以前にここで書いた後の翌週位に続編を書こうと思っていたのですが、大きく寄り道をしてしまい申し訳ありませんでした。
人吉球磨の中心的な医療機関である人吉医療センター(以下、「医療センター」という)を改めて紹介します。
先のブログや更にずっー前にここでも書いたように、医療センターの経営母体は独立行政法人地域医療機能推進機構ですが、実質的には、全国の都市部にある市民病院のような存在で、一般のクリニック・診療所や病院では対応が難しい場合には医療センターを紹介されます。
また、例えば、他の地域から当地に移ってくる際に最初に掛かるのが本医療センターである場合もあるかと思いますので、そんな人を対象に「利用方法」等についてまとめてみます。
新規で受診する
手続きは簡単で、移ってくる前に掛かっていた先生に書いて貰った紹介状を受け付けに提出するだけです。
経験がある人は分かると思いますが、掛かりつけの先生が持たせてくれる、封筒に「机下」とか「侍史」と書かれた書類です。
その際に紹介状の宛先を「人吉医療センター」とすることで、ここにあるような選定療養費(5,500円)を負担しなくて済むようです。
ただ、診療科により予約が取り辛いことがありますし、非常勤の先生が担当する診療科は任意の曜日を選べない場合があります。
なので、当地に引っ越しする大体の時期が決まった時点で、先ずは、ここに電話をしてみましょう。
尚、どんな治療をしてもらえるのかが気になる方は、診療実績・臨床指標を参考にして下さい。
また、医療センターには、ご意見箱の制度があり、様々な意見と医療センターからの回答が寄せられています。
何れも、同センターを利用する上で重要な指摘が書かれているので、これらも参考にしながら、以下の記事を書いて行きます。
待ち時間が長い:曜日変更or前日検査/早めの受付
都市部の大きな病院と同様に、医療センターも予約している時間から大幅に受診が遅れてしまう場合があります。
この「遅れ」の原因は大まかには二つの場合があって、一つは、その日に限って患者数が多い時です。
曜日によって担当の先生が変わる場合、例えばベテランの先生の日や連休明け等は込み合う可能性があります。
これを回避するには、曜日を変えるしかありませんが、最初に掛かった先生に継続して見て貰うのが多いので、どうしてもの場合は、担当の看護師さんと相談して下さい。
また、検査の結果が出るまで時間が掛かって受診が遅れる場合もあります。検査部門は他の診療科と共通であり、その日の全体の受診者が多いと皺寄せが来ることがあるからです。
そこで、前日(の夕方迄で可)に検査する、或いは早め受付を済ませて検査をして貰う方法があります。前者の手続については、先生と相談して下さい。
会計が遅い:銀行引き落としの復活を待つ
受診者が多い日は、当然会計も混みあいます。
実は、以前は診察費の銀行引き落としを受け付けていて、診察終了後に書類を出して、少しするとOKが出て帰ることができました。
ところが、私の身内が昨年に制度を利用したい旨を申し出たところ、「現在は金額が大きい場合以外は新規受付をしていない。(だったと思いますが、間違っていたらゴメンナサイ。)」との返答でした。
手数料や手間が理由なのでしょうが、これは是非、新規受付を復活させて欲しいです。
薬をもらう:薬局と曜日を選ぶ
他の医療機関と同様に医療センターも院外処方が原則であり、周辺には3か所の処方箋薬局があります。
どこを選ぶかは自由ですが、さくら調剤薬局 人吉店を私は利用しています。
理由は、
- 待合室が大きく、コロナ渦でも他の患者さんと距離を空けることができる
- 土曜日も9:00~13:00迄営業している
の2つです。
特に、仕事から抜けてきたり、少しでも早く職場に戻る必要のある場合、処方箋は当日を含めて4日以内が有効期間なので、薬の受け取りを土曜日とすることで、通院に要する(病院に滞在する)時間が短縮できます。
複数の科を受診する:1日で済ませる
複数の持病を持っている場合、病気ごとに通院するのは面倒です。
医療センターは総合病院であり大抵の診療科があるので、
- 診察を受ける日を合わせて時間を調整する(看護師さんが面倒を見てくれます。)
