど
同時進行出来ない不器用なんだもんね
好きな人が一生懸命になっていることの話しをなんで楽しんで聞けないんだろうね
見かけだけで無く不器用なとこも好きになってくれる人が現れるよ…きっと…たぶん…
ドンマイ!ヒロ君』
そんなことを言われたことがあったな
世話を掛けやがって…
そう思っていたけど
いつでも傍にいて
助けを求めに来て
俺の事を分かっているような生意気な事を言って
俺は
安心してたってことなのか?…
今更どうする
俺の想いの整理の為に
歩き出した千里を迷わせるような事
タケ兄も
リュウ達も
それをしてどうしろって言うんだよ
自分に向き合い
あの時の思い出と想い
今までの思い出と想い
気付いて良かったのか
目をふさぐように両腕を交差させ
全てを隠し握り絞めた
帰郷~パンドラの箱~
忘れようとしていた
あの頃の想いを閉じ込めた
俺にとってはパンドラの箱を開けることになった
『ヒロ、お前さ高二の秋頃
千里のこと妙な意識の仕方してたよな』
こいつは何か知っているのか?
あの頃の俺の想いを気付かれていた?
存在さえ忘れていた心の箱を見つけ動揺する自分を感じていた
そしてついに
『千里のFirst Kissだったんだよ』
帰ったはずの仲間に俺の居場所を聞き突然現れた和音
なぜか一緒に戻って来た三人も含め、いい大人の男六人が久しぶりに聞く言葉に照れるように視線が定まらずにいた
『ヒロ君、気付いてたんでしょ?なぜ8月20日だったのかって事と、千里がKissした事』
俺のパンドラの箱は開けられた
そう
高二の8月20日
千里が中一
夏休みの課題の追い込みに集中力が切れベットに横になった
どれくらいたったのか
微かに名前を呼ばれたような気がした
部屋に入る気配に
「千里?」
俺の中だけでの問い掛けだったのか返事はなく
洗いたてのシャンプーの匂いと、微かに肌の温もりを感じた
まだどこかで現実なのかどうかハッキリ出来ずに目を開けられなかった
そして意識がハッキリし始めると
鼓動が早くなるのを感じ
悟られないないよう気にしている俺がいた
近づく鼓動と重なった時
微かに聞こえた言葉に気を取られた時
ほんのり甘い香りと一緒に柔らかな感触を唇に感じた
部屋を出たのを気配で感じ
ベットに座り
零れる落ちたような
『好き』の一言と
甘い香りと柔らかな唇の感触
現実だったのかハッキリしないまま
窓に近づいた
『英語教えてくれる約束だったのに、寝てるなよな…ヒロ君に貸し一つ!高くつくから覚えておいてね』
リュウの言う通り
あの時俺の中で何かが変わった
戸惑っている自分の想いを隠すことを気にしていた
だけど
それも半年後には
そんな出来事もそんな想いも
閉じ込めることになった
千里に彼氏が出来たことで…
思い出から戻ると
それぞれのFirst Kissの話しで盛り上がり
和音が呆れる顔で聞いていた
ふと、一人と目が合うと
『ヒロのFirst Kissは有名だったよな』
『なんせうちの中学のマドンナとだもんな』
『二つ年上のマドンナに…上手くやりやがったよな』
『マドンナに奪われ、卒業後はさよなら…で?
千里ちゃんのは奪っておいて、知らん顔かよ
罪な男だねヒロは~』
言いたいことを言いやがって
言っておくが奪った覚えは無い
『気付いてたんだろ?止める事も避けることもしなかったんだ…奪ったようなもんだろうが』
リュウ…もしかして今も千里のこと…
前からそんな気がしていた、というか見え見えだったんだけど
いい加減イラツき出した和音を仲間の言葉が止めるように
『分かった!8月20日はヒロがマドンナにFirst Kissを奪われた日だ』
『そうです
5歳と10歳は子供だけど
中三と中一は大人のKissだって兄貴達が言ったんだからね!
だから千里は…
一大決心だったんだよ…
苦しくなるくらいの鼓動がね
ヒロ君の鼓動と重なった時
気付いたんだって
ヒロ君は気付いてるって
そうしたら別の緊張もしたけど
一緒に打っている鼓動で落ち着いても来たんだって
知らないふりして止めないんだもんちょっとは期待するでしょ』
和音は千里のことを淡々と話してくれた
半年後の彼氏騒動は誤解
『私も千里も兄貴とヒロ君のおかげで、男友達は多く気軽に遊んでいた
そんな調子で顔見知りになった他中のあいつと一度遊んだだけ
なのに噂は広まって
だけどどう言っても騒がれ言い訳になるからほっといてただけ…
千里に気付いていて、止めなかったのに
何であんな事を言ったの?
どうでもよかったの?
