現場100篇(げんばひゃっぺん)

 

 


このお話は、昨日のブログ(●車を怖がる男の子)の続きです。

 

 

 

従って、昨日のブログ(https://ameblo.jp/hirosu/entry-12302357907.html

 

 


を先にお読みください。


そしてから下をお読み下さい。
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[前回までのあらすじ

 

 

彼女には2歳に満たない息子さんが居るのですが、

 

車に乗りたがらない日があるというのです。

 

もっと言えば、すんなり車に乗ってくれる日と乗ってくれない日が、3対1位だと言うのです。

 

つまり、4回に一回は車に乗ってくれない日があるというのです。

 

車は彼女達が住むマンションから歩いて約2分の所にある賃貸駐車場にあるのですが、

 

朝、保育園に行く時など、息子を連れて駐車場まで歩いて行くと、

 

車が見える所まで行くと、急に息子が止まって、

 

それ以上嫌がって、車に近づこうとしないという。

 

その時、息子さんは決まって車の後部ドアから2m位離れて止まって、

 

そのまま座り込んで動かないのだという。

 

手を引っ張っても、怒っても、頑として車に近づこうとしないのである。

 

それでも無理に車に引き寄せようとすると、泣きだすというのだ。

 

もうそういう時は、車はあきらめて、自転車で息子さんを保育園に連れて行くという。

 

ただ、雨の日や、家族で食事に行くという時にそういう現象が起きると最悪だという。

 

私が、「それは息子さんが生れた時からですか?」と聞くと、

 

「半年くらい前から、車に乗らない時が現れ始めました。」と言う。

 

つまり、1歳3ヶ月位までは車を嫌がった事は無かったというのだ。

 

ここまでの不思議な点をまとめると、これだけでも十分不思議なのだが、

 

最近、これにもう1つ不思議な事が加わったというのだ。

 

それは、1ヵ月前から、嫌がって車に乗らない時、

 

今までは、理由を聞いても「嫌だ。嫌だ」というだけだったのが、

 

1ヵ月前からは、「みず」と言うのだという。「みず?」

 

「水」の事ですかね。と私が言うと「それ以外には、私も思いつきません。」と彼女。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

息子さんに会った。

 

 

特に変わった感じは受けない。普通の子に見える。

 

 

 

 

ただ、どうだろう。

 

 

 

何となくだが、普通の子よりも目じからがある様な感じがした。

 

 

 

いずれにせよ、問題は車だ。

 

 

車を診ない事には、話が始まらない。

 

 

 


ついでに言うなら、息子さんが怖がる様子を見てみたい。

 

 

特に息子さんが、どこを見て怖がっているのか。見てみたい。

 

 

 


そこで、息子さんと一緒に駐車場に行ってもらえるか聞いてみた。

 

 

彼女も当然だと思っていたらしく、3人で歩いて駐車場へ行く事に。

 

 

 

 

駐車場は、彼女達が住むマンションから歩いて約2分の所にあると聞いていたが、

 

 

さすがに、幼い子供がいると、その3倍位はかかった感じだ。

 

 

 


駐車場は、縦長に長い土地に10台位停められる様なもので、月極めの駐車場だ。

 

 

私も当時、月極め駐車場を借りていたの分かるのだが、

 

 

彼女が借りていた月極め駐車場は、最低ランクの駐車場だった。

 

 

ちなみに、一番良い駐車場は、屋根付きで地面が舗装されている駐車場だ。

 

 

その次が屋根なしで地面が舗装されている駐車場。

 

 

次が舗装はされていないが、砂利を敷いてあり、草が生えにくくしてある駐車場。

 

 

最後が、舗装も砂利もなく、土から草が生えている駐車場だ。

 

 

そして、それが彼女が借りている駐車場だった。

 

 

この最低ランクの駐車場の欠点は、車の下が、湿気などでさびやすいという事と、

 

 

雨の日など、ドロが車や搭乗者につくという事だ。ただその代わり安い。

 

 

 

 

彼女の車は、奥から2代目にある車だという。

 

 

シルバーの4ドアの自家用車だ。

 

 

 


車が見える所まで来たが、息子さんに変化は無い。

 

 

いよいよ息子さんがこれ以上は車に近寄らないという後部座席から2mの所に来たが、

 

 

息子さんに嫌がる素振りはみえない。

 

 

そうこうしている内に、息子さんは平気で開けてもらった後部ドアから車に乗り込んだ。

 

 

 

 


ハズレだ。

 

 

 

4回に一回は車に乗ってくれない日があるというのだが、

 

 

今日はその4回に3回の乗ってくれる日の様だ。

 

 

 


くじ運、悪っ。

 

 


「今日は乗ってくれる様です。」とお母さん。

 

 


車に乗った息子さんは、特に怖がっている様子も無く、

 

 

なかなか発車しない車を、ただ不思議そうに待っている。

 

 

 


本来なら、息子さんが怖がる日が来るまで毎日でも来てみたい所だが、

 

 

相手に料金もかかる事なので、向こうが言い出さない限り私からはなかなか言い出しにくい。

 

 

なにしろ、明日なら息子さんが怖がるという保証は無いのだ。

 

 

 


という事で、この時点で結論を出さなければならなかった。

 

 

 


正直、何も分からなかった。

 

 

 

 

車は新車だったし、変な臭いもしなかった。

 

 

今まで事故らしい事も無く、車に問題は感じられない。

 

 

奥さんに、1つだけ質問した。

 

 

それは息子さんは今まで車に乗っている時に、何か怖がった事はありますか?

 

 

という質問だったが、息子さんは車に乗っている時は怖がった事は一度も無いという。

 

 

 


いよいよ息子さんが車を怖がった理由が分からなくなった。

 

 

一体、4回に1度、この車に何が起こるのだろうか。

 

 

 


まったく分からない。

 

 

 


私は「残念ながら、ちょっと分からないですね。」と彼女に謝って、

 

 

このセッションは終了となった。

 

 

 

 

 

 

 

私は家に帰っても、2・3日何となく暗い感じだった。

 

 

なにしろ、記念すべき最初に来た依頼が、不出来な結果に終わってしまったからだ。

 

 

 


幸先悪いとはこの事だ。

 

 

最初に失敗すると、次も自信が無くなってくる。

 

 

 


私は当時、仕事が暇な時は、運動の為に散歩していたのだが、

 

 

そんな時、やはり気になっていたのだろう。

 

 

足が自然とあの駐車場に向っていた。

 

 

そして、あのシルバーの車をしばらく見つめては帰宅するというコースになっていた。

 

 

 

 


ある時、朝から雨が降っていた。

 

 

今日は散歩は無理だなと思っていると、3時頃雨が止んで、晴れたので散歩に出た。

 

 

足は自然とあの駐車場へ。

 

 

 


昔から、現場100篇(げんばひゃっぺん。現場100回とも言う)という言葉あるが、

 

 

この時ほど、その大切さを感じた事は無い。

 

 


ちなみに、現場100篇の意味とは、

 

 

事件が起きた現場にこそ、謎を解くカギや、解決への糸口が隠されているので、

 

 

100回訪ねてでも、そこを慎重に調査しなければならない。という教訓である。

 

 

 

 

 

 

 

私は、見慣れていたはずのあの駐車場を見て、

 

 

 

 

 


「あれっ!」と感じたのである。

 

 

 


いつも見ている駐車場の風景と、今日は少し違うのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やがて、男の子が怖がっていた真相が分かるのである。

 

 

最終話は、明日のブログに続く。