あなたはHIVに感染してからエイズ発症までの潜伏期間をご存知ですか?
むろん、個人差もあるのですが、おおかたのイメージとしては、
5年~10年くらい
と、思っていませんか?
確かに、数年前まではそうだったのです。
国立感染症研究所(IDSC)感染症情報センターが運営するサイトがあるのですが、2011年10月に投稿された記事の中に、こんなものがありました。
『最近、米国では新たに感染した患者のうち36%が1年以内にAIDSの指標疾患を発症したということが報告され、HIVの病原性が変化してきている可能性も示唆されている。』
CDC, Case of HIV Infection and AIDS in the United States and Dependent
Areas, 2007
エイズの潜伏期間が5年とか10年とか思っていたら、何と1年というお話です。
むろん、HIV感染者の全員が1年以内にエイズを発症する訳ではありませんが、それにしても36%とは恐ろしい割合です。3人に1人以上ですから。
実はこの報告は、厚生労働省が出している、「抗HIV治療ガイドライン 2011年 3月版」の中にも出てきます。
また、日本のエイズ研究機関からも同様に、エイズの潜伏期間が短くなっているとの報告が出されています。
例えば、厚生労働省エイズ動向委員会の岩本委員長や、国立国際医療研究センター戸山病院エイズ治療・研究開発センター長 岡慎一氏が講演の中やネット上でお話されています。
その内容によると、従来のエイズ潜伏期間が短くなって、HIV感染から3年、4年でエイズを発症する事例が多くなっているとのことです。
このように、日米のエイズ研究専門家からエイズ潜伏期間が短くなっているとの報告が出されています。
こうなると、HIV感染に気付いていないケースはむろんですが、HIV感染を不安に思っていても、検査をぐずぐずためらっていると手遅れになってしまいます。
あなたもご承知のように、現在の抗HIV医療では早期発見、早期治療ができればエイズ発症を防ぐことが可能です。
エイズの潜伏期間が短くなっていることを考えると、早期のHIV検査がより重要となってきます。
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