フォーエバー・フレンズ -120ページ目

11、天使からのプレゼントー2

翌日、恭介とジュリは、平和島から東京湾を見つめていた。

「ジュリ、本当に有難う。助かったよ」

「ううん。まあ下手くそなりに頑張ってみたよ」ジュリは笑いながらそう言って、東京湾の海を見つめた。

そして「店長、この間葬式場で荒れてたじゃん?」と言った。

「ああ、すまない。ちょっと酔っ払っててさ・・・」

「菜月さん、店長の事、そんな風には思ってないと思う」

「えっ?」

「菜月さんは店長の事が、本当に好きだったんだよ。それは今でも変わらないと思う。きっと感謝してるよ。死ぬまで介護してくれて有難うって言ってるよ」

「だといいんだがな・・・」恭介はそう言うと、寂しげな顔で笑った。

「ねえ店長」

「なんだよ」

「もしもだよ、もしも神様がいるとするじゃん。そしたら店長は何をお願いする?」

ジュリのその質問に、恭介は腕を組んでしばらく考えた。

「そうだな・・・オレと菜月は、大学時代、ダンスサークルをやってたんだ。よく社交ダンスコンテストに出場したんだよ。賞も取った事があるんだぞ」

「へえ、すごいじゃん」

「もう一度あの時のように、菜月と社交ダンスをやってみたいなあ。その夢を叶えて欲しい」

「社交ダンスかあ・・・」

「どうかしたか?かなえてくれるのか?」

「ん?あはは・・・なんでもないよ」




無事天使総裁の続投が決まったジュリの母。

そして今日も総裁室で、関係省庁からの書類に目を通していた。

天界から天使法の改正要求を突きつけられて、連日その対処に追われていた。


『警察庁 凶悪犯罪者の魂の連行は大変危険な作業であり、人員増員が必要とされる。また武術研修を開催する為に予算を要求したい』


『法務省 法改正を行うためには、それに付随する法律まで改正しなければいけない。よって、その作業を行う専門知識を持った人員が必要である。予算を要求したい』


『迎天省 複雑な事情を持つ魂は、理解不能な言動を発する場合がある。よってメンタル面での専門的な研修を開催したく、追加予算を要求したい』


そんな書類を読んでいたら、頭が痛くなってきた。

「あー!もう!何かあれば増員、追加予算って、いいかげんにしろ!自分の力でなんとかしようとは思わないのか!ああ、頭が痛い・・・」

母は母で大変だった。

天界からは法改正を要求され、娘からは「仕事をしてない」と非難され、挙句の果てに関係省庁は使えない奴らの集まり。

上は上で大変なのだ。


結局書類をすべてゴミ箱へと投げ捨ててしまった。

そして「自分で人間界を見に行くか」と言って、そのまま帰宅してしまった。