食べ物は植物メインにする

リコード法の食事、ケトフレックス12/3の栄養ガイドを紹介しています。

1)野菜

基本的にデンプンの少ない野菜をセレクトしましょう。デンプンを含む植物は血糖値に悪影響を及ぼす可能性があるため、十分に注意する必要があります。

可能な限り、色が濃く、地元で採れた非遺伝子組み換えの有機野菜を選んでください。(補足:色が濃いものの方が健康に役立つ成分が多いと一般的に考えられるため。レタスやキャベツなど、例外もあります)

 

植物には様々な健康に有益な成分が含まれています。そして、これら全ての成分を健康食品やサプリメントから補充することはできません。さらに、食物繊維やオリゴ糖のような成分は乳酸菌や善玉菌など腸に良い菌を増やし、腸内環境を整え、腸のみならず全身の炎症を抑制します。

 

葉物野菜(Leafy green vegetables)は栄養的な観点から特に重要です。葉物野菜に含まれるビタミンK、ビタミンC、ビタミンA、ルテイン、ベータカロチン、ゼアキサンチンなどは認知機能低下を予防することに役立ちます。また、葉酸・ビタミンB12・B6の組み合わせは、ホモシステインを減らします。(補足:ホモシステインはタンパク質を代謝する過程でできる悪玉アミノ酸で、ホモシステインの増加と海馬の進行性萎縮や認知機能低下が相関するという報告があります)

 

色のついた野菜(Colored vegetables)は、含有する色素が抗酸化物質として働きます。カロチノイドは黄色とオレンジ色、フラボノイドは赤、青、紫、黒とクリーム色、クロロフィルは緑色です。

 

タマネギ、エシャロット、ニンニク、ネギ、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、芽キャベツ、チンゲン菜などアブラナ科の野菜は、最も栄養価の高い野菜の1つです。特有の苦味は硫黄に由来します。硫黄はグルタチオン(肝臓の解毒に必要な抗酸化物質)の合成や、身体を構成する組織およびインスリンを含むホルモンの生成に必要なアミノ酸の産生に必要な栄養素です。アブラナ科の野菜は解毒を助け、酸化ストレスから身体を保護し、糖代謝を改善します。

刻んだりジュースにすると硫黄成分が放出されやすくなります。調理法としては軽く茹でる、蒸す、中火のソテー、スープやシチューに加えるといった使い方が勧められています。

なお、生のアブラナ科の野菜はヨウ素の取り込みを阻害することが知られています。ヨウ素欠乏は甲状腺機能低下につながるため、これらの野菜を食べるときは最低限の調理を加えてください。(補足:ゴイトリンとチオシアネートという成分の作用ですが、相当大量に取らなければ大丈夫のようです。たしかに、数ヶ月にわたって1日あたり1.0~1.5kgの生のチンゲンサイを食べた88歳の女性が、重篤な甲状腺機能低下症を発症し昏睡状態になったという症例報告があったりするのですが、症例報告として論文になるくらいなので相当珍しいケースと考えられます。また、1日150gの加熱した芽キャベツを4週間にわたって食べても、甲状腺の機能には悪影響がなかったという報告もありますので基本的には安心して食べて良いと思います。参考文献:

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26946249

 

 

次回はきのこ・ハーブ・スパイスのお話です。