「新自由主義」についてを、
(「新自由主義」って何?)
そして前々回のブログ記事では、
「新自由主義」政策についてを、
(「新自由主義化」の政策措置は、どんなもの?)
述べさせていただきました。
「新自由主義」政策の一環として、
○ <社会保障など福祉の”削減”>
(政府支出の削減・縮小)
○ 労働市場の”柔軟化”のための<労働諸規制の緩和>
・・・が行なわれました。
1980年代、
アメリカのレーガン政権以降や、
イギリスのサッチャー政権以降では、
<福祉の”削減”>により、
まず貧困層や困窮者が、
切り捨てられて、路頭に迷う事になりました。
結果的に、
労働市場に放り込まれる事にもなるのですが、
待ち受けているのは劣悪な労働で、
しかも、いくら努力しても、
生活状況を向上できる代物ではなく、
一生涯、貧困に沈められるままなのでした
――また、”劣悪な労働への、貧困層の追い立て”は、
3K労働者の安定を脅かす”脅威”になったのでは?――。
そして又、
<労働市場の”柔軟化”>などのために、
解雇制限の”緩和化”をはじめとする
<労働諸規制の緩和>は、
「非正規雇用」の拡大を可能にし、
そして<非正規労働者>との”競合”によって、
その安定雇用の立場を揺るがされてしまう
<正規雇用労働者(正社員)>が、
”レイオフ・リストラ”にさらされて、
「失業者」や「非正規雇用労働者」に
落とされてしまう事に繋(つな)がりました。
規制緩和という法制面で、
労働者の労働人権が”弱体化”される一方で、
その「非正規雇用利用機会の拡大」や
「グローバル化による
海外へのアウトソーシング(外注)」という、
経済的ペスト病のような状況の到来との
“挟(はさ)み打ち”で、
<正規労働者(正社員)>の安住も揺るがされる、
”雇用不安定化”状況が、成立してしまうのでした。
”雇用不安定化”は、
<正社員>も<非正規労働者>も、
<使用者>に足元を見られる”労働力の買い手市場”化、とも言えるかもしれません。
これを、
使用者側の立場からの言い方をすれば、
「労働市場の”柔軟化”」
と言えるはずです。
「労働力の”買い手市場”化」は、
使用者側にとって、
好ましい状況です。
すくなくとも、
そうして「雇用不安定化」がもたらされる事で、
”中流階級”が、
底辺・貧困層に追いやられていくのでありました。
「労働市場の<柔軟化>」により、
正社員だった人が、
”人員整理”に遭うのだけれども、
政府は、
「新自由主義」政策姿勢であるので、
失業保険給付や生活保護などの福祉は、
”有期化”など「制限化」されているので、
”失業者”か、
”非正規雇用労働者”になるしかなく、
「貧困層」にたたき込まれてしまいます。
庶民にとっては、
堪(たま)ったものではありませんが、
使用者など財界にとっては、
失業者や非正規労働者があぶれ、
「買い手市場」状態になっていて、
賃金も抑制できて、ウハウハ状態です。
「市場原理主義」政策のもと、
社会保障など福祉が削減されて、
ほんとうに生活保護を必要とする従来の者が、
労働市場に放り出されたり
――しかも貧困層が、労働市場で、
いくら努力しても、生活状況を向上することは無い――、
また「労働市場の”柔軟化”」からくる
”雇用不安定”化で、
貧困層に追いやられたり、
稼ぎ手の収入が激減すると、
それぞれの親や家庭の子供たちが、
その貧困化のシワ寄せを、
受けることになります。
しかも、「新自由主義」政策により、
“雇用の不安定化”や”貧困”が
深刻化してゆく中で、治安も悪化していきます。
ただでさえ”雇用不安定化”している中で、
そうした世の中で育ってくる若者には、
”限られた進路や未来の選択肢”と、
「刑罰国家」政策が、
待ち受けているのでした。
(つづく)
<関連記事>
○ 「貧困(雇用融解/福祉削減)」と「刑罰国家」と「軍隊」と「新自由主義」と(プロローグ)
○ <規制緩和>と「業務上過失罪」と
○ 関岡英之『国家の存亡』(私物化されている米国政府からの対日要求)
○ ジェーン・ケルシー教授、1998年からの警鐘!
