最近のオールスター戦をファンの皆さんがどう思っているかは分からないが、私には、あまり関心が無くなった。

こんなことを言っては解説者としては失格なのかもしれないが 見ていて面白くない。

これは ここ何年か思っている事で ゲーム内容も淡白だし、 ホームランやヒットを打っている球種はそのほとんどがストレート。中継する側からも 選手の好感度を上げるような発言しか聞こえて来ず、見ていて飽きてしまう。

こんな事だから 途中でテレビのチャンネルをザッピングしてしまうわけだ。今年のオールスター戦は 何かと大谷翔平を持ち上げて 盛り上げようとしていたが、まっ、実際にそれなりに面白かったのだが あそこまで持ち上げると、くどい気もした。

テレビ側も視聴率を上げる為に必死なのだろう。現に年々オールスター戦の視聴率は低迷していると聞く。

これには色んな原因が考えられるだろうが、第一に新鮮さがない。どうして これだけのメンバーを揃えても新鮮さや興味を失ってしまうのかその原因を考えるとある事が思い浮かぶ。

それは交流戦だ。スケジュール上、つい先日まで 交流戦をしていて、やっとセリーグ同士の戦いになったと思ったらのオールスターゲームである。

タイガースを中心に見ていても、大谷に162㌔を連発された試合は記憶に新しく 他のパリーグの選手も 大谷程ではないが 最近に見た印象だ。

交流戦を導入する前は オールスターと言えば、セリーグのチームを応援するファンにとってパリーグの選手が新鮮でパリーグのチームを応援するファンにとってはセリーグの選手が新鮮に映ったと思う。

つい、こないだまで(注、こないだは方言らしい)交流戦をやっていて、2・3週間後にオールスター戦では新鮮さを失うのは当たり前だ。

日程の問題もあるのだろうが そもそもNPB(日本野球機構)の企画力にも問題がある。何かファンが喜ぶような新しい企画は思い浮かばないのだろうか。結局いつも、アメリカに右へ倣えではあまりに無策である。

コリジョン・ルールの導入もアメリカに右へ倣えだった。

私は、なにもオールスター戦を廃止にしろ、と、言っているわけではないが 何か 日本独特のイベントに出来ないものかと思うのだ。

直前に交流戦を行うならオールスター戦の形を変えた方が良いし、オールスター戦を行うなら交流戦の日程を変えた方が良いと思うのだ。

たとえば、交流戦を今年同様の日程で行うのならオールスター戦を東西対抗戦に変えるという案はどうだろう。もともと、オールスター戦は東西対抗戦が変化したものだ。1936年にNPBの前身でもある日本職業野球連盟が発足した翌年、第一回目の「職業野球オールスター東西対抗試合」が開催されている。

その後、プロ野球は 1950年に2リーグに分立し、1951年から現在のオールスター戦が始まった。簡単に言えば、交流戦とは 1リーグ戦を見せられているわけで 当然 プロ野球発足当時の1リーグ戦と同様な訳だから 自然な発想で東西対抗戦という事になる。

ただ、東西に分けるとなると どこで 線を引き分けるのかが難しい。現在の2軍のイースタンリーグとウエスタンリーグは楽天の参入で 仙台にフランチャイズを置いた都合、イースタンリーグが7チームとウエスタンリーグが5チームという変則的な構成になっている。

従って、現在のレギュレーションで東と西の線で分けてしまうといびつになってしまう。

では、どこで戦を引けば良いかとGoogleMapで日本地図を見ていたら、ある事に気が付いた。日本で一番 東にある球団は 日本ハムファイターズだ。東経 141度21分15.8秒で 次が楽天イーグルス、一番 西にある球団がソフトバンクだ。

この方法で順番に線を引いて仕分けすると、西から ソフトバンク・広島カープ・タイガース・オリックス・ドラゴンズ、そして、6番目が西武ライオンズだ。ベイスターズの方が地図で見ると若干だが東になる。これで 東西対抗戦を行う、という案はどうだろうか。

もちろん、隔年でオールスター戦と東西対抗戦となる訳だが これなら マンネリ化を防げる。東西対抗戦は 実際にやってみないとどんな内容になるのか判断しかねる。もしかしたら、企画倒れになる可能性もある。

ただ、12球団から選ばれた人間がEASTとWESTのユニフォームを着て戦うのも 見てみたいものである。どちらにしても、お祭りなのだ。お祭りの中に 真剣さがあればよいので 一風変わったオールスターも見たいものである。

さて、先週のタイガースは スワローズに連勝して最下位を脱出した。しかし、チームの借金は まだ 10もある。

若トラの爆発的な成長を期待したいが 見る側にも我慢が必要だろう。若トラ達が成長し、どんな打線になるのか楽しみでもある。

タイガース打線の完成図を思い描くと、1番打者は やはり 盗塁のできる選手だろう。赤星までとは言わないが 相手がマークしている中でも盗塁を決められる選手で、加えて3割打ってくれるのが理想的だ。

2番打者は 状況に応じたバッティングができる人でバントも上手く 3割は打たなくてもそれに近く、そして守備力も高い選手が理想的だ。

3・4番打者は チャンスに強く、年間100打点は稼げば頼もしい限りである。

5番打者は ここ一番の勝負強さがあり、6・7番打者は 意外性の打者であり、時にはチャンスを作れる選手が理想的だ。

この完成図に 仮に成長した若トラというピースをはめて行けば 今の若トラだけでは補えないポジションがある。それが 1番打者だ。

3・4番打者には 原口や陽川、高山や中谷が もしかしたら 期待以上の成長をして クリーンアップを立派に勤められるかもしれない。

しかし、相手チームがマークしている中でも盗塁をできる選手は見当たらない。大和や上本、俊介や横田は 相手が油断している時や投球フォームが大きな投手には盗塁を決める事ができるが 投球フォームの小さな投手や相手バッテリーが油断していない時は なかなか 盗塁を決める事ができない。

これは 単純に 脚力の話である。確かに彼らの脚力は 優れているが 並外れて優れているわけではない。

彼らよりワンランク上の脚力がないと 相手が警戒している中でも盗塁を決める事ができないのだ。

球の遅い投手でも最多勝を獲得した投手はいるが足の遅い選手が盗塁王になった事はない。つまり並外れた脚力があり、打撃もそこそこ 優れている選手をドラフトやトレードで獲得しないと理想の1番打者は誕生しない。

過去には今岡誠という 異色の1番打者もいたが 2番打者に赤星がいたので1番 今岡が成立していたと思うのだ。

相手が警戒する中でも盗塁のできる選手の獲得が待たれる。

今日からの後半戦、ジャイアンツ戦だが 若トラ達の活躍を大いに期待している。