●死者の導き

 

 


今日のお話は、前回の話にも多少関係があるもので、

 

 

前回のお話を書いている時に、思い出した事件です。

 

 

 


これも当時と同じ時期頃に体験したものです。

 

 

 

依頼はこんなものでした。

 


引越してまだ1ヵ月位のアパートで、

 

 

時々真夜中に寝ていると、咳(セキ)が聞こえて気持ちが悪いというのです。

 

 

自分の気のせいか、隣や下の人の咳かと思い、友人に泊まってもらうと、

 

 

その友人も、真夜中に、確かにこの部屋で誰かの咳(セキ)らしい音が聞こえたといい、

 

 

その友人も、

 

 

ここ、やばいよ!!

 

 早く引っ越した方がいいよ!」  と、忠告したのもあり、

 

 

本来なら、気持ちが悪いので、私も一日も早く引っ越したいと思っているのですが、

 

 

なにしろ、引っ越したばかりで、

 

 

今は、余りお金の余裕が無く、どうしたらいいか困っています。

 

 


それで心霊相談をやっていると見て、お電話しました。

 


と、そんな内容の電話でした。

 

 

 

 

 


この頃は、私も雑誌に広告を載せていた訳では無く、

 

 

ポスティングや店に広告を貼らせて頂いていた時期なので、

 

 

心霊相談として電話を受けても、大抵は歩いていける距離からの相談でした。

 

 

 


だから、この案件も、同じ練馬区という事なので、

 

 

さっそく現場を診てみましょうという事になりました。

 

 

 


彼女は一人暮らしで、昼間は会社員として働いているので、

 


彼女の都合が良い時を見計らって、また電話します。という事になった。

 

 

 


この時点で、

 

 

家にまでは来て欲しくないという依頼者は、もう電話はかかって来ない。

 

 

 

しかし彼女の場合、再び電話がかかって来た。

 

 

 

 

来週の日曜日の午後、友人が来ているので、その時にお願いしますという。

 

 

住所もやはり、歩いていける距離だったので、

 

 

午後1時に私が彼女のアパートに行くという事になった。

 

 

 


常識で考えると、男性を独り暮らしの女性の家に招くというのは、

 

 

例え心霊相談であっても、抵抗があると思うのだが、

 

 

なぜか、私の声は信用してもらえる声らしい。

 

 

その後電話相談を始めた時も、「先生の声は癒される。」と言われたり、

 

 

毎週3回は相談してくるという方もいた。

 

 

確かに、私は今まで女性に手をあげた事はないし、

 

 

普段も、誰に対しても余り怒らない。

 

 

女性は、そういう所を声で判断出来るのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

さて、約束の日曜日、

 

 

私は約束の午後1時よりも1時間早く現地に着いた。

 

 

 

 

 

毎回そうしているのだが、1つには遅刻しないようにという配慮である。

 

 

もう1つは早く現地に着く事で、落ち着いて現場が見れるという事である。

 

 

これは受験でも同じ事が言える。

 

 

1時間早く受験会場に到着する事で、普段の自分の力を発揮出来たりする。

 

 

まぁ私の場合は、それプラス。

 

 

アパートの隣や、付近の環境を見て回ったりする。

 

 

例えば、アパートの隣に川があったり、お墓や神社があるなら、

 

 

一応見ておいたり、アパートの外観を四方から見てみたり、

 

 

方角や日当たり、庭の様子を見ておいたりするのである。

 

 

こういう事は、お客に会ってからでも出来ない事は無いのだが、

 

 

お客を待たしているとなると、気になって落ち着いて診れないのだ。

 

 

 

 

 

 

約束の午後1時丁度、アパート2階の彼女の部屋をノックした。

 

 

もう既に来ていた、彼女のご友人とも挨拶を交わし、

 

 

さっそく部屋の中に通してもらった。

 

 

間取りは、2DKで、こんな感じのアパートだった。

 

 

 

引っ越して来てからまだ40日位だということで、

 

 

まだ開けていない段ボール箱が2・3あったものの総じて綺麗な部屋である。

 

 

私はまず、ドアが開いていたという事もあり、洋室に入ってみた。

 

 

特に絨毯などはひいてなく、ソファーと本棚とテレビが置いてある。

 

 

バルコニーに花の植木鉢が見えるのが、いかにも男性の部屋と違う所だ。

 

