F9の雑記帳 -159ページ目

2019年12月30日

 午後、川上弘美「いいラクダを得る」(『ぼくの死体をよろしくたのむ』(小学館)所収)を読む。序盤に出てくる「時代に逆行することをなんでも試してみるサークル」(183頁)って何だかなあと感じたものの、(小説に出てくるからでもあるが)友達や結婚について小説の内容に納得したり反発したりして読み進め、未来に向かっているはずなのに寂しさを覚える最後の場面を読んで「ああ、僕にもこんな事はあったなあ」と思った。その時でなければ会えない人々、掛け替えのない時間…。題名の意味ははっきり分からなかったけれど、恐らくは“いい友人を得られる”ぐらいの事なんだろうな、きっと。

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 続いて、川上弘美「土曜日には映画を見に」(『ぼくの死体をよろしくたのむ』(小学館)所収)を読む。この小説に出てくる主人公と小西さんの様な出会い方や時間の過ごし方の内容や描写はいかにも小説的だなと感じたが、結婚を決める切っ掛けは「なぜだか『いいな』と思った」(210頁)と言う様な事かもしれないなと読み終えて思った。

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 続いて、川上弘美「スミレ」(『ぼくの死体をよろしくたのむ』(小学館)所収)を読む。設定がかなり近未来的で読んでいて不思議な感じがしたが、精神年齢と実年齢が追い付くと現在ですらすぐに思い出になるのかもしれないなと思った。ただ、僕は「精神年齢にともなう外見で生活したい」(218頁)とは思わないが…。

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 続いて、川上弘美「無人島から」(『ぼくの死体をよろしくたのむ』(小学館)所収)を読む。家族が解散するのは凄く悲しい気がするが、この小説に出てくる主人公の父母および弟の心理および描写がドライなせいか、読んでいて何だかホッとした。母親は名前で呼べと言うぐらいだし、父親は恋人を作ったり新たに事業を始めたり手を引いたりしているし…。それだからだろうか、終盤の主人公が母親に主人公が好きがどうか訪ねる場面では、思わず主人公と一緒に崩れ落ちそうになってしまった。ああ、なかなかだなあ…。


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 続いて、川上弘美「廊下」(『ぼくの死体をよろしくたのむ』(小学館)所収)を読む。読み終えて少し悲しくなった。もっとも、死者に会うのが主人公の住んでいる場所から余り遠くない場所で、その事実がすぐには分からないと言う展開だったから、余計に悲しく思ったのかもしれないが。死者を死者として認識する事の辛さ、か…。

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 午前中(自宅ではなく)母屋の掃除を手伝い、夜消防団の夜間特別警戒に出席した以外は、本を読んだり録画したテレビ番組を観たりして過ごした。ほぼ昨日と同じ様な行動様式となってしまったが、夜間特別警戒の終了間際に元分団長の発言に思わず痺れてしまった。与えられた役割に対してなめた態度を取っていたら、何らかの罰があるかもしれないのに、何をやっているのか。地位は人を作ると言う事もあるのに、勿体無いよなあ…。

2019年12月29日

 午後、川上弘美「憎い二人」(『ぼくの死体をよろしくたのむ』(小学館)所収)を読む。宿屋で友達(である二人)と過ごした主人公が、ある男の二人連れと話をした後友達について考えると言う展開がとても自然な気がした。そして、最後の場面は少し可笑しくて心が暖かくなった様に感じた。ただ、温泉地の「地獄、とかいう場所」(158頁)云々と言うのが個人的に余り印象に残らなかったのは残念に思わないでもないのだが…。

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 続いて、川上弘美「ぼくの死体をよろしくたのむ」(『ぼくの死体をよろしくたのむ』(小学館)所収)を読む。父の遺言に従い主人公(女性)が会っているミステリー作家が、主人公に対して変化球気味の行動を取るので、読んでいて(個人的に)少し腹が立つ箇所もあったが、全体としては面白く、同時に主人公の父親とミステリー作家との関係の様な、余り会話をしなくても分かりあえる関係が僕にもあれば良いなと思った。

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 午前中自宅の掃除をして、夜消防団の夜間特別警戒に出席した以外は、本を読んだり録画したテレビ番組を観たりして過ごした。

2019年12月28日

 午後、古井由吉『半自叙伝』(河出文庫)を読み終える。「Ⅰ 半自叙伝」、「Ⅱ 創作ノート」ともに興味深く読み、作家について新たな知識を得たので、古井由吉の小説に対して以前幾つかの作品を読んだ時とは違った読み方が出来るかもしれないと感じた。ただ、個人的には「Ⅰ 半自叙伝」よりも「Ⅱ 創作ノート」の方が(個人的には)より興味深い部分が多かった気がする。扱う時間が長いからか、若干濃度の濃淡があるのではないか。と言っても、本当にごく僅かなものだとは思うが…。でも、楽しい読書の時間だったな。僕ももっと深く考えないと…。

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 朝尾鷲市で今借りているマンションを出て午前9時過ぎに帰宅し、墓参りに行った後昼食を摂り名古屋市に向かい、午後(2時に予約していた)久屋大通駅近くのオグラヘアーサロンで散髪してもらってから栄周辺を彷徨き午後5時過ぎに帰宅した以外は、本を読んだり録画したテレビ番組を観たりして過ごした。