「在日特権は存在する」――自民党・杉田水脈氏がヘイトを扇動?
自民党の杉田水脈衆院議員は11月10日までに、在日コリアンへの憎悪をあおる悪質なデマとして知られる「在日特権」などを巡り、X(旧ツイッター)に「実際には存在します」と投稿したという。 この「在日特権」論は、根強いヘイトスピーチだが、これまでも、種々のSNS投稿が問題視されてきた「衆議院議員で自民党の役職にもついている」杉田の懲りもしないSNS投稿を許しているというのは、杉田を「リベラル言説への咬ませ犬」として意識的に使っている証左だろう。 「在日特権」は、在日コリアンが「隠れた特権」に基づき日本人を搾取しているとの趣旨の差別的言説である。ヘイトスピーチと位置付けられ、交流サイト(SNS)を中心に拡散されているは、これは、左翼リベラル云々ではなく、良識的・常識的なレベルとして、レイシズム(人種差別主義)を助長する恐れがある、と言える。 なお、自民は、杉田を切ると、百田尚紀や有本香などが「自民の右のウイングの弱さ」に苛立ち、保守党を立ち上げたように、自民の「右のウイング」が離れてゆく恐れがあるのかもしれない。それだけ、排外的ヘイトスピーチは、国粋的求心力を高める効果があるのだろう。しかし、いつまで、排外主義によって自民族をそして自己を慰撫することで快感とするのだろう。いわゆる「入管問題」もその一環としてとらえていいだろう。 また、この投稿は11月4日付で、杉田氏の言動を取り上げた朝日新聞の11月1日付朝刊記事に言及したという。 「在日特権」のほか、被差別部落問題に絡む「同和利権」を差別的表現だと分析した記事に反論し、 「(朝日は)差別に関わる利権や特権は存在しないと断言しました。しかし、実際には存在します」と書き込んだという。 まあ、この「同和利権」については、いろいろ問題はある。 しかし、もっと、具体的な事実に即して、具体的に問題にすべきだろう。杉田の言説は、街宣右翼に近い浅慮なもの(条件反射)があるような気がしてならない。そして、良識が出てきてこの条件反射的吠えイヌ体質がなくなってしまったら、杉田の利用価値が無くなってしまうのだろう。 杉田については、保守党が出来てからは、自民党から保守党へと、「地下アイドル」化してゆくことも考えられるが、いまのところ、自民も便利な「壊れたSNSスピーカー」として案外重宝しているのかもしれない。 なお、同和利権については、いろいろな本が出ているが、今年出た本で言えば、『同和のドン 上田藤兵衞 ―-「人権」と「暴力」の戦後史』(講談社、2023年)伊藤博敏=著 が詳しくてリアルだ。初期の大阪維新も例外ではないかもしれない。 書 名 同和のドン 上田藤兵衞 ――「人権」と「暴力」の戦後史 著者名 著者:伊藤 博敏 発売日 2023年02月10日 価 格 定価:1,980円(本体1,800円) ISBN 978-4-06-530728-1 判 型 四六判 ページ数 352ページ 【内容紹介】 政界でもメディアでも知らぬ者はいない「京都のドン」が初めて語った。没落と反抗、暴力と抗争の修羅場を経て、自民党系同和団体のトップとなった上田藤兵衞は、あらゆる差別と闘ってきた。その人生は、そのまま戦後の暴力団・同和・経済事件史そのものでもある。山口組五代目と親交を結び、野中広務とタッグを組み、部落解放同盟と拮抗した上田が見たもう一つの戦後史とは何か? 発売前から業界を賑わせている本格ノンフィクション。 これは、読む価値のあるノンフィクション作品だろう。差別と利権という合わせ鏡のようなテーマを考えさせられる。 しかし、杉田のいう「同和利権」攻撃というのは、何を敵にして告発したいのだろうか? 「敵は、朝日新聞」? だったら、分からないでもないのだが・・・ そこで一句。 永田町の懲りない面々神の留守 ひうち