 

特に悪い感じは受けない。

 

 

 

 

次に、一旦ダイニングに戻ってから、和室のドアを開けた。

 

 

この瞬間が一番大事である。

 

 

人間は環境に慣れやすい。

 

 

だから、異変がある部屋に入っても、段々とそこに慣れる事がある。

 

 

部屋に入って、1分もすると慣れてしまう事さえある。

 

 

だから、部屋に入る時は、誰かと話ながら入るなんて事は絶対しない。

 

 

むしろ、呼吸もしないで、全身に神経を尖らせて入る様にしている。

 

 


最初の印象や、最初に感じる感覚が大事なのだ。

 

 

 

 


和室のドアを開けた瞬間、

 

 

若干だが、腕に鳥肌が立ちそうになるのを感じる。

 

 

また空気感が、洋室よりも重い感じがする。

 

 

臭いも、ややイグサとは違う臭いがするが、動物のものでは無い。

 

 

 


「咳が聞こえるのは、この和室ですか?」と彼女に聞くと、

 

 

「はい。そうです。」と言う。

 

 


そのまま3人とも無言で、この和室に10分位居続けただろうか。

 

 

二人は、黙って何か私が言うのを待っている。

 

 

 


私はというと、彼女が聞いたという「咳(セキ)」が私にも聞こえないかな。

 

 

と思って、耳をすませていた。

 

 

 


しかし、真夜中と昼間の午後の1時では、霊の力が全然違う。

 

 

相当力の強い霊でないと、昼間の午後1時には現れないだろう。

 

 

 

 

 

とりあえず、私達は一旦隣の洋室に戻った。

 

 

そして、当時の咳が聞こえた時の様子や、他に異変は無かったのかとかを聞いたのだが、

 

 

咳以外の異変は特に無いという。

 

 

そして、咳は弱々しく、何となくお年寄りの咳の様に感じたという。

 

 

 

また、

 

 

「ここを借りる時、事故物件だったとかの説明は受けましたか?」と聞いてみた。

 

 

しかし、彼女は、そんな事は聞いていないという。

 

 

 


当時は、それほど事故物件という事を次の借主に説明する不動産屋少なかった。

 

 

またインターネットもそんなに普及してなくて、

 

 

事故物件という噂や前例があっても、ばら撒かれる事も無く、

 

 

風化されていっていた時期である。

 

 

 

 

 


その時だった。

 

 

 


誰かが、玄関のドアをノックしたのだ。

 

 

彼女いわく、まだ引っ越したばかりで、他に知人はいないはずで、

 

 

ここに来るとしたら、今隣に居る友人しかいないはずだという。

 

 

 

 

 

「一体、誰だろう。」と彼女。

 

 

 

 

そんな事を聞くと、ちょっと気持ちが悪いので、

 

 

私達3人で、玄関の方に行ってみた。

 

 

 

すると、もう一度ノックが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


やがて、そのノックこそが、「死者の導き」だったのである。


後半は、明日のブログに続く。

 

 

 

●不思議な水たまり

 

 

 


このお話は、一昨日のブログ(●車を怖がる男の子)の続きです。

 

 

 

従って、一昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12302357907.html

 

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 

 

 

彼女には2歳に満たない息子さんが居るのですが、

 

車に乗りたがらない日があるというのです。

 

もっと言えば、すんなり車に乗ってくれる日と乗ってくれない日が、3対1位だと言うのです。

 

つまり、4回に一回は車に乗ってくれない日があるというのです。

 

車は彼女達が住むマンションから歩いて約2分の所にある賃貸駐車場にあるのですが、

 

朝、保育園に行く時など、息子を連れて駐車場まで歩いて行くと、

 

車が見える所まで行くと急に息子が止まって、それ以上嫌がって車に近づこうとしないという。

 

その時、息子さんは決まって車の後部ドアから2m位離れて止まって、

 

そのまま座り込んで動かないのだという。

 

手を引っ張っても、怒っても、頑として車に近づこうとしないのである。

 

それでも無理に車に引き寄せようとすると、泣きだすというのだ。

 

もうそういう時は、車はあきらめて、自転車で息子さんを保育園に連れて行くという。

 

ただ、雨の日や、家族で食事に行くという時にそういう現象が起きると最悪だという。

 

