間違って 「柳田国男の妻の自殺」 としてしまいましたので訂正しました。
「大人の読書 一生に一度は読みたいとっておきの本」
谷沢永一(たにざわ えいいち)・渡部昇一(わたなべ しょういち)
PHP研究所 2009年3月発行・より
<谷沢> 私の生まれ育ったところでは、部屋数からいって別室はは は 不可能なのです。
昔は長屋を一軒借りて、さらに二階を他人に貸していたくらいですから。
だから戦前は、小さな長屋に表札が二枚というのはざらにあったわけです。
それほどみんな貧しかった。
柳田国男一家の悲劇はそこから始まったわけです。
今も家が残っていますが、ほとんど仕切りがないのと等しいぐらいに、
一応四部屋になっている。
ここへ年寄り夫婦と長兄夫婦と、兄弟五人が住んでいて、
そして、お母さんが、長兄の嫁さんをとことんいじめた。
そこで嫁さんは実家へ帰る。
実家では女は三界に家なしですから、お前は婚家へ行けって、
その間を行ったり来たりキャッチボールみたいになって、
とうとう思いあまって真ん中の池へ身投げする。
そういう境遇が彼の民俗学に対する志向に多少つながっているのではないでしょうか。
柳田国男研究といえば、もう掃いて棄てるほどにありますが、
こういうことは、たった一冊の本を除いてどこにも書いてありません。
これを調べたのが、宮崎修二朗という 『神戸新聞』 の記者です(宮崎修二朗『柳田国男その原郷』)。
一般にはそれは引用されていません。
ともかく、昔は一緒に住むということは大変なことだったんですよ。
2017年6月26日に~「胴上げ」の後は「乱交」~と題して丸谷才一の文章を紹介しましたが、その中に柳田国男のことが出てきます、
コチラです↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12282088400.html
2015年11月27日に「日本の植民地支配と柳田国男」と題して日下公人の文章を紹介しましたコチラです↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12097294126.html
2016年3月6日に~島崎藤村と柳田国男の「絶交の原因」~と題して谷沢永一の発言を紹介しましたコチラです↓
https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12135453815.html
昨年11月16日 国立博物館(東京・台東区)の北(裏)側の庭園にて撮影