どうして千里を一人にするの』
思わず熱くなる和音をリュウが止めながら
『一人暮らしのことでもめてた時、
お前、千里に何を言ったか覚えてるよな?
「ヒロ君の中で自分が何処に居るのかが分かった気がする。やっぱり居場所が違い過ぎだね」
そう言って頑張って笑ってたの知ってたか?
それで本当の千里として歩いているなら、それでいい…
だけど、違うだろ
いい加減ハッキリしろよ
俺は!
お前以外の奴認める気ねぇからな』
あの頃の想いを閉じ込めた
俺にとってはパンドラの箱を開けることになった
『ヒロ、お前さ高二の秋頃
千里のこと妙な意識の仕方してたよな』
こいつは何か知っているのか?
あの頃の俺の想いを気付かれていた?
存在さえ忘れていた心の箱を見つけ動揺する自分を感じていた
そしてついに
『千里のFirst Kissだったんだよ』
帰ったはずの仲間に俺の居場所を聞き突然現れた和音
なぜか一緒に戻って来た三人も含め、いい大人の男六人が久しぶりに聞く言葉に照れるように視線が定まらずにいた
『ヒロ君、気付いてたんでしょ?なぜ8月20日だったのかって事と、千里がKissした事』
俺のパンドラの箱は開けられた
そう
高二の8月20日
千里が中一
夏休みの課題の追い込みに集中力が切れベットに横になった
どれくらいたったのか
微かに名前を呼ばれたような気がした
部屋に入る気配に
「千里?」
俺の中だけでの問い掛けだったのか返事はなく
洗いたてのシャンプーの匂いと、微かに肌の温もりを感じた
まだどこかで現実なのかどうかハッキリ出来ずに目を開けられなかった
そして意識がハッキリし始めると
鼓動が早くなるのを感じ
悟られないないよう気にしている俺がいた
近づく鼓動と重なった時
微かに聞こえた言葉に気を取られた時
ほんのり甘い香りと一緒に柔らかな感触を唇に感じた
部屋を出たのを気配で感じ
ベットに座り
零れる落ちたような
『好き』の一言と
甘い香りと柔らかな唇の感触
現実だったのかハッキリしないまま
窓に近づいた
『英語教えてくれる約束だったのに、寝てるなよな…ヒロ君に貸し一つ!高くつくから覚えておいてね』
リュウの言う通り
あの時俺の中で何かが変わった
戸惑っている自分の想いを隠すことを気にしていた
だけど
それも半年後には
そんな出来事もそんな想いも
閉じ込めることになった
千里に彼氏が出来たことで…
思い出から戻ると
それぞれのFirst Kissの話しで盛り上がり
和音が呆れる顔で聞いていた
ふと、一人と目が合うと
『ヒロのFirst Kissは有名だったよな』
『なんせうちの中学のマドンナとだもんな』
『二つ年上のマドンナに…上手くやりやがったよな』
『マドンナに奪われ、卒業後はさよなら…で?
千里ちゃんのは奪っておいて、知らん顔かよ
罪な男だねヒロは~』
言いたいことを言いやがって
言っておくが奪った覚えは無い
『気付いてたんだろ?止める事も避けることもしなかったんだ…奪ったようなもんだろうが』
リュウ…もしかして今も千里のこと…
前からそんな気がしていた、というか見え見えだったんだけど
いい加減イラツき出した和音を仲間の言葉が止めるように
『分かった!8月20日はヒロがマドンナにFirst Kissを奪われた日だ』
『そうです
5歳と10歳は子供だけど
中三と中一は大人のKissだって兄貴達が言ったんだからね!
だから千里は…
一大決心だったんだよ…
苦しくなるくらいの鼓動がね
ヒロ君の鼓動と重なった時
気付いたんだって
ヒロ君は気付いてるって
そうしたら別の緊張もしたけど
一緒に打っている鼓動で落ち着いても来たんだって
知らないふりして止めないんだもんちょっとは期待するでしょ』
和音は千里のことを淡々と話してくれた
半年後の彼氏騒動は誤解
『私も千里も兄貴とヒロ君のおかげで、男友達は多く気軽に遊んでいた
そんな調子で顔見知りになった他中のあいつと一度遊んだだけ
なのに噂は広まって
だけどどう言っても騒がれ言い訳になるからほっといてただけ…
千里に気付いていて、止めなかったのに
何であんな事を言ったの?
どうでもよかったの?
どうして千里を一人にするの』
思わず熱くなる和音をリュウが止めながら
『一人暮らしのことでもめてた時、
お前、千里に何を言ったか覚えてるよな?
「ヒロ君の中で自分が何処に居るのかが分かった気がする。やっぱり居場所が違い過ぎだね」
そう言って頑張って笑ってたの知ってたか?
それで本当の千里として歩いているなら、それでいい…
だけど、違うだろ
いい加減ハッキリしろよ
俺は!