私が、「それは息子さんが生れた時からですか?」と聞くと、

 

「半年くらい前から、車に乗らない時が現れ始めました。」と言う。

 

つまり、1歳3ヶ月位までは車を嫌がった事は無かったというのだ。

 

ここまでの不思議な点をまとめると、これだけでも十分不思議なのだが、

 

最近、これにもう1つ不思議な事が加わったというのだ。

 

それは、1ヵ月前から、嫌がって車に乗らない時、

 

今までは、理由を聞いても「嫌だ。嫌だ」というだけだったのが、

 

1ヵ月前からは、「みず」と言うのだという。「みず?」

 

「水」の事ですかね。と私が言うと「それ以外には、私も思いつきません。」と彼女。

 

息子さんに会った。特に変わった感じは受けない。普通の子に見える。

 

息子さんと3人で歩いて駐車場へ行く事に。

 

駐車場は、縦長に長い土地に10台位停められる様なもので、月極めの駐車場だ。

 

私も当時、月極め駐車場を借りていたの分かるのだが、

 

彼女が借りていた月極め駐車場は、最低ランクの駐車場だった。

 

舗装も砂利もなく、土から草が生えている駐車場だ。

 

彼女の車は、奥から2代目にある車だという。シルバーの4ドアの自家用車だ。

 

車が見える所まで来たが、息子さんに変化は無い。

 

いよいよ息子さんがこれ以上は車に近寄らないという後部座席から2mの所に来たが、

 

息子さんに嫌がる素振りはみえない。

 

そうこうしている内に、息子さんは平気で開けてもらった後部ドアから車に乗り込んだ。

 

ハズレだ。乗ってくれる日の様だ。「今日は乗ってくれる様です。」とお母さん。

 

という事で、この時点で結論を出さなければならなかった。

 

正直、何も分からなかった。車は新車だったし、変な臭いもしなかった。

 

今まで事故らしい事も無く、車に問題は感じられない。奥さんに、1つだけ質問した。

 

それは息子さんは今まで車に乗っている時に、何か怖がった事はありますか?

 

という質問だったが、息子さんは車に乗っている時は怖がった事は一度も無いという。

 

一体、4回に1度、この車に何が起こるのだろうか。まったく分からない。

 

私は「残念ながら、ちょっと分からないですね。」と彼女に謝って、

 

このセッションは終了となった。私は家に帰っても、2・3日何となく暗い感じだった。

 

なにしろ、記念すべき最初に来た依頼が、不出来な結果に終わってしまったからだ。

 

私は当時、仕事が暇な時は、運動の為に散歩していたのだが、

 

そんな時、やはり気になっていたのだろう。足が自然とあの駐車場に向っていた。

 

そして、あのシルバーの車をしばらく見つめては帰宅するというコースになっていた。

 

ある時、朝から雨が降っていた。今日は散歩は無理だなと思っていると、

 

3時頃雨が止んで、晴れたので散歩に出た。足は自然とあの駐車場へ。

 

昔から、現場100篇という言葉あるが、この時ほど、その大切さを感じた事は無い。

 

私は、見慣れていたはずのあの駐車場を見て、「あれっ!」と感じたのである。

 

いつも見ている駐車場の風景と、今日は少し違うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雨はもう2時間も前にやんでいるのだが、

 

 

目の前の駐車場には、大きな水たまりが出来ていた。

 

 

 


それも、奥の2台の所だけである。

 

 

つまり、奥から2台目の相談者のシルバーの自家用車と一番奥の車の所だけ、

 

 

大きな水たまりに車が浸かっている感じだ。

 

 

 

 


別に午後2時までずっと雨が降っていたのだから、

 

 

水たまりぐらい出来て当然なのだが、

 

 

なぜか、手前の8台分の駐車場部分には一切水たまりが出来ていないのだ

 

 

一瞬、この駐車場全体が、奥に向って坂になっているからかな。

 

 

とも思ったのだが、違う。

 

 

 

土の上に車を駐車していると、それぞれの場所がタイヤで削れていき、

 

 

それぞれの駐車位置で、轍(わだち)が出来ている、

 

 

つまり、手前の8台分の駐車場部分に大きな水たまりは出来なくても、

 

 

少なくともタイヤの轍部分は凹んでいる訳だから、

 

 

