2024/5/3付けの読売新聞のオンラインニュースで、

人吉市中心部を流れる球磨川を生かし、にぎわいの創出を目指す「かわまちづくり」の新たな計画がまとまった。九州豪雨からの復興の取り組みも踏まえて見直したもので、市は国・県と連携し、2025年度から道路や護岸の整備、観光振興などに取り組む。

と報じられていたのですが、

新計画では、「清流球磨川が作る昼夜の魅力を伝えるかわまちづくり」を目標に据える。市は、国宝・青井阿蘇神社から球磨川へ続く参道を整備し、国も周辺の護岸工事などを実施する。川沿いの道路改良や照明の設置なども行い、昼夜の散策を楽しめるようにするという。

などが骨子となっています。

 



元々は、

国土交通省の支援制度に基づく取り組み。自治体が国などの河川管理者と共同で計画を作成し、制度に登録されると堤防整備などが進められる。

ということで、国土交通省の「かわまちづくり計画策定の手引き」という100ページに上る虎の巻に沿って計画を作ることで、交付金や補助金を使って新たな街作りに取る組めるという制度を活用されたようです。

当ブログでは、以前にココで、豪雨災害からの復興において、

街全体を再度グランドデザインをする良い機会になる

と申し上げましたが、正にそれが叶ったわけで、関係者の方に感謝申し上げます。

今回出来上がった計画書は、人吉市のwebsiteに「球磨川・人吉地区かわまちづくり計画書(変更)【概要版】」として掲載されていますが、元々は、令和元年度から検討が始まり、協議会、実行委員会の設立、更には社会実験を経て、今回の取りまとめとなったようです。

基本構想は、

河畔散策路による遊歩街・回遊街を創出します。
人吉球磨舟運文化の継承と川遊び拠点を創出します。
「かわ」と「まち」が一体となった滞在型観光化を目指します。

から成ります。


相当前のことなので事情が変わったのかもしれませんが、球磨川沿いを散策しようにも、幾つかの橋の下は通れない/通り難いことがありましたが、遊歩、回遊の為の改善がされるなら良いことです。

でも、球磨川から青井阿蘇神社への参道の意味が良く分かりません。

利活用計画では、

球磨川くだりと青井阿蘇神社参拝ツアー

と書かれていて、概要では、

青井阿蘇神社と球磨川の一体的な観光拠点
(青井阿蘇神社~球磨川)
【国整備】護岸整備、階段護岸、水制工、管理用通路
【市整備】広場整備、参道整備 等

と説明されているので何らかのアイデアがあるのかもしれません。

明治神宮に於ける表参道(&原宿界隈)のような商業区域にするのでも構いませんが、参道とは、本来は神社に参拝するためにあります。

ならば、周辺の駐車スペースから、或いは、後で触れますが、JR人吉駅からの流れをまとめるような参道も検討して欲しいところです。

当ブログで提案していた屋形船を計画に入れて頂いているのも嬉しいですし、ライトアップにより安全にナイトライフを楽しめるのなら魅力向上に繋がりますが、夏場重点に見えてしまいます。「川」が中心になっていることもあるのでしょうが、各季節ごとの工夫が欲しいところです。


しかし、もっと大事なことは、今回出来上がった計画をどう生かすかです。


各地区の施設の選定や運営、広報、営業が成否のカギですし、更には、2033年に復旧予定の肥薩線に向けて用意された「JR肥薩線復興方針(案)」と相乗効果を発揮することも求められます。

また、今年の2月に、

球磨川くだりの観光船運航会社 人吉市長が社長就任へ

報道されていたことも気になります。

何らかの経緯があったのでしょうが、市長職と兼任して「かわまちづくり」の要となる事業に(2024/5/12時点でwebsiteでは前代表者の名前のままであることの修正指示監督レベルも含みながら)運営していくのは至難の業です。

更には今回の計画書は、

球磨川・人吉地区かわまちづくり協議会
球磨川・人吉地区かわまちづくり実行委員会

の連名となっています。

ここに、人吉温泉観光協会や人吉球磨観光地域づくり協議会は、どのように関わって行くのかが分かりません。

このあたりも整理して、責任と役割を明確にした上で「球磨川・人吉地区かわまちづくり」を進めて頂くようお願いします。