お前以外の奴認める気ねぇからな』
帰郷~いいならづけ3~
『いいならづけ…じゃなかったのか?』
本気であのままごと約束を信じて…たって訳じゃないよな
妙な笑顔だ
『そんな約束の事より…
お前達を見てた奴なら、いつハッキリするんだって思ってただろうな
気にしてなかった訳じゃないだろ』
そんなことを言われても
気にするとかしないとか
俺の中では何なのか分からない
それに
俺にも千里にもは付き合った奴もいたし
まあ、長くはもたなかったけど
確かにいた
訴えてはみたが
『いい迷惑だったろうな、相手した奴』
『その気があった訳じゃないのに』
『そこに気づかないでいるから、質が悪いよなお前達二人は』
『本当に自分の気持ちに気付いてないのかね』
ちょっと待て
何でお前達にそんなことを言われなければならない
リュウがここでは聞かないでおこうと思ったけど、と前置きしてから千里の事を話した
和音に聞いたのだろう
昨夜家族に話した事を話すと
『それでいいのか』
ハモるなよ
じいちゃんと同じ反応すんなよ
そのあと
まるで万引きか何かして事務所で取り調べされているように
しばらくの間
色んな事を聞かれ答え
俺の中で複雑な想いが広がっていくような気がした
そんな俺の想いを察してか
まあ
話し尽くすというか
自分達が思っていたように俺が思っていないことが分かったのか
少し不満げな雰囲気で俺は解放された
ただ一人を残して…
急な集まりだったが
長い付き合いの気の知れた仲間
話しは尽きる事無く時間は過ぎた
若干の問題点を残し
秋に結婚式で会うことを楽しみに別れた
そしてリュウと二人になると
『千里の幸せちゃんと考えねぇと許さねぇからな
あいつは誰よりお前を分かってたんじゃないのか?
あいつなりに切り替える努力をしたんだろうからな
いい加減向き合ってやれ
それでもお前の中で女として見られないなら
ちゃんと話してふってやれ
男としてのケジメをつけて
千里をお前から解放してやれ』
一発殴られるんじゃないかと思うほどの真剣な目に
言葉の意味を深く理解する余裕も
身動きも出来ず
視線すら反らすことが出来ず返事をしていた…と、思う
怖いお兄さんに絡まれているようにしか見えなかっただろう
リュウが断ち切るように話しだし助かったと思ったのは一瞬だった
存在を忘れていた
忘れようとしていた
パンドラの箱を思い出すことになった
本気であのままごと約束を信じて…たって訳じゃないよな
妙な笑顔だ
『そんな約束の事より…
お前達を見てた奴なら、いつハッキリするんだって思ってただろうな
気にしてなかった訳じゃないだろ』
そんなことを言われても
気にするとかしないとか
俺の中では何なのか分からない
それに
俺にも千里にもは付き合った奴もいたし
まあ、長くはもたなかったけど
確かにいた
訴えてはみたが
『いい迷惑だったろうな、相手した奴』
『その気があった訳じゃないのに』
『そこに気づかないでいるから、質が悪いよなお前達二人は』
『本当に自分の気持ちに気付いてないのかね』
ちょっと待て
何でお前達にそんなことを言われなければならない
リュウがここでは聞かないでおこうと思ったけど、と前置きしてから千里の事を話した
和音に聞いたのだろう
昨夜家族に話した事を話すと
『それでいいのか』
ハモるなよ
じいちゃんと同じ反応すんなよ
そのあと
まるで万引きか何かして事務所で取り調べされているように
しばらくの間
色んな事を聞かれ答え
俺の中で複雑な想いが広がっていくような気がした
そんな俺の想いを察してか
まあ
話し尽くすというか
自分達が思っていたように俺が思っていないことが分かったのか
少し不満げな雰囲気で俺は解放された
ただ一人を残して…
急な集まりだったが
長い付き合いの気の知れた仲間
話しは尽きる事無く時間は過ぎた
若干の問題点を残し
秋に結婚式で会うことを楽しみに別れた
そしてリュウと二人になると
『千里の幸せちゃんと考えねぇと許さねぇからな
あいつは誰よりお前を分かってたんじゃないのか?
あいつなりに切り替える努力をしたんだろうからな
いい加減向き合ってやれ
それでもお前の中で女として見られないなら
ちゃんと話してふってやれ
男としてのケジメをつけて
千里をお前から解放してやれ』
一発殴られるんじゃないかと思うほどの真剣な目に
言葉の意味を深く理解する余裕も
身動きも出来ず
視線すら反らすことが出来ず返事をしていた…と、思う
怖いお兄さんに絡まれているようにしか見えなかっただろう
リュウが断ち切るように話しだし助かったと思ったのは一瞬だった
存在を忘れていた
忘れようとしていた
パンドラの箱を思い出すことになった