むかし

拘束が強い人と

付き合った事がある

 

どのくらい

強いかと言うと

こんなエピソードがある

 

・・・

 

祖母が危篤になった

と親戚から連絡があった

 

 「詳しい事はまた連絡するね」

 

そう言って電話は切れた

 

あまり親戚付き合いの無い

僕だけど

祖母だけは特別だった

 

・・・

 

幼い頃に一時期だけ

祖母の元で育てられた

 

僕の記憶に無いほど

幼い頃

 

そんな祖母が危篤となったら

車で8時間掛かる遠方だが

すぐ駆けつけたかった

けどここで問題が発生する

 

 どこに入院しているのか

 わからない

 

どういう事かと言うと

拘束の強い女性と

付き合っていると

書いたとおり

顛末はこうだ

 

祖母の件で連絡がある数日前

携帯の中身を全部チェックされる

という事件があった

 

そもそも僕が何かを

しでかした訳でも無く

完全に彼女の思い込みで

とつぜん携帯をチェックされた

 

携帯チェックの際

  「これは親戚の叔母さんだよ」

と説明しても

女性名の連絡先すべて

削除させられた

 

祖母を知る親戚は

既に女性しか残って居ないのだ

男の親戚はお墓の中なのだ

 

その連絡先が消されては

連絡の取りようが無い

 

危篤の連絡を受けたとき

病院内の公衆電話から

掛けてきたようで

  「また連絡するね」

の一言で切られてしまったから

病院名も電話番号もわからず

折り返し連絡などできない

 

スマホが無い時代

公衆電話からの通話は

普通に使われていた

 

連絡先が分からないから

ただひたすら

もう一度

連絡が来るのを待つのみ

 

ただ待ってても仕方なく

時間も深夜だから

行き先はとりあえず

祖母の住む町

高速道路をひたすら数時間

走った

 

朝を迎えて祖母の住む町に着く前

もう一度電話があり

行き先の病院がやっとわかった

 

病院に到着し

祖母はすでに意識の無い状態だったが

とりあえず到着だけはできた

 

・・・

 

何でこんな目に

合わなければならないのか

しばらく悶々としてしまった

 

でも、連絡先削除を

拒否出来なかった

ぼくも

弱すぎるんだよね

たぶん