『杉森くんを殺すには』は、衝撃的なタイトルとキュートな表紙が特徴的な児童文学作品で、第62回野間児童文芸賞を受賞しています。高校生の主人公が抱える複雑な感情と、その向こうにある「自殺」や「依存」 といった重いテーマを扱いながら、多くの読者を惹きつけています。

以下が、この本のあらすじです。

主人公と衝撃の決意
物語は、高校1年生の主人公ヒロ(広瀬結愛)が「杉森くんを殺すことにした」と兄のミトさんに宣言するという、強烈なシーンから始まります。ヒロは幼馴染の杉森くんのことを、自分を苦しめる嫌な存在だと感じており、その思いを日記に15個もリストアップするほどでした。

 

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兄からの不可解な助言
この宣告を受けた兄のミトさんは、驚くべきことに、「今のうちにやり残したことをやっておくこと」と、「裁判所で理由を説明するために、杉森くんを殺すに至った経緯を日記にまとめておくこと」という2つの具体的な助言をします。ヒロはこの助言に従い、日記を書き進めながら、時折杉森くんに会いに行くという生活を送ることになります。

物語の核心と真実
実はこの物語の核心は、杉森くんが既に自死でこの世を去っているという事実にあります。ヒロの「杉森くんを殺す」という決意は、物理的な殺人を意味するのではなく、あまりにも辛い現実(杉森くんの自死)を受け入れられないヒロが、その記憶や事実そのものを心の中で“殺す(消し去る)”ことで、自分を守り、前に進もうとする心の葛藤と再生のプロセスを象徴的に表しているのです。

ヒロの苦しみと成長
ヒロは、杉森くんから精神的な依存をされ、その重みに疲弊し、距離を置いた結果、杉森くんを見殺しにしてしまったという罪悪感と後悔に苛まれていました。物語は、ヒロがそんな複雑な感情と向き合い、新しい友人との関係を築きながら、少しずつ傷ついた心を取り戻し、喪失を受け入れ、生きていく姿を描いています。

この本は、「依存と友情の境界」 や、「残された者の悲しみと向き合い方」 について深く考えさせられる内容となっています。巻末には自殺防止ダイヤルや相談窓口のリストが掲載されているなど、社会的なメッセージ性の強い作品でもあります。

 

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🎯 読むにあたってのアドバイス

対象年齢:出版社は中学生以上を推奨しています。内容的には中高生に響く部分が多いですが、大人が読んでも考えさせられるテーマを含んでいます。

読む前に:この本の真の面白さや感動は、ネタバレなしで読むことでより深く味わうことができます。ぜひ、予備知識を可能な限り入れずにページを開いてみてください。

『杉森くんを殺すには』は、衝撃的なタイトルとは裏腹に、読後には温かくも切ない読後感が残る作品です。重いテーマではありますが、ヒロの等身大の悩みと成長の物語に、多くの読者が共感し、勇気づけられています。
 

海外インター校から日本の国立大学医学部医学科受験の方へ。

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🌷 英語を学ぶほどに、日本語が大切な理由
 

〜インターナショナルスクール生の日本語維持・強化ガイド〜
 

❓ なぜ英語力を伸ばすのに、日本語が重要なのか?
「英語環境で学ぶのだから、英語に集中すべき」と考えがちですが、実はこれは大きな誤解です。研究によれば、母語の基盤がしっかりしている子どもほど、第二言語の習得もスムーズであることが分かっています。

特にEAL(English as an Additional Language)・ESL・ELLで学ぶ子どもたちにとって、日本語力は単なる「言葉の能力」以上の意味を持ちます。

思考の土台:複雑な概念を理解し、論理的に考える力は、まず母語で形成されます

文化的なアイデンティティ:自分がどこから来たのかを理解する基盤

学習の転移:母語で獲得した読解力や論理的思考力は、英語学習にも活かせます

母語を軽視することは、思考そのものの基盤を危うくする可能性があるのです。

 

 