- 血液や尿検査の際に各診療科が必要とする項目をオーダーして貰って1回で済ませる
とすることで、検査→診療科1→診療科2・・・の流れでの受診が可能となります。
検査センターの利用:カルテ情報を集約する
医療センターには、健康管理センターがあります。以前は予防医療センターと言っていたのですが、名称が変わったのかもしれません。
私の場合、勤務先の健診が医療センターとなっているので、血液検査、レントゲン、胃カメラ等のデータも普段掛かっている主治医の先生が利用している電子カルテと同じファイルに記録されます。
通常の診察時には都度の最新検査結果を利用しますが、場合によっては、健診時の情報を先生が確認されることもあります。
また、ここでも書きましたが、くまもとメディカルネットワーク経由で他の医療機関に掛かることが先々にあった場合、1箇所に情報を集約した電子カルテを参照出来た方が都合が良いとでしょう。
駐車場の利用:早く行く
車社会の人吉球磨では、殆どの人は自家用車で通院しますので、当然患者用の駐車場があります。
ただ、玄関前の便利な駐車場は直ぐに満車になるので、できれば8時前には着くようにしましょう。
そうすることで、予約時間にもよりますが、先の項目「待ち時間が長い」の回避にも繋がります。
尚、満車の場合は、誘導員の方から、周辺の駐車場を案内されます。
また、一般の交通機関を利用する方は、ここを参照願います。
院内施設を利用する
都市部の中堅規模以上の病院と同様に医療センターには、院内に売店、カフェコーナー、ATM、食堂などの施設があります。
なので通院前に銀行にお金を下ろしに行かなくてもいいですし、検査食も売店で購入できます。
また、私は以前には、朝食を抜いて血液検査後の診療待ちの時間にオニギリで空腹を満たしていたのですが、その際はカフェコーナーを自由に使ってました。
仕事や生活に合わせて医療センターを利用する
実際に当地に移ってきて暫くしないと、何曜日なら通院の為の全休・半休が取り易いかが分からないでしょう。
また、保険証も社保or国保は別にしても、仕事が変わる場合等は届くまでに日数がかかります。
なので、お薦めの方法としては、
- 移ってくる前に電話して受診する診療科の新規予約の混み具合を把握しておく
- 仕事を始めて保険証が届いてから休みやすいor抜けやすい日を確認して予約を入れる
- 前記の病院滞在時間を短縮する方法を組み合わせて使う
を検討されれば良いでしょう。
医療センター以外の選択肢
ここに挙げた医療機関が医療センター以外の選択肢となります。
ただ、大きな病気を経験した人や状態が思わしくない人にとっては、実質的に医療センター一択となります。
例えば、癌を治療中の人、或いは、寛解(発症していない状態が続いていること)したけど再発が心配な方は、事前に診療実績・臨床指標を読んだ上で、先ずは医療センターに相談してみて下さい。
「他に選択肢が無いのが不安だ。」とか、或いは「東京なら国立がんセンター、癌研有明病院や沢山の大学病院があるのに」と思う人もいるでしょう。
前者に対しては、医療センターは、がん診療連携拠点病院としての実績があること、後者に対しては、施設が沢山あっても必ずしも直ぐに予約が取れるわけではないことを考えてみて下さい。
確かに都市部に比べると選択肢が限られているし、所謂先進医療を受け難いかもしれない人吉球磨ではありますが、かといって地域の平均寿命が短いというわけではありません。
日本に住んでいるから都市部と同じ制度のもとで標準治療を受けられるのは何よりも有難いですし、実際に人吉球磨の多くの人は、地域の各医療機関、そして万が一の時は医療センターに頼って、それでも駄目ならしょうがないと思って暮らしているのです。
なので、縁あって、人吉球磨に移ってくることがあった場合には、
- 健診を欠かさない
- 選んだ医療機関の先生と早めによく相談する
- 自然の恵みを享受しながら健康的な生活を楽しむ
とされることをお薦めします。
尚、記載内容は全て私個人の意見です。また、今後において状況が変わる場合があることもご承知おき下さい。