フォーエバー・フレンズ -142ページ目

6、新しい道に向かってー5

その日の晩、ジュリと真澄君が公園で待っていると、エミが上空から飛来してきた。夜空に美しく羽を広げて飛ぶエミの姿はまるで天女のよう。

「あ、天使だ」真澄君はそう言って、空を飛ぶエミの姿を指差した。

「そうだよ。あの天使、お姉ちゃんの友達なんだよ」

「そうなの?」

「うん。とっても優しいお姉ちゃんだよ。きっと天使界にいくまで楽しいよ」

「そっかあ・・・よかった」

そんな事を言い合っていると、エミは公園の敷地へと緩やかに着陸した。そして「真澄君だね。お迎えに来たよ」と言って微笑んだ。

いよいよ天使界へと旅立つ真澄君。去り際にジュリの顔を見ると「お姉ちゃん。本当に有難う」と言ってニコリと笑った。

「ううん。あんまり力になれなくてごめんなさい」

「そんな事ないよ。お姉ちゃんみたいな天使が一杯いてくれたらいいのに」

「私?」

「うん。お姉ちゃんみたいな天使が一杯いてくれたら本当にいいと思うよ。だから頑張っていい天使になってね」そう言うと、真澄君はエミのもとへゆっくりと歩いていった。


そしてエミに手を取られて、夜の大東京の空へと舞い上がった。


そして「お姉ちゃん!本当に有難う!」。真澄君はそう言って、大きく手を振り、やがて空のかなたへと消えていった。

ジュリはそんな真澄君の姿をじっと見つめていた。


『お姉ちゃんみたいな天使が一杯いてくれたらいいのに』



真澄君の言葉。

それは天使になんかなりたくないジュリにとって、とても複雑な言葉であった。



褒められて嬉しかった。

どうしてだろう?

天使になんてなりたくないのに。

真澄君にそう言われて、とても嬉しかった・・・。






日曜日の朝、ジュリは真澄君の墓前に花を捧げようと思い、近所の墓地を訪れた。そして真澄君のお墓の前にやってくると、そこには既に花が供えられていた。


色の違う花が一対ずつ。

そして画用紙にボールペンで描かれたピカチューの絵と色鉛筆。

そしてポケモンのクッキー。

真澄君の両親がそれぞれ置いていったのだった。


人はいつも新たなる道を切り開いていくが、亡くなった愛すべき者を忘れる事はない。

真澄君の両親は現実というものを目の当たりにして、それぞれが新たなる人生を歩んだ。

しかしその心の片隅には、常に真澄君の存在というものはある。