国民健康保険と国民年金の話し
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国民健康保険の算定基準

今日は国民健康保険の算定基準について書いてみたいと思います。


国民健康保険料は、基本的には以下の基準で算定されています。


それは、

所得割+平等割+均等割+資産割=国民健康保険料 という計算式によってです。地域によっては、資産割がないところもあります。


このように書いてもピンと来ないと思いますので、具体的な例をあげてみましょう。

※以下は、手元の参考資料をもとにして書いています。


夫婦(共に40歳未満)・子ども2人の4人家族。

家族の総収入は年間400万円(給与所得控除134万円)としましょう。

地域は大阪市。


①所得割 ― 昨年の所得に応じて算定 → 所得金額×○%

          400万-134万-33万=233万

          233万×10.5%=244,650円


②平等割 ― 各世帯に一律に課されるもの → 一世帯につき○円

          44,851円


③均等割 ― 世帯の人数に応じて算定 → 世帯の人数×○円

          4人×25,872円=103,488円


④資産割 ― 所得している不動産に応じて算定 → 固定資産税×○%

          大阪にはこれはありません。


         合計 392,989円(月平均33,000円程)


という計算になります。ちなみに、40歳以上になれば、これに介護保険料が加算されます。


ところが、国民健康保険には、上限額という設定があるのです。

大阪市の場合は、上限は69万となっています。

つまり、年収1千万であろうが、1億くであろうが、69万以上は払わなくていいということです。

これを見ても、収入の多い人が優遇される制度になっていると言えます。

国民健康保険料は、低所得者にはとても厳しいものですが、だからといって払わないでいると、有効期限の短い「短期被保険者証」が交付され、未納が1年未満の場合は、この有効期限が切れる度に、保険証の再交付を受けなければなりません。

1年以上滞納すると、保険証が取り上げられて、医療費がいったん全額自己負担になります。保険証が発行されるのは、保険料を納めた時か、未納の事情が認められた場合となります。


ちなみに、1年半以上の滞納になると、保険給付が一時差し止めとなり、さらにそれ以上の滞納になると、差し止められた給付額から、滞納分が差し引かれることになります。


これを回避するためには、納付が困難になったときに、金額は基準に満たなくても、払う意志表示をすることが大事なポイントになってくるのです。


今回は以上です。

今日は基本的な国民健康保険の算定について書いてみました。



  

公的年金と私的年金

 今日から、国民年金(基礎年金)の積極的な面を考えてみましょう。

今回考えたいことは、公的年金と私的年金のちがいについてです。

国民年金は国に積み立てる公的年金ですが、それとは別に、私的年金というものがあります。
つまり、個人的にある企業や団体と契約して、年金を積み立てていくという形です。国民年金
が確実にもらえるかどうかわからないという不信感から、この私的年金ががぜん注目されるよ
うになりました。

気持ちとしてはよくわかるのですが、冷静に考えれば、どちらが安心かは明白だと思います。
私的年金は、民間が運営母体ですから、いつ潰れるかわからないという不安材料を常に背負っ
ています。近年の生命保険会社はおしなべて、経営の健全度を表示するようになっています。
「うちの保険に入れば、保証は間違いありませんよ」というアッピールの指標です。

しかし、
これは裏を返せば、集めた保険を払えなくなる可能性もあるということです。民間は常にそういう
危険性を背負いつつ、経営の努力をしています。でも、今は銀行も潰れる時代ですから、実際には
何がおこっても不思議はありません。そう考えると、私的年金は絶対安心と誰が言えるでしょうか。

もう一つは、私的年金は、物価スライドに対応していないということです。
契約時と年金をもらう時期とに、どんなに貨幣価値の変化があったとしても、私的年金は契約時の
金額しか保証してくれません。しかも、生きている間、ずーっと保証されるというものではなく、基本
的には、掛けた分と利息分を受け取れるという形のものでしかありません。

