特別支援学校で私たちの若い頃は、先輩の教員から指導法を習ったり、見て覚えていました。
最近の東京では、ABA応用行動分析は教員の間に広く知られるようになってきています。
学校で研修したり、新規採用教員は最初の研修で教わったりしています。
学校で使うABAは、ほとんどがこの「注目行動」に対する対処法です。
①先生の反応を楽しむ 注目行動
例1 先生の反応なし→先生にちょっかいを出す(叩くも)→先生が「痛い」「やめて」という
ごほうび
先生の反応
「うっ」「痛い」「やめて」の言葉やリアクションが面白いわけですから、
このごほうびを与えない無視の対応をしています。
反応すると、面白がって繰り返します。
今では、ほとんどの教員がこの方法を使っています。
私も何人も行いましたが、けっこう忍耐力が必要です(笑)
すると、子供が「先生はなにもしてくれない、つまらないな」
と思うまで、 ひたすらがまんです。
昔はこういった行動に対して、よく注意したりもよくしていましたが、
今ではほとんどの教員がこの反応しない方法を一般的に使っています。
この注目を得たいがための行動は学校の様々な場面ででてきます。
先生にかまってほしい時、
・先生が追いかけてくるのが面白くて、急に逃げ出して走る
・廊下で急に座り込んで、先生が困っている様子を楽しむ
・わざと作物の植えられている畑に入り込んで、先生の怒る様子を見て楽しむ
・気をひくためにつねる、叩く
などなどです。
どの行動にも、反応はせず、ごほうびにならないように対応します。
例2 先生の反応なし→友達に手を出す→先生「やめて」
先生にかまってもらいたいがために、行う行動で誤学習しています。
この場面もよく見られる行動です。
この子から、周りの子の席をはなしてケガをしないようにしてから、
反応をなくします。
特定の先生に注目してもらいたい時は、その先生自身がなるべく遠くの位置に
いるようにします。
②昔から使われているシールを使って、やる気をだす
学校では昔から使われてきた方法です。
ABAのトークンエコノミー法にも似ていますが、もっと様々な場面に合わせて、
使っています。
課題に対して、定着がむずかしい場合に使います。
例 午前中の授業で気を散らさずにがんばったら、表にシールを貼ってほめる
3つ〇がもらえたら、昼休みに曲をかけてダンス。
例 授業で離席がなかったら、表にシールを貼ってほめる
連絡帳に表をはさめて、家庭に報告。家庭でもほめてもらう。
全授業でできたら、家庭で簡単なごほうびおやつとか、
1週間がんばったら外出のごほうび
というように家庭と連携することもあります。
表には、
・課題の文やイラストを描きます。
・シールは集めて達成できた時に、生徒の好きなシールを最後に貼ったり
します。
このメリットは
・視覚化することにより、課題として意識しやすい(聞いたことは消える)
・できたことを確認できる
シールがたまることで、達成感がある
・ほめることで、行動が強化
・約束を守る習慣づけにもなる
・ごほうびをあげることで行動のモチベーションに
ごほうびは大げさなものはいりません。
ほめるだけでもごほうびになるならそれで充分です。
※全員に対して行っているわけではありません。なかなか定着しない課題に
対しての一つの指導法です。