「シルエット・ロマンス」・「たそがれマイ・ラブ」・「シンプル・ラブ」などのヒット曲で知られる歌手の大橋純子(おおはし・じゅんこ)さんが死去したことが11月11日にわかった。享年73歳。北海道出身。

 1974年にデビュー。77年に「シンプル・ラブ」がヒットした。「たそがれマイ・ラブ」「愛は時を越えて」など、ロックやポップスを取り入れた都会的な歌を力強く華やかに歌い、確かな歌唱力で人気を集めた。

 1982年、「シルエット・ロマンス」で日本レコード大賞の最優秀歌唱賞を受賞。出身地である北海道夕張市を支援するコンサートにも参加した。

 2018年に食道がんが見つかり休養、19年に活動を再開。23年3月にがんの再発で再び活動休止していたという。

ミュージシャンや音楽仲間からはSNSなどを通じて、追悼のメッセージが寄せられた。

 

 代表曲の作家を見てみよう。

 まず、「シンプル・ラブ」は、松本隆・作詞、佐藤健*・作曲 だ。

  *佐藤健は、大橋の夫でもある。たしか、当時バックバンド?を務めていた「美乃家セントラル・ステイション」(註**)のリーダー?だった。

 

 「たそがれマイ・ラブ」は、阿久悠・作詞、筒美京平・作曲

 「シルエット・ロマンス」は、来生えつこ・作詞、来生たかお・作曲 である。

 

  註**) 美乃家セントラル・ステイション(みのやセントラル・ステイション、1976年 結成 - 1980年 解散)は、日本のポップバンドである。ヴォーカリスト大橋純子のバックバンドとして結成され、佐藤健土屋昌巳が在籍したことで知られる。

1973年昭和48年)当時、ヤマハ音楽振興会ポプコンに関する業務を行う部署として「L.M制作室」があった。L.Mはlight musicの略称で、軽音楽である。室長は後年に編曲者作曲家として活躍する萩田光雄で、船山基紀や佐藤健、大村雅朗なども在籍していたという優れた編曲家の宝庫。佐藤健は20歳の大橋と出会い、1974年6月に大橋は22歳で歌手デビューした。

 

 大橋に多くの歌詞を提供した作詞家の松本隆氏は大橋さんの訃報を伝える記事をリポストし、胸中を表現した。

 シンガー・ソングライター林哲司は「昨夜、突然の訃報に接し驚いています」と切り出すと「アマチュア時代から一緒に、夢をあたため公私ともに過ごした仲間でした。大橋純子さん、純ペイちゃん!」と呼びかけ「あなたは僕らが待っていた、ポップスを歌う新しいボーカリストだった」と回想。「どうぞ安らかに…」と追悼した。

 

 過去に乳がんを経験した歌手麻倉未稀は「悲しすぎて手を合わせることしかできない」とコメントした。

 大橋純子と美乃家セントラル・ステイションとして活動した、ロックバンド一風堂のギタリスト土屋昌巳は「大橋純子さんの突然の悲報...」と切り出すと「70年代、まだ学校を卒業したばかりの僕は彼女のバンド"美乃家セントラル・ステイション"でR&Bやファンク・ミュージックを自由に演奏することを学ばせて頂きました。本当に優しくて卓越したヴォーカリストでした」と回想。「たくさんの思い出をありがとうございました」と感謝した。

 歌手中西圭三はこの日が59歳の誕生日。「おはようございます。59歳の朝です」と切り出すと「朝一番で大橋純子さんの訃報にふれ、心にも木枯らしが吹く大変切ない朝となりました。大橋さんには大変お世話になりました。心よりご冥福をお祈り致します」と悲痛な心境をコメント。「本当にありがとうございました…僕も今日、精一杯歌ってきます」と決意を込めた。

 

 作詞家の及川眠子さんは大橋さんとのやりとりを紹介。

 「会うたびに『ねこさんいくつになった?』と訊かれて、〇才ですと答えると『若いわぁ何でもできるわねぇ』と言われ、純子さん10才の年齢差は縮まらないですよと笑ってたのに。ずっと10才違いでいてほしかったのに」と惜しみ「でもいつか空の上で、またその歌声を聴かせてくださいね」と呼びかけた。

 

 また、「シルエット・ロマンス」(1981年)がヒットした頃に所属していた北島音楽事務所を率いた歌手の北島三郎(87歳)が追悼。「異形同音」を社是として幅広い音楽を求めた同社には、先月他界した歌手もんた・よしのりさん(享年72歳)も所属。北島は相次ぐ訃報に「もんたの後を追うように悲しい知らせが届き、胸が痛くて悔しい気持ちでいっぱいです」と悲痛な思いを吐露した。

 大橋さんの現事務所に所属する歌手の松崎しげる(73歳)は1学年下の大橋さんとの別れに「先に逝くなよ、順番が違うだろう…」と悲しみに暮れた。

 

 もんたよしのりも谷村新司もそうだが、70代前半という戦後ベビーブーマー世代は、いま「鬼門」なのかもしれない。

 

  謹んで、大橋純子さんのご冥福をお祈りいたします。

 

 最後に一句。

          わが人生いまだ黄昏れ冬紅葉  ひうち