13、旧友(4)
いよいよ甲子園の開会式が始まった。
「只今より、第93回全国高等学校野球選手権大会を開会致します!選手入場!」
ブラスバンドの演奏のおなじみの曲に合わせて、選手が入場してきた。
まず先頭は、ディフェンディングチャンピオンの淀商高校であり、昨年のエース篠宮も健在だった。
それに続いて、どんどん選手団が入場してきた。
堀場率いる陽一の古巣仙台学園も入場・・・。
そして、陽一率いる港南学院高校が入場してきた。
2年連続24回目の出場である。
人気チームの登場に、甲子園の観客席から大声援が起こった。
陽一の部屋のテレビで、恵は胸を躍らせながら陽一の姿を見つめていた。
そして恵は、テーブルの上に陽一の両親の写真を置いていた。
「お父さん、お母さん、陽一の入場です」そう言って、画面を見ながら微笑んだ。
茜も出勤前だったので、理子と二人でこの映像を見ていた。
「真、頑張れ」
「おにい頑張れ」
二人は笑顔で、そう言い合った。
みんなそれぞれの思いを込めて、この入場行進を見つめていた。
港南学院高校は、去年と同じく1回戦から怒涛の強さを見せた。
まず1回戦。
陽一の飛距離160mの特大アーチから始まった。
甲子園の観客は、このスーパー高校生に度肝を抜かれる思いだった。
そして燃える男清志朗は、いきなりノーヒットノーランを記録。
一気にチームを波に乗せていった。
9―0で圧倒的な勝利を収めた。
そして2回戦。
港南学院名物、真と陽一のアベックアーチが飛び出したのだった。
陽一は2試合連続の本塁打であった。
清志朗も1失点の完投勝利。
1回戦に続き完璧な試合運びで、7―1の勝利
3回戦。
陽一の3試合連続ホームランが飛び出した。しかも2連続ホームラン。
これで陽一は、今大会4本の本塁打を放った。
守備でも、スーパーキャッチをお披露目した。
そしてこの日文麿も本塁打を放った。
8―1で勝利し、無敵港南学院高校を印象付ける事となった。
そして準々決勝。
今度は真が本塁打を放ち、文麿が4安打5打点の固めうちをした。
陽一も3塁打を2本放つ大暴れ。
清志朗も、今大会2回目の完封シャットアウトで完璧な勝利を収めた。
12―0で圧勝。
そして遂に4強が出揃った。
『宮城県代表 仙台学園高校』
『大阪府代表 淀商高校』
『広島県代表 山陽明星高校』
『神奈川県代表 港南学院高校』
組み合わせは、準決勝第一試合『仙台学園VS淀商高校』春の選抜大会決勝と同じ組み合わせである。
そして準決勝第二試合は『港南学院VS山陽明星』となった。
今甲子園は、この4強による熱き戦いが始まろうとしていた。