横浜マリンタワー
℡)045‐664-1100
往訪日:2024年1月6日
所在地:神奈川県横浜市中区山下町14‐1
営業時間:10時~18時/18時~22時
入館料:昼間
(休日)一般1,200円 小中学生600円
(平日)一般1,000円 小中学生500円
アクセス:みなとみらい線「元町・中華街駅」から3分
■竣工:1961年
■設計:清水建設㈱
■施工:清水建設㈱、石川島播磨重工業㈱
※WEB予約がお得です
《何気ないビル群の先に聳える姿が一番いい》
ひつぞうです。横浜人形の家を訪ねたあと、横浜マリンタワーでランチしました。その前に展望台へも。10年以上横浜に暮らしていながら実は初めて。地元観光地アルアルですね。以下、往訪記です。
★ ★ ★
五月の連休ともなれば、観光客の喧騒に包まれる山下公園。しかし、冬場は訪れる人の姿も少なく、小さく開いた冬薔薇や波に揺蕩う海鳥が眼を惹くばかり。そんな枯れた風景の先にホテル・ニューグランドなどの立派な建築が肩を組むように並ぶ。横浜マリンタワーもまたいつものように聳え立っていた。
元々の用途は灯台だったことを今回初めて知った。てっきり観光展望施設と思っていた。竣工は1961年。近くに並ぶシルクセンターと同様に横浜開港100周年事業として建設された。その高さ106㍍。創業当初は物珍しさも手伝ってか相当の客を呼び込んだが、その後次第に低迷。2008年に灯台としての役目を終え、営業中止に至ったが、2022年9月にリニューアルした。
一階に山下清のモザイク画《横浜の今と昔》(1961年)が嵌め込まれている。貴重なパブリックアート。
かつての横浜港の今。今と云っても1961年当時。
これが灯台の証し。塔頂部に設置されていたもの。
日本光機工業㈱製(昭和35年)で光達距離41㌔。当時世界一高い燈台としてギネス認定された。今は資料として展示されている。
これが横浜の昔。異国情緒が溢れている。
ではあがってみよう。
一気に展望台へ。
「めっちゃ狭いにゃ」
二人でいっぱいって感じだな。恋人仕様?
トラス部材の外側はシルバー、内側がオリーブ色に塗り分けられている。リベット打ちの軽量部材が時代を物語っている。
(※ネットから写真を拝借いたしました)
航空障害対策だろう。建設当初は赤白のダンダラ模様だったそうだ。
「なんで赤白なのかの」
目立つでしょ。ヘリや軽飛行機の操縦者が誤って接触しないようにという配慮だよ。
他にも探すと似たようなものが身近にある。
(※写真はネットより拝借しました)
徳島港に架かる末広大橋(橋長470㍍/1975年竣工)はかつて国内最大径間を誇る斜張橋だった。近くに空港もあるので主塔はいまでも赤白ダンダラである。
(※写真はネットより拝借しました)
首都高・湾岸線を走ると羽田空港近傍のJFEスチール京浜製鉄所(旧日本鋼管)内にダンダラのタンクがある。見た記憶がある人もいるだろう。因みに扇島は廃炉になり、再開発の対象になっている。高度経済成長のシンボルも過去のものとなってしまった…。
「歴史はめぐるものだにゃ」
ということで展望台に到着。
眼下に先程まで居た横浜人形の家と山下公園が見えている。
大黒埠頭と横浜ベイブリッジ、そして奥には鶴見つばさ大橋。
タワー建築アルアル。
「よくそんな処に立てるにゃ」
なんで怖いか判らん。
マニアの心を擽るガンダムファクトリー。行ったことない。
いつも見慣れている景色を1,000円払って眺める気持ちが判んないそうです。
でも好きだけどなあ。高い処からの景色を眺めるの。
氷川丸と横浜大桟橋。
奥には丹沢の山々。幾度登ったか知れない。
二層構造になっている。上層階までは階段で。
「あんまり景色変わらなくね?」
気持ち高くなった気がするけど。ということで満足したので降りることにした。