📚 年代別・日本語維持の具体的な方法
【中学生向け】基礎力固めと自己表現のバランスを
読書習慣の確立


毎日30分、日本語の本を読む時間を確保

興味のある分野から:ライトノベルでも漫画でも、まずは「読む楽しさ」を

おすすめ:村上春樹、吉本ばなななど、海外でも読まれている作家の作品

日本語での「思考の整理」

日記やブログを日本語で書く習慣を

EALの授業で学んだ内容を、日本語で要約してみる

「この考えを日本語でどう表現するか?」と自問するクセを

デジタルツールの活用

日本語のニュースアプリをインストール

日本語のポッドキャストやオーディオブックを聴く

オンラインで日本の友人と定期的に交流

 

 

【高校生向け】アカデミックな日本語力の強化
学術的な日本語への対応


大学受験を視野に、評論文や論説文に触れる

日本語で書かれた教科書や参考書を活用(歴史、数学など)

オンライン講座(JMOOCなど)で日本の大学の講義を受講

複言語能力の活用

同じテーマについて、英語と日本語の両方で資料を読む

英語の論文を日本語で要約、またはその逆を行う

バイリンガルとしての強みを自覚した学習法の確立

進路を見据えた準備

日本の大学受験を考える場合は、早めに情報収集

日本語での面接練習や小論文対策

オープンキャンパスのオンライン参加や、帰国子女受験の情報チェック

🎯 日本語維持が大学進学に役立つ理由
日本の大学受験

帰国子女入学試験では、日本語能力が直接の評価対象に

小論文や面接で、複眼的なものの見方が評価される

海外の大学

バイリンガル能力が強みとして評価

日本語を維持していることが、継続性と文化的ルーツの証に

 

 

長期的なキャリア

グローバル人材として、日本語と英語の両方で仕事できる能力は希少価値

文化的な理解を深めることで、真の国際感覚が養われる

💡 家庭でできるサポート術
会話の質を高める

夕食時などに、その日学んだ内容を日本語で説明してもらう

時事問題について家族で議論する機会を作る

日本語環境の整備

家の中には日本語の本や雑誌を常に置いておく

日本の文化行事(お月見、節分など)を家庭で楽しむ

バランスの取れた評価

英語の成績だけでなく、日本語の成長も認めてあげる

「どちらの言語も大切」というメッセージを伝え続ける

 

 

🌟 大切な心構え
日本語の維持は、「過去をつなぐ」だけでなく、「未来を拓く」投資です。英語力を伸ばしながら日本語も大切にする——このバランスが、多様な価値観が共存する現代社会で、強固なアイデンティティを持って生きていく力となります。

「言葉は単なる道具ではなく、考え方そのもの」です。二つの言語を行き来する経験は、お子さんに柔軟で多角的なものの見方を与えてくれるでしょう。

インターナショナルスクールで学ぶお子さんが、英語と日本語の架け橋として、そして両方の文化を理解できる真のグローバル人材として成長されることを願っています。

「一本の樹が二つの根を持てば、より強く育つ」——バイリンガル教育の大切さを、どうか忘れないでください。
 

🌱 EALを「抜けても」見える差:それは弱点ではなく、成長の証

 


📝 「EAL卒業」その先にあるもの

 

インターナショナルスクールではEAL(English as an Additional Language)プログラムのように、英語力が不十分な生徒をあつめた特別クラスがある学校があります。英語強化の為のクラスです。

 

英語力が十分についてくると、このクラスに参加する必要はなくなります。通常は1,2年間それらに参加します。


インターナショナルスクールでEAL(English as an Additional Language)プログラムを終了した子どもたち。一見、英語面でのハンディキャップは克服されたように見えます。しかし、実際には3年後、あるいはそれ以降でも、ネイティブスピーカーの生徒との間に何らかの「差」が残っていることが普通です。

例えば、

学術的な議論で使われる抽象度の高い語彙

英語らしい慣用表現や比喩の自然な使い方

複雑な文脈における微妙なニュアンスの理解


こうした点で、完全にネイティブレベルに達するには、さらに時間が必要なのです。

 

 

しかし、ここで考えてみてください。この「差」は、果たして単なる「遅れ」や「弱点」なのでしょうか?

