高等部の企業就労の取り組み①進路に向けた授業、クラス活動、生活 | hkhk123のブログ

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知的の特別支援学校に勤めていました。高等部が長く、進路に関わってきました。お役に立てるような経験をお話していけたらなと思っています。

 

小、中と高の違い、それは進路があることです。

1年生は入口として、入門編のような感じですが、

2年は現場実習があり、本格的に学校でも進路の取り組みをします。

 

 

では、高等部の進路にかかわる「授業、クラス活動、生活」を紹介いたします。

 

 

(授業)

 特別支援学校高等部の軽度のお子さんの教育課程は  

 9教科と職業、作業学習、情報になります。

  

  〇9教科は国数などの通常の授業です。
  

  〇職業、作業学習は進路に関する授業になります。
   

   ・職業の時間(週1~2時間 進路に関する授業)

    仕事の種類、企業・就労移行支援・A型等、現場実習の説明、ビジネスマナー、

    最低賃金と給料、雇用契約、給与明細の見方

    自分の長所、短所を考え、どんな仕事が向くか考える

    療育手帳の使い方

    履歴書の書き方、お礼状

    仕事はやりたいことより、できること・続くことを選ぶ

    など

 

    ※実際にあった話ですが、プロレスラーになりたい、歌手になりたい

     実現できる見通しがない限り、趣味にするべきなのです。

     己を知り、できることは何かを考えていくように指導していきます。

 

 

                                       

  

  ・作業学習(週1.5~2.5日)

   仕事体験として、 

   農業、清掃、食品、喫茶、事務などでの職業訓練 

   報告、連絡、相談の仕方

   働く態度や姿勢、集中して取り組む

   身だしなみ、言葉使い、挨拶、時間を守る

  

   

   

 

            

 

 

  ・他に情報 (週1~2時間)

   PCのワード、エクセル、パワーポイントを学習して、仕事などに生かしたりします。

 

 

 

(クラス)
  ・職業の時間も進路のことを行いますが、クラスでも重なる内容もありますが、

   社会にでるための練習を行います。

    
  ・ホームルーム 

   現場実習準備 

    実習日誌、通勤練習、面接練習、履歴書、お礼状

    注意点や当日欠席の連絡の仕方、実習日誌の書き方と渡し方

    挨拶 先語後礼、軽い会釈、通常の会釈、お礼や謝罪の礼

    身だしなみ(服装、髪型、ツメ、ネクタイ)

    言葉使い(丁寧語)

    姿勢(いすの座り方 背をつけない、背筋を伸ばす)

    メモの取り方

        などなどを実習や進路のスケージュールに合わせて行います。

 

               

                           

  

  

  ・そして、クラスの日常生活でも

 

   朝の会 挨拶(先語後礼)やいすの座り方(背をつけない、背筋を伸ばす)

       話を集中して聴く

   帰りの会前 連絡帳に感想を書いたら、教員が読める向きで

   「よろしくお願いいたします」と言って渡す

  

    

 

(生活) 
  ・廊下でのあいさつ

      ・時間を守る

  ・ルールを守る

  ・休み時間の友達とのかかわり方(職場に同年代がいることを想定して)

 

              

 

(ビジナスマナー教室)

 東京の場合 

   企業から講師を派遣してもらい

  ・挨拶、身だしなみ、時間を守る、言葉使い、姿勢などのビジネスマナー

  ・アンガーマネージメント(怒りそうになつた場合の切り替え法)

               

 

 

 

 (進路見学、現場実習)

  学校により、やや違いがありますが

  1年 進路見学 校内実習

  2年 現場実習1~2回 実習報告会

  3年 現場実習1~2回 実習報告会

 

 

  このように授業、クラス、生活、特別活動の

 場面でさまざまなことを身につけていくの

   です。

 

  障害をもった生徒をはじめて受け入れる会社からは

 「思ったよりもできる」という感想をもらうのは、

  日頃の訓練が一つの要因です。

 

 前にも書きましたが、

  私が最初に知的特別支援学校高等部1年生の担任になった時に

  休み時間の生徒のじゃれあう姿、

  生徒の幼さに「これから、本当に就職できるのかな?」と

  と疑問に思っていました。

 

 

              

  しかし、1年生から、進路の話や学習、

   2年の現場実習を経験する中で

 生徒の中に「就職しよう」という気持ちが生まれ、

  その方向にむかって努力していったのです。

 また、周りの生徒も就労に取組んでいくので、刺激を受けます。

 

 3年生の実習までには、一通りの職業訓練、ビジネスマナーを

 身に着けて、本番に向かいます。

  

         

 

 

お読みいただき、ありがとうございました。

次回は「高等部の企業就労の取り組み② 職種、待遇、勤務時間、給与」