下りは二階までだった。公共スペース、旅のライブラリー&ラウンジではアーティストの朝井うね(1990‐)氏の作品が数点展示されていた。活動は2021年からなので遅咲き。子供の頃から見えていた“うねうねする集合体”がモチーフ…だとか。
「もしかしてスピ系?」
退いてみると美しいコバルト色のオブジェ(?)なのだけど。
たしかにうねうね。
うねうねの中に更にうねうね。なんか気持ち悪い。
ということでランチ会場に。
ここ。イタリアンレストラン《THE TERRACE》。予約なしでも並ばずに入店できた。
「飲もーぜ!」~♪
僕は食べたいです…。まずは。
ということで、ガッツリとパスタ&メインが揃ったおすすめランチコース(4,000円税別)にした。
当然窓際は満席だった。店内はモダンリビング系。
まずはワインリストを。
デイリー系が主体。その割に価格設定は市販価格の二倍以上とやや高め。でも廉いワインは(単体ならば別だが)料理と合わないので、辛口で果実味のあるファランギーナ種を使ったイタリア産を選んだ。
「任せゆ」 どのみちヒツの払いだし
タブルノ・ファランギーナ・デル・サンニオ 2021
生産者:ファットリア・ラ・リヴォルタ
ヴィンテージ:2021年
タイプ:白ワイン(有機農法ワイン)
品種:ファランギーナ100%
地域:イタリア(カンパーニャ州)
アルコール:13.5%
輸入:㈱ファインズ
市販価格:3,000円(税抜)
ビオロジックらしく微発泡。やや収斂性をふくんだ穏やかな酸味と、青りんご、グレープフルーツを思わせる爽やかな果実のニュアンス。料理に合いそうだね。
「ワインたくさん入れてくれたにゃ」 どーでもいいけど
普段自分でワインを嗜まないという女性スタッフが毎度グラスの腰丈以上に注いでくれる。気持ちは嬉しいけど、ぬるくなるので勢い飲むペースも早くなる。とまた注ぎに来てくれる。屈託ない笑顔を目の前にすると、あまり注いでくれるなとも言い辛くて…(笑)。
「心づくしのサービスなんだろうにゃ」
ということでスープから。
紅はるかのスープ シナモン生クリームを添えて
健康にいいシナモンは、我が家では万能漢方薬として何にでも振りかける。優しい甘さのホットスープ。
=インサラータ=
カンパチのカルパッチョ風 ワインビネガー、ニンニク、柚子、パセリのソース
ソースが複雑で旨い。カンパチも全然生臭さがない。
「ゆずとパセリがアクセントだの」
=プリーモ=
僕はパスタ・ボロネーゼ。茄子と豚挽き肉の旨味が程よく交わる。パスタはスパゲッティーニだろう。
シラスと水菜とアオサノリのアーリオオーリオ
「シラスの程よい塩味とニンニクの風味がたまらん」 好きかも!
軽めのランチに相応しいレシピかもね。
=セコンド=
鮮魚(マダイ)のサルターレ
パスタが肉系だったので。サルターレはフレンチでいうソテー。白身魚は調理法を選ばないね。
豚肉のアロースト
おサルは逆に豚肉を。結構なボリューム。
「はんぶんあげるよ」 食いきれん
やっぱり昼酒つきのランチは愉しい。
=ドルチェ=
スイートポテト、キャラメルムース、バニラアイス
ムースの上に洋酒を含んだアマレッティを砕いて散らす。手間を惜しまない処が嬉しい。
御馳走様でした。
「美味しかった!」
観光施設に出店しているイタリアンだが、奇を衒わず、丁寧な作りだったね。
(客が少ない瞬間を撮りました。メチャ混んでます)
帰りに横浜最初のパン屋ウチキパン(創業時の名前は横浜ベーカリー宇千喜商店)に寄った。早朝の元町商店街をジョギングすると、開店前の店の奥からイーストと焼きたてパンの好い香りがする。明治21(1888)年の創業時は少し離れた大桟橋交差点の四つ角にあった。かつてici石井スポーツがあった場所といえば通りがいいか。《近代パン発祥の地碑》が立っている。愉しい一日だった。
「そんなことに興味持つヤツいないよ」 キミだけよ
(おわり)
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