それに対して、
国民年金は公的年金で、国が責任を持っている年金制度です。つまり、日本という国が滅んでしま
わない限り、存続し続ける制度なのです。「国なんか当てになるか」という声も聞こえてきそうですが、
国民の生活を支える基礎年金を、もし国が反故にしてしまったとしたら、それこそ大暴動が起こるで
しょう。国はそんなことは逆立ちしてもできないのですから、年金制度を何としても死守しなければな
りません。そういう訳で、民間よりも公的年金の方が、遙かに安全だといえるのです。

さらに、国民年金は物価スライドに対応する仕組みを持っていますから、現実の貨幣価値に見合った
年金が支給されることになっています。国民年金が始まった頃の掛け金はひと月100円でした。もし、
掛けた金額に見合った年金を支給されるとすれば、とても今日の生活には対応できなかったと思い
ます。決して充分な額とは言えませんけれども、この物価スライド式の年金によって、今日の国民の
生活が支えられていることは事実なのです。

もう一つは、この公的年金である国民年金は、一生もらえるということです。
これはすごい事だと思います。
今の計算では、8年ちょっと年金をもらい続けると、20~60歳までの掛け金を全部もらってしまうこと
になります。つまり、73歳で掛け金をすべてもらってしまいますから、もし81~82歳までもらうと2倍、
90歳までもらい続けると3倍ももらえることになります。生きている間、保証されるものがあるというこ
とは、何と心強いことでしょうか。

ハイ。今日はここまでとします。




健康保険・年金削減の基本的理解

 このサイトの一つの中心テーマは、ズバリ、国民健康保険と国民年金の負担をいかに減らしていくかというところにあるのですが、今日は、これについての基本的な理解をお話ししておきたいと思います。

その基本とは何かと言いますと、
国民健康保険は負担を減らす方法がいろいろあるけれども、国民年金の減額は不可能だということです。

これを、もう少し詳しく説明しましょう。

国民健康保険は、その保険料の算出基準を知ることによって、それを削減する方法が自然と見えてくる面があります。もう少し具体的に言いますと、国民健康保険料は、所得割+平等割+均等割+資産割の4つの合計から産出されていますから、例えば、所得割だけに注目してみても、所得割の基準をいかに下げるかを考えることによって、大幅な削減が見込めることにもなる訳です。保険料が安くなったからといって、医療費の3割負担が4割負担になることはなく、これによって医療上の不利益を被るようなことは一切ありません。したがって、国民健康保険料は、安くなればなるほど、ただ得をするということになります。

ところが、国民年金はそうは行きません。

今の月の年金額は15,000円近くにもなっており、家計の負担はかなり大きくなっています。国民年金は厚生年金などと違って、夫婦であれば各自がかけなければなりませんから、2人で、月30,000円近くも払うことになります。ですから、それを削減できれば、家計にとっては大助かりなんですよね。

実際問題としては、年金額を減らすことは可能です。年金には免除という制度があるので、それを活用することによって、月々の年金負担を減らすことができるからです。しかし、年金の場合には、国民健康保険のように「得をするだけ」という構図には、残念ながらならないのです。確かに免除してもらう方法はあるので、それによって実際に納付する金額を下げたとしても、それに伴って、将来受けられる年金額も下がってしまうことになってしまうからです。

つまり、年金の場合は、減額は可能なのですが、そのかわり年金額も下がることを承知しておいてくださいね、というハンディを持っているのです。

そういう意味で、国民健康保険の減額はできても、国民年金の減額は、得するだけの減額にはならないという意味では、減額が不可能なのです。国民年金は、将来のことを考えると、定額料金でかけていくのがベストです。それがどうしてもできない場合のみ、緊急手段として、免除の制度を活用していくのです。

ですから、国民健康保険と国民年金の減額は、損をしない減額としては、国民健康保険のみが可能ということになります。

この点を頭に入れながら、これからの記事を読んでいってください。

基礎年金の仕組み

 前回は国民年金の消極的(マイナー)な面をお話ししました。今日からは、積極的(プラス)な面について書いていこうと思っていますが、その前に、基礎年金についての基本的なお話しをしておきたいと思います。

 日本の年金制度は、全部で3つあります。国民年金、厚生年金、共済年金の3つです。厚生年金と共済年金は、内容的にはほとんど変わりがありませんが、年金額としては、共済の方が上で、3つの制度の中で、共済年金が、年金額としては一番高い年金になります。