そこに小さな水たまりがあってもいいはずだ。

 

 

しかし、それが無いのだ。

 

 

 

 

これが意味するのは、1つしか考えられなかった。

 

 

 

つまり、手前の8台分の駐車場部分の土地は水を吸収しやすく、

 

 

奥の2台分の駐車場部分は水を吸収しにくい土地なのだ。

 

 

だから、手前の8台分の駐車場部分には、水たまりが一切無く。

 

 

奥の2台の駐車場部分には、大きな水たまりが出来ているのだろう。

 

 

 

 

ここまでは誰でも思いつく事だろうが、その理由までは分からない。

 

 

 


私はしばらく、その不思議な水たまりの光景を立ち止まって見入っていた。

 

 

 


すると、ある事を思い出した。

 

 

 

 


そう言えば、息子さんは、最近になって、

 

 

車に乗りたくない理由を、「みず」って言ってたという。

 

 

 


偶然かなぁ。

 

 


これも、だよなぁ。

 

 

 


でも、息子さんは雨じゃない日も、

 

 

「みず」って言ってたらしいから、違うのかなぁ。

 

 


3つの言葉が、私の頭を支配していた。

 

 

■息子さんが嫌がる理由が「みず」

 

■湿気が多い土地

 

■大きな水たまり

 

 


やがて、私は、もしかしたら・・・・と気がついた。

 

 

息子さんは車が怖かったんじゃないのかも。

 

 

 

 

 

 

私は、駐車場の近くにあるちょっと古そうな瓦屋根の家から出て来たお年寄りが居たので、

 

 

急いで近寄って、その方に聞いてみた。

 

 

「すみませんが、

 

 あの辺りに、昔、小さな池がありませんでしたか?」

 

 

 

 

 

すると、そのお年寄りの方が、

 

 

ああ、あったね。」と言う。

 

 

私が、「あの駐車場の奥の2台辺りじゃないですか?」と聞くと、

 

 

「そうですね。」と言う。

 

 


やっぱり、そうだったんだ。

 

 

あの奥の2台の駐車場部分は、昔、池だったんだ。

 

 


息子さんは、車が怖かったんじゃ無かったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は相談者の奥さんに、もう一度連絡を取って、

 

 

息子さんが車を怖がった理由が、多分、分かりました。と伝えた。

 

 

 


「信じられない事ですが、

 

  昔、貴方が停めているあの駐車場の場所に、小さな池があったんです。

 

  それで、何らかの理由で、

 

  息子さんは、今はもう無い池の映像を見ていたのです。

 

 つまり、息子さんは、車を怖がっていたのではなく、

 

 時々見える池の存在を怖がっていたのです。

 それで、みずと言ったのです。」

 

 

 

 


その後、奥さんと話している内に、少しずつ謎が解けて来た。

 

 

その謎の1つが、■息子さんは、1歳3ヶ月頃から車に乗るのを嫌がる様になった。

 

 

つまり、なぜ1歳3ヶ月までは怖がらなかったのかという疑問だが、

 

 

 

これは、お母さんが、息子さんを車に連れて行く時、息子さんを抱いていてからである

 

 

息子さんは1歳3ヶ月位から自分で歩いて駐車場に行ける様になったので、

 

 

池に踏み入れる事が出来なくて怖がったのだと想像出来た。

 

 

また、なぜここ1ヵ月前から「みず」と言い出したのかと言うと、

 

 

それ以前は、「みず」という言葉をよく知らなかったのだという。

 

 

 

 

私は彼女に、こんなアドバイスをした。

 

 

■もし、他に駐車場が見つかったらなら、変えた方がいいですよ。

 

新車なら、地面が舗装か砂利がしいてある所がいいでしょう。

 

 

■あれから私はよくこの駐車場の前を通るんですけど、

 

手前の2台目の所に車が停まっているのを見た事ありません。

 

もしかしたら、空いているのかしれないので、大家さんに聞いてみて、

 

空いているのでしたら、小さい子が居るので、なるべく近い方がいいと言って、

 

奥の駐車スペースと取り換えてもらって下さい。

 

 

 

 


結局、奥さんは後者の方を選んで、車を手前に移動させた。

 

すると、その後、息子さんが車を怖がる事は無くなったという。

 

 

 

 

最後に、もう1つの疑問について、私なりの見解を書いておきます。

 

