天台宗大阿闍梨、酒井雄哉師の心に響く言葉より…
ぼくがいる比叡山の教えに「忘己利他(もうこりた)」
「己を捨てて他を利すればいい。そうすれば皆が幸せになる」
自分が何ができるかどうかはあまり関係ない。
何かを達成できてもできなくても、
成功したからといって、
得たものを人に分けてあげなければいけない。
何をするにしても、自分がたった一人でできた、
ここまで生きてこられたのはたくさんの人に支えてもらってきたか
だから、自分は自分、人は人だなんていう考えはよくないよね。
たとえば、ぼくの行も、
でも、細かい雑務なんかを知ると、
回峰行が始まる。
そうすると、「ああ、このごろこんな行をやっているんですね。
それがだんだん一人増え、二人増えと、なかには、
どんどん行を重ねていくと、回峰行のなかでも荒行の「お堂入り」
その積み上げてきた五年間にはやっぱりみなさんの助けを受けて、
そうしてさらに行を積み重ねて、
回峰行も大勢の人に支えられてこそできるんですよ。
だから、
だから、こうしてお話ししているんだよ。
よく、みんなも言うでしょう、「ご回向(えこう)」とか「
坊さんが頼まれて先祖を拝んであげるようなときに言うけれど、
お寺の人でなくても、自分のできる範囲でかまわないから、
暮らしのなかで、何かお手伝いをしてあげるとか、
自分の徳というものを、少し分けてあげてみるのもいいよね。
人は恵み恵まれ、徳を積んでいくことになるからね。
「己れを忘れて他を利するは、慈悲の極みなり」《最澄・
慈悲とは、ほんとうの優しさや、思いやり、いつくしみ、
伝教大師最澄は、慈悲の最上のあり方を、「忘己利他」と言った。
自分を忘れて、他者のために尽くすことこそが、
舩井幸雄氏は、「人間性を高める」には、「
『「いまだけ」「自分だけ」という狭い我欲から離れること。
そして、他人の利益や幸福も視野に入れた、
あるいは、物事を根源からマクロにつかみ、
人間性を高めるには、「与えること」。
自分から与えることはひとつもしないで、情報でも、モノでも、
何かをもらった後に、「ありがとう」というお礼や、「感謝」
それは、自分が与える側(主催者側)になったときによくわかる。
「忘己利他」という教えの実践を重ねたい。
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