○ ”『貧困大国アメリカ(プロローグ)』から日本への警鐘”
○ 新自由主義(市場原理主義)は「征服の武器」(ジャン・ジグレール『私物化される世界』)
○ 鎌田實 「中流崩壊」
○ 水谷修 「こども崩壊」
○ 「大阪維新の会」が狙う橋下「改革」が目指すは、“弱者切り捨て”!
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<維新の会>生活保護に有期制
「八策」に盛り込む方針
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120617-00000005-mai-pol
毎日新聞 6月17日(日)8時30分配信
大阪維新の会(代表=橋下徹・大阪市長)が
次期衆院選に向けて策定中の「維新八策」に、
生活保護の受給期間を制限する「有期保護制度」を盛り込む方針であることが分かった。
受給者の急増による財政負担の軽減を図るとともに、
維新が理念として掲げる「個人の自立」を促す狙いがある。
23日から始まる「維新政治塾」の第2クールでの議論・成案化を目指す。
生活保護の有期化を巡っては、
全国知事会などが設置した検討会が06年、
働ける世代の人の受給期間を「最大5年」とするよう国に提言した。しかし、
「本当に必要な人が受給できなくなる」
「貧困問題の解決にはならない」といった批判が根強く、
政府などで具体的な検討は進んでいない。
有期保護制度の狙いについて、
維新の関係者は「働かない受給者の中には『生活保護を受けている方がいい』という人もいるのではないか。
自立することが必要だ」と話す。
ただ、八策には具体的な受給期間は明示しないという。
また、現行制度では受給者が就労した場合、
支給額が給与に応じて減額される仕組みで「就労を阻害している」との指摘があることから、支給額を減らさずに公的機関が給与をいったん預かり、保護終了時に返却する制度も検討する。
一方、維新が3月に公表した八策のたたき台では、
年金、生活保護、失業対策などを一本化する「最低生活保障制度」を創設して月額6万~7万円の支給を検討するとしていたが、莫大(ばくだい)な財政負担が見込まれるため、金額を削除する。
米軍基地問題については
「沖縄の負担軽減を図るロードマップの作成」を挙げていたが、
八策への記述を見送る方向。
※受給者の急増は、
じつは、「大阪維新の会」が徹底しようとし、
自公政権による「構造改革」の下で行なわれた”新自由主義”政策がもたらしたものであるはずだ!
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田中優の“持続する志”
優さんメルマガ 第138号
2012.7.6発行
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◇■ 田中優より ■◇
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『 市民がカネを支配する 』
「市民が自分たちで金融をする」、そんなNPOバンクを最初に始めたとき、
周囲はうまくいくはずがないと言い、
金融機関には相手にもされませんでした。
しかし今や全国に市民が作るNPOバンクがたくさん生まれ、市民が市民の力と融資で起業することも可能な時代に入りました。金融機関にも市民事業に融資するところが増え、
城南信金のように意志を示す金融機関も登場しました。
私自身がNPOバンクを始めてから19年目。こうして進展できたのは、全国の各バンクの人たちの誠実な活動の賜物だと思います。
もし私たちが騙したり嘘をついたりしていたら、今の状態はなかったはずです。
よく言われるように信用は作るのに10年かかりますが、壊すのは1回で足ります。
人は誰でもおカネのこととなると神経をとがらせますから。
そんな中、東日本大震災によって引き起こされた原発事故は社会を一変させてしまいました。
それまで無償で得ていた野草も山菜も果物も魚も水も汚染され、カネを出さなければ買えないものにされてしまいました。
私の理想は
「カネがなくても暮らせる社会の実現」です。
そのためにカネを使おうと考えてきたのです。
カネは単なる手段ですが、
カネを得るのが目的になったとき、
カネは人を支配する道具になります。
この主客逆転が社会を貧しくしているのです。
今や東北の人々は後ろ盾だった自然を奪われ、
都会のようにカネがなければ
暮らせない場所に変えられつつあります。
私たちは奴隷労働するために生まれたのではありません。
私は市民の金融の仕組みを使って目的化したカネを、
元の道具に戻したいと思います。
私たちはカネの手綱を握り、
役に立つ道具に飼いならさなければなりません。
NPOバンクは、目的化したカネを手段に戻し、
私たちの望む社会を形成するための機関だと思います。
これからも皆で力を合わせて、
市井の市民の作る社会を実現させたいと思います。
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こちらは、7/7~7/8に福岡で開催されます「全国NPOバンクフォーラム」
に向けて、代表である田中優からのメッセージを転載いたしました。
フォーラム詳細 ⇒ http://npobankforum.com/
今年は福岡にて開催!フォーラムのみ参加は当日でも受け付けております!