💡 その「差」は、本当に「遅れ」ですか?


むしろ、それは「2つの言語と文化の間で育った証」であり、貴重な経験の跡ではないでしょうか。

EAL経験者は、言語習得のプロセスを意識的に経験しています。そのため、

言語そのものに対するメタ認知能力が高い

異なる文化背景を持つ人々への共感力に長ける

自分の考えを明確に整理して伝えるスキルが発達している


といった強みを備えていることが多いのです。

 

👇悩みを解決するアドバイスがあります。

 

🎓 大学受験:EAL経験者が輝く場所

大学受験において、このような「差」は決して不利にはなりません。むしろ、ユニークなバックグラウンドとして評価される場面が多くあります。

出願書類で光る経験
 

個人履歴書では、英語習得の過程そのものが、努力と適応力の証明として説得力を持ちます

「言語と文化の架け橋としての経験」 は、多様性を重視する大学にとって貴重な資質です

 

👇インター校入学前にはかならず面接があります。人気校は難関。これを突破するには?👇

 

実際の授業でも遅れない

大学では、EALで培った「学び方のスキル」 が大きな強みになります。

ノートの取り方や資料の読み方など、アカデミックスキルの基礎がしっかりしている

自分のペースで学習を進める自主性と計画性を備えている

🌟 大切な視点:比較を手放し、成長の軌道を見る
 

「いつまで経ってもネイティブのように話せない...」という思いは、一度手放してみましょう。重要なのは、「ネイティブ並み」を目指すことではなく、「自分の考えや専門性を英語でしっかり伝えられる能力」「議論できる力」を身につけることです。

EAL経験者の英語力の成長曲線は、ネイティブとはそもそも違うのです。「完璧な英語」よりも、「世界と対話できる英語」 を目指してほしいと思います。

💪 保護者としての心構え


長期的な視点で子どもの成長を見守る

言語面の「差」よりも、バイリンガルとしての強みに目を向ける

 

👇日本にいるなら、総合型選抜をねらうべきです。

 

学校の先生と連携し、現実的で前向きな目標を共有する

EALでの学びは、単なる「英語習得」を超えた価値があります。それは、異なる環境に飛び込み、自分なりの方法で適応していく力の基礎となるものです。

かつてEALで学んだ子どもたちが、10年後、20年後、多様な人々と協働しながら、世界中で活躍する姿を想像してみてください。そこでは、かつて気にしていた「差」など、むしろ強みとして輝いているはずです。

「完璧な英語」よりも、「世界と対話できる英語」を。EALの経験は、その確かな土台なのです。
 

10月、インターナショナルスクールで踏み出す一歩:英語力不足を力に変える挑戦
 

こんにちは。10月の涼やかな風が心地よい季節となりました。8月末から海外での生活を始めたご家族も、少しずつ新しい環境に慣れようとしている頃でしょうか。特に、英語力が不十分な状態でインターナショナルスクールに入学したお子さんは、この時期に大きな壁を感じることも少なくありません。今回は、そんなお子さんと保護者の方へ、10月という時期の意義と具体的な対策をお伝えします。

📚 10月:初期不安から「学びの本格化」への転換期
 

9月は環境への適応が最優先でしたが、10月に入るとインターナショナルスクールでは授業のペースが本格化します。国際バカロレア(IB)校では各教科において、研究・探究・レポート課題も始まる時期です。英語ネイティブの生徒と同じカリキュラムが進む中で、英語力不足を感じるお子さんは「授業についていけない」「発言できない」という不安を抱えがち。しかし、この時期こそ、適切なサポートを得て成長を加速させるチャンスです。

🛠 英語力不足をカバーする具体的な対策
 

インターナショナルスクールでは、英語が母国語でない生徒を支える仕組みが整っています。以下のようなサポートを積極的に活用しましょう。

 

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EALプログラム:基礎から学べるセーフティネット

EAL(English as an Additional Language)は、英語を第二言語とする生徒向けのサポートプログラムです。ESL, ELLなども同じ。

