フォーエバー・フレンズ -124ページ目

10、熱い想いー3

翌日、天使界議院では天使議会が開催された。

今回は天界の司祭出席のもと、次の総裁が決められる。そして候補者は、ジュリの母一人だけである。

下手に立候補してしまうと、落選した時、ジュリの母に干されてしまうので、誰も名乗りを上げようとはしない。まさしくジュリの母、ミツコ天使の独裁体制である。


天使議長は着席する天使達を前にすると、コホンと軽く咳払いをした。

「ええ、候補者が一名しかおりませんので、次期総裁は引き続きミツコ天使と言う事でよろしいでしょうか?」

「異議なし!」

「異議なし!」

各席に座る天使から、そんな言葉が発せられた。


するとその時、扉がバタンと開いた。


「異議あり!!!」


そう叫んで扉の前に立つ女性。それはジュリであった。


「異議あり!私は総裁であるミツコ天使の辞任を要求します!」

ジュリの母は娘のその姿を見て、目を真ん丸くさせて驚いた。

いや、母だけではない。ここにいる天使達皆が驚き、目を真ん丸くさせていた。

母の独裁体制を打ち破りに来たもの、それは総裁の娘のジュリであった。


ジュリは大勢の天使が見守る中、ゆっくりと壇上の方へと歩いて行き、そして軽く一礼をすると、壇上に立つマイクを手に持った。

「ジュリです。私はお母さん・・・いえ、ミツコ天使の再任を認められません。何故ならミツコ天使は、総裁としての仕事をほとんどせず、自分の権力を守る事しかしませんでした。そんな天使がこれからも総裁の席に座り続けるなんてとんでもない事です」

すると母はゆっくりと立ち上がり、もう一つの壇上の方へと歩いていった。


二つの壇上で向かい合う親子。

まさに親子対決であった。


「ジュリさん。あなたには無断で人間界の統計を調査したという理由で逮捕状が出ています。なのでこの場であなたを逮捕します」

ジュリの母がそう言うと、特別警察が続々と議院の中へと入ってきた。

なんとその数100名。あたりは物々しい雰囲気に包まれた。

ジュリは特別警察に完全に包囲されてしまった。


すると今度は「逮捕はできません!」と、大きな声が扉の向こうから聞えてきた。


なんとその声の主はエミであった。


エミは議院に姿を現すと、ゆっくりと赤じゅうたんの上を歩きながら話し始めた。

「議院内での警察権行使は、殺人、傷害、窃盗の三つの犯罪に限られています。ジュリさんはこの3つの犯罪を犯したのでしょうか?」エミはそう言うと、あたりに着席する天使達を見回した。

「逆にこの院内で、警察権力を使用した総裁こそが法を犯しているのではありませんか?」

すると正面にいた天界司祭が「警察は下がりなさい。ジュリさん続けてください」と言った。

「はい。まず人間界には今、沢山の問題があります。まず浮遊霊の数。これは日本国内だけでも3万体いるとされています」


3万体・・・。


ジュリのその言葉に、場内はざわつきだした。まさか3万体もの浮遊霊が存在するとは誰も知らなかった事だった。