魯迅が書いた中国の食人 | 人差し指のブログ

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「 進化できない中国人 」

金文学(きん・ぶんがく 1962~)

祥伝社 平成26年3月発行・より

 

 

 

 中国人に広く知られる魯迅の名作小説 『狂人日記』 の中で、中国の食人=儒教イデオロギーを鋭く批判している。

 

 

ところが、中国のすべての魯迅研究者は、魯迅の 「食人」 は、「人が人を食う中国の儒教的暗部」 を象徴的に表現したとしか理解しない。

 

 

 実際私が、中、高校のときでもそう教えられてきた。

 

 

しかし、魯迅の 「食人」 はイデオロギーの暗部と、実際中国で伝統的に行われてきた、「食人の伝統」 について二重の批判を狙っていたのである。

 

 

 魯迅の研究家で知られる東京大学の藤井省三(ふじいしょうぞう)教授の論考によれば、魯迅が 『狂人日記』 を執筆した直接のきっかけは、執筆直前の1918年5月に読んだ新聞記事にあったそうだ。

 

 

 

 北京の新聞「晨鐘報(しんしょうほう)」 (のち「晨報」と改称)は、1918年5月、立て続けに精神科病院や人肉食に関する記事を掲載した。

 

 

 

たとえば、5月1日 「瘋人院将遷移(精神科病院の移転予定)」や「療婦食子奇聞(狂婦が子を食べる奇怪なニュース)」などである。

 

 

 5月19日には「孝子割股療親(親孝行な子が股の肉を割いて姑に食べさせた)」、 「賢婦割腎臂療夫(良妻が臂肉を割いて夫の病を治す)」 といった記事が登場した。

 

 

 これをマスメディアが礼賛するショッキングな光景を目の当たりにして、魯迅は 『狂人日記』 を書いたのではないかと藤井教授は分析する。

 

 

 まぎれもなく、魯迅は、中国の食人の歴史について誰よりもよく知っていた。

 

 

さらに、魯迅は、1927年に発表した 『墳』(竹内実訳)の中で次ぎのように喝破する。

 

 

  「いわゆる中国文明たるものは、富裕者のみのために設けられた人肉

  の宴である。中国という国は、この人肉の宴席のために準備した厨房

  にすぎない。こうして大小無数の人肉宴席が文明の発祥以来ずっと現

  在まで続いていた。人々は、この宴会場で人を食べ、あるいは食べら

  れたりする。」

 

 

 続いて魯迅は 「これらの人食いどもを掃射し、宴席をひっくり返し、厨房を打ち壊すことこそが、青年たちの使命である」 と指摘する。

 

 

 中国史のいたるところで目にすることができる 「吃人(きつじん)(食人)」の慣習こそ、中国民族の醜態きわまる精神構造の象徴であることを、魯迅はすでに見抜いていたのである。

 

 

                                        

 

 

「 逆検定 中国国定教科書      中国人に教えてあげたい本当の中国史 

井沢元彦(いざわ・もとひこ) / 金文学(きん・ぶんがく)

祥伝社 平成17年9月発行・より

 

 

 

金   残虐ということでは、本当は中国人のほうがひどいのではないかと

     私は思います。

 

 

     中国には歴史的にも人を食う、つまり 「食人」 というものがあり

     ますからね。

 

 

      これは歴史的にもそうですし、現在でも行われているんですよ。

 

 

     もちろん非合法なのですが、今もインターネットで子供の肉が売ら

     れているんです。

 

 

     私が見たサイトでは、鶏の唐揚げのように、調理したものや丸焼き

     にしたものが3000元ぐらいで売られていました。

 

 

     なぜ中国で 「食人」 がなくならないのかというと、最大の理由は

     それが薬になると信じられているからです。

 

 

     中国に漢方の医薬品について李時珍(りじちん)がまとめた 『本草

     綱目』 という本がありますが、その中にも人肉を薬としていたこ

     とが出ています。

 

 

      そこには 「人肉」 にもランクがあるとされ、一番おいしく薬効が

     高いのが幼児、次が女性、スポーツや肉体労働に従事する男性

     は一番まずいとされています。

 

 

      だからこれは非常に嫌な話なのですが、今の中国は一人っ子政

     策ですよね。

 

     そのため余計に妊娠してしまった子供を堕ろして売る、ということ

     が出てきているのです。

 

 

      文化大革命のときにも逃走とか脱走した人を銃殺して、すぐその

     場で睾丸や肝臓を取りだして食べたということがあったと言われて

     います。

 

 

     魯迅の 『狂人日記』 という小説に 「中国は人を食う歴史だ」 と

     いう一節があります。

 

 

     実はこの言葉には実際にあった 「食人」 と比喩的なもの、二つ

     の意味が込められているのです。

 

 

                                                     

 

「 やはり奇妙な中国の常識 」

岡田英弘 (おかだ ひでひろ 1931~2017)

ワック株式会社 2003年7月発行・より

 

 

1918年に同じ 『新青年』 誌に発表したのが 『狂人日記』 という短編小説で、中国の白話文学の第一弾であると同時に、魯迅の処女作でもあった。

 

その 『狂人日記』 のテーマが食人である。

 

(略)

 

 ここにくり返される 「人間を食う」 という表現を、単なる比喩だなどと日本人の常識で考えて、「中国の古い社会制度、とくに家族制度と、その精神的支えである儒教倫理の虚偽を暴露するという・・・・・モチイフによって書かれた作品である」 などと中国文学の専門家でさえ言ってすましてしまうが、『狂人日記』 はそんな生やさしいものではない。

 

 

中国には四千年の食人の伝統があり、中国人は野蛮な人食い人種なんだぞ、と魯迅は告発しているのである。

 

 

 中国の歴史は魯迅の言う通りで、「食人」 の二字の書かれていないページはない。

 

 

                                     

 

 

2018年9月20日に 「シナの食人習慣」と「孔子の教え」と題して加瀬英明の文章を紹介しました。コチラです。

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12404182209.html

 

 

 

2018年10月14日に 「シナの食人習慣」 と題して 石平と加瀬英明の対談を紹介しました。コチラです。

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12406299392.html

 

 

 

2018年10月15日に 『イギリス人が調査した「中国の食人」』 と題して金文学の文章を紹介しました。コチラです。

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12411126459.html

 

 

 

 

                  興福寺の三重塔(奈良市)  1月21日撮影