 

その、もう1つの疑問とは、

 

 

なぜ、息子さんは、もうそこには無い池の映像を見る事が出来たのか。」である。

 

 

可能性は、2つあると思う。

 

 

■1つは、息子さんが多少なりとも霊能力があって、

 

そこにはもう無い池の映像を、体調が良い時だけ見る事が出来た。

 


■そして、もう1つの可能性は、

 

誰かが、息子さんにそこに池があったという映像を見せているのだ。

 

 

 

 

どちらの可能性もあると思うのだが、

 

 

私は、後者の可能性の方が高いと思った。

 

 

 

 


もし、息子さんにそんな霊能力があるなら、きっと他にも色々なものが見えて、

 

 

問題になっているはずだ。

 

 

それに、あのような小さな池は、昔から危険地帯で、

 

 

きっと小さな子供が、そんな池で溺れ死んだ可能性はあると思う。

 

 

そんな亡くなった子供の霊が、

 

 

同じ様な年頃の子が近づいて来た時、

 

 

ボク、ここの池で溺れて死んだんだよ。」っと、

 

 

今は無い池の映像を、その子に見せる事があるのである。

 

END

 

 

 

現場100篇(げんばひゃっぺん)

 

 


このお話は、昨日のブログ(●車を怖がる男の子)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12302357907.html

 

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 

 

彼女には2歳に満たない息子さんが居るのですが、

 

車に乗りたがらない日があるというのです。

 

もっと言えば、すんなり車に乗ってくれる日と乗ってくれない日が、3対1位だと言うのです。

 

つまり、4回に一回は車に乗ってくれない日があるというのです。

 

車は彼女達が住むマンションから歩いて約2分の所にある賃貸駐車場にあるのですが、

 

朝、保育園に行く時など、息子を連れて駐車場まで歩いて行くと、

 

車が見える所まで行くと、急に息子が止まって、

 

それ以上嫌がって、車に近づこうとしないという。

 

その時、息子さんは決まって車の後部ドアから2m位離れて止まって、

 

そのまま座り込んで動かないのだという。

 

手を引っ張っても、怒っても、頑として車に近づこうとしないのである。

 

それでも無理に車に引き寄せようとすると、泣きだすというのだ。

 

もうそういう時は、車はあきらめて、自転車で息子さんを保育園に連れて行くという。

 

ただ、雨の日や、家族で食事に行くという時にそういう現象が起きると最悪だという。

 

私が、「それは息子さんが生れた時からですか?」と聞くと、

 

「半年くらい前から、車に乗らない時が現れ始めました。」と言う。

 

つまり、1歳3ヶ月位までは車を嫌がった事は無かったというのだ。

 

ここまでの不思議な点をまとめると、これだけでも十分不思議なのだが、

 

最近、これにもう1つ不思議な事が加わったというのだ。

 

それは、1ヵ月前から、嫌がって車に乗らない時、

 

今までは、理由を聞いても「嫌だ。嫌だ」というだけだったのが、

 

1ヵ月前からは、「みず」と言うのだという。「みず?」

 

「水」の事ですかね。と私が言うと「それ以外には、私も思いつきません。」と彼女。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

息子さんに会った。

 

 

特に変わった感じは受けない。普通の子に見える。

 

 

 

 

ただ、どうだろう。

 

 

 

何となくだが、普通の子よりも目じからがある様な感じがした。

 

 

 

いずれにせよ、問題は車だ。

 

 

車を診ない事には、話が始まらない。

 

 

 


ついでに言うなら、息子さんが怖がる様子を見てみたい。

 

 

特に息子さんが、どこを見て怖がっているのか。見てみたい。

 

 

 


そこで、息子さんと一緒に駐車場に行ってもらえるか聞いてみた。

 

 

彼女も当然だと思っていたらしく、3人で歩いて駐車場へ行く事に。

 

 

 

 

駐車場は、彼女達が住むマンションから歩いて約2分の所にあると聞いていたが、

 

 

さすがに、幼い子供がいると、その3倍位はかかった感じだ。

 

 

 


駐車場は、縦長に長い土地に10台位停められる様なもので、月極めの駐車場だ。

 

 

私も当時、月極め駐車場を借りていたの分かるのだが、

 

 

