昔話です。

 

地方へ移住した女性と

何年ぶりになるか

久しぶりに会った。

 

「同窓会のあと、会えるかなぁ」

との連絡が、

ひと月前にあった。

 

同窓会で1日だけ

泊りで戻って来るようだ。

 

・・・

 

当日の夜。

 

僕は

会社帰りの車で

道玄坂で待ち合わせた。

 

 「久しぶりだね!」

 「同窓会、たのしかった?」

 「そっか、〇〇年ぶりなんだね」

 

同窓会は楽しかったようで

ごきげんな感じ。


今は

友人のように話しているけど

実はかなり以前、

この女性に告白された僕。

 

しかし、

その時のお互いの

色々な条件や背景があり

僕はお断りしていたのだった。

 

いやでも、

お断り、とは言っても、

その昔、

アッチのほうをお願いされた時は

断らなかったあたり

優柔不断な僕…。

 

 

今回、久しぶりに会うけど

僕は仕事帰りに車で迎えに行ったので

お酒は飲まないことにした。

 

彼女のお酒が進むと

色々と本音が漏れてきた。

 

環境が変わり、

自分の今のパート仕事など

とても大変な毎日を送っている様子。

 

彼氏と同棲しているけど

生活費を全然入れてくれないから

生活が本当に大変で
自分がパート掛け持ちで

朝から晩まで働いて、

けど、男からはまったく感謝もされず。

 

女としても扱ってもらえず

ひたすら仕事の日々。

 

僕は

「あらまぁ、たいへんだ…」

なぐさめる言葉しか

出てこない。

 

ひと通り

お酒で愚痴をこぼしたあと、

宿泊のホテルへ

僕の車で送ってあげた。

 

そう、お察しのとおり

また「誘われて」しまいました。

 

しかしですね、

「できない」んですよ、これが。

 

どうしたもんかね。

「使えない」んです。

 

やっぱり振ってしまった

という負い目や

 

「彼氏が居る」という負い目

精神にダブルパンチが効いている

のでしょう。

 

 

なので、

「使えない」代わりに

精一杯、愛撫で

ご奉仕させて頂きました。

 

・・・

 

こんなメッセージが

後日届きましたが、

 