 この3つの年金は、すべて国民年金(というよりは基礎年金)と深い関わりを持っていることをご存じでしょうか? その仕組みを説明してみましょう。

 厚生年金と共済年金は、個人負担が半分で、もう半分は事業主が支払っています。そのため、国民年金者よりも、金額的には毎月高い保険料を納めていますので、当然、もらえる年金も高くなる訳です。今日はその構造をもう少し説明しておきたいと思います。

 実は、厚生年金と共済年金は、国民年金(基礎年金)と密接な関わりを持っています。毎月天引きされる厚生年金や共済年金の保険料は、事業主の負担分と合算されて、まず国民年金の部分を支払っています。つまり、厚生年金や共済年に加入している人は、国民年金の人と同じように、実は国民年金(=基礎年金)を毎月支払っているのです。そして、余った部分(国民年金を払った残金)が、厚生年金あるいは共済年金として積立てられていきます。ですから、国民年金者であれ、厚生年金者であれ、共済年金者であれ、どの年金に加入していても、毎月、基礎年金部分を支払っていることになるのです。

 言い替えると、国民年金者は一階建ての家(平屋)に住み、厚生年金者と共済年金者は、二階建ての家に住んでいるのです。国民年金者は一階部分の基礎年金しかもらえませんが、厚生年金者と共済年金者は、基礎年金と上乗せ部分(専門的には「比例報酬部分」と言います)という、二階建てで年金をもらえる訳です。つまり、国民年金者は満額でも792,100円しかもらえませんが、厚生年金者と共済年金者は、それにプラスして、報酬比例部分が加算されてくるので、年金額が多くなるのです。

 上記で説明した通り、日本の年金制度は、基礎年金という部分を、とても大切にしている制度と言うことができます。これを基本にして、年金制度が組み立てられているのです。

 このことを頭に入れながら、国民年金、別名、基礎年金の積極的な面を次回から考えていきたいと思います。

国民年金の満額はいくら?

国民年金は満額でいくらもらえるか知っていますか。

答えは、年額で792,100円です。月平均で約66,000円。果たしてこれで生活ができるのでしょうか?
最低保障を基本としている「生活保護」などは、この年金額よりも多いのです。だからときどき、「生活保護を受けるから、年金は払わない」という人が出て来たりします。つまり、国民年金の満額よりも生活保護が高いということは、「国民年金だけでは、十分な生活ができませんよ」と国が認めているのと同じことになるのです。

今の国民年金は、夫婦でもらって月132,000円ですから、これでやっと何とか生活していけるかな、というような金額でしかありません。これは、65歳からもらうことができるのですが、この年金のことを「基礎年金」と言います。

それでは、国民年金の満額は、どういう人がもらえるのでしょうか。

答えは、20歳から60歳までの40年間、国民年金期間、厚生年金期間、共済年金期間を合わせて、40年(480ヶ月)以上ある人(20歳前から厚生年金をかけている人は、480ヶ月を越える月数になります)のみが、満額の基礎年金を受けとることができます。ということは、40年よりも納付した期間が短い人は、基礎年金の額が減ることになってしまうのです。

しかも、今の法律では、最低25年(300ヶ月)年金をかけなければ、これを65歳からもらうことができません。300ヶ月以上納付して、はじめて年金をもらうことのできる「受給権」が発生するのです。基礎年金の最低額は、300ヶ月をきちんと納付した場合、年額で約495,100円、月平均41,300円です。つまり、基礎年金は満額の792,100円から、300ヶ月の495,100円の間、つまり、納付した月数によってその金額が決まるのです。満額をもらってさえ生活するのが大変なのに、それよりも減ったらどうなるのでしょうか?

こういうことを、考えてみたことがありますか?
あまりないですよね。私もそうでしたから。(笑)

今日はちょっと消極的(マイナー)な視点から国民年金(基礎年金)のことを書いてみました。
ところが、年金の話しは奥深くて、上記のような悪い話しばかりでは、実はないのです。それを、次回はお話しすることにします。