彼女が借りていた月極め駐車場は、最低ランクの駐車場だった。

 

 

ちなみに、一番良い駐車場は、屋根付きで地面が舗装されている駐車場だ。

 

 

その次が屋根なしで地面が舗装されている駐車場。

 

 

次が舗装はされていないが、砂利を敷いてあり、草が生えにくくしてある駐車場。

 

 

最後が、舗装も砂利もなく、土から草が生えている駐車場だ。

 

 

そして、それが彼女が借りている駐車場だった。

 

 

この最低ランクの駐車場の欠点は、車の下が、湿気などでさびやすいという事と、

 

 

雨の日など、ドロが車や搭乗者につくという事だ。ただその代わり安い。

 

 

 

 

彼女の車は、奥から2代目にある車だという。

 

 

シルバーの4ドアの自家用車だ。

 

 

 


車が見える所まで来たが、息子さんに変化は無い。

 

 

いよいよ息子さんがこれ以上は車に近寄らないという後部座席から2mの所に来たが、

 

 

息子さんに嫌がる素振りはみえない。

 

 

そうこうしている内に、息子さんは平気で開けてもらった後部ドアから車に乗り込んだ。

 

 

 

 


ハズレだ。

 

 

 

4回に一回は車に乗ってくれない日があるというのだが、

 

 

今日はその4回に3回の乗ってくれる日の様だ。

 

 

 


くじ運、悪っ。

 

 


「今日は乗ってくれる様です。」とお母さん。

 

 


車に乗った息子さんは、特に怖がっている様子も無く、

 

 

なかなか発車しない車を、ただ不思議そうに待っている。

 

 

 


本来なら、息子さんが怖がる日が来るまで毎日でも来てみたい所だが、

 

 

相手に料金もかかる事なので、向こうが言い出さない限り私からはなかなか言い出しにくい。

 

 

なにしろ、明日なら息子さんが怖がるという保証は無いのだ。

 

 

 


という事で、この時点で結論を出さなければならなかった。

 

 

 


正直、何も分からなかった。

 

 

 

 

車は新車だったし、変な臭いもしなかった。

 

 

今まで事故らしい事も無く、車に問題は感じられない。

 

 

奥さんに、1つだけ質問した。

 

 

それは息子さんは今まで車に乗っている時に、何か怖がった事はありますか?

 

 

という質問だったが、息子さんは車に乗っている時は怖がった事は一度も無いという。

 

 

 


いよいよ息子さんが車を怖がった理由が分からなくなった。

 

 

一体、4回に1度、この車に何が起こるのだろうか。

 

 

 


まったく分からない。

 

 

 


私は「残念ながら、ちょっと分からないですね。」と彼女に謝って、

 

 

このセッションは終了となった。

 

 

 

 

 

 

 

私は家に帰っても、2・3日何となく暗い感じだった。

 

 

なにしろ、記念すべき最初に来た依頼が、不出来な結果に終わってしまったからだ。

 

 

 


幸先悪いとはこの事だ。

 

 

最初に失敗すると、次も自信が無くなってくる。

 

 

 


私は当時、仕事が暇な時は、運動の為に散歩していたのだが、

 

 

そんな時、やはり気になっていたのだろう。

 

 

足が自然とあの駐車場に向っていた。

 

 

そして、あのシルバーの車をしばらく見つめては帰宅するというコースになっていた。

 

 

 

 


ある時、朝から雨が降っていた。

 

 

今日は散歩は無理だなと思っていると、3時頃雨が止んで、晴れたので散歩に出た。

 

 

足は自然とあの駐車場へ。

 

 

 


昔から、現場100篇(げんばひゃっぺん。現場100回とも言う)という言葉あるが、

 

 

この時ほど、その大切さを感じた事は無い。

 

 


ちなみに、現場100篇の意味とは、

 

 

事件が起きた現場にこそ、謎を解くカギや、解決への糸口が隠されているので、

 

 

100回訪ねてでも、そこを慎重に調査しなければならない。という教訓である。

 

 

 

 

 

 

 

私は、見慣れていたはずのあの駐車場を見て、

 

 

 

 

 


「あれっ!」と感じたのである。

 

 

 


いつも見ている駐車場の風景と、今日は少し違うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて、男の子が怖がっていた真相が分かるのである。

 

 

最終話は、明日のブログに続く。