入学時の英語テストや在籍中の成績によって対象と判定された場合は参加が必須となる場合がありますが、最初に自分から希望して参加することもできます。

個別や少人数グループで、文法や単語の基礎から、授業で必要な読解力・作文力まで、生徒のレベルに合わせて指導してもらえます。有利な点としては、外国語母語の生徒のことを理解している教師が担当についている点でしょう。心理面でもしっかりサポートしてくれます。

日常生活でできる英語環境の作り方

「間違いを恐れない姿勢」 が何よりも大切。学校では、たとえつたなくても自分から話す機会を増やしましょう。

放課後や週末は、現地の図書館で本を読む、子ども向けのテレビ番組を見るなど、楽しみながら英語に触れる習慣を取り入れてみてください。

保護者にできる心のサポート

子どもが「学校に行きたくない」と言い出したら、まずは話を聞き、気持ちに寄り添いましょう。「英語がわからなくてつらい」という本音を引き出すことが第一歩です。

学校のEAL教師や担任と積極的に連絡を取り合い、お子さんの様子や成長を共有することも有効です。

 

 

💡 10月に保護者が知っておきたいポイント

「英語も日本語も中途半端」という不安は成長の証:2つの言語を行き来する時期は、確かに不安定に感じます。しかし、これはバイリンガルへの過程で多くの子どもが経験する段階です。焦らず長い目で見守りましょう。

インターナショナルスクールのデメリットも理解する:インターナショナルスクールは日本の学校教育に該当しない場合があり、義務教育を修了したことになりません。将来的な進路選択も視野に入れ、情報収集を続けましょう。

10月は、最初の戸惑いを経て、新たな一歩を踏み出す時期。英語力不足は決して恥ずかしいことではなく、挑戦するお子さんの強さにつながります。どうか温かい目でその成長を見守ってあげてください。

少しずつ秋が深まるこの季節、お子さんと一緒の小さな成長を、ぜひ大切に過ごされますように。


 

【10年後の後悔】医師になった息子と、私の選択


息子が小さかった頃、私はいつも考えていた。この子の未来のために、最高の教育を、最高の環境を、そして安心できる就職と職業をと。

今は東証一部上場企業の管理職として、年収2000万円になり、定年までおそらくは安心して働ける。妻と一人息子。昇給昇進したのは子どもが高校生になるころ。それまでは会社の業績も悪く、自分の将来に対してもいろいろと不安な毎日だった。妻と一緒になって日々の生活費を切り詰め、息子は私立の進学校へ通わせ、医学部を目標にしろと言い続けてきた。高額な塾への出費や習い事。夏休みには海外語学研修にも行かせた。

「今夜も塾で夜10時までか。俺も残業している。一緒に頑張ろう。」


そう言って送り出した高校時代の息子は、いつも疲れた顔をしていた。朝7時に家を出て、学校が終わるとすぐに塾へ直行。帰宅は深夜になることも珍しくなかった。土日も模試や特別講習で埋め尽くされ、友達と遊ぶ時間などほとんどない。親子の会話は、成績や模試の結果、次の塾の面談の予定確認、学校の行事への対策といった勉強や受験のことだけ。

「お前が医学部に受かったらあとは安心だな」

夕食の席で、私はそう息子に話した。当時、模試の結果から国立大学医学部の合格可能性が70%まで上がったとの報告を塾から受けていた。息子は無表情にうなずくだけだったが、それは控えめな性格のせいだと思い込んでいた。

 

👇海外大学を目指すなら、そのように準備しないといけません。

 

医学部入学後の苦難

息子は見事、地方の国立大学医学部に合格した。大学学費総額の目安は500万円。定年までの年数も考え、住宅ローンも払い終わるし、問題ないと考えた。

 

しかし、そこからが新たな苦難の始まりだった。

 

医学部がある周辺の賃貸の価格は高め、勉強や部活の忙しさから自炊はなく、レストランやコンビニ飯で案外高くつく。今時はセキュリティーも重要なので、あまり安っぽい物件も借りれない。