「いっぱい

 ぎゅーってしてくれて

 満たされました

 ありがとう」


・・・本当にいいんだろうか

そんな僕で。

むかし

拘束が強い人と

付き合った事がある


どのくらい

強いかと言うと

こんなエピソードがある


・・・


祖母が危篤になった

と連絡があった


「詳しい事はまた連絡するね」


そう言って電話は切れた


あまり親戚付き合いの無い

僕だけど

祖母だけは特別だった


幼い頃に一時期だけ

祖母の元で育てられた


僕の記憶に無いほど

幼い頃


そんな祖母が危篤となったら

車で8時間掛かる遠方だが

すぐ駆けつけたかった

けどここで問題が発生する


 どこに入院しているのか

 わからない


どういう事かと言うと

拘束の強い女性と

付き合っていると書いたとおり


祖母の件で連絡がある数日前

携帯の中身を全部チェックされる

事件があった


そもそも僕が何かを

しでかした訳でも無く

完全に彼女の思い込みで

携帯をチェックされた


携帯チェックの際

「これは親戚の叔母さんだよ」

と説明しても

女性名の連絡先すべて

削除させられた


祖母を知る親戚は

既に女性しか残って居ないのだ

その連絡先が消されては

連絡の取りようが無い


危篤の連絡を受けたとき

病院内の公衆電話から

掛けてきたようで

折り返し連絡などできない


スマホが無い時代

公衆電話からの通話は

普通に使われていた


連絡先が分からないから

ただひたすら

もう一度

連絡をもらうしか無い


時間も深夜だから

行き先はとりあえず

祖母の住む町

高速道路をひたすら数時間

走った


朝を迎えて町に着く前

もう一度電話があり

行き先の病院がやっとわかった


病院に到着し

祖母は意識の無い状態だったが

とりあえず到着だけはできた


・・・


何でこんな目に

合わなければならないのか

しばらく悶々としてしまった


でも、連絡先削除を

拒否出来なかった

ぼくも

弱すぎるんだよね

たぶん



昔話をまたひとつ


ぼくの会社に以前に出入りしていて

顔見知りだった

女性から突然

 「離婚した」

というメールが届いた


一体何があったのか

まったく意味不明だったが

とりあえず話を聞いてみよう

と会うことになった


というか

そもそも結婚してた事さえ

あまり会話してなかったせいで

初耳だった

それがなんで突然、離婚なのか


それは彼女の浮気だった


・・・


何でも買い与えてくれる

優しい夫と

結婚していた

彼女が乗る車も自由に買ってくれた


けど欲しかったのは

物じゃなくて

体の触れ合いだった


夫は

あまり肌に触れてくれない

だからずっと

欲求不満だった


そんなとき

若い彼と浮気した


若い彼の「写真入り名刺」を

見せてもらった


若い彼も

夫に引けを取らない

「老若男女の誰もが知る」

超有名企業の

キャリア組


若い彼と浮気をしたら

もっと体の触れ合いが欲しくなり

彼とホテルに泊まりっぱなしの生活

自分の家に帰らなくなった


そのうち若い彼から

「そんなに俺が好きなら離婚しろ」

と言われ


本当に離婚した


若い彼と一緒に住むため

マンションも借りた


すると若い彼は

こつぜんと居なくなった


残されたのは彼女だけ

離婚して

マンションに今ひとり


まさにそこへ

僕が話を聞きに

訪れている

という状態


・・・


話を聞いた僕は

なんだか

すごく

やるせ無くなった


「今なら、下の駐車場にベンツもあるよ。

 でも、もうすぐ離婚の慰謝料の支払いで

 無くなっちゃうけどね」


と彼女は言った。

泣いていた。


僕は

(・・・そりゃそうだ)と

無言で悲しい顔をするしか

出来なかった


顔写真入りの若い彼の名刺を

見せてもらったとき


僕が言った

「かっこいい男だね。

 浮気しちゃった

 気持ちもわかるよ」

という言葉に


彼女の気持ちも

落ち着いてきた

ようだった


浮気を肯定したかった

訳では無いけど

散々な彼女を思うと

そう言うしか

思い浮かばなかった


・・・


さあ、では

帰ろうかと思うと

 「・・・ねぇ。」

彼女に呼び止められた。


うーん、そういうことかぁ


 据え膳食わぬは男の恥


と言いますからね・・・


あまり

そんな気になれなかったけど

彼氏と旦那を

同時に失ってしまった

寂しそうな目を

こっちに向けられたら

向き合ってあげるしか

無いような気がしてきた

(優柔不断)


・・・


ところが

ぜんぜん

使い物にならないんだな

これが


致してみたけど

ダメだった


僕はやっぱり

好きになった人じゃないと

ダメみたいだ


風俗に興味が無く

玄人童貞なぼく


(彼女が風俗、

 という意味では無く

 恋愛感情を抜きで

 致せるか、

 という問題)


それがハッキリと

証明された日だった




言いたいことを

言語化するのが

苦手なぼく


子供の頃に

もっと

本は読むべきだったと

今は後悔している


子供のぼくは

本が大嫌いだった。

何故だか解らないけど

架空の物語りが

とっても嫌いだったんだ


子供の頃に

家にあって読める本といえば

ほとんどが

いわゆる童話、民話のような

架空の創作物だらけだった

さいしょの導入部を読んでも

ぼくにはつまらなかった

この先まで読み進めたいとは

まったく思えなかった


唯一、ぼくが読んだ本は

科学図鑑や科学漫画だった

事実しか書いてないからだ


科学図鑑の未来空想にしても

1960年代、1970年代の

技術基礎の延長で語られた物

だったから読むことができた


子供時代のぼくは

同年代の子供とくらべて

スレた(冷めた)

子供だったと思う


幼稚園児の

友達の

「仮面ライダーごっこ」

が大嫌いだった

「くだらねぇ、

 クソみたいな遊びしやがって」

と4〜5歳そこそこの

ぼくは思っていた


タモリさん

の言っていた

「おゆうぎでキンキンキラキラ

 と踊っている幼稚園児を見て

   これは俺の居るべき場所ではない

 と感じ幼稚園へ通わなくなった」

に近いものがある


しかし

今にして思えば、

創作物を含め

もっと本を読んでいれば、

さまざまな人の

 「思考の言語化」

を取り込むことになり

自分の中に

さまざまな言語化の

バリエーションを

得ることができる

貴重な勉強なんだ


と、

大人になってから気づいた


まあ結局、今も

時間が無いとか

自分の理由をつけて

本は読んで無いんだけど



さあ

家から

しゅっぱつ・・・


あれ?

車が

走らない


ちょっとマシな

おんぼろくん

どうしたの?


スターターモーターは

回るけど

いつまでも

ガソリンが

爆発しない


これがいつもの

おんぼろくん

なら小さいから

うごかなくても

手で押せる


けどこの

ちょっとマシな

おんぼろくん

どっしり

重量級

びくとも

動かない


困ったな


とりあえず

ボンネット

あけよう


ややっ


みょうな

くさい匂い

がするぞ


これは

焼けた

電子部品

のにおい


ぼくには

わかる


油じゃない

ゴムでもない

電子部品の

焼けたにおい


目の前にある

銀色の箱が

電子部品

の箱だな


箱を

あけてみよう


・・・


やっぱり

箱の中身が

焦げてる


電子部品は

古くなると

燃えちゃうことが

ある


だからある意味

電子部品が

まったく無い

いつものおんぼろ

のほうが

安心してドライブ

できる


ちょっとマシな

おんぼろくん

入院だね