基礎年金の仕組み | 国民健康保険と国民年金の話し

基礎年金の仕組み

 前回は国民年金の消極的(マイナー)な面をお話ししました。今日からは、積極的(プラス)な面について書いていこうと思っていますが、その前に、基礎年金についての基本的なお話しをしておきたいと思います。

 日本の年金制度は、全部で3つあります。国民年金、厚生年金、共済年金の3つです。厚生年金と共済年金は、内容的にはほとんど変わりがありませんが、年金額としては、共済の方が上で、3つの制度の中で、共済年金が、年金額としては一番高い年金になります。

 この3つの年金は、すべて国民年金(というよりは基礎年金)と深い関わりを持っていることをご存じでしょうか? その仕組みを説明してみましょう。

 厚生年金と共済年金は、個人負担が半分で、もう半分は事業主が支払っています。そのため、国民年金者よりも、金額的には毎月高い保険料を納めていますので、当然、もらえる年金も高くなる訳です。今日はその構造をもう少し説明しておきたいと思います。

 実は、厚生年金と共済年金は、国民年金(基礎年金)と密接な関わりを持っています。毎月天引きされる厚生年金や共済年金の保険料は、事業主の負担分と合算されて、まず国民年金の部分を支払っています。つまり、厚生年金や共済年に加入している人は、国民年金の人と同じように、実は国民年金(=基礎年金)を毎月支払っているのです。そして、余った部分(国民年金を払った残金)が、厚生年金あるいは共済年金として積立てられていきます。ですから、国民年金者であれ、厚生年金者であれ、共済年金者であれ、どの年金に加入していても、毎月、基礎年金部分を支払っていることになるのです。

 言い替えると、国民年金者は一階建ての家(平屋)に住み、厚生年金者と共済年金者は、二階建ての家に住んでいるのです。国民年金者は一階部分の基礎年金しかもらえませんが、厚生年金者と共済年金者は、基礎年金と上乗せ部分(専門的には「比例報酬部分」と言います)という、二階建てで年金をもらえる訳です。つまり、国民年金者は満額でも792,100円しかもらえませんが、厚生年金者と共済年金者は、それにプラスして、報酬比例部分が加算されてくるので、年金額が多くなるのです。

 上記で説明した通り、日本の年金制度は、基礎年金という部分を、とても大切にしている制度と言うことができます。これを基本にして、年金制度が組み立てられているのです。

 このことを頭に入れながら、国民年金、別名、基礎年金の積極的な面を次回から考えていきたいと思います。