ネットの医療サイトや相談サイトを見ていると、HIV感染に関する質問や相談を多数見かけます。それも同じような質問ばかりです。
例えばこんな感じの質問です。
『先月、風俗で遊んでしまいました。コンドームなしでオーラルセックスをしたのですが、HIVに感染することがあるでしょうか?』
質問者、相談者は具体的な行為をあげて、HIV感染の可能性を相談しています。この質問を読んでいると、相談が2種類に分かれていることに気づきます。
それは以下の2種類です。
A:「○○○をしたのですが、HIV感染の可能性はどのくらいでしょうか?」
B:「○○○をしたのですが、HIVに感染する可能性があるでしょうか?」
Aの質問もBの質問もほとんど同じです。でも正確には微妙に違います。
Aの質問はHIV感染の可能性を問題にしているのです。自分がやってしまった行為が、どのくらいの確率でHIVに感染するものなのか、そこが不安なのです。
むろん、Aの質問に対して「1%」とか、「0.5%」とか、数値で答えるのは困難です。従って、
「それほど可能性は高くない。」
とか、
「かなり高い確率です感染する。」
とか、こんな感じの回答が返ってきます。
そして相談者は回答の感染確率が高いと心配、不安を大きくし、感染確率が小さいと安心します。
一方、Bの相談者は感染する可能性があるのか、ないのかを問題にしています。従って、回答で感染の可能性があると言われると不安になり、感染の可能性がないと言われれば安心します。
Aの相談者はちょっと考えると冷静に計算しているように思えます。世の中、病気はHIV感染症だけではありません。がんや脳梗塞で死ぬ可能性だってあります。100%安全、安心なんてありえません。
だから現実的にHIVに感染している可能性が小さければ気にしないという考え方です。
しかし、どんなに小さい可能性だって存在すればいつかその可能性にぶつかる可能性があります。どんなに小さなHIV感染確率であっても、感染してしまえば100%です。
Bの相談者はそのように考え、HIVに感染している可能性がある限り心配し続けます。
さて、私自身もかつて深刻なHIV感染疑惑に陥ったことがあります。私の場合は典型的なBのタイプです。
ずいぶんと自分で専門書を読んだり、医療サイトを調べたりしました。HIVそのものは非常に感染力の弱いウイルスであり、めったなことでは感染しないことを知りました。
更に自分が行った行為では0.1%程度の感染確率もないと知りました。それでも私は自分がHIVに感染しているのではないかと不安でたまりませんでした。
これはもう理屈ではありません。感染確率という数値の問題を離れてHIV、エイズという病気に対する不安、恐怖におびえているのです。
さて、ネットで相談する人、質問する人に2通りのタイプが存在することをお話ししましたが、どちらの場合でも、ネットで相談なんかしている場合じゃない、というのが私の考えです。
かつては私もずいぶんとネットで相談しましたが、それは何の役にも立ちません。Aタイプの人が感染確率を問題とし、Bタイプの人が感染の可能性そのものを問題とするなら、その不安を晴らす方法はたったひとつ、HIV検査を受けることしかありません。
ネット上でどんな人に相談してみても無駄なことであり、あまり意味はありません。エイズの世界的権威の学者であっても、あなたのネット上の相談であなたがHIVに感染しているかどうか分かりません。
ましてやそこらへんの素人が無責任に書き込んだ回答など、百害あって一利なしです。
私が思うに、どんな不安、心配であれ、HIV感染が気になるのなら保健所に行くのが正解です。確率など調べる時間があれば検査を受けることです。
それ以外にあなたが本当に安心できる方法は絶対にありません。
ちなみに、行為別のHIV感染確率を知りたいあなたはこちらから
『行為別HIV感染の確率』 (HIV検査完全ガイド)
ただし、いくら確率が低くても、感染するときは感染します。あなたの安全を保障するものではありませんから念のため。