 

地方都市なので、車もあったほうが良い。中古車を買い与えたが、若い年齢では保険料が数十万円の出費に。駐車場も思ったより安くなかった。


医学部での出費は想像以上に高く、毎年追加費用がかかる。教科書は分厚く高価で、実習用具も揃える必要があった。毎年夏休み期間には海外研修などに参加して、研究にも参加したほうがよさそうだった。それらは卒業後の大学病院への足掛かりをと思った。

 

👇子どもが自分でやりたいことを見つけられると言われます。

 

私は「追加投資だ」と思い、ためらうことなくお金を出した。

予定外だったのは、大学2年生の終わり頃息子から気になる報告が届いた。
「留年しそうだ…」
 

医師になることが夢ではなかった息子は、医学への情熱がわかず、2年から本格的に始まった医学の専門教育への勉強に身が入らないでいた。結局、2年次に留年してしまい、1年多く学費がかかることになった。

 

部活への参加も想定外の出費をうんだ。大会への参加は自費で交通費をだす。参加するたびに5万円単位でかかっていく。

外科医への過酷な道

医学部を卒業後、息子は研修医として大病院へ。そして、なぜか外科を選んだ。


「外科医の方が収入が良いって聞いたから」と息子は言ったが、それは大きな誤解だった。

外科医としての道は想像以上に過酷を極めた。36時間連続勤務が当たり前。休日は月に2~3日しかない。緊急呼び出しでいつでも病院へ駆けつける必要がある。手術中の失敗は命に関わるというプレッシャーを横で見る。

 

そもそも医師になる気などなかった息子はいつも悩み、そしていつも疲れているようだった。

 

👇受験ストレスでチックを発症。普通のことです。

 

あれから10年後の今

 

私は定年を迎え、息子は外科医として中堅病院で働いている。

「今日も12時間の手術が3件連続だった。給料は安いし、休みもほとんどない」


久しぶりに会った息子は、目の下にクマを作り、そう呟いた。33歳になった息子の年収は500万円。物価が大きく上がったこの時代には給与水準としても乏しい。お金を使う時間がないのが唯一の利点だと言った。高校のクラスメイトたちは軒並み800万、1000万と稼ぎ、結婚、子育て、趣味や旅行などと自由な時間も楽しんでいる。

「子供の頃から医者になりたかったわけじゃない。ただ、成績が良くて、学校も塾も親も、みんな医者を勧めるから…高校時代は遊びたい盛りなのに、ひたすら勉強だけ。大学では興味のない医学の勉強に必死についていき、留年までして…」

息子の言葉に、胸が締め付けられた。「もしあの時、お前のやりたいことをさせていたら…」

息子は疲れた笑みを浮かべた。「パパは僕の幸せを願ってくれてたんだよね。わかってるよ。でも、僕は今、毎日が辛い。外科医としてのプレッシャーに押しつぶされそうだ」

外科医としての生活は、単に忙しいだけではない。手術が成功しても、患者の容態が急変することもある。毎日が生死の狭間での戦いだった。

私は息子の未来を守るつもりで、逆に彼の人生の選択肢を狭めていた。安定を求めて、彼の情熱や夢をないがしろにしていた。

医師という職業は確かに尊い。しかし、それ以上に尊いのは、一人の人間が自分自身の人生を歩む権利なのだと、今になって気づいた。

親として、子どもの未来を思うあまり、つい「安定」を優先させてしまう。でも本当に必要なのは、子ども自身が情熱を持てる道を見つける手助けをすることなのかもしれない。

息子は今、医師としての道を歩みながら、自分の人生についてもう一度考え直しているという。33歳になってからでも、遅くはないと私は伝えたい。

そして、子を持つすべての親に伝えたい――子どもの未来を思うなら、まずは子どもの声に耳を傾けてほしい。偏差値や収入ではなく、その子の幸せとは何かを、一緒に考えてほしい。

私たち親子の経験が、誰かの気づきになればと思う。