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◇■ おススメ生中継サイト ■◇
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7/7~7/8に坂本龍一さんの呼びかけで開催される「NO NUKES 2012」が
ネットで全世界に向けて生中継されるそうです!2日間釘づけです!
ユーストリーム配信サイト→ http://nonukes2012.jp/ustream
参加予定アーティスト(一部抜粋)
[7日]ASIAN KUNG-FU GENERATION / ソウル・フラワー・ユニオン / 難波章浩 /
元ちとせ / YMO+小山田圭吾+高田漣+権藤知彦
[8日]ACIDMAN / Ken Yokoyama / 斉藤和義 / 七尾旅人+大友良英+坂本龍一+
ユザーン/NO NUKES 2012 忌野清志郎スペシャルセッション 仲井戸麗市BAND+
トータス松本+坂本龍一 / 山崎まさよし / YMO+小山田圭吾+高田漣+権藤知彦
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◆□ 「DAYS JAPAN」に優さん記事が掲載中です! ◆□
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ただ今発売中の「DAYS JAPAN」7月号に田中優最新記事が掲載されています。
ぜひご一読を!http://www.daysjapan.net/about/index2.html
タイトル『たかが電気に命を賭けるな』
内容 ・術に溺れた策士たち
・「電力不足」は茶番だ
・「命賭けの電気は要らない」
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◇■ マネージャー日記 ■◇
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報告が遅くなりましたが、おとといの朝ピースボートのお手伝いを終えアイス
ランドからフィンランド経由で成田空港に無事に到着しました。
ピースボートで優さんは講演・ゼミ・打ち合わせ・スピーチなど含め、オフの日を
除いた8日間で全部で22回の登壇をさせて頂きました。平均すると1日3つほど、
ある日は1日で4回も登壇しました!
その様子は追ってブログなどでご紹介させて頂ければと思います。
船上ではネット環境も日本ほど良くないのであまりメールを見れませんでした。
その結果、何と今、優さんの未読メールの数が「6,000件」ほどあるそうです!
帰国後も講演や打ち合わせをする一方で毎日500件以上のメールが入ってきます
ので、帰国後もおかげ様で忙しい毎日です。^^
講演とは別に無料のゼミもありまして、「船から下りて日本に帰国したらできる
こと」のワークショップも行い、参加して良かったと嬉しい声をたくさん頂きました。
若い方からも、原発に今まで興味がなかったけどこれからは勉強したい、自分たちが
主体になって社会を作っていきたい!との声を多く頂きました。
私もこのピースボートでの講演やゼミで、また乗船されている方とのお話や現地に
行って見たこと聞いたことなどから色々なことを学んできました。
日本でのこれからの活動に生かしていきたいと思います! 渡辺
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◎田中優の“持続する志”