2019年10月19日
この土日は帰宅しないと決めていたので、午前中尾鷲市で今借りているマンションの部屋の掃除をした後雨の降る中近所のスーパーに買い物に出掛け、午後2時過ぎに晴れてきたので選択をした以外は、本を読んだりテレビを観たりして過ごした。しかし、どれだけ時間があるんだ…。
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午前中、ガブリエル・ガルシア=マルケス「この町に泥棒はいない」(『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語 ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(野谷文昭=編訳、河出書房新社)所収)を読む。主人公の若い男がビリヤード場からボールを盗んだその後を描いているのだが、最後の主人公がビリヤード場の主人にボールを返した後厳しい一言を言われる場面が印象的で、途中で出てくる人々の噂話やボールを盗んだ犯人として黒人の男が逮捕された場面以降が個人的には少し霞んでしまい、読み終えて勿体無い事をした気持ちになった。本来なら、この小説から色々な事柄を学べるはずなのに、表層的な興趣しか感じ取れなかった(または、感じ取らなかった)と言うのは、自分の読解力のなさを露呈している証拠だと断ぜざるを得ないだろう。全く、何をしているんだか…。
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続けて、ガブリエル・ガルシア=マルケス「バルサタルの奇跡の午後」(『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語 ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(野谷文昭=編訳、河出書房新社)所収)を読む。腕のいい大工だが世間知らずの主人公が金持ち(と言って「見掛けほど金持ちではなかった」(130頁)と書かれてはいるのだが…。)からお金をせしめたと言う展開は読んでいて途中までは(主人公の作った鳥籠が欲しいと思いつつ手に入れられない医者の描写等も含めて)凄く面白かったのだが、他人に対して言うべき事は言うと言う姿勢の妻が家で夫の待っている場面の描写を読んだあたりから何だか虚しくなってしまった。しかし、通りで寝込んだ主人公の靴を盗ませる展開にするとは余り思っていなかった。もっとも、これも現実なのだから仕方がないと言われれば当然そうなのだが…。
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午後、ガブリエル・ガルシア=マルケス「巨大な翼をもつひどく年老いた男」(『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語 ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(野谷文昭=編訳、河出書房新社)所収)を読む。天使かもしれない老人が出てきて、見世物にされると言う展開の割りにそれ程の激しさがなく、寓話と言う感じが余りしない展開だったからだろうか、だからだろうか、読んでいて静かに面白さが伝わってきて、ある意味ありがちかもしれない結末を読み終えて晴れやかな気分になった。ただ、老人が何か他人の役に立つとか奇蹟を起こせれば(実際、奇蹟は起きなかった訳ではなかったのだが。)、彼の運命はもっと違っていたのだろうが…。
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続けて、ガブリエル・ガルシア=マルケス「この世で一番美しい水死者」(『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語 ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(野谷文昭=編訳、河出書房新社)所収)を読む。何処かから流れ着いた水死者が村を変えていくと言う内容は今日これまで読んできた三篇の小説とは違い、水死者の名前をエステバンと村人が勝手に決めてしまったり、水死者の葬儀についてスッキリ決まらなかったりするからか、読み終えて明るい気分になった。もしかすると、今日これまで読んできた三篇の小説にはこの明るさが足りなかったから、余計に先の感想に結び付いたのかもしれない。
2019年10月18日
昨日から“今日は大雨だぞ”と言うのはどこからか聞こえてはいたものの、朝の雨の降り様からは想像できないぐらい夕方から雨の降りが激しくなり、エリアメールがそれなりの頻度で来ると言うのは恐らく初めての経験で、その地域にいるはずなのに他人事の様な気がしてならない。川から遠く、海抜がやや高めの土地にいるせいなのだろうとは思うが…。
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ガブリエル・ガルシア=マルケス「火曜日のシエスタ」「ついにその日が」(『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語 ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(野谷文昭=編訳、河出書房新社)所収)を読む。どちらの小説も短く余り時間を掛けずに読み終えたが、個人的には「ついにその日が」の方が面白かった。町長は過去に残忍な事をしたはずなのに知歯(おやしらず)に苦しんでいるのが何だか可笑しくて、読んでいて思わず大声で笑いそうになってしまった。ただ、個人的には最後の一寸苦い感じの終わり方はあっさりしていてどうなんだろうと思った。歯医者が治療費を役場か町長に回すか尋ねる意識がある事自体、問題を孕んでいる様に感じ なくもないけれど…。一方、「火曜日のシエスタ」は淡々と始まり、殺された泥棒の母と娘と言うのは読んでいて面喰らったが、淡々とした内容に目立たない感じになっていて、少し物足りなさを覚えたうえに、途中で盛り上がるかと思ったらそれ程でもないまま淡々と終わってしまった様に感じた。
2019年10月17日
何とも言えない一日。
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ガブリエル・ガルシア=マルケス「大佐に手紙は来ない」(『純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語 ガルシア=マルケス中短篇傑作選』(野谷文昭=編訳、河出書房新社)所収)を読み終える。主人公の軍人恩給を待つ大佐、喘息持ちの妻、闘鶏…、読み終えて何かを待ち続ける事の空しさ、やるせなさをしっかり味わった気がした。最後の「糞食らえだ」(75頁)、強いなあ…。