「 トランプ後の世界 木村太郎が予言する5つの未来 」
木村太郎 (きむら たろう 1938~)
ゴマブックス株式会社 2017年1月発行・より
オバマ大統領は世界でテロが起きても 「イスラム過激派」 とは決して言っていません。
ただ 「過激派」 と言うだけです。
「相手はイスラム教のジハード(聖戦)をベースにテロを仕掛けているのでは」 と言っても、「いや、テロはイスラム教徒と関係ない」 と頑なに言い続けています。
ヒラリーも同様でした。
何ごとも建前論を正面に出していたから、オバマ大統領は核兵器廃絶を訴えたオスロ宣言でノーベル平和賞を受賞できたとも評価できます。
しかしオバマ大統領の8年間の任期中に世界の核兵器の総量はそれ以前よりも増えているのです。
アメリカ国内では民主的な”建前論”を押し付けられた結果、伝統的な文化や概念の持ち主が息苦しさを感じるなど、アメリカ人の間では建前論疲れのような状況があります。
トランプが建前論に反するような暴言で 「本音」 を語ったのを聞き、救われたような気持ちになれたアメリカ人が多くいたのも、トランプ人気の高まりにつながったと言えそうです。
建前論に反する発言で救われたように思えたのは、アメリカの白人だけにとどまりません。
メキシコ人などのヒスパニック系、ラテン系のアメリカ人はもちろん、黒人にとっても同様です。
あれだけメキシコ人の悪口を言うとヒスパニック系から嫌われると思われるでしょう。
しかし実際は違います。
アメリカに移民して子供が生まれたメキシコ人は、アメリカ永住権を得られます。
子供はアメリカ国籍者として、アメリカで働けます。
ここにメキシコから不法移民が入国してくると、ヒスパニック系アメリカ人の職を奪いかねない状況になります。
だからヒスパニック系アメリカ人は
「メキシコ人は、アメリカに入ってくるな」 と言うようになるのです。
また、フロリダ州にはカストロ政権下のキューバから逃げてきたキューバ人が大勢住んでいます。
その頭越しにオバマ大統領は、キューバのカストロ政権と関係を正常化してしまったのです。
アメリカに亡命してきたキューバ人にとってオバマ大統領がカストロ議長と仲直りしたことは、2階に上がってはしごを外されたようにも思えます。
トランプは大統領選挙期間中に 「従来からキューバへの経済制裁に賛同してきた」、10月にフロリダ州マイアミで行った集会では 「キューバ政府が、信教と政治の自由、政治犯の釈放などに応じなければ、大統領選に勝利した後には従来の合意を覆す」 と語り、大統領選挙に勝利した後は、オバマ政権が進めてきたキューバとの国交正常化に向けた取り組を打ち切る可能性にも言及しています。
トランプのメキシコ、キューバ政府に向けられた批判が、ヒスパニック系とラテン系のアメリカ人に評価され、ヒスパニック系などの票がトランプに投じられたと言えるでしょう。
またアメリカ国内の黒人ですが、実は黒人社会のなかでも格差があります。
黒人を旗印にしている活動を 良く思わない黒人も多くいます。
こういった人々がトランプ支持に回りました。
2017年5月18日に 「コロコロ変るトランプ候補」 と題して
ケント・ギルバートの文章を紹介しました。コチラです。↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12261872478.html
2017年11月7日に 「トランプ候補が選挙で負けた理由」 と題して杉山セリナと高橋浩祐の対談を紹介しました。コチラです。↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12325765253.html
2017年2月6日に 『 「左翼」 だったオバマ大統領 』 と題して古森義久と石平の対談を紹介しました。コチラです。↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12241654566.html
2017年3月27日に 「オバマが通った過激な教会」 と題してケント・ギルバートとテキサス親父の対談を紹介しました。コチラです。↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12259212147.html
8月18日 奈良公園の猿沢池附近にて撮影